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【発明の名称】 固結防止性ガ―リック含有コショ―組成物
【発明者】 【氏名】平石 納

【氏名】浜川 弘茂

【氏名】小林 久枝

【氏名】稲 竹彦

【氏名】市川 比呂志

【要約】 【課題】固結の防止された開閉可能な容器に充填されるガーリック含有コショー組成物を提供する。

【解決手段】ガーリックおよびコショーを主体とし、開閉可能な容器に充填されるガーリック含有コショー組成物において、ガーリック/コショー粉末の重量比率を3/97〜35/65の範囲とし、ガーリック粉末の平均粒子径を210〜1000μm、コショー粉末の平均粒子径を110〜1000μmとし、かつ、組成物としての水分活性を0.46〜0.64とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガーリックおよびコショーを主体とし開閉可能な容器に充填されるガーリック含有コショー組成物において、ガーリック/コショー粉末の重量比率が3/97〜35/65の範囲にあり、ガーリック粉末の平均粒子径が210〜1000μm、コショー粉末の平均粒子径が110〜1000μmであり、かつ、組成物としての水分活性が0.46〜0.64であることを特徴とする固結防止性ガーリック含有コショー組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固結防止性ガーリック含有コショー組成物に関し、さらに詳しくは開閉可能な容器に充填されるガーリック含有コショー組成物における固結の防止に関する。
【0002】
【従来の技術】コショーにガーリックを配合することにより香味が高められるが、このようなガーリック/コショー混合粉末を、開閉可能な容器に充填して繰り返し使用すると、開封後にケーキングを起こし、使用しずらく商品価値が著しく損なわれるという問題があった。
【0003】そのため、ガーリック含有コショーは、市場に出回わっているものの、そのほとんどは,ケーキングを防止するためにポーションパックなどの密封系に封入されており、1回使い切りの商品であった。
【0004】ガーリックを使用した場合でも、ホール状あるいはチップ状の商品形態とすれば、固結の防止は可能となるが、粉体でないために均一に振り掛けずらく、香味効果も小さい等の問題がある。通常、ガーリックは香味・外観等の品質保持の面から、水分活性(Aw)を0.4程度(水分約7%)まで減少させて使用する場合が多いが、密閉性の悪い容器では吸水してケーキングを生じる場合が多い。
【0005】従来から、吸湿固結性の粉末のケーキングを防止する手段としては、■吸水性の物質を少なくする、■第3リン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウムまたはマグネシウム等の水不溶性粉末で被覆、混合する、■油や新油性の乳化剤で表面コーティングする、■付着面積を少なくするために顆粒化する、■顆粒化後にその表面を油分、乳化剤等でコーティングする、■造粒物に水溶性セルロースを添加して溶解性を改善する、などが知られており、具体的には以下の通りの提案がある。
【0006】(1) 特公昭48−32343号公報:造粒し、造粒物中に微結晶セルロースを約2%添加して崩壊性を改善する。
(2) 特公昭42−22185号公報:水溶性セルロースを使用して溶解性を改善する。
【0007】(3) 特公昭40−10385号公報:メチルセルロース、エチルセルロース等を添加、造粒し、水溶性セルロースを添加して溶解性を改善する。
(4) 特公昭43−11734号公報:100メッシュ(149μm)程度の吸湿性の少ないグルタミン酸ソーダでコーティング処理する。
【0008】(5) 特公昭55−50667号公報:蔗糖脂肪酸エステルを添加混合する。
(6) 特開昭60−19458号公報:固結脂と水不溶性微粉末を添加混合する。
(7) 特開昭63−313574号公報:α化澱粉質素材を添加混合する。
(8) 特開昭52−31861号公報:植物油の硬化油をガーリックと混合する。
【0009】しかしながら、上記の固結防止法はいずれも一長一短であり、よりいっそうの改善がまたれていた。
【0010】例えば、リン酸カルシウムは、食品衛生法によって使用量が規制された食品添加物であり、今日のナチュラル志向の人には悪いイメージを与え、使用量の制限もある。グルタミン酸ソーダは味に著しく影響を与え、使用量には限界がある。蔗糖エステル等の乳化剤、澱粉、プロピレングリコール等の添加も健康的なイメージが悪く消費者に不安を与え、また、香味に対して悪影響を与える。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、特に開閉可能な容器に充填されて使用されるガーリック/コショー混合物の固結防止にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の技術課題は、ガーリック/コショーの配合比、両者の粒径、混合物の水分活性を規定することにより解決しうることが見い出された。すなわち、本発明の固結防止性ガーリック含有コショー組成物は、ガーリックおよびコショーを主体とし開閉可能な容器に充填されるガーリック含有コショー組成物において、ガーリック/コショー粉末の重量比率が3/97〜35/65の範囲にあり、ガーリック粉末の平均粒子径が210〜1000μm、コショー粉末の平均粒子径が110〜1000μmであり、かつ、組成物としての水分活性が0.46〜0.64であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施態様】以下、ガーリック含有コショー組成物における固結防止について説明する。
【0014】本発明のガーリック含有コショー組成物は、コショーおよびガーリックを主体とし、重量比でガーリック/コショー=3/97〜35/65、好ましくは4/96〜30/70の範囲で含む。この比率が3/97より小さいとガーリックの香味が弱くなり、また、ガーリックの量が少なく吸水しにくいため、ケーキングの問題も生じない。一方、35/65より大きくなると、コショーの香味が弱くなって香味品質が悪くなり、また、ケーキングも完全に防止できなくなる。
【0015】本発明のガーリック含有コショー組成物は、開閉自由なキャップ付き容器等の容器に充填される。その際、内容物のすべてをコショーおよびガーリックが占めてもよいが、他の素材を混合して充填してもよい。この場合、ガーリック含有コショーの香味品質を確保する観点から、組成物(内容物)の60重量%以上をコショーおよびガーリックが占めることが望ましい。
【0016】ガーリックの平均粒子径は210〜1000μmであり、好ましくは210〜700μm、さらに好ましくは300〜700μmである。平均粒子径が210μmより小さいと、均一に分散して吸水し、全体に強くブリッジを作り固化させてしまう。一方、1000μmを超えると、固結しないものの食べにくくなり、また、分級を生じる等の問題がある。
【0017】コショーの平均粒子径は、110〜1000μmであり、好ましくは110〜700μm、さらに好ましくは150〜500μmである。平均粒子径が110μmより小さくなると、ガーリックから移行した水分により粉体特性が変化して流動性が悪化し容器から取り出しにくくなり、場合によっては固結するときもある。一方、1000μmを超えるとケーキングが生じ、かつ、使用しうる料理が制限され好ましくない。
【0018】コショーとしては、ホワイトペパー、ブラックペパーのいずれでもよい。ガーリックとコショーとを混合した組成物としての水分活性は0.46〜0.64であり、好ましくは0.5〜0.62である。コショーは通常、水分活性が0.65〜0.72であり、ガーリックと混合して、乾燥することにより水分活性を調整する。一般に水分活性(Aw)が0.65以上(水分約12.5%)となると、流動性が悪くなりやすい。一方、0.46未満(水分8%未満)では、ケーキングの問題はないが、乾燥により水分活性を調整する際に精油分が飛散し、香味品質が悪くなるという問題がある。
【0019】水分活性(Aw)とは、食品に存在する2つの水の形態、すなわち、環境の温度・湿度の変化で容易に移動や蒸発が起こる自由水と、食品の構成成分である蛋白質や炭水化物と固く結合し束縛された状態にある結合水のうち、自由水に基づくものである。そして、Awは、食品を入れた密封容器内の水蒸気圧Pと、その温度における純水の蒸気圧P0 の比として定義される。したがって、食品の示す平衡相対湿度(ERH)の1/100とも考えることができる。これらを式に表わすと、Aw=P/P0 =ERH/100となる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、ガーリックおよびコショーの配合比、両者の平均粒子径および混合物の水分活性を規定することにより、開閉自由なキャップ付きビン等の開放容器に充填して反復使用した場合においても、ケーキングを起こすことなく最後までサラサラの状態で使用できるガーリック含有コショー組成物が実現でき、商品価値を著しく向上させることができる。しかも、固結防止剤を別途添加する必要がないので、消費者の不安感を一掃することが可能となる。
【0021】
【実施例】実施例1ガーリック/コショーの重量比率が1/99〜40/60、ガーリックの平均粒子径が70〜410μm、コショーの平均粒子径が80〜1300μm、混合物の水分活性(Aw)が0.53〜0.66の範囲において調製したサンプルの保存テストを行ない、香味、固結度の評価を実施した。その実施例、比較例の結果を表1〜表3に示す。
【0022】水分活性の測定は、ROTONRONIC HYGROSKOP DT(スイス、ロトニック社製)にて測定(25℃)した。評価は、促進テストとして、調製したサンプルを開閉可能なガラスビン容器(60ml)に内容物50gを入れて、35℃・85%の恒温槽に入れ、完全開放して3日間保存後に固結度および香味評価した。
【0023】固結度は保存サンプルを32メッシュ(目開き2.38mm)の金網を通して通過重量(A)、金網にひっかかった重量(B)を測定して、下記の数1より求めた。
【0024】
【数1】固結度(ケーキング度)(%)=(B/A+B)×100【0025】香味評価は、専門パネラー(N=8)にてラーメンに振りかけて嗜好性を以下の評価基準で評価し、その結果を平均して、○,△,×で示した。
【0026】
評価基準 7:非常に良い 6:良い 5:やや良い 4:普通 3:少し悪い 2:悪い 1:非常に悪い ○:平均4.5以上 △:平均4.4〜4.0 ×:平均3.9以下【0027】
【表1】
比較例 実 施 例 比較例 1 2 3 4 5 性状: ガーリック/ 1/99 3/97 10/90 35/65 40/60 コショーの比率*1 (BP) (BP) (BP) (BP) (BP) ガーリックの 245 245 245 245 245 平均粒子径(μm) コショーウの 210 210 210 210 210 平均粒子径(μm) 混合物の水分活性 0.61 0.61 0.61 0.61 0.61 評価結果: 香味 × ○ ○ ○ ○ 固結度(%) 0 0 0 0 20 *1) BP:ブラックペパー WP:ホワイトペパー【0028】
【表2】
比較例 実 施 例 比較例 実施例 6 7 8 9 10 性状: ガーリック/ 10/90 10/90 10/90 10/90 10/90 コショーの比率*1 (WP) (WP) (WP) (WP) (WP) ガーリックの 410 410 410 70 410 平均粒子径(μm) コショーウの 195 195 195 80 195 平均粒子径(μm) 混合物の水分活性 0.66 0.60 0.53 0.60 0.60 評価結果: 香味 ○ ○ ○ ○ ○ 固結度(%) 80 0 0 100 0 *1) BP:ブラックペパー WP:ホワイトペパー【0029】
【表3】
比較例 実 施 例 11 12 13 性状: ガーリック/ 10/90 10/90 10/90 コショーの比率*1 (BP) (BP) (BP) ガーリックの 240 240 240 平均粒子径(μm) コショーウの 1300 450 140 平均粒子径(μm) 混合物の水分活性 0.66 0.60 0.53 評価結果: 香味 ○ ○ ○ 固結度(%) 80 0 0 *1) BP:ブラックペパー WP:ホワイトペパー
【出願人】 【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
【出願日】 平成3年9月26日(1991.9.26)
【代理人】 【識別番号】100086542
【弁理士】
【氏名又は名称】臼村 文男 (外1名)
【公開番号】 特開2000−78952(P2000−78952A)
【公開日】 平成12年3月21日(2000.3.21)
【出願番号】 特願平11−279236