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【発明の名称】 健康食品とその製造方法
【発明者】 【氏名】島田 修

【要約】 【課題】パパイヤの果肉から得られるキモパパインを活性化させることにより、タンパク質を体内でより効果的に分解できる状態にして含有させた健康食品を提供する【解決手段】 健康食品1は、パパイヤ2の果肉4を乾燥したのち、粉砕して得られた粉末6と、ビワ3の種子5を乾燥したのち、粉砕して得られた粉末7とを混合したものである。

【解決手段】健康食品1は、パパイヤ2の果肉4を乾燥したのち、粉砕して得られた粉末6と、ビワ3の種子5を乾燥したのち、粉砕して得られた粉末7とを混合したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パパイヤ果肉の乾燥粉末又はパパイヤ果肉から抽出されるキモパパインに、シアン化物の単体物又はシアン化物とナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との複合物を添加したことを特徴とする健康食品。
【請求項2】 パパイヤ果肉の乾燥粉末又はパパイヤ果肉から抽出されるキモパパインに、システインの単体物又はシステインとナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との複合物を添加したことを特徴とする健康食品。
【請求項3】 パパイヤ果肉の乾燥粉末と、アミグダリンを含有する種子の乾燥粉末との混合物からなることを特徴とする健康食品。
【請求項4】 前記乾燥粉末の粒径が共に数十〜百ミクロンメートルである請求項3記載の健康食品。
【請求項5】 パパイヤ果肉を常温以下で乾燥させたものを粉体に加工するとともに、アミグダリンを含有する種子を乾燥させたものを粉体に加工したのち、両者を混合することを特徴とする健康食品の製造方法。
【請求項6】 パパイヤ果肉を凍結乾燥法により乾燥させた請求項5記載の健康食品の製造方法。
【請求項7】 アミグダリンを含有する種子を火入乾燥法により乾燥させた請求項6記載の健康食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パパイヤ果肉から得られるキモパパイン(一種のタンパク質分解酵素)を活性化させた状態で含有した健康食品(健康に良い成分を含む食品)とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パパイヤの果肉にいくつかのタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)が含まれていることはよく知られており、タンパク質の消化吸収を促進するデザートとして食卓でもおなじみである。パパイヤ果肉に含まれているタンパク質分解酵素の1つであるパパインは、精製されて食肉の軟化などにも利用されている。また、パパイヤ果肉にはこのほかにキモパパインというタンパク質分解酵素も含まれている。キモパパインはタンパク質に対して、膵臓から分泌されるキモトリプシンと同じ働きをする酵素である。
【0003】最近では、キモパパイン(活性化させた状態)が白血病細胞のアポトーシス(細胞自滅作用)を誘発することも報告されている。京都大学医学部第一内科講師、吉田らによれば、キモパパインを急性白血病細胞株に添加したところ、1時間後に60%の細胞が、また6時間後には90%の細胞が死滅したと報告している。しかも、正常な細胞には影響を及ぼさないことも確認されているため、急性白血病の治療法として期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】パパイヤ果肉に含まれているパパインは代表的なSH酵素で、活性発現するために必須であるSH基(スルフヒドリル基)をパパイン自身の酵素分子内に持っているため、それだけでタンパク質に対して有効に作用する。ところがキモパパインはこれ自身ではタンパク質分解酵素としてほとんど機能せず活性発現しないため、パパイヤ果肉だけを食べても、含有されているキモパパインはタンパク質に対して十分な反応をしないまま体外へ排出されてしまう。
【0005】また、白血病細胞株にパパイヤ果肉から抽出したキモパパインだけを添加しても、アポトーシスを誘発する働きは十分ではない。
【0006】この発明は上述の点に鑑みなされたもので、パパイヤの果肉から得られるキモパパインを活性化させることにより、タンパク質を体内でより効果的に分解できる状態にして含有させた健康食品とその製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために請求項1に係る健康食品は、パパイヤ果肉の乾燥粉末又はパパイヤ果肉から抽出されるキモパパインに、シアン化物の単体物又はシアン化物とナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との複合物を添加したことを特徴とする。
【0008】上記健康食品によれば、本健康食品に含有されているキモパパインの酵素が、既にシアン化物から発生するシアン化水素により、活性化されているため、同健康食品を食すると、体内に入ったキモパパインがタンパク質を分解する、消化酵素として有効に作用する。また、健康食品注の活性化されたキモパパインを添加することにより、白血病細胞株にアポトーシスを誘発させることもできる【0009】請求項2のように、パパイヤ果肉の乾燥粉末又はパパイヤ果肉から抽出されるキモパパインに、システインの単体物又はシステインとナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との複合物を添加しキモパパインにシステインの単体物または複合物を添加してもよい。
【0010】上記健康食品によれば、システインのSH基が本健康食品に含有されているキモパパインの酵素を活性化させる働きがあることから、本健康食品に含有されているキモパパインは既に活性化されているため、同健康食品は請求項1の上記した作用とほぼ同様の作用を有する。
【0011】本発明の請求項3に係る健康食品は、パパイヤ果肉の乾燥粉末と、アミグダリンを含有する種子の乾燥粉末との混合物からなる。アミグダリンは広くバラ科の植物の種子に存在する配糖体で、酸などで加水分解されるとシアン化水素等を生ずる。
【0012】したがって、本発明の健康食品を例えば水と一緒に経口摂取すると、含まれているアミグダリンが胃酸で加水分解されてシアン化水素を出す。このシアン化水素が、混合物中のキモパパインを活性化させることにより、キモパパインがパパインとともにタンパク質を分解することができ、タンパク質の消化をより促進する。また、本発明の健康食品は、粉体の混合物なので、体内での反応性が良いほか、常備したり携帯することもできる。さらに、種子に含まれるビタミンやミネラルも同時に摂取できる。
【0013】請求項4のように、パパイヤ果肉の乾燥粉末と、アミグダリンを含有する種子の乾燥粉末との粒径が、共に数十〜百ミクロンメートル(μm)程度とできるだけ小さく且つ均一であれば、より均質な混合物が得られるため、体内でのタンパク質に対する反応性が良くなる。
【0014】本発明の請求項5に係る健康食品の製造方法は、パパイヤ果肉を常温以下で乾燥させたものを粉体に加工すると共に、アミグダリンを含有する種子を乾燥させたものを粉体に加工したのち、両者を混合するものである。パパイヤ果肉に含まれるタンパク質分解酵素は、熱により失活するおそれがあるが、本発明の製造方法によれば、常温より低い温度で乾燥させるため、酵素としての機能は損なわれにくい。
【0015】請求項6のように、パパイヤ果肉を凍結乾燥法により乾燥させると、タンパク質分解酵素が失活するおそれがより減少する上、短時間で乾燥できるので好ましい。
【0016】また請求項7のように、アミグダリンを含有する種子を火入乾燥法により乾燥させることも考えられる。種子は水分が少なくて凍結乾燥に向かない一方、アミグダリンが200℃程度まで耐えられるため、加熱して乾燥させれば乾燥時間の短縮が図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る健康食品について実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施例に係る健康食品を製造する工程を示した概念図である。
【0018】本例の健康食品1は、パパイヤ2の果肉4を乾燥したのち、粉砕して得られた粉末6と、ビワ3の種子5を乾燥したのち、粉砕して得られた粉末7とを混合したものである。パパイヤ2の果肉4にはタンパク質分解酵素であるパパインやキモパパインが含まれているので、当然粉末6にもパパインやキモパパインが含まれている。ビワの種子5に含まれているアミグダリン(図示せず)も粉末7に含まれている。したがって、健康食品1には、キモパパインやアミグダリンが混合されている。
【0019】この健康食品1を水と一緒に経口摂取すると、中のアミグダリンが胃酸により加水分解されてシアン化水素が生じる。そのシアン化水素によってキモパパインは活性発現し、パパイン同様タンパク質を分解する酵素として働くことが可能になる。
【0020】粉末6、7の粒径は数10〜100ミクロンメートル(μm)程度と、できるだけ小さく、且つ均一になるように粉砕する。粒径が小さく、且つ均一である方が均質な混合物が得られ、従って体内での反応性が良くなるからである。
【0021】また、粉末6と粉末7の混合比率は重量比で1:1程度とする。
【0022】次に、この健康食品1の製造方法を説明する(図1参照)。まず、パパイヤ2の果肉4を常温以下で乾燥させ、粉砕機等(図示せず)で均一な粉末6にする。同様に、ビワ3の種子5を乾燥させ、粉砕機等で均一な粉末7にする。そして、これらの粉末6、7をミキサー(図示せず)で混合して健康食品1を製造する。果肉4を常温以下の温度で乾燥させているので、果肉4に含まれているタンパク質分解酵素が失活しにくい。また、均一に粉砕することにより、得られた粉末6、7を均質に混合することができ、反応性の良い健康食品1が得られる。
【0023】パパイヤ2の果肉4の乾燥に凍結乾燥法を用いるとより効果的である。この方法は低温で乾燥させるため、タンパク質分解酵素の失活を十分防ぐことができる上、水分を素早く取り除くことができ、乾燥時間の短縮も図れる。
【0024】さらに、ビワ3の種子5の乾燥に火入乾燥法を用いるとなお良い。種子5に含まれるアミグダリンは熱に強く、200℃程度まで耐えられる。また、水分が少ないので、凍結乾燥法はあまり適当ではない。乾燥に必要な時間やコストを考慮すると火入乾燥法が最も適当であると考えられる。
【0025】製造工程は常温(18℃〜25℃)で行われるが、果肉4に含まれるタンパク質分解酵素は熱で失活する恐れがあるので、乾燥工程はもとより、常に25℃を越えないように管理することが望ましい。
【0026】ここでは一例としてビワの種子を用いているが、アミグダリンを含有する種子であればこの限りでなく、例えば、ウメ、モモ、アンズの種子なども利用できる。
【0027】ところで、上記した実施例では、パパイヤとビワやウメなどの種子を用いる場合を示したが、パパイヤの果肉から抽出されるキモパパインに、シアン化物やシステインなどの薬剤を使用しても同様に実施できる。つまり、パパイヤ果肉を乾燥して粉砕して得られた粉末に、シアン化物の単体物又はシアン化物とナトリウム・カリウムなどの金属元素との複合物あるいはシステインの単体物又はシステインとナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との複合物を微量だけ添加することによっても、キモパパインが活性化されてタンパク質分解機能を発揮するので、食品として食した場合に、体内でキモパパインがパパインとともにタンパク質分解酵素として働く、消化を助ける。
【0028】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、本発明の健康食品とその製造方法には、次のような優れた効果がある。
【0029】請求項1あるいは請求項2の係る健康食品は、パパイヤ果肉あるいはこれから抽出したキモパパインをシアン化物やシステインなどの薬剤を微量用いて活性化することにより、タンパク質分解酵素として有効に働く健康食品が得られるとともに、製造も容易である。
【0030】請求項3に係る健康食品は、パパイヤ果肉とアミグダリンを含有する種子の乾燥粉末を混合することで、これを水と一緒に経口摂取した場合に、パパイヤ果肉だけを食した場合に比べてタンパク質分解酵素の働きが高まる、つまりタンパク質の消化吸収をより促進できるという効果が得られる。それと同時に、パパイヤ果肉や混合する種子に含まれているビタミンやミネラルなどの栄養素も併せて摂取できるという効果もある。
【0031】また、粉末状であるため、保存性や携帯性に優れ、いつでもどこでも利用でいるという利点がある。
【0032】さらに、乾燥させることによりパパイヤの果肉に関しては重量が生のパパイヤの約10分の1程度になり、1日の摂取量が3〜5g入り、1〜2包程度でも効果が得られる。
【0033】この健康食品は、粉末のまま薬のように水と一緒に摂取する以外に、ヨーグルト、牛乳、ジュース等、他の食品に混ぜて食べたり飲んだりしてもよい。ただし、この場合、酵素が失活するのを防ぐため、混ぜるものに熱を加えないよう注意する必要がある。
【0034】請求項5に係る製造方法は、パパイヤ果肉とアミグダリンを含有する種子とを使用し、主に天然の果物をだけを用いて製造できるので、食品としての安全性が高く、またパパイヤ果肉に含まれるタンパク質分解酵素は、熱により失活するおそれがあるが、本発明の製造方法では、常温より低い温度で乾燥させるため、酵素としての機能が損なわれにくいという効果がある。
【出願人】 【識別番号】598094713
【氏名又は名称】株式会社王樹製薬
【出願日】 平成10年9月29日(1998.9.29)
【代理人】 【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実 (外1名)
【公開番号】 特開2000−83619(P2000−83619A)
【公開日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【出願番号】 特願平10−274723