| 【発明の名称】 |
卵殻カルシウム組成物及びその製造方法並びに該卵殻カルシウム組成物を含有する食品 |
| 【発明者】 |
【氏名】勝呂 直子
【氏名】外薗 ひろみ
【氏名】久能 昌朗
【氏名】村古 奈緒
【氏名】有泉 雅弘
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| 【要約】 |
【課題】卵殻特有の苦みやえぐみが低減され、さらにまろやかさを有する卵殻カルシウム組成物及びその製造方法、並びに該卵殻カルシウム組成物を含有しているにもかかわらず、本来有する風味が損なわれていない食品を提供することである。
【解決手段】100g中のカルシウム含量が0.001g以上の溶液とした場合に、全アミノ酸成分として、バリン、ヒスチジン3.0ppm以下、メチオニン0.3ppm以下、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、アルギニン3.5ppm以上、チロシン2.0ppm以上、グリシン、アラニン1.0ppm以上を含有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 100g中のカルシウム含量が0.001g以上の溶液とした場合に、全アミノ酸成分として、バリン、ヒスチジン3.0ppm以下、メチオニン0.3ppm以下、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、アルギニン3.5ppm以上、チロシン2.0ppm以上、グリシン、アラニン1.0ppm以上を含有する卵殻カルシウム組成物。 【請求項2】 全アミノ酸の一部又は全部が卵殻由来である請求項1記載の卵殻カルシウム組成物。 【請求項3】 全アミノ酸成分に対する遊離アミノ酸成分の割合が10%以下である請求項1又は2記載の卵殻カルシウム組成物。 【請求項4】 卵殻と有機酸及び蛋白質分解酵素を混合する卵殻カルシウム組成物の製造方法。 【請求項5】 請求項1乃至3記載の卵殻カルシウム組成物を含有する食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、卵殻カルシウム組成物及びその製造方法並びに該卵殻カルシウム組成物を含有する食品に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、卵殻は、天然のカルシウム源として用いられており、粉末、顆粒あるいは液状に加工して、そのまま食したり各種食品に添加されている。液状とする際には卵殻を有機酸に溶解するのが一般的であり、そのような卵殻の有機酸溶液を乾燥し粉末状や顆粒状にすることもできる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、卵殻をいったん有機酸に溶解すると、卵殻特有の苦みやえぐみが生じ易く、液状でも粉末状でもそのままでは食し難い傾向があった。また、カルシウム強化のために飲料や菓子など各種食品に添加する際には、卵殻以外の成分によりその苦みやえぐみをマスキングする必要があり、食品の風味が限定されていた。また、食品中の配合量も制限されていた。特に、酸性の食品や液状の食品においては、苦みやえぐみが生じ易く、卵殻カルシウムを含有した酸性の食品や液状の食品を提供することは非常に難しかった。そこで、特開平9−220071号公報に開示されているように苦みやえぐみが低減された卵殻カルシウム組成物も提案されているが、より味のまろやかさを求めた場合には満足できるものではなかった。 【0004】一方、従来よりカルシウム強化に用いられている食品添加物、例えば乳酸カルシウム、塩化カルシウムにおいても、そのカルシウム特有の風味が強く、そのままでは食し難く、また、各種食品に添加する際にも、食品が本来有する風味を損なうことがあり、食品への添加量が制限されていた。 【0005】よって、本発明の目的は卵殻特有の苦みやえぐみが低減され、さらにまろやかさを有する卵殻カルシウム組成物及びその製造方法、並びに該卵殻カルシウム組成物を含有しているにもかかわらず、本来有する風味が損なわれていない食品を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決するために種々検討した結果本発明に到達した。すなわち、本発明は、(1)100g中のカルシウム含量が0.001g以上の溶液とした場合に、全アミノ酸成分として、バリン、ヒスチジン3.0ppm以下、メチオニン0.3ppm以下、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、アルギニン3.5ppm以上、チロシン2.0ppm以上、グリシン、アラニン1.0ppm以上を含有する卵殻カルシウム組成物、(2)全アミノ酸の一部又は全部が卵殻由来である(1)記載の卵殻カルシウム組成物、(3)全アミノ酸成分に対する遊離アミノ酸成分の割合が10%以下である(1)又は(2)記載の卵殻カルシウム組成物。(4)卵殻と有機酸及び蛋白質分解酵素を混合する卵殻カルシウム組成物の製造方法、(5)(1)乃至(3)記載の卵殻カルシウム組成物を含有する食品、である。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。尚、本発明において「%」はすべて「重量%」を、「部」はすべて「重量部」を意味する。 【0008】まず、本発明において卵殻カルシウム組成物とは、鳥類一般の卵殻を有機酸溶液に溶解して液状としたもの、あるいは、その溶解液を乾燥して粉末状や顆粒状に加工したものである。 【0009】本発明の卵殻カルシウム組成物は、蛋白質及び蛋白質分解物を含有する。これは、カルシウム特有のえぐみや苦みが、蛋白質や蛋白質分解物によってマスキングされ、まろやかな味になるからである。また、蛋白質及び蛋白質分解物の一部又は全部は卵殻由来が好ましい。これは、卵殻カルシウムがカルシウム源として優れている要因の一つとして、卵殻中に含まれる蛋白質成分が関与していると考えられているからである。 【0010】また、全アミノ酸とは、アミノ酸、ペプチド等蛋白質分解物、蛋白質等の形で含まれている各アミノ酸の全量で、卵殻中にはアスパラギン酸、トレオニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニン、バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、リジン、アルギニンが存在する。これらのうち、本発明の卵殻カルシウム組成物においては、100g中のカルシウム含量が0.001g以上の溶液とした場合に、全アミノ酸成分として、バリン、ヒスチジン3.0ppm以下、メチオニン0.3ppm以下を含有する。これらのアミノ酸は苦みやえぐみに関与しているため、少なければ少ないほど好ましく、0ppmならばいうことはない。 【0011】また、本発明の卵殻カルシウム組成物においては、100g中のカルシウム含量が0.001g以上の溶液とした場合に、全アミノ酸成分として、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、アルギニン3.5ppm以上、チロシン2.0ppm以上、グリシン、アラニン1.0ppm以上を含有する。これらのアミノ酸は味のまろやかさに関与しているが、あまり多すぎても他の食品中の糖質などの成分と反応し、褐変や沈殿を生じ、品位に影響が出る場合もあるため、40ppm以下が好ましい。 【0012】本発明においては、全アミノ酸成分の含有量を、100g中にカルシウムを0.001g以上含有する場合に限定している。これは、卵殻カルシウムを有機酸溶液に溶解して液状とした場合、あるいはその溶解液を乾燥して粉末状や顆粒状としたものは水などに再溶解して液状とした場合に、100g中のカルシウム含量が0.001g未満であるとカルシウム強化の目的を満たすためには大量に摂取しなければならないからである。また、本発明品を液状品とし、100g中のカルシウム含量が10gを越えるようにする場合、いずれの有機酸溶液に卵殻粉末を溶解しても水溶液中でのカルシウム結晶の析出を抑えられないため、使用する際によく振る、必要に応じて加熱溶解する、あるいは、予めガム質などにより析出物を分散させる等の処置をするとよい。 【0013】また、本発明において全アミノ酸の一部又は全部が卵殻由来である。これは、卵殻カルシウムを有機酸に溶解した時に卵殻から溶液中に溶け出す蛋白質や蛋白質分解物を含むからである。 【0014】また、本発明において、全アミノ酸成分に対する遊離アミノ酸成分の割合が10%以下である。全アミノ酸とは、前述のとおりであり、遊離アミノ酸とは、他のアミノ酸と結合してペプチドなどを形成していないものである。卵殻粉末を有機酸に溶解すると、卵殻中の蛋白質やペプチドの中からロイシン、フェニルアラニン、アルギニン、チロシン、ヒスチジン、リジンが遊離する。本発明の卵殻カルシウム組成物においては、全アミノ酸成分に対する遊離アミノ酸成分の割合が10%以下である。これは、割合が10%を越えるとアミノ酸の苦みやえぐみが生じやすいからである。 【0015】尚、本発明の効果を損なわないかぎり、他の任意の原料、成分を含有していてもさしつかえない。例えば、糖類、食塩、香料などのほか、炭酸カルシウムなどを添加して、よりカルシウム含量を高めてもよい。 【0016】次に、本発明の卵殻カルシウム組成物の製造方法について述べる。まず、卵殻粉末を用意する。通常市販されているもので差し支えないが、自ら製造する場合には次のようにするとよい。鳥卵を割卵して卵白と卵黄を除去し、そのまま、あるいは粗粉砕してから清水でよく洗浄し、付着した卵白や卵殻膜を除去する。次いで、常法に従って乾燥粉砕する。例えば、通気乾燥、回転乾燥、並行乾燥、流動層乾燥、真空乾燥、凍結乾燥などにより乾燥した後、粗粉砕機で粗砕きしてから微粉砕機にかけるとよい。微粉砕機にかける回数や設定により卵殻粉末の粒子径を調整することができ、粒子径が小さいほど、有機酸との反応効率がよくなる。 【0017】一方、有機酸を用意する。市販の有機酸の結晶、粉末、あるいは高濃度の有機酸溶液に清水を加え、希望の濃度にしても良いし、市販されている適当な濃度の有機酸液をそのまま用いてもよい。有機酸の種類は特に限定しないが、食用に適し卵殻と反応して有機酸カルシウムとなるものが良い。例えば、乳酸、L型醗酵乳酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸などがあげられ、風味や卵殻の溶解性の点で乳酸やL型醗酵乳酸が好ましい。卵殻に対する添加量は、使用する有機酸の種類や濃度によって異なるので適宜決定すれば良いが、例えば、卵殻粉末100部に対し、10%L型発酵乳酸水溶液であれば500〜80000部、5%酢酸水溶液であれば、100〜80000部が好ましい。 【0018】また、卵殻の蛋白質及び蛋白質分解物を可溶化するため蛋白分解酵素を作用させてもよい。蛋白質分解酵素としては、例えば、ペプシン、トリプシン、プロナーゼ等各種プロテアーゼなどがあげられ、市販の結晶、粉末を用いてもよいし、液状のものを用いてもよい。 【0019】このような有機酸溶液、蛋白質分解酵素と卵殻粉末を混合する。卵殻粉末が有機酸に溶解すると二酸化炭素が発生して発泡するため脱気装置付の装置を用いるとよい。数10分〜数日間適宜攪拌するか、あるいは、そのまま放置してなるべく発泡を抑えながら穏やかに反応を進め、完全に溶解させる。この際、溶解を早めるために、50〜80℃程度に加熱したり、発泡を抑えるために消泡剤を投入してもよい。溶解液中に卵殻に含まれている不溶成分等がオリとなって浮遊するので、常法に従って除去する。例えば、ろ布、シフター、ろ紙などによるろ過のほか、真空ろ過、加圧ろ過、珪藻土ろ過、フィルターろ過、遠心ろ過などがあげられ、製造時の設備、効率等により適宜選択すればよい。 【0020】次いで、卵殻特有の苦みやえぐみに関与する遊離アミノ酸、ペプチド、蛋白質を各種活性炭、イオン交換樹脂あるいは脱苦み酵素等で除去する。例えば活性炭の場合、卵殻粉末100部に対し1〜100部程度を反応が終了した溶液に投入する。数10分〜数時間作用させた後、アミノ酸、ペプチド、蛋白質を吸着した担体を常法により除去する。除去の方法は、上記した溶解液中の不溶成分の除去と同様にすればよい。尚、不溶成分の除去を行う前に、アミノ酸、ペプチド、蛋白質の除去処理を行い、その後不溶成分とともに担体を除去してもよい。 【0021】尚、カルシウム含量が使用した有機酸による各有機酸カルシウムの水への溶解度を越えるような卵殻カルシウム組成物や、さらに100g中のカルシウム含量が10.0gを超えるような卵殻カルシウム組成物では、いずれの有機酸溶液に卵殻粉末を溶解しても水溶液中でのカルシウム結晶の析出が抑えられないため、本発明の食品に添加する際にはよく振る、あるいは、卵殻カルシウム組成物中にガム質などを添加しておきカルシウム結晶の析出物を分散させておくとよい。 【0022】さらに、本発明を満たすため、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、アルギニン3.5ppm以上、チロシン2.0ppm以上、グリシン、アラニン1.0ppm以上となるよう、各種アミノ酸、ペプチド、蛋白質を添加してもよい。 【0023】卵殻カルシウム組成物を粉末状とする場合には、上述のようにして得られた液状の卵殻カルシウム組成物を噴霧乾燥、凍結乾燥などにより乾燥すればよい。このようにして得られた卵殻カルシウム組成物は、適当な容器に充填し、冷凍処理、殺菌処理などを施して保存性を付与してもよい。さらに、適宜希釈してそのまま食してもよいし、飲料、ゼリー、飴、シャーベット、ヨーグルト、ジャム、菓子、マヨネーズ、ドレッシング、味噌、醤油、漬物等各種調理食品に添加してもよい。 【0024】 【実施例】実施例1卵白と卵黄を除去した鶏卵の卵殻200kgを水でよく洗浄し、卵白や卵殻膜を除去した。この卵殻を通気熱風乾燥機(不二パウダル(株)製、400A)を用い90℃で1時間乾燥後、粗粉砕機((株)パウレックス製、パラプレックスFD−5A、スクリーン4m/mφ)で粉砕し、さらに微粉砕機((株)パウレックス製、コロプレックス160Z、回転数18000r.p.m )で粉砕し、卵殻粉末(平均粒径18μm)とした。清水59kg、発酵乳酸(乳酸含量50%)30kg、トリプシン粉末1kgをミキサーに投入し、混合した後、上述のようにして得られた卵殻粉末10kgを投入し、さらに3時間攪拌、混合して、卵殻カルシウム溶液とした。次いで、活性炭(武田薬品工業(株)製、「粒状白鷺KL」)1kgを投入し、攪拌混合した後30分間保持した。さらに、珪藻土1kgを投入し、攪拌混合した後、珪藻土ろ過装置にてろ過し、本発明の液状の卵殻カルシウム組成物とした。(組成を表1に示す。) 【0025】このようにして得られた本発明の卵殻カルシウム組成物は、卵殻特有の苦みやえぐみが低減されていて、10倍に希釈するとそのままでも食することができる。また、まろやかさも有しており、各種食品の風味を損なうことなく、カルシウム強化できる。 【0026】 【表1】
【0027】実施例2醸造酢(酢酸含量10%)89kg、トリプシン粉末0.5kg、ペプシン粉末0.5kg、卵殻粉末(実施例1と同様にして得られたもの)10kgをミキサーに投入し、攪拌混合したほかは、実施例1と同様にして卵殻カルシウム組成物を製造した。次いで、卵殻カルシウム組成物3kgと食酢40kg、サラダ油52kg、食塩4.5kg、こしょう0.4kg、砂糖0.1kgをミキサーに投入し攪拌混合してドレッシングを製造した。このようにして得られた本発明のドレッシングは、本来の風味を有しており、卵殻の苦みやえぐみは感じられなかった。 【0028】実施例3リンゴ果汁(1/7濃縮果汁)3kg、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖15kg、清水79kg、卵殻カルシウム組成物(実施例1と同様にして得られたもの)3kgをミキサーに投入し、攪拌混合して飲料を製造した。このようにして得られた本発明の飲料は、本来の風味を有しており、卵殻の苦みやえぐみは感じられなかった。 【0029】 【試験例】試験例1試験方法実施例1で得られた卵殻カルシウム組成物(本発明品)、実施例1において蛋白質分解酵素を混合しなかった卵殻カルシウム溶液(比較品1)、実施例1において活性炭処理を行わなかった卵殻カルシウム溶液(比較品2)を用意した。それぞれ、全アミノ酸成分のうち、バリン、ヒスチジン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、アルギニン、チロシン、グリシン、アラニンを測定したところ、表2に示すようになった。それぞれ、10倍に希釈し、苦み、えぐみとまろやかさを調べた。 【0030】試験結果表2に示すとおりである。すなわち、表より、本発明の卵殻カルシウム組成物は、苦みやえぐみが低減され、まろやかさも有し、適宜希釈することで、そのままでも食することができる。また、比較品をみると明らかなように、本発明のような全アミノ酸組成中、バリン、ヒスチジン、メチオニンが所定量以下でも、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、アルギニン、チロシン、グリシン、アラニンを所定量以上含有していないと、苦みやえぐみが低減されているもののまろやかさに欠け(比較品1)、バリン、ヒスチジン、メチオニンが所定量以上であると、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、アルギニン、チロシン、グリシン、アラニンを所定量以上含有していても、苦みやえぐみが強く、まろやかさは感じられない(比較品2)ことが理解できる。さらに、表1より本発明の卵殻カルシウム組成物はカルシウムなど各種微量成分を含有しており、カルシウム強化の目的を達するものである。 【0031】 【表2】
【0032】試験例2実施例1において、蛋白質分解酵素の種類と量を変え表3に示すような遊離アミノ酸量の卵殻カルシウム組成物を用意した。それぞれ、全アミノ酸に対する遊離アミノ酸の配合と苦み、えぐみ、まろやかさを調べた。 【0033】試験結果表3に示すとおりである。すなわち、表より、全アミノ酸に対する遊離アミノ酸の割合が10%以下であると、苦みやえぐみが少なく、まろやかであることが理解できる。 【0034】 【表3】
【0035】試験例3実施例3で得られた卵殻カルシウム組成物を含有する飲料(本発明品)、実施例3において、当該カルシウム組成物を試験例1で用いた比較品1、比較品2に置き換えて製造した飲料(比較品1、比較品2)、さらに乳酸カルシウム(太平化学産業(株))0.8kgと清水2.2kgに置き換えて製造した飲料(比較品3)を用意した。それぞれ、風味を調べた。 【0036】試験結果表4に示すとおりである。すなわち、表より、本発明品は食品本来の風味が損なわれることがなく、カルシウムのえぐみも低減されている。さらに、食品の旨味成分といわれている各種アミノ酸を含み、これがカルシウム特有の風味をマスキングすると共に、食品に旨味を与えていることが理解できる。また、比較品をみると明らかなように、本発明のような全アミノ酸組成中、バリン、ヒスチジン、メチオニンが所定量以下でも、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、アルギニン、チロシン、グリシン、アラニンを所定量以上含有していないと、苦みやえぐみが低減されているもののまろやかさに欠け(比較品1)、バリン、ヒスチジン、メチオニンが所定量以上であると、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、アルギニン、チロシン、グリシン、アラニンを所定量以上含有していても、苦みやえぐみが強く風味が良好でない(比較品2)ことが理解できる。さらに、他のカルシウム(比較品3)と比較して、食品の旨味を増すことが理解できる。 【0037】 【表4】
【0038】試験例4実施例2で得られた卵殻カルシウム組成物(本発明品)、実施例2において蛋白質分解酵素を混合しなかった卵殻カルシウム溶液(比較品1)、実施例2において活性炭処理を行わなかった卵殻カルシウム溶液(比較品2)を用意した。これらを用いて、実施例2と同様にしてドレッシングを製造した。それぞれ風味を調べた。 【0039】試験結果表5に示すとおりである。すなわち、表より、本発明品は、食品本来の風味が損なわれることがなく、カルシウムの風味も低減されている。さらに、他のカルシウムと比較して、食品の旨味を増すことができる。また、比較品をみると明らかなように、蛋白質分解酵素等を用いないと苦みやえぐみが低減されているもののまろやかさに欠け(比較品1)、活性炭処理を行わないと苦みやえぐみが強く風味が良好でない(比較品2)ことが理解できる。 【0040】 【表5】
【0041】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の卵殻カルシウム組成物は、卵殻特有の苦みやえぐみが低減され、かつ、まろやかさも有しているため、適宜希釈すればそのまま食することができる。さらに、本発明の製造方法によれば、そのような卵殻カルシウム組成物を容易に製造することができる。さらに、本発明の卵殻カルシウム組成物を含有した食品は、カルシウムが強化されているとともに、食品が本来有している風味が損なわれておらず、飲料、ゼリー、シャーベット、ヨーグルト、ジャム、マヨネーズ、ドレッシング、味噌、醤油、漬物など各種食品の風味が限定されることなく、所望の風味にすることができるとともに、添加量も幅広く設定でき、より簡便にカルシウム強化をすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001421 【氏名又は名称】キユーピー株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月25日(1998.9.25) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−93123(P2000−93123A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月4日(2000.4.4) |
| 【出願番号】 |
特願平10−270736 |
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