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【発明の名称】 炊飯米の調味剤添加方法
【発明者】 【氏名】佐竹 覺

【氏名】坂本 淳一郎

【要約】 【課題】炊飯米に調味剤を加えるに際して一釜中の炊飯米全体に程良く調味剤を添加浸透させることができる炊飯米の調味剤添加方法を提供する。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】炊飯釜に洗米した米粒を投入し浸漬した後、炊飯、蒸らし、攪拌ほぐし、取り出しの各行程を含む炊飯方法において、蒸らし後から攪拌ほぐしの間で加えるべき調味剤量を、攪拌の時間内において加えることのできる調味剤量の残量とすることを特徴とする炊飯米の調味剤添加方法。
【請求項2】炊飯釜に洗米した米粒を投入し浸漬した後、炊飯、蒸らし、攪拌ほぐし、取り出しの各行程を含む炊飯方法において、蒸らし後から攪拌ほぐしの間で加える調味剤を、炊飯釜の底部に調味剤が溜まらない量とし、この調味剤の残量を攪拌ほぐしの時間内に添加することを特徴とする炊飯米の調味剤添加方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】炊飯設備に関し、炊飯後の炊飯米に加える調味剤の投入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炊飯装置によって炊飯された炊飯米を例えば寿司飯用として使用するためには、炊飯後に酢を主成分とする調味剤が炊飯米に加えられるのが一般的である。つまり、炊飯後に寿司飯用ご飯として出荷あるいは次行程へ搬送されるまでの間に調味剤が加えられるものである。
【0003】加えられる調味剤がどの程度の量であるか一例をあげると、1釜(米7Kg)に約1.5L程度が加えられる。このため調味剤を加えながらあるいは加えた後に炊飯米の攪拌が必要となる。また調味剤が加えられるタイミングは、炊飯後蒸らしの後に加える場合と、炊飯米の攪拌ほぐしの段階で加えることが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】炊飯後蒸らしの後の段階で加えると、炊飯釜の上部から調味剤が投入され、その一部は炊飯米に添加浸透する。しかしながら、炊飯釜に攪拌作用がないために炊飯釜の底部に早く流れ落ち、炊飯釜の底に溜まってしまう。したがって、攪拌ほぐしがなされるまで炊飯釜の底に留まった調味剤は、底部にある一部の炊飯米に比較的多く吸収されてしまうことになり、一釜内の寿司飯への調味剤の添加としては斑を生じることが懸念される。
【0005】また、攪拌ほぐし段階で調味剤を加えると、攪拌ほぐし作用により調味剤は炊飯米に程良く添加浸透するが、調味剤全部が程良く添加浸透するまで過剰に攪拌作用を加えることになり、過剰な攪拌で米粒の表面に粘りを生じ炊飯米は団子状となって攪拌とは逆の状態となってしまう。また適度な攪拌時間内に必要な調味剤の全量を加えるとしても、炊飯米が団子状とならない短いほぐしの時間内に調味剤の全量を確実に米粒に添加浸透させることは現実的に無理が生じ、添加できなかった余分の調味剤は、結果的に攪拌手段に溜まることになる。これは炊飯釜に調味剤を添加した場合と同じ結果となる。
【0006】以上のことから、炊飯米に調味剤を加えるに際して一釜中の炊飯米全体に程良く調味剤を添加浸透させることができる炊飯米の調味剤添加方法の提供を技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による請求項1では、炊飯釜に洗米した米粒を投入し浸漬した後、炊飯、蒸らし、攪拌ほぐし、取り出しの各工程を含む炊飯方法において、蒸らし後から攪拌ほぐしの間で加えるべき調味剤量を、攪拌ほぐしの時間内において加えることのできる調味剤量の残量とする炊飯米の調味剤添加方法とした。
【0008】調味剤の適切な添加浸透がなされる攪拌ほぐしに要する時間は極めて短時間であり、例えばほぐしの10秒程度の時間内に添加できる量は限られる。したがって、調味剤を添加する添加手段、例えばポンプ装置の性能と10秒という時間で噴射できる調味剤の添加量及び攪拌しながら米粒に調味剤を加えても余りない量を攪拌ほぐしにおいて添加する調味剤量とし、この調味剤量を引いた調味剤の残量を、蒸らし後から攪拌ほぐしの間で加える調味剤量とするものである。ここで添加手段の性能が良ければ10秒間で調味剤の全量を添加することも可能であるが、添加が確実に進められ余りないものとするためには調味剤を霧状にして添加することが好適である。
【0009】このように、攪拌ほぐし時間にあわせて添加する調味剤量とすることにより、攪拌ほぐしの時間はそのままで調味剤を添加浸透させることができるので、炊飯米が調味剤の添加量を基準とした過剰な攪拌ほぐし時間により団子状となることがない。また、その残量を蒸らし後から攪拌ほぐしの間で炊飯釜の炊飯米に加えるので、従来のように炊飯釜の釜底に多量に溜まるほど添加する調味剤量となることは解消される。したがって、蒸らし後から攪拌ほぐしの間で調味剤が加えられ、攪拌ほぐしまでの間に適度な調味剤の浸透がなされ、攪拌ほぐしにおいて炊飯釜全体に再度均一に調味剤の添加浸透がなされるものとなる。以上のように調味剤の添加浸透が2段階で実施されるので、1度に調味剤を添加した場合に比較して添加浸透のための時間は十分であり、徐々に米粒に調味剤を浸透させることができる。
【0010】また本発明による請求項2では、炊飯釜に洗米した米粒を投入し浸漬した後、炊飯、蒸らし、攪拌ほぐし、取り出しの各工程を含む炊飯方法において、蒸らし後から攪拌の間で加える調味剤を、炊飯釜の底部に調味剤が溜まらない量とし、この調味剤の残量を攪拌ほぐしの時間内に添加する炊飯米の調味剤添加方法とした。
【0011】蒸らし後から攪拌ほぐしまでの間は、攪拌ほぐしの時間と比較して5分程度と長く、米粒に調味剤が浸透するには十分な時間と考えられる。したがって、この間に調味剤が炊飯釜の底に多量に溜まることがない程度に炊飯釜の上部から調味剤を均等に添加しておけば、炊飯釜の上部の炊飯米から底部の炊飯米まで調味剤は流下して添加され、なお調味剤は釜底に多量に溜まらないので、釜底の多くの炊飯米だけに多量の調味剤が添加浸透することは極めて少なくすることができる。
【0012】更に、攪拌むらしの時間内において、蒸らし後から攪拌ほぐしまでの間に添加されなかった残量の調味剤を添加するので、全体に均等に再度調味剤を添加浸透させることができる。つまり、蒸らし後から攪拌ほぐしまでの間の添加が、従来のように釜底に多量の調味剤が溜まった状態の時間がないので、一部の米粒に極端に多量の調味剤が吸収されることがないので斑を極めて少なくすることができる。更に攪拌ほぐしにおける調味剤の添加浸透は攪拌作用が加わって均等にすることができる。しかも攪拌ほぐしの時間を延長することもないので、米粒が団子状となることはない。
【0013】したがって、蒸らし後から攪拌ほぐしの間で調味剤が加えられ、攪拌ほぐしまでの間に適度な調味剤の浸透がなされ、攪拌ほぐしにおいて炊飯釜全体に再度均一に調味剤の添加浸透がなされるものとなる。以上のように調味剤の添加浸透が2段階で実施されるので、1度に調味剤を添加した場合に比較して添加浸透のための時間は十分であり、徐々に米粒に調味剤を浸透させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による好適な実施例を図1により説明する。ここで図1は複数の炊飯釜により連続炊飯するフロ−チャ−ト1を示している。まず炊飯釜に洗米した米と水を投入する米投入工程2、炊飯前に米に水分を吸収させる60分程度の浸漬工程3、炊飯釜を加熱して炊飯する炊飯工程4、炊飯後の30分程度の蒸らし工程5、調味剤が添加された場合に5分程度の熟成工程6、できあがった炊飯米を攪拌してほぐす攪拌ほぐし工程7、次工程へ移送するためにほぐした炊飯米を別の容器に取り出す取り出し工程8を備えている。攪拌ほぐし工程7には炊飯釜から炊飯米を投入して攪拌する攪拌手段と攪拌後炊飯米を更に細かくほぐすほぐし手段とを備える。なおこの他の炊飯釜の蓋の取り付け取り外し工程や炊飯釜の洗浄工程等の細かい工程は省略してある。またここでは調味剤として寿司飯をつくる酢を主成分とした調味剤の場合について説明する。説明の都合上この調味剤を単に酢と表現する。
【0015】本発明では蒸らし工程5と熟成工程6との間に酢供給1工程9を備え、攪拌ほぐし工程7に酢供給2工程10を備えている。つまり本発明では酢供給1工程9と酢供給2工程10との2回に分けて酢を供給するものである。なお酢供給1工程9は、炊飯釜の炊飯米にその上部から酢を霧状にして噴霧するものであり、炊飯釜の開口全面に均一に噴霧できるものが好ましい。また酢供給2工程10は、回転する攪拌作用体のある容器に炊飯釜から炊飯米を1釜ごとに投入し、攪拌しながら酢を霧状にして噴霧するものである。ここでの攪拌は、炊飯米が団子状とならない10秒程度の攪拌となる。
【0016】以上の構成において実施例1について説明する。実施例1の酢の供給は「数1」に示すように、酢供給2工程10で供給可能な酢の添加量を基準として、酢供給1工程9と酢供給2工程10の供給割合を決定する。
【数1】
酢 供 給 1 = 酢 全 量 − 酢 供 給 2 酢 供 給 2 = 攪拌ほぐし時間で添加可能な酢量つまり、攪拌ほぐし時間は約10秒を限度として、この10秒間の攪拌において添加可能な酢量を決定する。ここで添加可能な酢量とは、攪拌時間内に攪拌作用によって米粒全体に酢が添加できて余りない酢量である。この添加可能な酢量を酢の全量(例えば米7Kgに対して酢1.5L)から差し引いた残量を酢供給1工程9で添加する酢量とするものである。例えば酢供給1工程9で全量の30%〜50%、酢供給2工程10で全量の50%〜70%を供給する。
【0017】酢供給1工程9における酢量は、従来のように全量(1.5L)を添加するものではないから、釜底に酢が多量に溜まることはなくなった。しかも炊飯釜の開口部全面に酢を噴霧することによって、炊飯釜内の炊飯米の上部から次第に釜底に向けて酢が流下する。したがって、釜底にある一部の米粒にのみ酢が吸収されることはない。また酢供給2工程10では、米粒を攪拌しながら酢を噴霧するので攪拌作用により炊飯米全体に均一に酢が添加できる。またその酢量が攪拌時間内に供給できて余りない量であるから、無駄がなく必要な酢量を確実に添加浸透させることができる。
【0018】次に実施例2について説明する。実施例2の酢の供給は「数2」に示すように、酢供給1工程9で供給可能な酢の添加量を基準として、酢供給1工程9と酢供給2工程10の供給割合を決定する。
【数2】
酢 供 給 1 = 釜底に多量の酢が溜まらない酢量 酢 供 給 2 = 酢 全 量 − 酢 供 給 1つまり、酢供給1工程9において添加する酢量を、炊飯釜の釜底に多量の酢が溜まらない量として酢量を決定する。この酢量は、炊飯釜の上部開口部から炊飯米全面に酢を添加して、上層の米粒に添加浸透しながら余りの酢が下方に流下しついに釜底の米粒にまで達し、なお釜底に溜まる酢量が極めて微量となる酢量であり、釜底に余分の酢が溜まらないことが最適であるが、溜まったとしても極微量であり、従来のように釜底の米粒のみに多分に酢が浸透してしまうことがない酢量とする。
【0019】さらに酢供給2工程10を伴う攪拌ほぐし工程7では、酢の全量から酢供給1工程9で供給された酢量を差し引いた酢量を添加する。酢供給2工程10では攪拌作用を伴うので、予め酢供給1工程9で酢が供給され炊飯釜内で熟成された炊飯米は適度に混ぜ合わされる。加えて攪拌されながら酢が再度均一に添加され、この工程が米粒が団子状とならない時間内で実施される。したがって酢供給1工程9において、炊飯釜内の炊飯米全体に行き渡る程度の酢量が添加してあり釜底に多量の酢が溜まることがないので、炊飯釜内における米粒間の酢の浸透斑は従来のものより極めて少なく、更に寿司飯としての味を調えるように、酢供給2工程10では炊飯米を攪拌しながら再度酢を均一に添加するため、全体として斑のない寿司米とすることができる。
【0020】
【発明の効果】調味剤の添加を2度に分けて実施するため、1度に添加する調味剤の量が従来より少なく、量的に無理な添加とすることがないので添加斑を極めて小さくすることができた。また、2度の調味剤の添加の内1度は、単に噴霧して添加するだけでなく攪拌しながら添加する工程とし、このときの調味剤量を攪拌に許された時間内に実施できるようにしたので、攪拌作用による米粒の団子状態を発生させることなく炊飯米全体に均一に調味剤を添加することが可能となった。
【出願人】 【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社佐竹製作所
【出願日】 平成10年9月14日(1998.9.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−83608(P2000−83608A)
【公開日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【出願番号】 特願平10−259835