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【発明の名称】 食品用炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む混合エマルジョン及びその製造方法
【発明者】 【氏名】神崎 直子

【氏名】瀬古 亜紀子

【氏名】高木 浩二

【要約】 【課題】平均粒子径が0.1-50μmの炭酸カルシウム(CaCO3)を1-30wt%と平均粒子径が0.1-50μmの炭酸マグネシウム(MgCO3)を1-30wt%と分散剤とを含み、前記各成分を水に安定分散させたことにより、微分散状態で長期間良好に保持でき、製造コストも安価である混合エマルジョンを提供する。

【解決手段】CaCO3とMgCO3とを含む混合水スラリーを湿式ボールミルを用いて粉砕処理し、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の分散剤を加えて、水分散液状態でクリアランスを通過させ高圧で壁面に衝突させて微粒子化させる。湿式ボールミルはたとえばマイクロビーズミル装置20を用いる。供給口30からビーズを液体とともに供給し、排出口31から排出する。また装置20内には供給口26から混合スラリーを供給し、ディスク25の回転による撹拌により、混合スラリーに含まれる凝集粒子を微粉砕する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む水系の混合エマルジョンであって、平均粒子径が0.1〜50μmの範囲の炭酸カルシウム1〜30重量%と、平均粒子径が0.1〜50μmの範囲の炭酸マグネシウム1〜30重量%と分散剤とを含み、前記各成分を水に安定分散させたことを特徴とする食品用炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む混合エマルジョン。
【請求項2】 炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムの混合重量比率が、炭酸カルシウム:炭酸マグネシウムで1:5〜5:1の範囲である請求項1に記載の混合エマルジョン。
【請求項3】 炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムの混合重量比率が、炭酸カルシウム:炭酸マグネシウムで1:2〜2:1の範囲である請求項2に記載の混合エマルジョン。
【請求項4】 分散剤が、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及び大豆リン脂質から選ばれる少なくとも一つの分散剤である請求項1に記載の混合エマルジョン。
【請求項5】 分散剤が、縮合リン酸塩である請求項1に記載の混合エマルジョン。
【請求項6】 縮合リン酸塩が、ヘキサメタリン酸ナトリウムである請求項5に記載の混合エマルジョン。
【請求項7】 縮合リン酸塩が、ピロリン酸ナトリウムである請求項5に記載の混合エマルジョン。
【請求項8】 分散剤の添加量が、0.1〜10重量%の範囲である請求項1に記載の混合エマルジョン。
【請求項9】 炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムのそれぞれの一次粒子径が、0.01〜0.5μmの範囲である請求項1に記載の混合エマルジョン。
【請求項10】 混合エマルジョンを容器内で保存したとき、1週間以上保存が可能である請求項1に記載の混合エマルジョン。
【請求項11】 炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む水系の混合エマルジョンの製造方法であって、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムとを含む混合水スラリーを湿式ボールミルを用いて粉砕処理し、分散剤を加えて水分散液状態でクリアランスを通過させ高圧で壁面に衝突させて微粒子化させることを特徴とする食品用炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む混合エマルジョンの製造方法。
【請求項12】 湿式ボールミルが、密閉式の水平型のマイクロビーズミルである請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】 水分散液状態で高圧で壁面に衝突させる処理が、高圧ホモジナイザーによる処理である請求項11に記載の製造方法。
【請求項14】 分散剤が、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及び大豆リン脂質から選ばれる少なくとも一つの分散剤である請求項11に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の食品用炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む混合エマルジョン及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、牛乳、ジュース等や固体の食品に添加してカルシウムとマグネシウムを強化するのに利用される、液中に分散させた食品用炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む混合エマルジョン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネシウムは、血管の拡張作用があり、狭心症や心筋梗塞に対しての薬効があるミネラル成分として、食品添加物としての利用が考えられている。しかし、マグネシウムを含む炭酸マグネシウムは、りん片状の結晶を作り、凝集しやすく、安定なエマルジョンを得ることは困難であった。
【0003】一方、カルシウムは、骨格や歯の形成、細胞活力の維持、神経刺激感受性、筋力収縮作用及び血液凝固作用等に関与する、人体にとって極めて重要な元素の一つである。とくに近年は、カルシウム不足により骨粗しょう症をもたらす等、カルシウム摂取量の不足が指摘されている。このカルシウム摂取量の不足を解消するため、カルシウム強化食品が販売されるようになってきており、一般的にカルシウムの含有量が多いとされている牛乳においても、さらにカルシウムを添加してカルシウム強化牛乳として提供することが試みられている。
【0004】従来、食品添加用の炭酸カルシウムとしては、カルシウム剤の水懸濁液を乾燥して粉体とする方法が提案されている(例えば特開平6−197736号公報、特開平5−344862号公報等)。
【0005】これらの方法では、カルシウム剤に分散剤を加えて、懸濁液としているが、さらにこれを乾燥してカルシウム剤の粉末としている。また、炭酸カルシウムの粉体に水を添加し、炭酸カルシウムの水懸濁液を調製し、該水懸濁液を湿式粉砕した後、調製された水スラリー中の炭酸カルシウム100重量部に対し、HLBが10以上の親水性乳化剤を添加し、ボールミル等の分散機を用いて炭酸カルシウムスラリーの製造方法が提案されている(例えば特開平5−319817号公報、特開平6−56423号公報)。さらに、本出願人らは、高圧ホモジナイザーを用いて炭酸カルシウムスラリーを作ることを提案している(特開平8−205820号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技術では炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む混合エマルジョンを得ようとする試みがなかっただけではなく、炭酸マグネシウムは前記した通り、凝集しやすく、安定なエマルジョンを得ることは困難であり、また従来の分散処理方法をそのまま用いても、微分散した混合エマルジョンを得ることが困難であった。
【0007】本発明は、前記従来技術の有する問題点を解決し、微分散でき、かつその状態で長期間良好に保持でき、製造コストも安価である食品用炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む混合エマルジョン及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明の食品用炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む混合エマルジョンは、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む水系の混合エマルジョンであって、平均粒子径が0.1〜50μmの範囲の炭酸カルシウム1〜30重量%と、平均粒子径が0.1〜50μmの範囲の炭酸マグネシウム1〜30重量%と分散剤とを含み、前記各成分を水に安定分散させたことを特徴とする。前記において「安定分散」とは、実用的に一定の期間安定して混合エマルジョンが保存できる状態をいう。好ましい安定期間は、1週間以上、さらに好ましくは2週間以上である。
【0009】前記混合エマルジョンにおいては、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムの混合重量比率が、炭酸カルシウム:炭酸マグネシウムで1:5〜5:1の範囲であることが好ましく、さらに、炭酸カルシウム:炭酸マグネシウムで1:2〜2:1の範囲であることが好ましい。
【0010】また前記混合エマルジョンにおいては、分散剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及び大豆リン脂質から選ばれる少なくとも一つの分散剤であることが好ましい。これらのうちとくにショ糖脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルの併用系分散剤であることが好ましい。前記の併用系分散剤を用いると、2週間後においても良好な分散状態を維持できる。また前記混合エマルジョンにおいては、分散剤が、無機系分散剤であることが好ましい。さらに好ましくは縮合リン酸塩、さらに好ましくはポリ(メタリン酸ナトリウム)及びポリリン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一つのリン化合物であり、とくに好ましくはヘキサメタリン酸ナトリウムまたはピロリン酸ナトリウム(たとえばNa427)である。なお、ヘキサメタリン酸ナトリウムは(NaPO3nで表されるが、nは=6ではなく、一般に10〜23の重合度を持つ化合物である。またヘキサメタリン酸ナトリウム及びピロリン酸ナトリウムは食品添加物としても認められている。従来例においては、乳化剤として糖脂肪酸エステルからなる単成分系分散剤を用いていたが、炭酸マグネシウムが存在すると好ましい分散安定性が得られないという問題がある。これに対して、前記本発明の分散剤は分散安定性が得られ、長期間の保存性にも優れる。また前記混合エマルジョンにおいては、分散剤の添加量が、0.1〜10重量%の範囲であることが好ましい。とくに好ましい添加量は、0.5〜5重量%の範囲である。
【0011】また前記混合エマルジョンにおいては、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムのそれぞれの一次粒子径が、0.01〜0.5μmの範囲であることが好ましい。また前記混合エマルジョンにおいては、混合エマルジョンを容器内で保存したとき、1週間以上保存が可能であることが好ましく、さらに2週間以上保存が可能であることが好ましい。
【0012】次に本発明の食品用炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む混合エマルジョンの製造方法は、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む水系の混合エマルジョンの製造方法であって、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムとを含む混合水スラリーを湿式ボールミルを用いて粉砕処理し、分散剤を加えて水分散液状態でクリアランスを通過させ高圧で壁面に衝突させて微粒子化させることを特徴とする。
【0013】前記方法においては、湿式ボールミルはどのようなタイプでも使用することができるが、密閉式の水平型のマイクロビーズミルを用いることが微分散するうえで好ましい。さらに密閉式の水平型のマイクロビーズミルを用いた分散処理は、2〜5回繰り返すのが好ましく、とくに2〜3回繰り返すのが好ましい。また前記方法においては、水分散液状態で高圧で壁面に衝突させる処理が、高圧ホモジナイザーによることが好ましい。ここで高圧ホモジナイザーとは、米国A.P.GAULIN,社製商品名である。
【0014】また前記製造方法においては、高圧ホモジナイザー処理における炭酸カルシウム水分散液状態の一次圧力が100〜1,000kgf/cm2 の範囲であることが好ましい。前記一次圧力は、好ましくは250〜750kgf/cm2 の範囲、とくに好ましくは350〜550kgf/cm2 の範囲である。また前記方法においては、分散剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及び大豆リン脂質から選ばれる少なくとも一つの分散剤であることが好ましい。これらのうちとくにショ糖脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルの併用系分散剤であることが好ましい。前記の併用系分散剤を用いると、2週間後においても良好な分散状態を維持できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、炭酸カルシウムの存在量を1〜30重量%とするのは、1重量%未満では、食品に添加する炭酸カルシウムの添加量を多くできないからであり、30重量%を越えると、長期間炭酸カルシウムを安定して分散させることができなくなるからである。炭酸マグネシウムの添加量も同様の理由から1〜30重量%の範囲である。分散剤の添加量を0.1〜10重量%としたのは、多過ぎると食味が悪くなるとともに、分散剤のむだが多くなるからであり、これより少ないと長期間粒子が安定して懸濁していることができなくなるからである。また一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.5μmの範囲であって、かつその凝集体である二次粒子の平均粒子径が0.1〜50μmの範囲の炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムであると、水分散状態で保存安定性を良好に保つことができる。
【0016】次に、本発明で用いる炭酸カルシウムは、生石灰に水を加えて消化し、生成した石灰乳に炭酸ガスを吹き込んで反応させ、得られた一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.5μmの範囲の炭酸カルシウムを熟成して安定化した粒子を用いるのが好ましい。炭酸マグネシウムについてはどのようなものでも使用することができる。
【0017】以下図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施の形態の第1段目の処理に用いる密閉式の水平型のマイクロビーズミル装置20の概略断面図である。マイクロビーズミル20の中心軸24に固定されたディスク25は、回転軸の回転とともに回転する。シリンダーは外部シリンダー21と内部シリンダー23で構成され、中間部はジャケット(中空)22になっており、供給口28から冷却水または加温水が供給されて排出口29から排出され、シリンダー内の温度を一定に保つ。ディスク25及び内部シリンダー23の材質は、耐磨耗性に優れる焼き入鋼、ステンレス鋼、ジルコニア等が好ましい。装置20内部には、供給口30からビーズを液体とともに供給し、排出口31から排出する。ビーズとしては、ジルコンビーズ、ジルコニアビーズ、スチールボール等を使用することができ、好ましいサイズは平均直径0.1mm〜3.0mmの範囲である。また装置20内部には供給口26から炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムの混合スラリーを供給し、装置20内部のディスク25の回転による撹拌により、ビーズを流動化させ、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムを微粉砕する。このとき分散剤を添加する。図2は、図1のマイクロビーズミル装置20をモータ32とベルト33により動力伝達して回転軸24を回転させている概略部分断面図である。
【0018】図3〜4は本発明の一実施の形態の第2段目の処理に用いる高圧ホモジナイザー微粒化装置である。図3に示すように、高圧ホモジナイザー1、三方弁2と、貯留タンク3とポンプ4とを備えている。高圧ホモジナイザー1の噴射部10は、図4に示すように、バルブ11、このバルブ11が接離して流体が通過するクリアランス13を調整するノズル12と、クリアランス13を通過したスラリーを衝突させる衝突壁14と図示しないポンプとを有している。なお図3中、5は貯留タンクのスラリー16を撹拌する撹拌機、6は高圧ホモジナイザー1へ供給するスラリー量を調節するバルブ、7は圧力計である。また18は微細化した炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムの混合エマルジョン貯蔵タンクへつながるパイプラインである。
【0019】スラリー中の炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムの粒径を所定の大きさにする微粒化は、図4に示すように、スラリー16をポンプ等により100〜1,000kgf/cm2 の範囲、好ましくは250〜750kgf/cm2 の範囲、とくに好ましくは350〜550kgf/cm2 の範囲に加圧し、狭くされたクリアランス13から噴射して高速で衝突壁14に衝突させ、広く形成された胴部15で減圧することにより行った。スラリーは矢印のように流れた。17は微粒子化された炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム混合エマルジョンである。
【0020】
【実施例】以下に実施例及び比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお、下記の実施例及び比較例中、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムの粒度分布は、島津製作所製、レーザ回折式粒度分布測定装置(商品名:SALD−2000)を用いて測定した。また粒子の分散性は、ポリエチレンの20リットル容器に入れ、室温(25℃)で1週間静置したときに沈降の見られないものを○とし、沈降が認められたものを×とした。
【0021】実施例1(1)炭酸カルシウム原料スラリーの準備炭酸カルシウムの原石を焼成して生石灰を製造した。このとき発生する炭酸ガスは回収して炭酸カルシウムの化合などに利用した。生石灰に水を加えて消化して消石灰を生成し、水酸化カルシウムが水に懸濁した石灰乳を生成した。次に、石灰乳に炭酸ガスを吹込んで炭酸化反応を行わせて炭酸カルシウムが水に懸濁したスラリーを得た。ついで、スラリー中の炭酸カルシウムの濃度を10〜15重量%、PHを11〜11.5に調整した。このスラリー中の炭酸カルシウムの一次粒子の平均粒径は、電子顕微鏡写真観察により測定したところ0.01〜0.5μmであった。そして、この炭酸カルシウムを水に懸濁し、このスラリーをタンク内で保持することにより熟成させた。熟成条件は、65℃、24時間であった。これにより凝集を起こしにくい安定な粒子を生成させた。
【0022】(2)炭酸マグネシウム原料スラリーの準備赤穂化成社製の塩基性炭酸マグネシウム粉をホモミキサーを用いて分散した。
(3)混合比炭酸カルシウム(CaCO3):炭酸マグネシウム(MgCO3)=2:1(4)スラリー濃度10重量%水分散液、20重量%水分散液(5)分散剤濃度ヘキサメタリン酸ナトリウム(0.5重量%、1.0重量%、1.5重量%)
(6)分散方法分散剤を添加した混合スラリーを、図1〜2に示す密閉式水平型のマイクロビーズミル装置20で1〜4回処理し、その後、図3〜4に示すように、高圧ホモジナイザー1で1回処理した。なお、密閉式水平型のマイクロビーズミル装置のパス回数は、1回、2回、3回、4回とした。また、高圧ホモジナイザー処理は1回とし、圧力は500kgf/cm2 とした。
【0023】(7)結果■ スラリー濃度の影響下記表1に示す通りである。
【0024】
【表1】

【0025】■ 分散剤濃度の影響下記表2に示す通りである。
【0026】
【表2】

【0027】なお、分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムに代え、ピロリン酸ナトリウム(たとえばNa427)を使用したところ、ヘキサメタリン酸ナトリウムと同様な結果が得られた。
【0028】■ マイクロビーズミル装置のパス回数の影響下記表3に示す通りである。
【0029】
【表3】

【0030】■ 微分散処理前の炭酸カルシウム(CaCO3)と炭酸マグネシウム(MgCO3)の原料の粒子径は下記表4に示すとおりであった。
【0031】
【表4】

【0032】比較例1実施例1において、スラリー濃度を10重量%とし、分散剤を添加しないほかは実施例1と同様に実験した。その結果、平均粒子径:2.21μm、1μm以上の粒子量:85.91重量%、分散液の粘度:180cps、1日後の分散性:×であった。
【0033】比較例2実施例1において、スラリー濃度を10重量%、分散剤を0.5重量%とし、マイクロビーズミル装置のパス回数:3のみで、高圧ホモジナイザー処理をしない場合について実験した。その結果、平均粒子径:1.40μm、1μm以上の粒子量:60.67重量%、分散液の粘度:25cps、1週間後の分散性:×であった。
【0034】比較例3実施例1において、スラリー濃度を10重量%、分散剤を0.5重量%とし、マイクロビーズミル装置による処理をせず、高圧ホモジナイザー処理を1回した場合について実験した。その結果、平均粒子径:1.61μm、1μm以上の粒子量:47.18重量%、分散液の粘度:28cps、1週間後の分散性:×であった。
【0035】比較例4実施例1において、炭酸カルシウムを加えないで、炭酸マグネシウムのみを使用し、スラリー濃度を10重量%、分散剤を0.5重量%とし、マイクロビーズミル装置のパス回数:3で、高圧ホモジナイザー処理を1回した場合について実験した。その結果、平均粒子径:1.88μm、1μm以上の粒子量:86.85重量%、分散液の粘度:30cps、1週間後の分散性:×であった。
【0036】実施例2(1)CaCO3とMgCO3の混合割合原料スラリー濃度実施例1と同様にして、炭酸カルシウム(CaCO3)と炭酸マグネシウム(MgCO3)の原料スラリーを準備した。両者の混合比はCaCO3:MgCO3=2:1とし、スラリー濃度を10重量%の水分散液とした。
(2)分散剤分散剤は、ショ糖脂肪酸エステル(添加量:1.5重量%)及びグリセリン脂肪酸エステル(添加量:0.5重量%)の併用系分散剤を用いた。グリセリン脂肪酸エステルとしては、モノラウリン酸ペンタグリセリンを用いた。
(3)分散方法分散方法は実施例1と同様に図1〜2に示す密閉式水平型のマイクロビーズミル装置20で3回処理し、その後、分散剤を加えて図3〜4に示すように、高圧ホモジナイザー1で1回処理した。なお、高圧ホモジナイザー処理は1回とし、圧力は500kgf/cm2 とした。
(4)結果分散性は良好(○)であり、平均粒子径は0.468μmであった。また、1μm以上の粒子量は、21.96重量%であった。さらに2週間後の分散性も測定したところ、良好(○)であった。
【0037】参考例1分散剤を混合スラリーに添加後、マイクロビーズミルで処理する以外は実施例2と同様に実験した。その結果、平均粒子径は0.901μm、1μm以上の粒子量は47.05重量%、分散性は良好(○)であった。
比較例5分散剤をショ糖脂肪酸エステル1.5重量%のみ添加する以外は実施例2と同様に実験した。その結果、平均粒子径は0.521μm、1μm以上の粒子量は23.32重量%、分散性は不良(×、1日後に凝集)であった。以上の実施例から明らかな通り、CaCO3とMgCO3とを含む混合水スラリーを水平型マイクロビーズミル装置を用いて粉砕処理し、分散剤を加えて高圧ホモジナイザー処理することにより、混合スラリーに含まれる凝集粒子を微粉砕し、かつ安定分散した混合エマルジョンを製造できることが確認できた。この結果、平均粒子径が0.1-50μmの炭酸カルシウム(CaCO3)を1-30重量%と平均粒子径が0.1-50μmの炭酸マグネシウム(MgCO3)を1-30重量%と分散剤とを含み、前記各成分を水に安定分散させたことにより、微分散状態で長期間良好に保持でき、製造コストも安価である混合エマルジョンが実現できた。
【0038】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の食品用混合エマルジョンによれば、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む水系の混合エマルジョンであって、平均粒子径が0.1〜50μmの範囲の炭酸カルシウム1〜30重量%と、平均粒子径が0.1〜50μmの範囲の炭酸マグネシウム1〜30重量%と分散剤とを含み、前記各成分を水に安定分散させたことにより、微分散状態で長期間良好に保持でき、製造コストも安価である食品用炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを含む混合エマルジョンを提供することができる。
【0039】また本発明の製造方法によれば、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムとを含む混合水スラリーを湿式ボールミルを用いて粉砕処理し、分散剤を加えて水分散液状態でクリアランスを通過させ高圧で壁面に衝突させて微粒子化させることにより、効率良く合理的に前記混合エマルジョンを製造できる。
【出願人】 【識別番号】594178974
【氏名又は名称】竹原化学工業株式会社
【出願日】 平成10年11月4日(1998.11.4)
【代理人】 【識別番号】100095555
【弁理士】
【氏名又は名称】池内 寛幸 (外3名)
【公開番号】 特開2000−83622(P2000−83622A)
【公開日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【出願番号】 特願平10−313229