トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 ゴマ含有液状調味料
【発明者】 【氏名】川副 剛之

【氏名】針替 千恵子

【氏名】長堀 隆

【要約】 【課題】黒ゴマ特有の色調が鮮明なゴマ含有液状調味料を得る。

【解決手段】黒ゴマの粉砕物を含有し、液状調味料全体のpHを4.0〜5.5とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】黒ゴマの粉砕物を含有し、液状調味料全体のpHが4.0〜5.5であることを特徴とするゴマ含有液状調味料。
【請求項2】黒ゴマの粉砕物が黒ゴマ粉砕物全体の70重量%以上が粒径0.2mm〜1.0mmである請求項1記載のゴマ含有液状調味料。
【請求項3】液状調味料全体のpHが4.3〜5.3である請求項1記載のゴマ含有液状調味料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、黒ゴマの粉砕物を含有し、黒ゴマ特有の色調が鮮明である、ゴマ含有液状調味料に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴマを含有する液状調味料は、ゴマ独特の風味が好まれ、和風液状調味料の代表的なものとなっている。そして、これに用いられるゴマは、白ゴマ、茶ゴマ、黒ゴマなどがあるが、黒ゴマがゴマの風味が豊かであり、昔から栄養価が高いゴマであるといわれていることから、この黒ゴマを含有する液状調味料が求められている。しかしながら、黒ゴマのペ−スト状のものを用いた従来の黒ゴマ含有液状調味料は、黒ゴマの色調が灰色様の色調を呈し、食品として見栄えが悪い欠点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、黒ゴマ特有の色調が鮮明なゴマ含有液状調味料を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、黒ゴマの粉砕物を含有し、液状調味料全体のpHを4.0〜5.5に調製して得られるゴマ含有液状調味料は、黒ゴマ特有の色調が鮮明であることを知り、この知見に基づいて本発明を完成した。すなわち本発明は、黒ゴマの粉砕物を含有し、液状調味料全体のpHが4.0〜5.5であることを特徴とするゴマ含有液状調味料である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の黒ゴマの粉砕物は、いずれの状態の粉砕物でもよく、黒ゴマを磨って得られるすりゴマも用いられるが、ゴマの含有する油分が出て流動性を有する状態となるまで磨ったものは、この油分により黒ゴマの色調が灰色様となるため好ましくない。好ましくは、黒ゴマ粉砕物全体の70重量%以上が粒径0.2mm〜1.0mmである粉砕物であり、これを用いた場合には、特に黒ゴマ特有の色調が鮮明であり、かつ黒ゴマの風味が良好であり、しかも黒ゴマ特有の食感や具材感を有するゴマ含有液状調味料が得られる。
【0006】本発明の黒ゴマの粉砕物を得る方法は、植物の種子などを粉砕できるものであればいずれでもよく、例えばハンマミル、ロ−ルミル、ロッドミルなどで粉砕して、所望の粒径に調製することが好適な方法として挙げられる。この黒ゴマ粉砕物が液状調味料全体に対して1〜30重量%用いられる。
【0007】本発明のゴマ含有液状調味料の液状調味料は、通常の液状調味料に用いられる原材料を含むものであり、例えば濃口醤油、淡口醤油、溜醤油、再仕込み醤油、白醤油などの醤油類、味噌、食塩など、また砂糖、乳糖、麦芽糖、ぶどう糖、果糖、水飴、デキストリン、異性化糖、澱粉など及びソルビト−ル、マルチト−ルなどの糖アルコ−ルなどの甘味糖類、また、みりんや酒精含有甘味調味料などの甘味調味料、また例えばサッカリン、グリチルリチン、ステビオサイド、アスパルテ−ムなどの甘味料などが挙げられ一種又は二種以上が用いられる。
【0008】更に、これらに加えて食酢、また、ゆず、すだち、レモン、オレンジなどの果汁類、またクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、酢酸、アジピン酸などの酸味料、清酒、ワインなどのアルコ−ル類、また、大豆油、ごま油、なたね油、コ−ン油、ピ−ナッツ油などの食用油、などが挙げられ一種又は二種以上が用いられる。
【0009】また必要に応じて、例えば鰹節、鯖節などの魚節、コンブ、しいたけなどのだし汁、魚介類エキス、酵母エキス、ビ−フエキス、野菜エキスなどの各種エキス類、蛋白加水分解物、蛋白酵素分解物及びグルタミン酸ナトリウムなどのアミノ酸系調味料、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムなどの核酸系調味料、コハク酸ナトリウムなどの旨味調味料が挙げられ一種又は二種以上が用いられる。
【0010】また必要に応じて香辛料、例えばガ−リック、オニオン、オレガノ、タイム、セ−ジ、ジンジャ−、レッドペパ−、ペパ−、オ−ルスパイス、クロ−ブ、ナツメグ、カルダモンなどが挙げられ一種又は二種以上が用いられる。
【0011】また必要に応じてアミノ酸液、魚醤、発酵調味料、香辛野菜、乳化剤、香料、着色料などが挙げられ一種又は二種以上が用いられる。
【0012】本発明は、黒ゴマの粉砕物を液状調味料全体に均一に安定的に分散させることが好ましく、このために増粘多糖類が好適に用いられる。この増粘多糖類は、例えばカラ−ギ−ナン、キサンタンガム、トラガントガム、タマリンドシ−ドガム、グアガム、カラヤガム、ロ−カストビ−ンガムなどのガム類が挙げられ一種又は二種以上が用いられ、好適にはカラギ−ナンが用いられる。また必要に応じて澱粉類、卵黄などが、これらの増粘多糖類に併せて用いられる。
【0013】上記原材料を上記配合量に従い調製して得られるゴマ含有液状調味料全体のpHを、本発明では4.0〜5.5、好ましくは4.3〜5.3に調整する。この液状調味料のpHが4.0未満であると、この液状調味料の色調が灰色様となり食品として見栄えが悪くなる。反対にpHが5.5を越えるとゴマの風味がボケた液状調味料となる。それに対して、上記範囲のpHである本発明のゴマ含有液状調味料は、黒ゴマ特有の色調が鮮明なものであり、ゴマの風味も豊かである。
【0014】このpHの調整は、上記原材料のpHが低い原材料、例えば食酢、果汁などや比較的pHが高い原材料、例えば蛋白酵素分解物などの配合量を調整することにより得られる。また、pHを低下させるものである酸味料やpHを上昇させるものであるクエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなども用いられる。
【0015】本発明のゴマ含有液状調味料の調製は、通常の液状調味料の調製方法に準じておこなえばよく、固形成分(黒ゴマ粉砕物を含む)を液体成分(必要により水を加える)に混合溶解(必要により加熱する)し、水性調味液を調製し、これを必要に応じて加熱殺菌、例えば80℃、10分、をおこなう。
【0016】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を説明する。
【0017】(実施例1)濃口醤油150ml、みりん130ml、砂糖100g、食酢50ml、カラギ−ナン3g、黒ゴマ粉砕物(黒ゴマの粉砕物全体の74重量%が粒径0.2mm〜1.0mm)150g、ゴマ油40gを撹拌混合し、水を加えて1000mlの液状調味料を調製した。この調味料全体のpHは4.6であった。これを、クエン酸を用いてpHを4.3に調製した後、80℃で10分間加熱殺菌をおこない本発明1のゴマ含有液状調味料を得た。なお、黒ゴマ粉砕物の粒度の測定はロ−タップ振盪器(筒井理化学器械製)を用いて測定した。
【0018】(実施例2)実施例1と同様にして得たpH4.6の液状調味料をクエン酸ナトリウムを用いてpHを5.3に調整し、80℃で10分間加熱殺菌をおこない本発明2のゴマ含有液状調味料を得た。
【0019】(比較例1)実施例1と同様にして得たpH4.6の液状調味料をクエン酸を用いてpHを3.8に調整し、80℃で10分間加熱殺菌をおこない比較例1のゴマ含有液状調味料を得た。
【0020】(比較例2)実施例1と同様にして得たpH4.6の液状調味料をクエン酸ナトリウムを用いてpHを5.8に調整し、80℃で10分間加熱殺菌をおこない比較例2のゴマ含有液状調味料を得た。
【0021】次に、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2で得た、それぞれのゴマ含有液状調味料を白色の小皿に注いで、それらの黒ゴマ特有の色調の鮮明さの程度について、また、口に含んでみて、各々のゴマの風味について、識別能力を有する10名のパネルにより官能検査をおこなった。
【0022】この結果、比較例1の調味料は、黒ゴマの色調が黒くなく、灰色に近い色調を呈していた。また比較例2は、黒ゴマ特有の色調を有するが、ゴマの風味がボケたものであった。それに対して、本発明1、本発明2のゴマ含有液状調味料は、黒ゴマ特有の色調が鮮明であり、黒ゴマが液状調味料全体に分散し、ゴマの風味も豊かなものであり、ゴマの食感と具材感を有するものであった。
【0023】
【発明の効果】本発明の調味料は、黒ゴマ特有の色調が鮮明で、ゴマの風味の豊かなものであるから、これを用いて、食肉や野菜を調理したり、これに食肉や野菜をつけたり、また、これを食品にふりかけたりすることにより、黒ゴマの色調が鮮明で、ゴマの風味が豊かな食品が賞味できる。
【出願人】 【識別番号】000004477
【氏名又は名称】キッコーマン株式会社
【出願日】 平成10年9月25日(1998.9.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−93115(P2000−93115A)
【公開日】 平成12年4月4日(2000.4.4)
【出願番号】 特願平10−271544