| 【発明の名称】 |
大きな具材を含有する惣菜の製造法 |
| 【発明者】 |
【氏名】森川 誠司
【氏名】針本 順子
【氏名】片山 務
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| 【要約】 |
【課題】大きな具材を予め加熱処理を行わなくても、フライ後、煮込み調理後にも柔らかい具材にでき、手間を省いて作業性が改良された惣菜の製法であり、また具材と生地の混合で、具材が割れたり欠けたりする問題が殆ど生じない惣菜の製法を提供すること。
【解決手段】径6mm以上の大きな具材をつなぎ材とともに成型し、加熱固化する方法であって、当該加熱を芯温が75℃以上の蒸し加熱と油温が130℃以上の油中加熱をいずれかの順で実施する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】大きな具材をつなぎ材とともに加熱固化する方法であって、当該加熱を蒸し加熱と油中加熱のいずれかの順で実施することを特徴とする惣菜の製造法。 【請求項2】具材が種実類、根菜類、加工穀物類である請求項1記載の惣菜の製造法。 【請求項3】具材が径6mm以上のものを含む請求項1記載の製造法。 【請求項4】蒸し加熱は中心温度が75℃以上、油中加熱は油温度が130℃以上で実施する請求項1記載の製造法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は大きな具材を含有する惣菜の製造法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】がんもどきは日本の伝統的な大豆加工食品であり、一般的に水切りをした豆腐とすったやまのいもをつなぎ材として、にんじん、しいたけ、ごまなどを具材として混ぜ合わせ、一定の大きさに整えて油で揚げられる。その具材は小さくカット(2〜5mmのみじん切り、せん切り)して豆腐生地と混合してあるので具材の存在がわかりにくく、かといって大きくカットした具材であると煮込み調理で具材が柔らかくなり難く、柔らかくなるまで長時間煮込み調理するとがんもどきが煮崩れしやすい問題があった。他に、銀杏などのように小さくすると価値を失うような大きな具材の場合は、予め水煮等の加熱処理を行う手間を必要とした。そのような加熱処理をしていない大きな具材を使用した場合は、フライ後はもちろん、煮込み調理後も、硬い食感のままであって、商品となり難い問題があった。反面そのような予備的な加熱処理した具材は往々にして、生地と混合する際に具材が割れたり欠けたりする難点もあった。 【0003】大豆加工食品の代表的な惣菜であるがんもどきに関する特許公報等は、数多く公開されている。がんもどきの成形方法(特開平9−28342号公報)があり、がんもどきの生地の製造方法(特開平8−280318号公報)がある。また、具材を含む更紗豆腐の製造方法(特公昭63−64185号公報)がある。しかし、それらの内容はがんもどきの成形法や生地に関するものであり、大きな原料具材を用いる場合に、生地とともにうまく加工処理することを教えるものではない。 【0004】具材を使用する惣菜には、上記大豆加工食品の他にも、かき揚げ、コロッケ、お好み焼き等があるが、使用する具材はやはり小さくカットして使用しているのが現状である。 【0005】本発明者らは、大きな具材を予め加熱処理を行わないにもかかわらず、フライ後、煮込み調理後にも柔らかい具材にできるような方法がないか、手間を省いて作業性を改良できないか、かつ、具材と生地との混合で、割れたり欠けたりする問題が殆ど生じない加熱方法がないかを課題として種々検討を行い、本発明に到達した。 【0006】 【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、大きな具材をつなぎ材とともに加熱固化する方法であって、当該加熱を蒸し加熱と油中加熱をいずれかの順で実施することを特徴とする、惣菜の製造法である。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明に用いる具材は、小豆、大豆(黒豆)、ぎんなん等の種実類、さつまいも、さといも、じゃがいも等の芋類、かぼちゃ、ごぼう、たまねぎ、なす、にんじん等の根菜類、その他、餅類等の加工穀物類である。特に、煮込むことで柔らかくなる具材は、本発明では、形を崩すことなく製品に含めることができ、かつ製品時点では柔らかい良好な食感に転化された状態にすることができる。この他にもチョッパー処理、或いは角切りした畜肉、魚肉などでも、良好な火の通りの製品を得ることができる。 【0008】具材は、6mm以上の径のもの、好ましくは8mm〜20mmの径のものを含んでいる大きな具材を用いるが、このことにより、含まれている具材を視覚的にも食感的にも顕在化させ、彩りによっては製品の色彩も冴えたものにすることができる。この発明において勿論小さい具材を大きな具材と併せ含むことを妨げない。この具材は、粒のままのものであってもよいし、さいの目切り、乱切りした状態であってもよい。 【0009】つなぎ材は、豆腐、脱水豆腐、小麦粉、でん粉、卵、大豆たん白、食肉ペーストなど加熱固化(ヒートセット)するものなら何でもよいが、水切りをした豆腐を、すったやまのいもとともに用いたものでもよい。また大豆たん白、特に分離大豆たん白は、水との水和物、油脂と水からなる乳化物等の形にして使用できる。 【0010】具材はつなぎ材と合わせ、混合して生地とし、必要に応じて成形し、加熱固化するが、具材の割合は、生地中5〜70%、好ましくは25〜50%が良く、また成形は、打抜き成形、モールディング、ロール成形など任意である。 【0011】蒸し加熱は中心温度が75℃以上、油中加熱は油温度が130℃以上で実施するのがよい。蒸し加熱は中心温度が75℃以上にならないと、製品状態での具材が火のとおりのよい状態にはならず、油中加熱は油温が130℃以上でないと、表面の固化の程度が不十分である。蒸し加熱は、より好ましくは、中心温度が75〜100℃、好ましくは75〜85℃になるまで行い、油中加熱は、より好ましくは、130〜220℃、さらに好ましくは150〜190℃の温度帯、10秒〜5分、好ましくは30秒〜2分間の時間がよい。油中加熱に用いるフライヤー中の油脂の劣化防止上は、フライを先行実施し、蒸しを後行実施するのが、より望ましいが、製品の観点からはいずれの先行実施でもよい。 【0012】得られる惣菜は、豆腐、焼き豆腐、油揚げ、厚揚げ、がんもどき等の大豆加工食品の形であることができるが、かき揚げ、お好み焼き、コロッケであってもよく、また分離大豆たん白と水との水和物若しくは分離大豆たん白、水、油脂の乳化物をベースにした、従来の名称に必ずしも包含されない新規な食品とすることもできる。 【0013】 【実施例】以下、実施例により本発明の実施様態を具体的に説明するが、本発明がこれらによってその技術範囲が限定されるものではない。 【0014】実施例1及び比較例1粉末状大豆たん白10重量部(以下、部と記す)、水40部、大豆油10部、鶏卵5部をサイレントカッターでカッテングしエマルジョンを調製した。このエマルジョンに調味料1部、でん粉3部を加えたつなぎ材を得た。ミキサーに一夜(12時間)水に浸漬した黒豆10部(長径約18mm)、5mmのダイス状にカットしたにんじん10部、5mmのダイス状にカットしたしいたけ3部を投入し、さらに上記のつなぎ材69部を加え混合し、生地を得た。この生地を40gのまんじゅう形に成型し、油温度180℃で1分間フライし、更に85℃で15分間蒸煮した。比較例1は、実施例1と同様に調製した黒豆入りの生地を、40gに成型し、油温度160℃で3分間フライした。これらの加熱方法を表1に示す。 【0015】 【表1】加熱方法 実施例1 比較例1 フライ 180℃ 1分 160℃ 3分 蒸煮 85℃15分 無し 【0016】煮込み調理前と後の黒豆の固さの食感評価を熟練したパネラー9名で5点評価法(5点柔らかい、4点やや柔らかい、3点普通、2点やや固い、1点固い)で行い、平均値をとった結果を表2に示した。煮込み調理は、和風だし中で15分間煮込むことにより行った。 【表2】食感評価(黒豆の固さ) 実施例1 比較例1 煮込み調理前 3.1 1.7 煮込み調理後 4.5 3.3 【0017】実施例1の黒豆は比較例1のそれに比べ、煮込み調理前後とも明らかに柔らかい食感で、煮込み調理後は程良い固さであった。 【0018】実施例2及び比較例2実施例1と同様の配合でつなぎ材を調製し、黒豆の代わりにさつまいも10部、にんじん10部、しいたけ3部を具材として生地を調製した。さつまいもは、10mmのダイス状にカットして混合した。実施例2では、得られた生地を40gに成形し、油温度180℃で1分間フライし、更に85℃で15分間蒸煮した。比較例2は、実施例2と同様に調製したさつまいも入りの生地を、40gに成形し、160℃で3分間フライした。 【0019】 【表3】加熱方法 実施例2 比較例2 フライ 180℃ 1分 160℃ 3分 蒸煮 85℃15分 無し 【0020】煮込み調理前と後のさつまいもの固さの食感評価を熟練したパネラー9名で5点評価法で行い、平均値をとった結果を表4に示した。煮込み調理は、和風だし中で15分間煮込むことにより行った。 【表4】食感評価(さつまいもの固さ) 実施例2 比較例2 煮込み調理前 3.6 1.8 煮込み調理後 4.9 3.7 実施例2のさつまいもの固さは、比較例2のそれと比較して、煮込み前後とも明らかに柔らかい食感であった。特に、実施例2の煮込み調理後のさつまいもの食感はとろける様に柔らかい食感であった。 【0021】実施例3及び実施例3実施例1と同様の配合でつなぎ材を調製し、黒豆の代わりに市販のもち10部、にんじん10部、しいたけ3部を具材として生地を調製した。もちは、10mmのダイス状にカットして混合した。実施例3では、この生地を40gに成形し、油温度180℃で1分間フライし、更に85℃で15分間蒸煮した。比較例3は、実施例3と同様に調製したもち入りの生地を、40gに成形し、160℃で3分間フライした。 【0022】 【表5】加熱方法 実施例3 比較例3 フライ 180℃ 1分 160℃ 3分 蒸煮 85℃15分 無し 【0023】煮込み調理前と後のもちの固さの食感評価を熟練したパネラー9名で5点評価法で行い、平均値をとった結果を表6に示した。煮込み調理は、和風だし中で15分間煮込むことにより行った。 【表6】食感評価(もちの固さ) 実施例3 比較例3 煮込み調理前 2.7 1.1 煮込み調理後 4.6 3.2 実施例3のもちの固さは、比較例3のそれと比較して、煮込み前後とも明らかに柔らかい食感であった。特に、実施例3の煮込み調理後のもちは伸びる程柔らかい食感であった。 【0024】実施例4及び比較例4実施例1と同様の配合でつなぎ材を調製し、黒豆の代わりにさつまいも10部、にんじん10部、しいたけ3部を具材として生地を調製した。実施例4では、生のさつまいもを10mmのダイス状にカットして混合して、40gに成形し、油温度180℃で1分間フライし、更に85℃で15分間蒸煮した。比較例4は、生のさつまいもを10mmのダイス状にカットし、充分な湯中で10分間ブランチング処理し、冷却後他の具材とともにつなぎ材と混合し、40gに成形し、160℃で3分間フライした。なお、混合はケンウッドミキサー(「KENMIX MAJOR」(株)愛工舎製作所製)でメモリ1で1分間混合した。 【0025】 【表7】加熱方法 実施例4 比較例4 フライ 180℃ 1分 160℃ 3分 蒸煮 85℃15分 無し 【0026】実施例4及び比較例4の生地とさつまいもを含む具材を混合した後のいもの状態を表8に示した。 【表8】混合後のいもの形状 実施例4 比較例4 ダイス状の形状を維持 ダイスが崩れ、形状は残っていない煮込み調理前と後のさつまいもの固さの食感評価を熟練したパネラー9名で5点評価法で行い、平均値をとった結果を表9に示した。煮込み調理は、和風だし中で15分間煮込むことにより行った。 【0027】 【表9】食感評価(さつまいもの固さ) 実施例4 比較例4 煮込み調理前 3.6 3.9 煮込み調理後 4.9 4.6 実施例4、比較例4のさつまいもの食感は、形状の差はあるものの、煮込み前後とも、大きな差は無かった。 【0028】実施例5及び比較例5粉末状大豆たん白5部、大豆油5部、水16部、卵5部をサイレントカッターでエマルジョンを調製し、更に食塩0.3部、砂糖1部、みりん1.5部で味付けをし、さらに裏ごししたさつまいも10部を投入し、つなぎ材を調製した。ミキサーに、10mmのダイス状にカットしたさつまいも40部、小麦粉2部を入れ混合し、更に上記つなぎ43.8部を投入し、黒ごま1 部を入れて生地を調製した。一個15gに成型し、170℃で30秒間フライし、更に85℃で10分間蒸煮して、さつまいもの惣菜を調製した。比較例5では、実施例5で調製した生地を150℃で3分間フライした。 【0029】 【表10】加熱方法 実施例5 比較例5 フライ 170℃ 1分 150℃ 3分 蒸煮 85℃10分 無し 【0030】実施利例5と比較例5のさつまいもの惣菜をオーブントースターで5分間加熱して、さつまいもの固さの食感評価を熟練したパネラー9名で5点評価法で行い、平均値をとった結果を表11に示した。 【0031】 【表11】食感評価(さつまいもの固さ) 実施例5 比較例54.6 3.7実施例5のさつまいもはホクホクと柔らかい食感であった。それに対し比較例5はやや芯が残っているような食感であった。 【0032】 【発明の効果】本発明により、大きな具材を含有する惣菜で、煮込み、或いは電子レンジ、オーブントースターでの加熱調理で大きな具材が柔らかく仕上がった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000236768 【氏名又は名称】不二製油株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月8日(1998.9.8) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−83602(P2000−83602A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月28日(2000.3.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−253653 |
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