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【発明の名称】 健康食品
【発明者】 【氏名】中川 栄一

【要約】 【課題】ウコンなどの生薬を、健康増進のために継続して日常的に服用しようとするときに生ずる、取り扱い上や服用上の問題を解消し、より日常的に利用しやすい剤形を備えた健康食品を提供する。

【解決手段】本発明の健康食品は、粉末生薬と蛋白分解酵素を含む剤との緊密混合物からなる実質的に乾燥状態の粉末体、特に海綿状多孔質顆粒からなるものであり、ウコン末やガジュツ末などの粉末生薬を単独で服用した場合に比較して、取り扱いが容易であるうえ服用も快適に行え、しかも粉末生薬としてウコンを用いた場合には、単独で服用したときには期待できなかった、顕著な消炎鎮痛効果が発現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粉末生薬と蛋白分解酵素を含む剤との緊密混合物からなる実質的に乾燥状態の粉末体であることを特徴とする健康食品。
【請求項2】 前記粉末体が海綿状多孔質粒子からなるものである、請求項1に記載の健康食品。
【請求項3】 前記粉末生薬がウコン又はガジュツから選ばれた少なくとも1種の生薬からなるものである、請求項1に記載の健康食品。
【請求項4】 粉末生薬100gに対して蛋白分解酵素が20〜40プロテアーゼ単位の割合で含まれている、請求項1に記載の健康食品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生薬であるウコン粉末やガジュツ粉末の飲み難さを改善すると共に、その健康増進効果を増強することができる、生薬配合の健康食品に関する。
【0002】
【従来の技術】ウコンは、熱帯乃至亜熱帯産のショウガ科植物であるウコン(鬱金)の根茎を乾燥粉末としたものであり、生薬として平安時代中期に中国より輸入され、健胃薬、利胆薬、止血薬、或いは体内の鬱血を解消する駆お血薬などとして広く用いられていた。また現在は、このウコンはカレー料理の原料として多量に使用される食品になっている。しかし近年に至り、伝統的生薬が見直される中で、ウコンも脚光を浴びる存在となり、ウッチン粉の名の食品として広く店頭で見られるようになっている。
【0003】また、インド原産のショウガ科の多年草であるガジュツは、その根茎を粉末化したものが生薬として用いられており、特有の芳香と極めて強い苦みを有するものである。かかるガジュツの薬効はウコンに近似するが、更に強心作用、抗アレルギー作用、抗腫瘍作用などを有している。そして最近は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因の大半を占めるものとして、注目されている細菌のヘリコバクター・ピロリの除菌にも、有効性が認められるに至っている。
【0004】しかし、生薬としてのウコン末やガジュツ末は、そのまま服用すると口内粘膜に付着し易く、強い苦味が暫く口内に残るほか、微粉のために飛散し易いなどの飲み難さの問題がある。また特にウコン末は染色剤として利用されるほど染着性が強いために、歯の黄染をきたすことや、散乱して衣類等に付着すると、シミの原因ともなるなど、取り扱い難いという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このようなウコンなどの生薬を、健康増進のために継続して日常的に服用しようとするときに生ずる、取り扱い上や服用上の問題を解消し、より日常的に利用しやすい剤形を備えた健康食品を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成することができる本発明の健康食品は、粉末生薬と蛋白分解酵素を含む剤との緊密混合物からなる実質的に乾燥状態の粉末体であることを特徴とするものである。そしてまた、前記粉末体が海綿状多孔質顆粒からなるものであると、更に取り扱いが容易であるうえ、服用も快適に行える利点がある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の健康食品に用いられる粉末生薬は、ウコン又はガジュツから選ばれた少なくとも1種の生薬からなるものであることが好ましいが、かかるウコン粉末としては、通常生薬として用いられているウコン末のほか、市販のウッチン粉などの適宜の粉末であってもよいが、できるだけ微粉末であるものを使用することが好ましい。
【0008】また蛋白分解酵素を含む剤は、例えばパパイヤ酵素、パイナップルから得られるプロメライン、微生物製剤の塩化リゾチームなどを含む製剤を用いることができるが、精製した蛋白分解酵素の製剤に限らず、例えば酵素含量の多いパパイヤ等の果実を乾燥し粉末化したものや、パパイヤの果実から抽出した乾燥エキス末などを使用することもできる。このような蛋白分解酵素含有剤は、その酵素力価や衛生面等に関する品質が保証されているものであれば、特に限定されることなく利用することができる。
【0009】更に本発明において用いられる粉末生薬としてのウコン末とガジュツ末は、それぞれを単独に蛋白分解酵素を含む剤と配合して健康食品としてもよいが、これらを併用すると、これらの生薬の本来の薬効のほかに相乗作用も期待される。そしてまた、粉末生薬と蛋白分解酵素を含む剤とを混合してなる本発明の健康食品には、その効用を助長するために、ウコンやガジュツの他に適宜の生薬やビタミン等の栄養成分などを配合してもよく、更に味の改善のために少量の乳糖などの糖類を配合することもできる。
【0010】本発明の健康食品は、前記のウコン末やガジュツ末などの粉末生薬と蛋白分解酵素を含む剤とを、例えば密閉容器中で緊密に混合することによって得られる。その配合比率は、通常粉末生薬100g当たり、プロテアーゼ単位として20〜40単位の蛋白分解酵素とすることができるが、特に限定されるものではなく、蛋白分解酵素の力価に応じて、適切な効果が得られるように適宜調整することができる。また、本発明の健康食品は単なる混合物であってもよいが、この混合物を、流動層顆粒化装置等を用いて減圧下に造粒して得た、海綿状多孔質の乾燥顆粒であるものが、特に好ましい。
【0011】本発明の健康食品に配合された蛋白分解酵素は、栄養物の分解機能を有するものであるが、特にパパイヤを原料とするものは、血液循環作用の増強や新陳代謝の促進、免疫機能の強化などの機能も有している。そしてこのような蛋白分解酵素が粉末生薬と併用されたときには、粉末生薬の苦味を緩和減殺する作用を示すほか、生薬としての本来の作用として、例えばウコンに対して期待される肝臓や腎臓に対する機能修復など効果を増強する。そして更に、これまでウコンのみを単独で服用したときには認識されなかった消炎鎮痛作用が、本発明の健康食品の作用として新たに見出されるに至った。
【0012】
【実施例】生薬として販売されているウコン末3重量部に対して、同様に販売されているパパイヤエキス末1重量部を配合し、流動層顆粒化装置(大川製作所、グラット式造粒乾燥機)を用いて減圧下に造粒し、乾燥した細粒からなる粉末体を得た。この細粒は海綿状多孔質の顆粒であった。こうして得られた顆粒を、1gずつポリエチレンラミネート紙の小袋に分包して、本発明の健康食品Aを得た。
【0013】この健康食品Aの1包を約30mLの水と共に服用したが、殆ど苦味を感じず、また口の中に残ることがなく飲み下すことができた。一方、ウコン末0.5gをオブラートに包み、約30mLの水と共に服用したところ、オブラートの外側に付着していた微量のウコン末が口中に残り、15分以上も苦味が消えなかった。
【0014】ギックリ腰により歩行や運動の障害を訴えていた患者は、本発明の健康食品Aを1日当たり6包を服用したところ、3日後には疼痛の寛解が起こって、歩行が容易となった。
【0015】また、肩頸腕症候群と診断される、頸部及び肩甲関節の持続性疼痛と運動の制限、並びに頭痛があった患者も、本発明の健康食品Aを1日当たり6包を服用することによって、3日後には明らかに軽快した。そして、それと同時に顔面に見られた軽度な浮腫状の変化も解消した。
【0016】更に、下肢に浮腫と運動痛があり、膝関節の浮腫状腫張と関節痛により歩行が困難であった患者は、本発明の健康食品Aを1日当たり約4g服用したところ、約1か月で浮腫や疼痛が薄らぎ、歩行が可能となった。
【0017】以上のような各種の浮腫や疼痛による運動障害は、これまでのウコン末単独の服用では殆ど改善できなかったのであるが、パパイヤエキス末などの蛋白分解酵素剤をウコン末に配合することにより、苦味の軽減という効果のみならず、予想を超える新しい薬効が発現することが分かった。
【0018】また、前記の健康食品Aと全く同様の方法で、ウコン末の代わりにガジュツ末を用いて、乾燥した細粒からなる粉末体の本発明の健康食品Bを得た。この本発明の健康食品Bは、前記の健康食品Aと同様に極めて飲みやすく、且つ取り扱いやすいものであった。
【0019】
【発明の効果】本発明の健康食品は、粉末生薬と蛋白分解酵素を含む剤との緊密混合物からなる乾燥粉末であって、粉末生薬が有する苦味を効果的に減殺しながら、生薬単独の服用からは期待できなかった健康増進効果を示し、更に粉末生薬の取り扱い難さと飲み難さとを大幅に軽減できる効果がある。
【出願人】 【識別番号】591215890
【氏名又は名称】中川 栄一
【識別番号】598125811
【氏名又は名称】馬場 正勝
【出願日】 平成10年9月14日(1998.9.14)
【代理人】 【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄 (外1名)
【公開番号】 特開2000−83618(P2000−83618A)
【公開日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【出願番号】 特願平10−259806