| 【発明の名称】 |
食 品 |
| 【発明者】 |
【氏名】古賀 信子
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| 【要約】 |
【課題】糖尿病合併症、特に、糖尿病性神経症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症の予防、進展防止、改善、ならびに痔疾およびそれに伴う諸症状、例えば、患部からの出血、痛み、かゆみ等の予防、改善に有用な食品等を提供する。
【解決手段】アルギニン、アルギニン塩またはアルギニン組成物を食品等として用いる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 糖尿病合併症の予防、進展防止、改善に有用なアルギニン、アルギニン塩またはアルギニン組成物からなる食品。 【請求項2】 糖尿病合併症が神経症である請求項1記載の食品。 【請求項3】 糖尿病合併症が網膜症である請求項1記載の食品。 【請求項4】 糖尿病合併症が腎症である請求項1記載の食品。 【請求項5】 アルギニン組成物が、摂取したとき生体内で速やかにアルギニンに変換するものである請求項1から4記載の食品。 【請求項6】 アルギニン組成物が、ペプチドである請求項5記載の食品。 【請求項7】 ペプチドが大豆由来ペプチドである請求項6記載の食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アルギニン、アルギニン塩またはアルギニン組成物を、病気の予防あるいは改善を目的として用いることからなる用途に関する。さらに詳しくは、糖尿病合併症の予防、進展防止、改善、および痔疾の予防、改善に有用なアルギニン、アルギニン塩またはアルギニン組成物の食品としての用途に関する。 【0002】 【従来の技術】糖尿病は、インスリンが不足したり、インスリンの働きが悪いために、血糖値と呼ばれる血中のブドウ糖の濃度がふえ、体にさまざまな障害の起こる病気である。糖尿病には、インスリンを外から補わないと生命の危険があるインスリン依存型糖尿病と、インスリンを補わなくても生命の危険がないインスリン非依存型糖尿病に大きく分けられる。糖尿病はその高血糖が長く続くと神経症、網膜症、腎症などの特有の合併症が生じる。これらの合併症の中でも、糖尿病性神経症は最も早い段階からあらわれ、最も発症の頻度が高いと言われている。糖尿病性神経症は、高血糖により知覚神経や自律神経がおかされるために起こると考えられている。糖尿病性神経症の最も典型的な症状は、手足のしびれや冷感、痛みなどである。その治療は、血糖のコントロールが基本であるが、現在の治療法ではなかなか血糖を十分コントロールするのは難しく、従ってその予防、改善も十分に行うことは難しい。また、食事療法や運動療法によっても十分にその予防、改善を行うことは困難である。薬物療法としては、痛みの改善に非ステロイド系消炎鎮痛剤、フェニトイン、カルバマゼピンやビタミンB12製剤(メコバラミンなど)などが使われている。また、糖尿病性神経症に関わる代謝異常を改善する目的でエパルレスタットが使われている。しかしながら、糖尿病性神経症を満足に予防、改善する治療法は現在のところない。糖尿病性網膜症は、糖尿病合併症の中で最も深刻なもので、ときに失明に至る。ちなみに視覚障害の原因の第一位は糖尿病によるものと言われている。糖尿病では、高血糖により網膜の毛細血管などの細小血管がおかされ、血管が詰まって血液が流れなくなり、網膜が酸素不足の状態になる。それを補うため新しい血管が生成される。この新生血管は非常にもろく破れやすいために、出血しやすく、その出血が硝子体の中や網膜の黄斑部近くで起こったとき視力低下となる。さらに、その出血が繰り返されると網膜剥離を起こし失明に至る。糖尿病性網膜症の治療の基本は血糖コントロールであるが、現在の治療法ではなかなか血糖を十分コントロールするのは難しく、従ってその予防、改善も十分に行うことは難しい。また、食事療法や運動療法によっても十分にその予防、改善を行うことは困難である。また、網膜症がある程度進むと上記療法を十分に行っても病状は進行し続けついには失明に至る。現在、網膜症の有効な治療法は光凝固法や硝子体手術等の手術療法のみである。光凝固法は、新生血管ができるのを防いで、病変が進行するのを予防する治療法であるが、時として視力低下等の副作用があり、さらにこれに代わる優れた治療法が求められている。現在、糖尿病性網膜症を直接予防、進展防止、改善できる薬物は知られていない。糖尿病性腎症とは、糖尿病が進行して腎臓にも影響がおよび、タンパク尿を主体とする腎障害が起こった状態である。現在、人工透析の主要な原因の一つとして糖尿病性腎症があげられている。糖尿病性腎症では、糸球体が障害され、濾過機能の低下が起こるといわれている。糖尿病性腎症の治療の基本は血糖コントロールであるが、現在の治療法ではなかなか血糖を十分コントロールするのは難しく、従ってその予防、改善も十分に行うことは難しい。また、食事療法や運動療法によっても十分にその予防、改善を行うことは困難である。腎症が早期のときは、血圧のコントロールも腎症の進行の予防に有効である。しかし、さらに腎症が進むとタンパク質や塩分制限以外に特に治療法はない。さらに病気が進むと腎不全になり人工透析が必要となる。腎症の薬物療法としては、血圧コントロールのために降圧剤が使われている。 【0003】痔疾は肛門およびその近くの部分に起こる病気を総称した名前で、痔核、痔裂、痔瘻が含まれている。痔核は、肛門周囲の静脈にうっ血が起こり、それが炎症を繰り返して、こぶ状の静脈瘤ができている状態である。痔核が肛門や肛門周囲にできたものを外痔核、直腸の周辺にできたものを内痔核という。その治療は、便通の調整、食事に気をつける(刺激物、アルコールの禁止など)などであるが、ひどいときは手術を行う。痔裂は、硬い便の排泄によって、肛門皮膚が傷つき出血、痛みを起こすものである。軽いものでは、便通の調整、入浴等による肛門部の血行改善、坐薬等による薬物療法等によって軽快するが、慢性化、難治化したものは手術の必要がある。痔瘻は、肛門の周囲に炎症が起こり、その炎症が進行して化膿すると膿瘍ができる。このとき排膿するために開いた口が残り、そこに感染が繰り返し起こるものである。痔瘻は手術しないとなかなか治療が望めない。痔疾の薬物療法としては、経口剤と坐薬がある。いずれも肛門患部での抗炎症、抗浮腫作用、血行改善作用等を期待したものである。坐薬ではさらに、局所麻酔剤や抗菌剤が配合される。薬物療法は、痔疾が軽いときはそれなりの有効性はあるが、慢性化、難治化するとその作用は一過性であまり期待できない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】糖尿病性神経症、網膜症、腎症を含む糖尿病合併症の予防、進展防止、改善は、血糖のコントロールが基本であるが、現在の治療法ではなかなか血糖を十分コントロールするのは難しく、また、血糖コントロールのみによって合併症の予防、改善を十分に行うことは難しいと考えられている。また、食事療法や運動療法は糖尿病における基本療法であるが、それのみによって十分に合併症の予防、改善をすることは困難である。糖尿病性神経症の薬物療法としては、痛みの改善に非ステロイド系消炎鎮痛剤、フェニトイン、カルバマゼピンやビタミンB12製剤(メコバラミンなど)などが使われている。また、糖尿病性神経症に関わる代謝異常を改善する目的でエパルレスタットが使われている。しかしながら、糖尿病性神経症を満足に予防、改善する治療法は現在のところない。一方、糖尿病性網膜症に関しては、それを直接予防、進展防止、改善できる薬物は知られていない。糖尿病性腎症の薬物療法として、血圧コントロールのために降圧剤が用いられているが、その効果は腎症早期に限られ、進行した腎症ではその効果は期待できない。 【0005】痔疾は、肛門部の不潔、血行不良、便秘等によって生じることから、その予防、改善の基本は、肛門部を清潔に保つこと、血行改善、便通の調整等である。しかし、慢性化、難治化したものでは薬物療法や手術療法が必要になってくる。痔疾の薬物療法としては、経口剤と坐薬がある。いずれも肛門患部での抗炎症、抗浮腫作用、血行改善作用等を期待したものである。坐薬ではさらに、局所麻酔剤や抗菌剤が配合される。薬物療法は、痔疾が軽いときはそれなりの効果はあるが、慢性化、難治化するとその作用は一過性で治癒は期待できない。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、糖尿病合併症、特に、糖尿病性神経症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症の予防、進展防止、改善にアルギニン、アルギニン塩またはアルギニン組成物の摂取が非常に有効であることを見いだし、本発明に至った。また、アルギニン、アルギニン塩またはアルギニン組成物の摂取は痔疾の予防、改善ももたらすことを見いだした。 【0007】 【発明の技術的手段】アルギニンはタンパク質中に含まれる塩基性アミノ酸の一種である。アルギニンは、食品あるいは食品添加物として、栄養補助食品やかまぼこの「あし」を補強する目的で使用されている。また、アルギニンのグルタミン酸塩が緑茶のうま味を出すための食品添加物として使用されている。アルギニンの医薬としての用途は、肝機能促進、下垂体機能検査等に用いられている。 【0008】本発明において、アルギニン、アルギニン塩あるいはアルギニン組成物は、食品等として摂取したとき、病気の予防、改善、すなわち、糖尿病合併症の予防、進展防止、改善、特に、糖尿病性神経症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症の予防、進展防止、改善に有用である。また、痔疾の予防、改善にも有用で、特にそれによる出血、痛み、かゆみ等の症状の改善に有効である。 【0009】本発明で使用されるアルギニンは、動物あるいは植物由来の天然タンパク質の加水分解から得られたもの、発酵法あるいは化学合成法によって得られたものいずれでも良い。アルギニンは光学異性体として、D体とL体が存在するが、本発明に使用するには、生体タンパク成分であるL体(L−アルギニン、本発明中では特に断らない限りアルギニンはL−アルギニンを表す)を用いるのが望ましい。アルギニンはそのままあるいは種々の塩の形で用いても良い。アルギニンの塩としては、アルギニンが塩基性を示すために主に酸との塩が用いられる。酸としては、無機酸、有機酸いずれでも良い。無機酸の例としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、臭化水素酸、ヨー化水素酸などがあげられる。有機酸の例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、蓚酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸などがあげられる。 【0010】本発明で使用されるアルギニン組成物としては、食品等として摂取されたとき生体内でアルギニンに速やかに変換されるものなら何でも良いが、例えばそのようなものとしてアルギニンを構成成分とするペプチド(アルギニンペプチド)があげられる。ペプチドは2〜50個くらいのアミノ酸から構成されているが、本発明においては活性本体であるアルギニン換算で摂取されるため、できるだけアルギニン含量が高い方が望ましい。例えば、ペプチド中のアルギニン含量は20〜30%以上であることが望ましい。ペプチドの構成成分として、アルギニンは活性本体であるから必須であるがそれ以外はアミノ酸の種類は問わない。ペプチドは、化学合成法、発酵法、天然タンパク質の加水分解、天然ペプチド等種々の方法によって入手できるが、いずれでも使用できる。天然タンパク質の例として、大豆タンパク質があげられるが、これを常法に従って、化学的にあるいは酵素を用いてペプチドまで加水分解し、イオン交換樹脂法等によって精製した、アルギニン短鎖ペプチドは、食品等として使用するには、安価で大量に供給できるため望ましい。また、アルギニン短鎖ペプチドは、アルギニンに比較し、味、安定性、吸収性、安全性等に優れるために、特に食品等として摂取するには適している。これらのアルギニンペプチドは食品等として摂取されたとき、生体内で速やかに分解され、アルギニンとして作用を示す。 【0011】アルギニン、アルギニン塩またはアルギニン組成物を食品等として摂取するには、そのままの形でもかまわないが、より摂取しやすくするために、調味料、香味料等を加えても良い。食品等の形態としては、粉末、顆粒、細粒、錠剤、カプセル、液体、ゼリー等通常食品等として用いられる如何なる形態も可能である。アルギニン、アルギニン塩またはアルギニン組成物は既存の食品等に添加、含有させることによっても摂取できる。例えば、ドリンク、清涼飲料水、ヨーグルト、飴、ゼリー、乳酸菌飲料等に添加、含有させた形で摂取することができる。 【0012】本発明の病気の予防、改善のために、アルギニン、アルギニン塩またはアルギニン組成物をその有効成分として単独で食品等として摂取してもよいが、さらにその効果を高めるために、アルギニン、アルギニン塩またはアルギニン組成物の作用と相加的あるいは相乗的に働くと考えられるシステインあるいはビタミンE等の抗酸化剤と共に食品等として摂取することはさらに望ましい摂取形態である。 【0013】本発明のアルギニン、アルギニン塩またはアルギニン組成物の食品等としての摂取量は、本発明の病気の状態、病人の体重、年齢、体質、体調等によって調整されるべきであるが、一般に1日あたり、アルギニンに換算して、0.25g〜30g、好ましくは1g〜20gの範囲で適宜選択することができる。これを病気の状態や食品等の形態によって1日1ないし数回にわけて摂取することができる。 【0014】 【実施例】以下、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 【0015】 【実施例1】Aは長年糖尿病を患っていたが、ここ数年手足のしびれ、冷感、痛みに悩まされてきた。医師の診断は糖尿病性神経症であった。その治療のためにいろいろな薬剤を処方されたが、特に改善は見られなかった。そこでAは、食品用のアルギニンを、1日あたり4ないし12gを2ないし3回にわけ、3ヶ月間摂取したところ、手足のしびれ、冷感、痛みは徐々に改善し、3ヶ月目にはこれらはかなり改善していた。副作用は全くなかった。 【0016】 【実施例2】Bは長年痔を患っていた。その症状は排便時毎の出血と痛み、肛門部の持続的な痛みとかゆみで、夜間にはその痛みとかゆみはさらに強くなった。坐薬によって治療していたが、その効き目は一過性で連用によって効き目は減弱した。医師の診断は内痔核であった。Bはそこで、食品用のアルギニンを、1日あたり4ないし10gを2ないし3回にわけ、3ヶ月間摂取したところ、排便時の出血、痛み、肛門部の持続的な痛みとかゆみが全くなくなった。副作用は全くなかった。 【0017】 【発明の効果】本発明のアルギニン、アルギニン塩またはアルギニン組成物は、その摂取により、糖尿病合併症の予防、進展防止、改善に有用である。特に、糖尿病性神経症、塘尿病性網膜症、糖尿病性腎症の予防、進展防止、改善に有用である。また、痔疾およびそれに伴う諸症状、例えば、患部からの出血、痛み、かゆみ等の予防、改善にも有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598143309 【氏名又は名称】古賀 信子
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| 【出願日】 |
平成10年9月10日(1998.9.10) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−83623(P2000−83623A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月28日(2000.3.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−296005 |
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