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【発明の名称】 機能性発酵調味料
【発明者】 【氏名】山田 隆男

【氏名】飯島 義男

【要約】 【課題】機能性発酵調味料の提供。

【解決手段】酵素処理された蕎麦粉を含む機能性発酵調味料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 酵素処理された蕎麦粉を含む機能性発酵調味料。
【請求項2】 機能性が、抗酸化性、低アレルゲン性、食品変色防止性、及びビフィズス菌増殖活性からなる群から選択される少なくとも1つである請求項1記載の機能性発酵調味料。
【請求項3】 酵素がアミラーゼ及び/又はプロテアーゼである請求項1又は2記載の機能性発酵調味料。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性発酵調味料を含有する食品。
【請求項5】 食品が、乳製品、チョコレート、焼き菓子用生地、ソース類、麺類、料理調味料、酒類、魚肉製品、畜肉製品及びシロップ類からなる群から選択される少なくとも1つである請求項4記載の食品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蕎麦粉から製造した機能性発酵調味料、該機能性発酵調味料を含む食品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品加工における酸化防止剤として、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、エリソルビン酸ナトリウム、クエン酸イソプロピル、dl-α-トコフェロール、没食子酸プロピルなどの化学合成品が広く用いられてきた。しかし、近年、化学合成品からなる食品添加物の安全性に対する消費者意識の高まりにより、BHAやBHTなどの化学物質よりも天然物から採取される酸化防止剤が好まれる傾向にある。
【0003】現在、食品加工に用いられている天然物由来の酸化防止剤としては、例えば、植物油中に含まれるトコフェロール類、各種植物組織中に含まれるフラボン誘導体(フラボン、ケルセチンなど)、茶葉、コーヒー豆、カカオ豆などに含まれる没食子酸誘導体(コーヒー酸、フェルラ酸など)、米糠に含まれるγ-オリザノール、ゴマ油に含まれるセザモール、各種香辛料類の抽出物などが挙げられる。しかし、これらの酸化防止剤のうち大半は、味の劣化・悪臭・変色を生じるなど、官能に関する問題があり、また、対象食品に対する分散性や溶解性が低いことなど物性・性状的な面から応用範囲が限られていること、あるいは酸化防止活性が低いことなどから、汎用されていないのが現状である。
【0004】特に、酸化防止剤などの食品添加物は、食品の品質を保持するために用いる点で主に生産者側の利便性が重要視されていた。しかし、1980年代に入って、高齢化社会の到来が現実の社会問題として強く意識されるようになると、日常の食生活を通じて、成人病や老年病を予防したいという願望が世の中に色濃く現れ始め、病気の予防に寄与する食品成分を特定し、その成分を積極的に食品に添加することにより、健康の維持増進に役立たせようとするいわゆる消費者側の効用を中心に考える機能性食品の概念が生まれ、既に70品目以上の機能性食品が商品化されている。今後、実用化が期待される機能性食品として、前記酸化防止剤などの抗酸化物質を含む食品や低アレルゲン食品が挙げられる。
【0005】抗酸化物質は、適正な条件で作動することにより、発癌、ウイルス感染、免疫不全、糖尿病などの病態及び老化に深く関与している活性酸素の産生を抑制したり、産生された活性酸素を消去する作用を有している。従って、抗酸化物質を日常的に、適切な量を摂取することにより、上記の障害の予防の一助とすることができる。
【0006】この他にも、実用化が期待される機能性食品として低アレルゲン食品がある。食品アレルギーは、特に先進国で増加の一途を辿り、社会問題にさえなりつつある。その対応策の確立は緊急を有し、とりわけ適正な食品の摂取によってアレルギーを予防することへの関心は一段と高まっている。低アレルゲン食品として、現在までに、低アレルゲンミルク、低アレルゲン米などが商品化され、その他蕎麦アレルギーや小麦アレルギーが知られているが、これらについては研究段階であり、アレルゲン性を低下させた蕎麦や小麦関連商品については殆ど報告されていない。
【0007】一般に、蕎麦には、ルチンと呼ばれるフラボノール配糖体が含まれていることが知られている。ルチンは、抗酸化作用を有するとともに、脆弱化した血管を正常に戻し、出血を防止する作用を有し、動脈硬化防止などに効果があるとされ、ビタミンPの1つとして、生理作用が注目されている。ところで、発酵調味料は、大豆を主体に米・麦などを配合して醸造する醤油、味噌などの日本の伝統的な発酵調味料を意味することが多い。しかし、これら伝統的発酵調味料には、独特の風味がある。従って、近年の生活水準の向上、消費者の嗜好の洋風化、グルメ化、健康指向にともない、今までにない新しい風味及び機能性をもつ発酵調味料が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、抗酸化作用を有する発酵調味料、及び該発酵調味料を含む食品、を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、酵素処理された蕎麦粉が発酵調味料として優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、酵素(例えばアミラーゼ及び/又はプロテアーゼ)処理された蕎麦粉を含む機能性発酵調味料である。ここで、機能性としては、抗酸化性、低アレルゲン性、食品変色防止性、及びビフィズス菌増殖活性などが挙げられ、本発明の調味料は、これらの機能性のうち少なくとも1つを備えたものである。
【0010】さらに、本発明は、上記の機能性発酵調味料を含有する食品である。ここで、食品としては、粉乳;加工乳;発酵乳;ヨーグルト;アイスクリーム;チョコレート;パン生地;ビスケット、クッキーなどの焼き菓子用生地;ウスターソース、チリソース、フレンチドレッシング、マヨネーズなどのソース類;麺類、味噌汁、煮物用の旨み調味料;焼き肉のたれ、茶碗蒸の素、浅漬けの素などの料理調味料;ビール、ウイスキー、ブランデー、ワインなどの酒類;かまぼこ、ちくわなどの魚肉製品;ソーセージ、ハムなどの畜肉製品;ジャム、マーマレード、果汁ソース、果実のシロップ漬け、氷蜜などのシロップ類;フラワーペースト、フルーツペーストなどのシロップなどが挙げられる。しかし、本発明においては、これらに限定されるものではない。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の発酵調味料は、従来の発酵調味料とは異なり、酵素処理された蕎麦粉を含む発酵調味料である。本発酵調味料は、アミノ酸の旨みの他に、抗酸化性、低アレルゲン性などの機能性を有し、以下のようにして製造することができる。以下、本発明の発酵調味料を機能性発酵調味料という。
【0012】1.本発明の機能性発酵調味料(1) 機能性発酵調味料の製造機能性発酵調味料の原料として、蕎麦粉の全層粉を用いることができる。まず、蕎麦粉に、2〜3倍量の水を加えて混合・膨潤させて澱粉乳とした後、異物を除去するために濾過する。次いで、得られた濾液を液化する。ここで、液化とは、澱粉を構成するアミロペクチンの鎖が、任意の点で切断され、澱粉を溶解した液の粘度が急速に低下することをいい、液化に使用する酵素を液化酵素という。液化は、前記の濾液を、酵素の働きやすいpH(例えばpH5.0〜pH8.0)に調整後、液化酵素を添加し、適切な温度(例えば80〜90℃)及び時間(例えば0.5〜1.0時間)反応させることにより行う。液化酵素としては、α-アミラーゼ(例えばネオスピターゼPG-2(ナガセ生化学工業社製))などが挙げられる。液化は、酵素以外にもシュウ酸などの酸を用いても行うことができる。
【0013】次いで、液化された溶液を糖化する。ここで糖化とは、澱粉を構成するアミロペクチンの鎖を非還元末端から、マルトース又はグルコースを生成しながら次々と切断し、溶液中の還元糖量が急速に増加することをいい、糖化に使用する酵素を糖化酵素という。糖化は、前記の液化された溶液を、酵素の働きやすいpH(例えばpH5.0〜pH8.0)に調整後、糖化酵素を添加し、適切な温度(例えば60〜70℃)及び時間(例えば3〜5時間)反応させることにより行う。ここで糖化酵素としては、β-アミラーゼ(例えばマルトチーム206(ナガセ生化学工業社製))、α-グルコシダーゼ(例えばグルコチーム(ナガセ生化学工業社製))、β-グルコシダーゼ、トランスグルコシダーゼ(例えばトランスグルコシダーゼL(アマノ)(天野製薬社製))などが挙げられる。
【0014】さらに、得られた糖化液に蛋白質分解酵素を添加し、適切な温度(例えば50〜60℃)と反応時間(例えば6〜10時間)で蛋白質分解処理を行う。ここで蛋白質分解酵素としては、エンド型プロテアーゼ又はエキソ型プロテーゼが挙げられ、具体的にはデナプシン2P(ナガセ生化学工業社製)などを用いることができる。この蛋白質分解処理により、液中に含まれる蛋白質が、ポリペプチド、ペプチド、さらにはアミノ酸にまで分解され、蛋白質分解処理工程後の濾過処理が容易になるとともに、生じたアミノ酸により旨味効果が増大する。
【0015】(2) 本発明の機能性発酵調味料の成分分析上記(1)において製造した本発明の機能性発酵調味料の糖、アミノ酸、ルチンなどの含量は、高速液体クロマトグラフィーや薄層クロマトグラフィーなど各種クロマトグラフィーを用いて測定することができる。
【0016】(3) 本発明の機能性発酵調味料の抗酸化作用、アレルゲン性、変色防止性及びビフィズス菌増殖活性の分析上記(1)において製造した本発明の機能性発酵調味料の抗酸化作用は、機能性発酵調味料を添加した食品(例えば全脂粉乳)と添加しない食品とを適当な条件下で放置し、経時的に前記食品の酸価を測定することにより調べることができる。ここで酸価は、試料1gを中和するために必要な水酸化カリウムのmg数をいう。酸化の測定は、所定量の試料をフラスコに入れ、エタノール又はエタノールとエーテルとの混液を加え、加温した後、フェノールフタレイン試液などの指示薬を添加し、さらに水酸化カリウム液で滴定することにより行うことができる。
【0017】また、本発明の機能性発酵調味料のアレルゲン性は、天然調味料をモルモットなどの動物を用いる抗原性試験やアレルゲンに対する抗体を用いる酵素免疫測定法などにより調べることができる。さらに、本発明の機能性発酵調味料の食品変色防止性は、本調味料を食品(例えば全脂粉乳)に添加したものと添加していないものを調製し、色調の変化を経時的に肉眼で比較することにより調べることができる。
【0018】さらに、本発明の機能性発酵調味料のビフィズス菌の増殖を促進する活性(ビフィズス菌増殖活性ともいう)は、本発明の発酵調味料を食品(例えばヨーグルト)に、本発明の発酵調味料を添加後、経時的にサンプリングし、一定量を滅菌済生理食塩水(例えば0.9%食塩水)に懸濁後、GAM寒天培地やMOB寒天培地に播種し、嫌気条件下で培養し、培地中に生えてきたコロニー数を計測することにより調べることができる。
【0019】2.機能性発酵調味料の食品への添加(1) 呈味調味料としての利用本発明の機能性発酵調味料は、良好な味質を備えているため、呈味調味料として様々な食品に添加することができる。添加量は1.0〜5.0%、好ましくは1.0〜2.0%、最も好ましくは0.2〜0.5%である。例えば、粉乳;加工乳;発酵乳;ヨーグルト;チョコレート;パン生地;ビスケット、クッキーなどの焼き菓子用生地;ウスターソース、チリソース、フレンチドレッシング、マトネーズなどのソース類;麺類、味噌汁、煮物用の旨み調味料;焼き肉のたれ、茶碗蒸の素、浅漬けの素などの料理調味料;ビール、ウイスキー、ブランデー、ワインなどの酒類;かまぼこ、ちくわなどの魚肉製品;ソーセージ、ハムなどの畜肉製品;ジャム、マーマレード、果汁ソース、果実のシロップ漬け、氷蜜などのシロップ類;フラワーペースト、フルーツペーストなどのシロップのような各種食品に呈味成分として添加することができる。
【0020】(2) 抗酸化剤としての利用本発明の機能性発酵調味料は抗酸化作用を有するため、酸化による品質の劣化を生じる上記(1)の食品を含む様々な食品に抗酸化剤として添加することができる。添加量は1.0〜5.0%、好ましくは1.0〜2.0%、最も好ましくは0.5〜1.0%である。
【0021】(3) 特定保健用食品用素材としての利用本発明の機能性発酵調味料は、原料せある蕎麦粉にルチンが含有されているため、動脈硬化防止、出血性諸病に予防効果のある特定保健用食品素材として用いることができる。さらに、本発明の機能性発酵調味料は、蛋白質分解処理を施し、アレルゲン性を低減してあるため、食品アレルギーを有する消費者も使用可能である。さらに、本発明の機能性発酵調味料は、糖質分解酵素の作用によりデンプンをビフィズス菌の資化しやすいオリゴ糖に分解しているため、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する整腸剤としても用いることができる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明を実施例を示して具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕機能性発酵調味料の製造(1)Aタイプ発酵調味料蕎麦粉10kgに水30kgを加えて、混合分散・膨潤させて30分間放置した。これに液化型α-アミラーゼ(ネオスピターゼPG-2、ナガセ生化学工業社製)30gを加え、pHを6.5に調整し、85℃で20分間反応させて液化を行った。次いで、上記液化物を55℃に冷却し、α-グルコシダーゼ(グルコチーム、ナガセ生化学工業社製)20gを加え、5時間反応させて糖化を行った。糖化終了後、液温を55℃に維持しつつ、蛋白質分解酵素(デナプシン2P、ナガセ生化学工業社製)30gを加え、10時間反応させて蛋白質分解処理を行った。そして、各酵素を失活させるため、液温を95℃に上昇させた。液温が90〜95℃にある状態で珪藻土500gを加え、液温が70℃以上であるうちにフィルタープレスを用いて濾過を行い、濾液を真空濃縮(真空度300mmHg)した。得られた濃縮液をオートクレーブにかけて、加熱加圧下(105℃、2kg/cm2)で20分間処理し、蕎麦エキスを得た(Aタイプ)。
【0023】(2) Bタイプ発酵調味料上記(1)における糖化工程に、β-アミラーゼ (マルトチーム206、ナガセ生化学工業社製)をpH 6.5で用いて(1)と同様の手順により、発酵調味料を得た(Bタイプ)。
(3) Cタイプ発酵調味料上記(1)における蛋白質分解処理工程を液化工程の後とし、かつ糖化工程に、α-グルコシダーゼ(グルコチーム、ナガセ生化学工業社製)をpH 6.5で用いて(1)と同様の手順により、発酵調味料を得た(Cタイプ)。
(4) 機能性発酵調味料の糖、アミノ酸、ルチン含量の分析上記(1)〜(3)において得られた機能性発酵調味料中の糖及びアミノ酸の分析(アミノ酸自動分析装置、日本電子社製)を行った。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】

【0025】表1からも明らかなように、糖化酵素としてβ-アミラーゼを用いた場合は、マルトース含量が多く、α-グルコシダーゼを用いた場合はグルコース含量が多かった。また、ビフィズス菌の増殖因子として利用可能な三糖のパノースがBタイプ及びCタイプの発酵調味料から検出された。さらに、発酵調味料中の遊離アミノ酸の組成を調べたところ、表2のように、各発酵調味料ともグルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、ロイシン、フェニルアラニンが多く含まれ、さらに還元糖とアミノ酸との結合体も含まれていた。
【0026】
【表2】

【0027】さらに、Bタイプの発酵調味料のルチン含量を高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。すなわち、市販のルチンを用いて0.04〜0.4mg/mlの濃度の標準溶液を調製後、逆相カラム(YMC Pack ODS-A A-312カラム)、UV検出機(870-UV、日本分光社製)を装着した高速液体クロマトグラフィー装置(655A-12、日立製作所社製)を用い、移動相2.5%酢酸-メタノール-アセトニトリル(35:5:10、v/v/v)、流速1ml/分、測定波長350nmの測定条件下で、ルチンの検量線を作成した。次いで、機能性発酵調味料5gを精密に量りとり、約8mlの蒸留水に溶解後、メスフラスコを用いて蒸留水で10mlにメスアップすることにより、試料溶液を調製した。これを前記と同じ条件下で高速液体クロマトグラフィー装置に供し、ルチンの含量を測定した。試料溶液を用いて得られた検出ピークと検量線とを比較したところ、機能性発酵調味料100g中に、0.9mgのルチンが含まれていることがわかった。
【0028】(5) 機能性発酵調味料のアレルゲン性分析上記(1)において得られたBタイプ機能性発酵調味料のアレルゲン性をモルモットを用いた抗原性試験及び酵素免疫測定法により調べた。その結果、機能性発酵調味料中のアレルゲン性物質は蕎麦粉100に対して1の割合になっていることがわかった。
【0029】〔実施例2〕機能性発酵調味料入り粉乳の製造(1) 機能性発酵調味料入り全脂粉乳の製造実施例1において得られたBタイプの発酵調味料を用いて、機能性発酵調味料入り全脂粉乳の製造した。まず、牛乳100kg(ブリックス10度)を、バキュームクッカー(ミハマ製作所製)を用い、B.T.(沸点)140℃、V.C.(バキュームクッカー)400mmHgの条件下で、ブリックス度31〜33度になるまで濃縮し、40kgの全脂乳を得た。次に、全脂乳10kgにBタイプの発酵調味料30gを添加したもの、全脂乳10kgにBタイプの発酵調味料60gを添加したもの、又は全脂乳10kgのみ(コントロール)を、スプレードライヤー(大川原化工機製、L8型)を用い、熱風入口温度160℃、出口温度80℃、アトマイザー回転数30,179rpmで2kg/30分の処理速度により乾燥させ、機能性発酵調味料入り全脂粉乳を製造した。
【0030】(2) 機能性発酵調味料入り脱脂粉乳の製造市販の脱脂粉乳を用いて機能性発酵調味料入り脱脂粉乳の製造した。まず、市販の脱脂粉乳12kgを水28kgに溶解し、40kgの脱脂乳を得た。次に、脱脂乳10kgにBタイプの発酵調味料30gを添加したもの、脱脂乳10kgにBタイプの発酵調味料60gを添加したもの、又は脱脂乳10kgのみ(コントロール)を、スプレードライヤーを用い、上記(1)と同様の条件下で機能性発酵調味料入り脱脂粉乳を製造した。
【0031】(3) 機能性発酵調味料入り粉乳の色調及び酸価の経時的変化上記(1)において得られた機能性発酵調味料入り全脂粉乳又は上記(2)において得られた機能性発酵調味料入り脱脂粉乳50gをシャーレに入れ、湿度80%、温度30℃でに保存し、経時的な色調及び酸価の変化を調べた。酸価は以下の通り決定した。すなわち、まず試料50gを精密に量り、1000ml容のビーカーに入れ温湯500mlを入れ、良く溶解させた。次に、溶解物を2000ml容の分液ロートに移し、そこに99.5%エタノール400mlを加え緩やかに攪拌した。ジエチルエーテル400mlを加え、3分間シェーカーで振盪後、さらに石油エーテル400mlを加え、3分間シェーカーで振盪した。分液ロートを静置し、上層を下層が完全に分離したことを確認後、下層を廃棄した。分液ロートに残った上層に蒸留水400mlを加え、約1分間シェーカーで振盪した。分液ロートを静置し、上層と下層が完全に分離したことを確認後、下層を廃棄した。分液ロート中の上層を、適量の無水酢酸ナトリウムを入れた1000ml容の三角フラスコに移しゆるやかに攪拌して脱水した。次いで得られた溶液をナス型フラスコに移し、ロ−タリーエバポレーターを用いて有機溶媒を除去した。得られた試料を秤量後、秤量した試料の一部を300ml容三角フラスコにとり、溶剤(95%エタノール:ジエチルエーテルー=1:2(v/v))100mlを加え溶解し、フェノールフタレイン試液1mlを添加後、スターラー上で試料溶液を攪拌しながら、0.1Nエタノール性水酸化カリウム液で滴定を行った。滴定しより得られた水酸化カリウム液の消費量を以下の式に代入した。滴定の終点は、液の淡紅色が30秒間持続する点とした。酸価の結果を表3に、色調の結果を表4に示す。表3及び4からも明らかなように、機能性発酵調味料を入れた全脂粉乳及び機能性発酵調味料を入れた脱脂粉乳は、20日間経過した後であっても、酸化の進行は認められず、色調の変化も認められなかった。
酸価=[滴定値(ml)×滴定溶液のファクター×5.611]÷測定試料の量(g)
【0032】
【表3】

【0033】
【表4】

【0034】
【発明の効果】本発明により、抗酸化性などの機能性を有する発酵調味料、該発酵調味料を含む食品が提供される。本発明は、粉乳などの食品の品質保持や機能性食品における機能性素材として有用である。
【出願人】 【識別番号】391031214
【氏名又は名称】サクマ製菓株式会社
【出願日】 平成10年9月4日(1998.9.4)
【代理人】 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔 (外1名)
【公開番号】 特開2000−78953(P2000−78953A)
【公開日】 平成12年3月21日(2000.3.21)
【出願番号】 特願平10−251610