| 【発明の名称】 |
食品原料用発芽玄米の製造装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡本 茂弘
【氏名】関 正和
【氏名】久保 博司
【氏名】加山 浩之
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| 【要約】 |
【課題】食料用発芽玄米を製造するに際し、浸漬水を循環させることにより、発芽用浸漬水の節水を図ると共に、循環路中に設けた濾過・除菌手段により循環する浸漬水中の菌類を除菌し、発芽玄米を食品衛生法で定められたガイドライン内の菌数に収める。
【解決手段】撹拌手段を有する発芽装置と濾過・除菌装置と循環水加熱装置との間に、玄米浸漬水を循環させ、濾過・除菌装置によって循環する浸漬水中の菌類を除菌する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】撹拌手段を有する発芽工程と除菌工程と循環水加熱工程との間に、発芽に必要な温度と量の水を循環させ、発芽工程で玄米を所要時間浸漬させて発芽させるとともに、発芽工程での浸漬の後、発芽する玄米から循環する流水の中に滲出する菌類を除菌工程で除菌することを特徴とする食品原料用発芽玄米を製造する製造方法。 【請求項2】循環する流水とは、浸漬する玄米容積の4倍の容積の水量を単位時間当たりに流し続けることを特徴とする請求項1に記載の食品原料用発芽玄米を製造する製造方法。 【請求項3】菌類を除菌する除菌装置は、0.35μ径以下の濾過装置で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の食品原料用発芽玄米を製造する製造方法。 【請求項4】玄米を浸漬する所要時間は、20〜30時間であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載された食品原料用発芽玄米を製造する製造方法。 【請求項5】発芽に必要な温度は、摂氏15〜40度であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の食品原料用発芽玄米を製造する製造方法。 【請求項6】請求項5において発芽に必要な最適温度は、摂氏28〜32度であることを特徴とする食品原料用発芽玄米を製造する製造方法。 【請求項7】撹拌手段を有する発芽水槽と、該発芽水槽の上部に設けた浸漬水オーバーフロー口に接続する除菌装置と、該除菌装置と該発芽水槽の下部との間に循環水加熱装置を介在し、発芽水槽と除菌装置と循環水加熱装置との間に浸漬水を循環させることを特徴とする食品原料用発芽玄米を製造する製造装置。 【請求項8】前記撹拌手段は、発芽水槽の内部中央に設けた回転式のアンカー型撹拌機であることを特徴とする請求項7に記載の食品原料用発芽玄米を製造する製造装置。 【請求項9】前記撹拌手段は、発芽水槽に隣接して設けた水槽と発芽水槽との間に玄米撹拌用の循環路を形成したことを特徴とする請求項7に記載の食品原料用発芽玄米を製造する製造装置。 【請求項10】前記玄米撹拌用の循環路の発芽水槽からの循環吸込み口にフィルターを設けたことを特徴とする請求項9に記載の食品原料用発芽玄米を製造する製造装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、食品原料として穀類の発芽玄米を製造するために、発芽中の細菌増殖を防止し、衛生的に製造すると共に、使用する水を循環する流水とすることにより節水を図る食品原料用発芽玄米の製造方法及び同製造装置に関する。 【0002】 【従来の技術】普通、コメと云われるものには、籾殻が付いたままのものと、この籾殻を取り除いた玄米と、そして更に、玄米の周りの糠層と胚芽を精米工程によって取り除くことによって得られる白米(精白米)の3種類がある。 【0003】しかしながら、精米工程によって取り除かれた糠層や胚芽の部分には、多くのミネラル類(特に、マグネシウム、リン、マンガン)、ビタミンB類(ビタミンB1)、アミノ酸と云った有用な物質が多く含まれているが、精米をすることでコメの有するこれらのミネラル類やビタミン類が失われてしまい、特に、玄米100g中のビタミンB1の含有量は、0.4mgであるのに対して、白米(精白米)は、0.08mgと、含有量に5倍の違いがある。このため、栄養分を主として白米(精白米)のみから得ていた時代には、ビタミンB1の欠乏から脚気が国民病とまで云われていた。 【0004】このように、白米(精白米)に比べてミネラルやビタミンB等を含む栄養価の高く、健康に良いと云われていることから、最近の健康ブームで玄米を食べることが見直されている。 【0005】しかし、玄米は、表皮を被っていることから硬く、市販の炊飯器で炊くことができず、そのため圧力釜を利用し、玄米に圧力を掛けて炊飯している。しかしながら、このようにして調理された玄米であるが、消化しにくく、特に、胃腸の弱い人は下痢気味になりやすい。また、食べた感触もボソボソすると云った問題点や糠特有のアクの強さや臭みがあると云った理由から、直接食品としてなかなか一般には馴染まれていない。 【0006】近年、発芽した玄米中に生理活性物質が数種類発見され、この発芽した玄米中の栄養素が非常に健康に良いといったこと等が分かってきたことにより、玄米そのままを炊飯して食料とせずに、一度玄米を発芽させ、この発芽した玄米を食品に利用する研究が行われている。玄米は、発芽に伴って硬さがなくなるとともに、玄米内の酵素が非常に活性化されて、なかに含まれている炭水化物がブドウ糖や麦芽糖等の還元糖になったり、タンパク質がアミノ酸に分解されたり、ビタミン類が作り出されたりし、消化面や栄養的にも好ましい状態に変化する。 【0007】ところで、玄米が発芽するには、玄米を摂氏15〜40度の発芽可能温度帯の温水に20〜30時間浸漬すると、玄米が吸水し胚が膨らんでくる。その後に白い幼芽がわずかに突出した時期を発芽と云う。 【0008】したがって、このように玄米を摂氏15〜40度の発芽可能温度帯の温水(好ましくは、摂氏28〜32度の)に20〜30時間浸漬し、胚の頭に僅かでも白い幼芽が確認された玄米を発芽玄米と云う。 【0009】ところで、玄米を発芽させる技術は、従来より行われていた種苗生産における籾の発芽技術の応用であって、種苗生産においては、温度調節された温水の流水や滞留水中に籾をある一定時間浸漬して発芽させて、病気に強く稲作に必要な元気な苗を作ればよいのであって、食材としての衛生面は格別考慮されていないのが現状である。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】従来、玄米を発芽させるため、水温が摂氏15〜40度の温水中に25時間以上浸漬することが必要である。しかしながら、丁度このような玄米の発芽に適した環境条件は、大気中に浮遊している雑菌類や玄米等に付着している雑菌類にとっても、最も増殖に適した環境であるので、玄米の発芽とともに諸々の雑菌類も増殖し易く、玄米の果皮に存在している菌類などの増殖によって食品衛生上のトラブルが発生している。 【0011】特に問題となっているのは、食中毒を引き起こす毒素生産菌(Bacillus、Cereus)や病原大腸菌、又は、炊飯業界では、米を着色させる茶米菌(Bacillus、Subtilis属)である。 【0012】これらの細菌の内、Bacillus属は、耐熱胞子を形成するため、オゾンや、紫外線、その他の殺菌剤によっても殺菌することができず、発芽に要する温度と時間さえあれば増殖し、玄米に着色現象や、毒素を生産する。このことは、これらの細菌汚染を受けた場合、これら食中毒等を起こす毒素生産菌が増殖して付着している発芽した玄米を炊飯等の加熱処理を行っても、いずれも、分解されないために、毒素による食中毒を起こす可能性は残っている。また、食中毒の可能性ばかりではなく、前記の菌類による色や臭いも付いているので、例え食中毒にならずとも消費者がこれを食べることはなかなか難しいことである。このように従来の玄米の発芽には、細菌汚染による危険が伴うと云う問題がある。 【0013】玄米を浸漬中、静止状態で発芽させているため、玄米層の米粒間の水は動くことなく、水中で細菌増殖が起こり、水が白濁し腐敗臭が発生する危険性がある。また、流水を利用しても、米粒層の一部に水の通り道ができるだけで、細菌増殖による水の白濁や腐敗臭の防止はできない。また、浸漬中に滲出する細菌や胞子を洗い去ることはできない等の問題があった。 【0014】そこで、本発明は、上述した課題によりなされたもので、玄米を長時間温水に浸漬して発芽させる際、各米粒表面から滲出する細菌類を確実に洗い去るために撹拌による玄米粒の流動化を図ると共に、多量に使用する流水による浸漬水に代えて、循環する流水を浸漬水として使用することにより節水を図ると共に、この循環する流水中に滲出した細菌や胞子類をUF膜などの中空糸膜を用いた濾過装置により除菌することで、発芽玄米中の菌類の菌数を、いわゆる世間で腐っていると云われる1g当たり10の7乗以上の菌数を、食用商品として食品衛生法のガイドラインである1g当たり10の5乗以下に滅菌し、このガイドラインとされる基準内に収めて、玄米の発芽中の菌類の増殖を防ぎ、衛生的に発芽玄米を製造することを目的とするものである。 【0015】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、撹拌手段を有する発芽工程と濾過除菌工程と循環水加熱工程との間に、発芽に必要な温度と量の水を循環させ、発芽工程で玄米を所要時間浸漬させて発芽させるとともに、発芽工程での浸漬の後、発芽する玄米から循環する流水の中に滲出する菌類を除菌工程にで除菌することを特徴としている。 【0016】上記の目的を達成するため、請求項2に記載の発明の循環する流水は、浸漬する玄米容積の4倍の容積の水量を単位時間当たりに流し続けることを特徴としている。また、請求項3に記載の発明の菌類を除菌する除菌装置は、0.35μ径以下のUF膜で構成されていることを特徴としている。 【0017】請求項4に記載の発明の玄米を浸漬する所要時間は、20〜30時間であることを特徴としている。また、請求項5に記載の発明の発芽に必要な温度は、摂氏15〜40度であることを特徴としている。また、請求項6に記載の発明の発芽に必要な最適温度は、摂氏28〜32度であることを特徴としている。 【0018】そして、請求項7に記載の発明は、撹拌手段を有する発芽水槽と、該発芽水槽の上部に設けた浸漬水オーバーフロー口に接続する除菌装置と、該除菌装置と該発芽水槽の下部との間に循環水加熱装置を介在し、発芽水槽と除菌装置と循環水加熱装置との間に浸漬水を循環させることを特徴としている。また、請求項8、9、10に記載の発明は、撹拌手段として、回転式のアンカー型撹拌機、または、発芽水槽に隣接して設けた水槽と発芽水槽との間に玄米撹拌用の循環路を形成することにより、浸漬水及び玄米を循環させることを特徴としている。 【0019】前述した構成により、本発明の食品原料用発芽玄米を製造する製造方法及び製造装置は、撹拌手段を有する発芽装置と濾過除菌装置と循環水加熱装置との間に、発芽に必要な温度と量の浸漬水を循環させるとともに、発芽する玄米から循環する流水の水の中に滲出する菌類を濾過除菌装置によって除菌することにより、浸漬水を循環させるようにしたので、従来の流水による水垂れ流し方式に比べて節水方式であるので、環境の保全や水資源の有効利用を図ることができる。また、循環する浸漬水中に発芽する玄米から滲み出す菌類を濾過除菌装置により除菌することで、発芽玄米中の菌類の菌数を、食用商品として食品衛生法のガイドラインの基準内に収め、玄米の発芽中の菌類の増殖を防ぎ、衛生的に発芽玄米を製造することができる。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面によって説明すると、図1は、本発明を実施するための装置の一例を示す説明図である。 【図2】は、浸漬水の水温を30°Cとしたときの発芽水槽の循環する流水の度合い毎における、玄米の浸漬時間と発芽水槽内の玄米中の菌数との関係を示すグラフである。1は、入荷原料玄米中の異物を除去する食塩水を利用した比重差選別装置であって、2は、洗浄装置で、比重差選別装置1で原料玄米の表面に付着した塩分を洗い流がす。 【0021】3は、投入された原料玄米を温水に浸漬し、玄米を発芽させるための発芽水槽である。4は、発芽水槽3の上部に設けた上部投入口、5は、回転軸によって回転するアンカー型撹拌機である。また、玄米の撹拌手段として、発芽水槽3内に設けられたアンカー型撹拌機5に代えて、発芽水槽3に隣接して設けた水槽21の上部、下部と、発芽水槽3の上部、下部とを管路で接続し、いずれかの管路にポンプ20を設けることにより玄米撹拌用の循環路を構成し、発芽水槽3と水槽21との間に玄米と浸漬水とを共に循環させることにより、発芽水槽3内の玄米を撹拌することができる。また、前記管路の発芽水槽3からの循環吸込み口にネット等のフィルターを設けることにより、発芽水槽3と水槽21との間に浸漬水のみを循環させることにより、発芽水槽3内の玄米を撹拌することも可能である。7は、発芽水槽3の上部に設けられ、ネットで覆われた循環水オーバーフロー口であり、この循環水オーバーフロー口7は、発芽水槽3に隣接した水槽8に接続している。 【0022】9は、水槽8に収容されたオーバーフローした浸漬水を発芽水槽3内で撹拌によって玄米から剥がれ落ちた果皮や破砕されたクズ玄米等の異物を取り除くための予備濾過装置10へ送るポンプである。11は、予備濾過装置10で異物が取り除かれた後、浸漬水に滲出した菌類をUF膜などの中空糸膜で除菌する濾過除菌装置である。12と13は、濾過除菌装置11と循環水加熱装置14との間に設けられた水槽とポンプである。また、19は、濾過除菌装置11の除菌膜で濾過除菌された雑菌類を除菌膜から洗浄して取り除くための洗浄パイプである。 【0023】循環水加熱装置14は、予備濾過装置10と濾過除菌装置11で濾過・除菌された浸漬水を発芽に必要な温度に温度調節するためのもので、循環水加熱装置16によって温度調整された浸漬水は、発芽水槽3の下部に設けられた循環水噴射口8から発芽水槽3内に再び噴射され、玄米を発芽させるのに必要な浸漬水となって循環するようになっている。このとき、循環する流水は、浸漬する玄米の容積の4倍の水量を時間当たりに流し続けることが、浸漬水から菌類を除菌するためには効果的である。15は、発芽した玄米を取り出すため発芽水槽3の下部に設けられた底部取出口である。 【0024】16は、発芽水槽3から取り出され、洗浄水で洗浄されて水切りされた発芽玄米を、60度で熱殺菌するための熱処理装置であり、17は、熱殺菌された発芽玄米を凍結し冷凍食品とする冷凍装置である、また、18は、発芽水槽3から取り出された発芽玄米を焙煎して30%の水分を14%以下に焙煎乾燥するための焙煎装置である。 【0025】本発明の発芽玄米の製造工程は、次のようになっている。玄米入庫→玄米選別→洗浄→浸漬発芽→除菌→洗浄→他工程(洗浄、加熱殺菌処理、冷凍、焙煎)→出荷となっている。 【0026】以下に、この製造工程を工程別に説明する。 1.原料玄米の選別工程入荷された原料の玄米は、発芽した玄米の品質を維持するための異物除去のため、比重差選別装置1で食塩水による比重選別が行われる。まず、入荷された原料の玄米を比重差選別装置1の比重1.13の食塩水に浸漬する。このとき沈降する玄米を取り出して、次段の比重差選別装置1の比重1.2の食塩水に浸漬し、このとき浮上する玄米を発芽玄米の原料として使用する。この食塩比重差選別によって、籾殻、毛髪、未熱や死玄米等の比較的軽い異物は、最初の食塩水で浮き上がり除去でき、さらに、2番目の食塩水で、石や金属等の比較的重い異物を除去することができる。 【0027】2.原料玄米の洗浄工程異物が除去された原料玄米を、洗浄装置2において水で洗浄し、玄米に付着している塩分を洗い流がす。 3.浸漬発芽工程洗浄された玄米を、発芽水槽3の上部投入口4から投入する。この発芽水槽3の内部中央に、回転速度は、50回転までの無段階変速によるアンカー型撹拌機5が設けられており、このアンカー型撹拌機5による撹拌によって玄米が流動化し玄米と水とが十分混ざり合うので、玄米に付着している菌類や胞子は水の中に滲出していく。アンカー型撹拌機の速度は、玄米が壊れないように撹拌するが、好ましい回転数は、5〜10rpmである。 【0028】また、玄米の撹拌手段として、発芽水槽3内に設けられたアンカー型撹拌機5に代えて、発芽水槽3に隣接して設けた水槽21の上部、下部と、発芽水槽3の上部、下部とを管路で接続し、いずれかの管路にポンプ20を設けることにより玄米撹拌用の循環路を構成し、発芽水槽3と水槽21との間に玄米と浸漬水とを共に循環させることで、発芽水槽3内の玄米を撹拌することができる。また、前記管路の発芽水槽3からの循環吸込み口にネット等のフィルターを設けることにより、発芽水槽3と水槽21との間に浸漬水のみを循環させることにより、発芽水槽3内の玄米を撹拌することも可能である。 【0029】発芽水槽の底部には、循環水加熱装置14からの循環水の噴射口6が設けられている。更に、この発芽水槽3の底部中央には、発芽した玄米を取り出しのための取出口15が設けられている。また、発芽水槽3の上部には、発芽中の玄米の流失防止のためのネットで被われた浸漬水のオーバーフローの口7が設けられている。 【0030】4.濾過・除菌工程発芽水槽3の上部に設けられた循環水オーバーフロー口7からオーバーフローした浸漬水は、発芽水槽3に隣接した水槽8に一旦入り、更にポンプ9により予備濾過装置10に送られる。この予備濾過装置10で、発芽中に玄米から剥がれ落ちた果皮や破砕されたクズ玄米等の異物が除去された後、次の雑菌類を吸着するUF膜等の中空糸膜を用いた濾過除菌装置11に送られる。このときに使用されるUF膜は、0.35μ径以下であるので、0.35μ径以上の雑菌類がUF膜に吸着され除菌される。ここで除菌された水は、次の循環水加熱工程に送られる。この濾過除菌装置11の除菌膜を適宜洗浄することにより、除菌膜に吸着された雑菌類は、洗い流されて洗浄パイプ19から排出される。 【0031】5.循環水加熱工程濾過装置11で濾過・除菌処理された水は、水槽12に一旦入り、ポンプ13を経て循環水加熱装置14で摂氏15〜40度に加熱調節されるが、好ましくは発芽に必要な最適温度である摂氏28〜32度に温度調節されたのち、発芽水槽3の底部に設けられた循環水の噴射口6に送られることにより、玄米の発芽に必要な浸漬水は、再び発芽水槽3に送水されて上記の「浸漬発芽工程」、「濾過・除菌工程」、「循環水加熱工程」の各工程を循環する。 【0032】6.発芽確認と取出工程このような工程を経て、玄米を発芽水槽3で摂氏28〜32度の水温に、20〜30時間浸漬することで、玄米の胚が十分に吸水して胚にわずかな突起が確認できた状態、すなわち、発芽玄米になった時点で、発芽完了として発芽水槽3の下部に設けられた取出口15から取り出され、水切り装置に移動させる。そして、ここで水切りされた後、充分水洗いされて、つぎの工程に送られる。 【0033】7.加熱・冷凍又は焙煎工程発芽玄米となって発芽水槽3から取り出されて水洗いされた発芽玄米を、その用途に応じて、加熱又は冷凍を行う。例えば、加熱する場合には、水で洗浄された発芽玄米をパックに詰めて、熱処理装置16で摂氏60度の温度帯のお湯の中に入れて熱殺菌し、熱をかけすぎると発芽した玄米は、完全にα化してしまい、炊けたような状態になり、これをご飯として炊くと、2度炊きになってしまうので、この発芽玄米がα化する前の状態で熱殺菌するのを止め、その後、冷凍装置17で冷凍して冷凍食品として出荷する。また、焙煎する場合には、水で洗浄された発芽玄米を焙煎機で煎ることにより、焙煎前に30%あった水分量を14%以下になるように乾燥し、これをパックに詰めて常温で流通可能な発芽玄米として出荷する。更に、この焙煎された発芽玄米を粉砕して粉状とし、これを膨化させることで、フレーク等のシリアルなどの原料を製造することができる。 【0034】ここで、上述した本発明の食品原料用発芽玄米製造装置を用いて、浸漬水の水温を30°Cとした発芽水槽に玄米を浸漬した際の、発芽水槽内の水容量の循環の度合い毎における、浸漬時間と発芽水槽内の玄米中の菌数との関係を、表1及び図2に示す。 【0035】 【表1】
したがって、この表1から分かるように、浸漬する玄米容積の4倍の水容量を単位時間当たりに循環させた場合には、発芽玄米中の菌類の菌数は、食用商品として食品衛生法のガイドラインである1g当たり10の5乗以下となり、発芽水槽内の玄米の浸漬水中の菌数を最小とすることが判明した。 【0036】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、撹拌装置を備えた発芽水槽と濾過・除菌装置と循環水加熱装置との間に、水を循環させるようにしたので、下記の効果を奏することができる。 【0037】1.タンクの中に玄米を発芽させるための浸漬水を循環させて流水状態を形成したので、流水式と同様に発芽させることができ、玄米を浸漬させる水を循環する流水とすることにより、水を垂れ流すことなく再利用するので節水することができ、特に、玄米が多量であると発芽させるための水が大量に必要となってくる場合でも対応でき、節水型の玄米発芽装置を提供することができる。 【0038】2.濾過除去する0.35μ径以下のUF膜で除菌して発芽装置内での細菌類の増殖を抑え、発芽玄米中の菌類の菌数を1g当たり10の5乗以下に抑えたことにより、毒素や着色を生じず、品質の一定した発芽玄米を製造することができ、食品衛生法で定められたガイドラインを充足することができる、3.発芽水槽内での、水の循環による流水作用と撹拌手段による撹拌により、玄米が常に流動しているので、玄米から剥がれ落ちた果皮や破砕されたクズ玄米等が発芽水槽から濾過装置にオーバーフローする水と共に搬出され除去されるので、発芽玄米の品質を向上することができる、4.発芽水槽内での撹拌による水の流動により、玄米と水との接触や玄米同士の摩擦により玄米果皮から菌類や耐熱性の胞子が、浸漬水の中に滲出し易くなるので、この滲み出た菌類や耐熱性の胞子を洗い流すことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596076942 【氏名又は名称】ヘルスケアーテック株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月24日(1998.9.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100111475 【弁理士】 【氏名又は名称】秋吉 達夫
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| 【公開番号】 |
特開2000−93097(P2000−93097A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月4日(2000.4.4) |
| 【出願番号】 |
特願平10−269553 |
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