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【発明の名称】 赤色系スープ飲料
【発明者】 【氏名】中島 嘉彦

【要約】 【課題】いつでもどこでも手軽に食することができるようにした美味しい赤色系スープ飲料を提供する。

【解決手段】ビーツ、トマト、赤にんじん、レッドピーマンなどの赤色系野菜、酸発酵乳、その他の調味成分などを含有する材料に水を加え、必要に応じて加熱調理した後、ホモジナイザー等で微粉砕し、加熱殺菌した後に容器に充填して密封するか、あるいは容器に充填して密封した後に加熱殺菌することにより、密封容器入りの赤色系スープ飲料を得る。上記酸発酵乳を添加することにより、微粉砕された具材のスープ中での分散安定性が向上すると共に、爽やかな風味を付与することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 赤色系野菜を含む赤色系スープ飲料において、その材料中に酸発酵乳が添加され、微粉砕されて、加熱殺菌済みの状態で密封容器に充填されていることを特徴とする赤色系スープ飲料。
【請求項2】 前記赤色系野菜がビーツ、トマト、赤にんじん、レッドピーマンから選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の赤色系スープ飲料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビーツ、トマト、赤にんじん、レッドピーマンなどの赤色系野菜を含み、密封容器に充填された、殺菌済みの品質安定な赤色系スープ飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】ロシアの有名なスープであるボルシチのごとく赤色素材、例えば、ビーツやトマトを呈色主原料としている赤色系スープは、その色調が食欲を高める上、牛バラ肉の角切り、ディル、パセリ等のみじん切りを入れ、サワークリームをかけて食するなど視覚と味覚の両面からその価値を高めている。
【0003】これらの中には、ウクライナ風、モスクワ風ボルシチ、あるいはわが国でのトマトスープもあり、レストランにおける代表的なスープの一つといえる。また、にんじん、ポアロ、セロリ、キャベツ、その他の季節の野菜、ニンニク、ベーコン等で作ったミネストローネも赤色系スープである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来までの赤色系スープは、作ってすぐに食するものであり保存する必要はなく、また肉、野菜などの切片が入り、それらの具材を食べながら液部を飲むものであった。しかし、このようなスープは、その都度作る必要があるため、いつでもどこでも手軽に食することはできなかった。
【0005】このため、この赤色系スープを加熱殺菌済み密封容器入りの製品にすることも考えられるが、一般的に赤色系野菜は、経時と共に変色しやすく、単に缶詰又はブリック包装品の赤色系スープを製造しても、経日に伴いスープの風味、色調が変化してしまうという問題があった。
【0006】また、具材の入っている赤色系スープは、例えば缶等の密封容器に詰めて、飲料タイプの赤色系スープ製品をつくった場合、飲んだ後にも具材の一部が容器内壁に付着残存してスープをすべて飲むことができないという問題があった。
【0007】更に、ホモジナイザーなどで食材を微粉砕して均質な分散型の赤色系スープ飲料とした場合でも殺菌保存すると、経日に伴うスープの風味、色調の変化が更に強くなる上、分散物も沈降しやすいという問題があった。
【0008】したがって、本発明の目的は、これら赤色系スープを加熱殺菌済みの密封容器入り製品にすると共に、その品質保持性を高めて、いつでもどこでも手軽に食することができるようにした美味しい赤色系スープ飲料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の赤色系スープについて、『食べるスープから飲むスープ』へ発想を転換することによって新しい商品が提供できることに着眼し、長期の開発研究を行なった結果、赤色系スープ配合物を調製する段階で酸発酵乳を入れた後、微粉砕することにより、品質安定で美味な、しかも舌触りが滑らかで飲みやすい赤色系スープが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち、本発明は、赤色系野菜を含む赤色系スープ飲料において、その材料中に酸発酵乳が添加され、微粉砕されて、加熱殺菌済みの状態で密封容器に充填されていることを特徴とする赤色系スープ飲料を提供するものである。
【0011】本発明においては、前記赤色系野菜がビーツ、トマト、赤にんじん、レッドピーマンから選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
【0012】本発明によれば、加熱殺菌済みの密封容器入り製品とし、スープ中の全ての材料が微粉砕されてそのまま飲めるようにしてあるので、いつでもどこでも手軽に食することができる。
【0013】また、スープ材料中に酸発酵乳が添加されているので、微粉砕されたスープ材料の分散性や、風味保持効果が高まり、品質安定で美味な、しかも舌触りが滑らかで飲みやすい赤色系スープ飲料を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的態様を挙げてさらに詳細に説明する。本発明において赤色系スープ飲料とは、赤色系野菜を含有し、外見が赤色を呈するものである。また微粉砕混合等の処理を行い加熱殺菌をしたものであり、さらに密封容器に充填された形状のものをいう。この場合、容器に充填してから密封後殺菌してもよい。
【0015】本発明において、赤色系野菜とは、赤色色素を含み、スープを赤く着色できる野菜を意味し、例えば、トマト、ビーツ、赤にんじん、レッドピーマン等から選ばれた1種又は2種以上が好ましく用いられる。
【0016】また、本発明において、酸発酵乳とは、乳原料を乳酸菌で発酵して得られる半ゲル状ないし液体の乳製品を意味し、ヨーグルトのような生菌を含有する非加熱のものでも、例えば「カルピス」(商品名、カルピス食品工業株式会社製)のような加熱殺菌されたものでもよい。酸発酵乳を添加することにより、微粉砕された具材のスープ中での分散安定性が向上すると共に、爽やかな風味を付与することができる。
【0017】本発明において、スープの原料としては、上記赤色系野菜、酸発酵乳の他に、各種の調味材料を用いることができる。この調味材料としては、例えば、食肉、野菜、魚介類、牛乳等の呈味成分を有する材料、鶏ガラエキス、牛肉エキス、貝エキス、野菜エキス、酵母エキスなどの抽出エキス、HVP、HAP等のタンパク加水分解物、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等の調味料、コショウ、ジンジャー等の香辛料などが挙げられ、これらから選ばれた1種又は2種以上を適宜用いることができる。
【0018】赤色系野菜、酸発酵乳、その他の調味材料、水等の配合割合は、特に限定されないが、製品全体中で、赤色系野菜の含有量(生野菜として)が2〜30重量%、酸発酵乳の含有量(含水物として)が0.5〜3.0重量%とされることが好ましい。赤色野菜の量が2重量%未満では原料品種によっては呈色が劣り、30重量%を超えると野菜の味が濃厚になりすぎる。酸発酵乳の量が0.5重量%未満ではその効果が十分に得られず、3.0重量%を超えるとその味が強すぎてしまう。
【0019】また、製品中の固形分含量が10〜50重量%となるようにすることが好ましい。固形分含量が10重量%未満では飲んだ感じに充実感が乏しく、50重量%を超えると重い食感となる。
【0020】一方、密封容器としては、例えば、缶、瓶のほか、耐熱性のラミネートフィルムからなる袋状の容器(パウチ)や、牛乳パック等に用いられている紙製の容器等が使用できる。特に風味保持の点では、缶臭等の付着の少ない牛乳パック等の紙製のブリック包装が好ましく用いられる。
【0021】本発明の赤色系スープ飲料の製造方法は、特に限定されないが、例えば、赤色系野菜を適宜大きさに細断又は粉砕し、これに酸発酵乳と、他の調味材料とを加えて適当量の水で煮た後、ホモジナイザー等にかけて微粉砕し、加熱殺菌した後に容器に充填して密封するか、あるいは容器に充填して密封した後に加熱殺菌する。なお、容器に充填して密封した後に加熱殺菌する場合は、原料を微粉砕して水に分散しただけで、煮ることなく容器に充填し、密封容器内で加熱殺菌時に調理されるようにしてもよい。また、トマトジュースなどのように予め微粉砕された材料、あるは酸発酵乳のように溶解性の高い材料のみを用いる場合には、各材料を水に分散させた後のホモジナイザー等による微粉砕処理を省略することもできる。
【0022】
【実施例】実施例1表1に示した処方で、まず水で肉を煮てから浮き上がるアクを除き、ビーツを加えて後、他の材料を加えて煮た。次いで、ホモジナイザーにかけて微粉砕後、ヒートプレートに通し殺菌してからブリック包装を行い、本発明の赤色系スープ飲料を調製した。
【0023】また、コントロールとしてヨーグルトを添加しないこと以外は同じである赤色系スープ飲料を同様の方法で調製した。
【0024】そして両試料を8℃で保存し、1日後、10日後、30日後、60日後の状態をパネラー5名で官能テストをしたところ、5名全員がいずれも、ヨーグルト入りの本発明の赤色系スープ飲料の方が、色調(赤み)に優れ、また風味も著しくあり、美味しいとの評価をした。
【0025】
【表1】

【0026】実施例2表2に示した処方で、小麦粉とバターでルーを作り、スープストックとトマトジュースで伸ばした後、食塩、コショウ、カルピスを加えてから缶に入れ、シールして、100℃、30分間殺菌し、本発明の赤色系スープ飲料を調製した。
【0027】また、コントロールとしてカルピスを添加しない以外同じである赤色系スープ飲料を同様の方法で調製した。
【0028】そして両試料を5℃で保存し、1日後、10日後、30日後の状態をパネラー5名で官能テストしたところ、5名全員がいずれも、カルピス入りの本発明飲料の方が、赤色が冴え、また、風味もよくおいしいとの評価をした。
【0029】
【表2】

【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、赤色系野菜を含有する赤色系スープ中の材料を微粉砕して飲料のような形態とすると共に、加熱殺菌済みの密封容器入り製品としたことにより、容器入り飲料のようにいつでもどこでも手軽に食することができる。
【0031】また、スープ材料中に酸発酵乳が添加されているので、微粉砕されたスープ材料の分散性や、風味保持効果が高まり、品質安定で美味な、しかも舌触りが滑らかで飲みやすい赤色系スープ飲料を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】597160082
【氏名又は名称】長崎海道物産株式会社
【出願日】 平成10年9月9日(1998.9.9)
【代理人】 【識別番号】100086689
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 茂
【公開番号】 特開2000−83629(P2000−83629A)
【公開日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【出願番号】 特願平10−254800