| 【発明の名称】 |
麺類の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊吹 昌久
【氏名】中村 一郎
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】融点45〜75℃の粉末状の油脂を穀類粉または及び澱粉に対して0.2〜10重量%配合することを特徴とする麺類の製造方法。 【請求項2】粉末状の油脂の融点が50〜65℃である請求項1記載の麺類の製造方法。 【請求項3】麺類がノンフライ麺である請求項1〜2記載の麺類の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、麺類の製造方法に関し、詳しくは粉末状の高融点油脂を配合することにより、特にノンフライ麺において湯戻り性やスープや調味液とのなじみ性等の麺質を向上させる麺類の製造方法に関する。 【0002】 【従来技術】一般に乾燥即席麺は、その製法によりフライ麺とノンフライ麺に大きく分類され、食する形態としてはどちらもお湯を注いで食するカップタイプのものと、なべ等の調理器具を用いて煮るなどして食する袋麺タイプのものがあるが、いずれもこれら乾燥麺は短時間の熱処理によって美味しく食する状態にまでなるという麺質が求められる。 【0003】乾燥即席麺に求められる麺質は、主として、熱湯による湯戻しと呼ばれる操作における即席麺への湯の浸透の程度、すなわち「復元性」、スープやソース等の調味液との「なじみ性」から評価できる。 【0004】復元性やなじみ性を向上させるための1つの方法は、麺を多孔質化させることである。フライ麺はフライ処理による乾燥で、麺生地から一気に水分が揮散するため十分な多孔質化が可能となり、復元性やなじみ性は良好にできる。しかしながら、ノンフライ麺は熱風乾燥等により水分揮散をさせるため十分な多孔質化が困難であり、フライ麺に比較して復元性やスープとのなじみ性において問題を生じている。 【0005】従来より、ノンフライ麺の復元性を良好にするために麺の原材料として小麦粉に澱粉系のものを多量に添加する方法が行われているが、この方法だと澱粉が糊化して麺同士の結着性が高まり、ほぐれ性において問題を生じやすい。特公昭56−9098号は、ノンフライ麺の復元性改良のために澱粉を一定量添加するとともに、ほぐれ性改良のために油脂を添加してかかる問題点を克服することを開示するが、復元性とほぐれ性にある程度の改良効果がみられるものの、澱粉の添加量が多すぎると出来上がったノンフライ麺は復元性、ほぐれ性は良好なれど、澱粉が麺表皮に多く出てしまうため、つるつるとした食感になってスープとのなじみ性が良好になっているとは言い難いものとなってしまう。 【0006】特開平8−308518は、ノンフライ麺の多孔質化を、麺線製造工程中に四角錐にて穴を開けることにより達成しようとしたもので、復元性、スープなじみ性を改良できるとしている。この方法は多孔質化という面においては確実に達成されるものであるが、工具を用いて穴をあけるため、どうしても麺の表面が荒れてしまい麺の光沢がなくなり、見た目の美味しさという点においては問題を生じるものである。 【0007】以上のように、復元性、なじみ性ともに充分満足できるノンフライ麺の製造技術は開発されていないのが実状である。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、復元性、スープなじみ性がともに良好であり、麺の艶を損ねず、麺のほぐれ性も良好であるノンフライ麺の製造方法を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討の結果、ある一定の融点をもつ粉末状の高融点油脂を一定量ノンフライ麺に配合する事により、得られたノンフライ麺は復元性、スープなじみ性が良好であり、しかも麺のほぐれ性、麺の艶も良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0010】即ち本発明は、融点45〜75℃の粉末状の油脂を穀類粉または及び澱粉に対して0.2〜10重量%配合することを骨子とする麺類の製造方法である。 【0011】この粉末状の高融点油脂を添加することによって、復元性やスープなじみ性が良好になる理由は、詳細には不明だが、添加された粉末状の高融点油脂がその乾燥工程中にごく一部しか溶解せずにノンフライ麺生地中に空隙を作り、ノンフライ麺生地中および表面に微細な穴を開け、その空隙に湯が浸透する事により、復元性が向上し、スープとのなじみ性も良好になると推測している。さらには、生じる空隙が微細であるために麺の艶が損なわれず、本来油脂のもつ離型効果も働いてほぐれ性も向上すると考えられる。 【0012】本発明で用いられる油脂は食用油脂であれば特に限定されるものではなく、パーム油、菜種油、大豆油、ひまわり油、コーン油、綿実油、サフラワー油、米ぬか油、やし油、パーム核油の硬化油およびエステル交換油等が例示できる。 【0013】本発明に用いる油脂の形状は粉末である必要がある。粉末状とは、リンペン状、球状、棒状等のものを指し、いわゆる粉体であればよい。液状またはペースト状の油脂を添加すると、麺ほぐれ性は改良できるが、復元性、スープなじみ性までは改良できない。粉末油脂の作成方法は特に限定されることはないが、溶解した油脂を冷却塔(チラー)の中へ噴霧して粉末化するスプレークーリング方式や溶解した油脂を冷却されたドラム上へ流し固化せしめてかきとるドラムフレーク方式等が挙げられる。 【0014】粉末状の油脂の粒子径は平均粒子径が0.1mm以上であれば特に限定されないが、使用する小麦粉や澱粉等の穀粉とうまく混合できることが好ましく、JIS規格篩大きさにおいて10#オールパス品くらいの大きさが好ましい。平均粒子径が0.1mm未満のもの、例えば、糖類、蛋白質、乳化剤を用いて油脂を乳化したものを噴霧乾燥などして得られる油脂組成物も「粉末油脂」と呼ばれているが、このものは多数の微細な油脂粒子と糖類、蛋白質などからなる集合体が粉末粒子を形成し、見かけ状の粒子径が大きくとも、油脂の実質的粒径は非常に小さな(10ミクロン程度)ものとなっている、そのため、上記空隙は明瞭には形成されず本発明の効果を奏さない。 【0015】本発明に用いる粉末状の高融点油脂の添加量は、小麦粉などの穀類粉または及び澱粉に対して0.2〜10重量%であることが必要であり、好ましくは0.5〜3重量%である。0.2%未満であると得られたノンフライ麺のほぐれ性が劣ってしまい、10%を超えると得られたノンフライ麺が粉っぽくなってしまい商品としての味に問題を生ずる。 【0016】また、これらの粉末状の高融点油脂の融点は45〜75℃であることが必要であり好ましくは50〜65℃である。粉末状の高融点油脂の融点が45℃未満であると、乾燥中に溶解してしまうために、ノンフライ麺表面に油脂が浮き出て、酸化劣化して変敗臭を生じ易くなってしまう。さらに融点が低く液状またはペースト状となると、すでに述べたごとく、復元性、なじみ性の改良は困難となる。麺生地に油脂が溶け込んで一体となるため生地中への微細な空隙の生成が困難となるためであろう。また75℃を超えると得られたノンフライ麺の復元性が逆に下がってしまうため好ましくない。 【0017】本発明における麺類の作成方法は粉末状の高融点油脂を配合することを除いては特に限定されるものではなく既存の方法が適用できる。一例をあげると、小麦粉と澱粉の混合物に本発明にしたがった粉末状の高融点油脂を添加混合し、かんすいや必要に応じて食塩等の調味料、水を加えた後、混捏りし、定法により圧延、切出しを行い蒸煮後、熱風乾燥によりノンフライ麺を得る。 【0018】本発明の粉末状高融点油脂の添加時期は当然のことながら乾燥する前に添加することは必要であるが、それより前のどの工程であるかは別に限定されるわけではなく混合可能な時期に添加すればよい。好ましくは、使用する小麦粉や澱粉の粉体にあらかじめ混合しておく方が均一に混合でき、しかも操作性において優れている。 【0019】 【実施例】以下に本発明をよりわかりやすくするために、実施例を用いて述べる。 〔実施例1−3、比較例1−2〕精製パーム油を極度硬化して、完全に加熱溶融せしめた後、冷却されたドラム上に流し、固化した油脂をかきとり粉砕した後、10#の篩を通過させて粉末状の高融点油脂(粉末油脂A)を得た。この時の粉末状の高融点油脂の融点は58℃であり平均粒子径は0.35mmであった。粉末油脂Aを用い表1に示す配合にて混捏りし、麺生地を調製した。調製した生地を圧延、切出し(切刃 #16角、麺線厚み0.85mm)蒸し器で2分間蒸し、型枠にいれ90℃で10分間熱風乾燥を行ってノンフライ麺を得た。それぞれ作成したノンフライ麺100gに市販ラーメンスープを入れ熱湯を150ml注ぎ、4分後に試食して官能評価を行った。結果を表2に示す。 【0020】 【表1】 配合 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2―――――――――――――――――――――――――――――――小麦粉 750(g) ← ← ← ← 馬鈴薯澱粉 250 ← ← ← ← かんすい 4.5 ← ← ← ← 食塩 20 ← ← ← ← 粉末油脂A 5 20 80 1 120 水 380 ← ← ← ← ―――――――――――――――――――――――――――――――【0021】 【表2】 官能評価結果―――――――――――――――――――――――――――――――評価項目 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2―――――――――――――――――――――――――――――――復元性 良好 良好 良好 不良 良好スープなじみ性 良好 良好 良好 不良 良好麺の艶 良好 良好 良好 良好 不良ほぐれ性 良好 良好 良好 不良 良好食感 良好 良好 良好 不良 不良―――――――――――――――――――――――――――――――【0022】以上の結果のように、本発明のノンフライ麺は、評価すべての項目について良好であり、優れたノンフライ麺であることが分かる。比較例1〜2の結果は、添加量が本発明より下回ると麺の艶以外が不良となり商品価値のないものになってしまい、添加量が上回ると麺の艶が落ち、食感も粉っぽくなってしまい同じく商品価値のないものになることを示した。 【0023】〔実施例4−5、比較例3〕精製菜種油を硬化して硬化度の異なる3種の硬化菜種油を作成し、完全に加熱溶融せしめた後、5℃の冷却塔へ噴霧を行い粉末化し、10#の篩を通過させて3種の粉末状の高融点油脂(粉末油脂B、C、D)を得た。この時の粉末状の高融点油脂の融点は粉末油脂B:40℃、粉末油脂C:63℃、粉末油脂D:72℃であり、平均粒子径はそれぞれ0.45mm、0.35mm、0.30mmであった。これら3種の粉末油脂を用い表3に示す配合にて、実施例1〜3と同様の条件にてノンフライ麺を作成し、同様に官能評価を行った。結果を表4に示す。 【0024】 【表3】
【0025】 【表4】官能評価結果――――――――――――――――――――――――評価項目 実施例4 実施例5 比較例3――――――――――――――――――――――――復元性 良好 良好 不良スープなじみ性 良好 良好 不良麺の艶 良好 良好 良好ほぐれ性 良好 良好 良好食感 良好 良好 良好――――――――――――――――――――――――【0026】以上の結果から、本発明のノンフライ麺は、復元性、スープなじみ性は良好でありしかも麺の艶、ほぐれ性、食感をも良好であることが分かる。本発明の粉末状の高融点油脂の融点よりも低いものを使用すると、これまでにいわれているようにほぐれ性、食感には問題はないが、復元性、スープなじみ性が不良となることが分かる。 【0027】 【発明の効果】従来のノンフライ麺では、復元性、スープなじみ性が良好であり、しかも麺の艶、ほぐれ性をも良好であるものが製造できなかったが、本発明では、融点45℃〜75℃の粉末状の高融点油脂を添加することにより、復元性、スープなじみ性が良好であり、しかも麺の艶、ほぐれ性をも良好であるノンフライ麺を作成できることが分かり、澱粉含量を気にする事もなく、製造工程に特別な工程を設けらずとも、優れたノンフライ麺を製造することが出来、該業界において有効な手段である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000236768 【氏名又は名称】不二製油株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月29日(1998.9.29) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−93106(P2000−93106A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月4日(2000.4.4) |
| 【出願番号】 |
特願平10−274106 |
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