| 【発明の名称】 |
飲食物 |
| 【発明者】 |
【氏名】米谷 俊
【氏名】西村 隆久
【氏名】中江 貴司
【氏名】滝井 寛
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】クラスターデキストリン及び/またはサイクロアミロースを用いた膨満感がなく、速やかに吸収されることを特徴とする飲食物【請求項2】サイクロアミロース及び/又はクラスターデキストリンの合計の配合比率が全液状部分重量比5%以上25%以下であることを特徴とする請求項1に記載の飲食物 |
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は胃などの消化管に負担をかけず、速やかにエネルギー摂取の可能な飲食物の製造に関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】糖質は重要な栄養源のひとつである。通常の場合は食物からの摂取で充分であるが、消化管の機能が低下している手術後、拒食症、飢餓などによる栄養失調状態下においては通常の食物の形での栄養補給は困難である。したがって、消化管から吸収しやすい形で多量の糖質を補給する必要がある。また、上記のような病的な状態ではないが、労働や運動の途中もしくは運動後のように、代謝機能が亢進し、グリコーゲンなどのエネルギー源の消耗が著しいときは、糖分の急速な補給が望ましい。 【0003】消化機能が低下している人々への糖分補給としてこれまで採用されてきた方法は、グルコースやマルトースの形での点滴であるが、これらは浸透圧の関係で高濃度にすることは困難で、必要なカロリーを補給するためには長時間かかることが欠点であった。そこで、経口的に投与する方法も試みられているが、消化機能が低下している人々には負担となり、速やかなカロリー摂取は困難である。 【0004】また、病的な問題として、胸やけ、腹部膨満感、食欲不振、腹痛などのいわゆる消化器不定愁訴は急・慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃下垂などの疾患時の症状として発現してくるが、その大きな要因として胃運動機能の低下による胃排出速度の低下があげられる。従来、胃運動機能低下を改善するために、ドーパミン2受容体拮抗剤(一般名:シサプリド、特開昭58-90552;BRL-24924、特開昭62-270583)やセロトニン3受容体拮抗剤(一般名:ICS205-930、特開平2-237920;チエノ(3,2-b)ピリジン誘導体、特開平5-310747)などが開発されている。 【0005】さらに、酵素作用の異なる2種以上の澱粉消化酵素(例えば、糖化型アミラーゼと液化型アミラーゼ)を配合することにより、それら酵素の相乗効果によって糖質を速やかにかつ充分に分解させ、食べ過ぎ、消化不良などに起因する胃腸の不快な症状(例えば、胃もたれ、膨満感など)を速やかに緩解する方法(特公昭64-7972)が開発されている。しかしながら、これらは摂取した食品の消化を助ける方法であって、膨満感を起こしにくく速やかに吸収される食品の開発例はこれまでに存在しない。 【0006】一方、健康な人々に対しても速やかなエネルギー摂取は重要である。特に、運動選手などの基礎体力増進、運動後のエネルギー補給およびグリコーゲンローディングに努めている人においては、グルコースやマルトースなどの単糖・少糖類では甘味が強すぎて、また、分子量の高いデキストリンや澱粉では老化が起こるために飲料などの形態で簡単に摂取することは困難であった。現在、アスリートばかりでなく一般のスポーツ愛好家の間でもこのようなニーズを満足させる食品が求められている。 【0007】よって、本発明が解決しようとする課題は美味で摂取しやすく、しかも消化管からの吸収が急速かつ良好であるため、消化機能の低下した人、または、労働やスポーツの途中やその後の疲労回復、体位向上などのためのカロリー補給に有効であり、しかも摂取者に胃もたれ感や膨満感を与えない飲食物を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】胃腸に負担をかけず、容易にエネルギー摂取ができる食品を提供するため、出願人は鋭意研究の結果、以下の発明を完成させた。飲食品の胃から腸への移送については、超音波エコー装置(東芝メディックス社製)を用いて非浸襲的に胃の断面を測定する方法を利用して、食品を摂取した直後の最大胃拡張時の胃幽門前庭部横断面積を測定し、その面積が1/2になるまでの時間が食品が胃から腸へ移送される時間と非常によい相関があることを明らかになっている(Biosci. Boitech. Biochem., 62, 846-851(1998))。その方法を用いて種々の糖質について検討した結果、クラスターデキストリン及びサイクロアミロースが非常に早く胃から腸へ移送されることを発見し、この発明を完成させることができた。 【0009】本発明において、クラスターデキストリンとは枝作り酵素をアミロぺクチンに作用させて生産した環状構造をもつデキストリンをいう。(特願平7−195647号)また、サイクロアミロースとはD酵素をアミロぺクチンに作用させて生産した環状構造をもつデキストリンをいう。(特願平7−195647号) すなわち、これらの物質はα-1,4-グルコシド結合およびα-1,6-グルコシド結合を有する糖類に作用して、糖転移酵素を作用させ生成させた環状構造を有するグルカンをいう。 【0010】本発明で使用する酵素は、枝作り酵素(1,4-α-D-glucan : 6-α-D-(1,4-α-D-glucano)-transferase, EC 2.4.1.18)、D酵素またはアミロマルターゼ(1,4-α-D-glucan : 4-α-glucosyltransferase, EC 2.4.1.25)、サイクロデキストリン合成酵素(1,4-α-D-glucan : 4-α-D-(1,4-α-D-glucano)-transferase (cyclizing), EC 2.4.1.19)など糖転移酵素であれば、いずれのものでも利用することができる。飲食物の液状部分におけるクラスターデキストリン及び/又はサイクロアミロース含有率は(液状部分だけの)全重量比おおむね5%以上25%以下とすることがのぞましい。クラスターデキストリン及び/又はサイクロアミロースの比率がこれより少なすぎると本願の目的を達成できないし、比率がこれより多すぎると粘度が上昇し、これもまた本願の目的を達成できない。 【0011】但し、前述のように飲食物において液状部分と固体状部分がある場合、その液状部分に本願の飲食物を作成するにおいてクラスターデキストリン及びサイクロアミロースの添加は他の原料との添加順序、加熱の有無、混合方法等はクラスターデキストリン及びサイクロアミロースの構造が破壊されるものでなければ、その手段を問わない。本発明の飲食物は、小児が風邪などの病気で食欲がない時のエネルギー補給、高齢者が胃に負担がかかって食事の量が少なくなってきた時のエネルギー補給、運動時に胃に負担をかけずに摂取できるエネルギー補給などに用いられる。さらには、ビタミンなど微量栄養素を添加し、栄養補給も同時に行える。 【0012】 【実施例】以下に本願の実施例を示す。一晩絶食した健康な被験者10人に糖質溶液または水350mlを摂取してもらい、その後の胃幽門前庭部横断面積(胃内容物量と高い相関がある)を超音波エコー装置(東芝メディックス社製)を用いて経時的に測定した。胃からの溶液排出速度は、最大胃拡張時の胃の面積が半分に減少するまでの時間(1/2 GE 時間)を指標とした。各経時的データは2次回帰分析して1/2 GE 時間を求めた。また、実験中の胃からの溶液排出の感覚、飲みやすさおよび実験終了後の下痢の有無などを聞き取った。 【0013】(実施例1) クラスターデキストリンとグルコース溶液の胃排出速度の比較各10%溶液では、グルコースを摂取したときの胃排出速度が38分であったのに対しクラスターデキストリンでは27分であり、クラスターデキストリンはグルコースよりも有意に速く胃から輸送されることがわかった。また、10%グルコース溶液摂取時は多くの被験者が過度の甘味を、10人中5人が実験中の腹部における溶液の停滞感を訴えた。しかしながら、クラスターデキストリンは無味で低粘度であるため飲みやすく、飲用後の腹部の停滞感を訴えた人はいなかった。 【0014】(実施例2) クラスターデキストリンとフルクトース溶液の胃排出速度の比較クラスターデキストリン、フルクトース両溶液において胃排出速度に有意な差は見られなかった(共に27分)が、10%フルクトース溶液摂取時は全ての被験者が過度の甘味を感じ飲みにくく、実験後には10人中4人が腹痛(軟便又は下痢)を訴えた。 【0015】(実施例3) クラスターデキストリンとスクロース溶液の胃排出速度の比較クラスターデキストリン、スクロース両溶液において胃排出速度に有意な差は見られなかった(共に27分)が、10%スクロース溶液摂取時は全ての被験者が過度の甘味を訴えた。 【0016】(実施例4) クラスターデキストリンと澱粉溶液の胃排出速度の比較澱粉は熱水にて可溶化した溶液を用いたが、摂取温度の30℃にすると、老化が始まった。また高い粘度を発生し飲用しにくく、本発明の実験で標準的に用いた350mlを2秒(一気に)飲むという条件では飲用できなかった。 【0017】(実施例5) サイクロアミロースと各糖質溶液の胃排出速度の比較クラスターデキストリンの場合と同様、サイクロアミロースとグルコース、フルクトース、スクロース、澱粉について胃排出速度を比較した。その結果、クラスターデキストリンの場合と同様の結果を得た。 【0018】 【発明の効果】胃から腸への移送速度が速いので、胃に負担をかけず、膨満感が少ない飲食物である。また、溶液の甘味度が低いことから濃度を高くしても甘味を気にせずに摂取することができる。したがって、速やかなエネルギー摂取が必要な運動時や、病気・高齢などで食欲がない場合、あるいは、胃に負担がかかって食事の量が少なくなってきた場合に無理なくエネルギー補給が可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000228 【氏名又は名称】江崎グリコ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月16日(1998.9.16) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−83621(P2000−83621A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月28日(2000.3.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−280555 |
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