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【発明の名称】 食品包装品の液だれ防止方法
【発明者】 【氏名】峰 良二

【氏名】立林 ひとみ

【要約】 【課題】容器に盛られた具材と煮汁を含む調理済み食品または半調理済み食品の包装品の液だれを、簡単な方法で、かつ安価に防止することができる食品包装品の液だれ防止方法を提供すること。

【解決手段】容器1に盛られた具材2と煮汁3とからなる食品の前記煮汁3にゲル化剤を添加し、前記煮汁3を固化させること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 容器に具材と煮汁とからなる食品を盛った食品包装品からの液だれを防止する食品包装品の液だれ防止方法であって、前記食品の前記煮汁にゲル化剤を添加し、前記煮汁を固化させることを特徴とする食品包装品の液だれ防止方法。
【請求項2】 具材と煮汁とからなる食品の前記具材と煮汁とを分離し、ゲル化剤を添加した前記煮汁を前記具材を入れた容器に注入し、前記具材と一体化させた状態で前記煮汁を容器内で固化させることを特徴とする請求項1に記載の食品包装品の液だれ防止方法。
【請求項3】 具材と煮汁とからなる食品の前記具材と煮汁とを分離して前記煮汁のみをゲル化剤を用いて固化した後、前記具材と固化した煮汁とを同一の容器に収納することを特徴とする請求項1に記載の食品包装品の液だれ防止方法。
【請求項4】 固溶体状の食品にゲル化剤を添加し、前記固溶体を容器内で固化させることを特徴とする請求項1に記載の食品包装品の液だれ防止方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品包装品の液だれ防止方法に係り、特に、容器に盛られた状態で流通する具材と煮汁を含む調理済み食品または半調理済み食品の包装品の液だれを防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、具材と煮汁を含む調理済み食品(半調理済み食品を含む。特に示さない限り、以下、同じ。)は、その煮汁を容器外部に漏らさないようにするために、例えば、1食分毎に個々に缶詰にしたり、また、特開平4−320671号公報に示すように、脱気密封して容器に封入したり、あるいは、冷凍する等して流通されていた。
【0003】前述のように煮汁を含む食品を缶詰や脱気密封容器に封入してしまえば、液だれの可能性はなく、よって、商品としての体裁を良好に保つことができるし、ある程度の長期保存も可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、長期保存を目的とせず、例えば、調理センター等にて集中調理したものを調理後の一定時間中に消費者に提供し、摂食されることが明らかな場合にまで、個々に前述のような缶詰作業や脱気密封作業を行うことは大変な作業となり、商品コストも当然に高いものとなる。
【0005】さらに詳しく説明すれば、流通システムが整備された昨今、コンビニエンス店の弁当事業等において、例えば、鯖の味噌煮やおでんのような具材の他に煮汁を必要とする食品や、カレールー、シチュー、ポタージュスープ等のようにそれ自体が固溶体となる食品を、調理センターにおいて集中調理(半調理)し、それを1食分毎に個別包装して各店舗に流通・配送するシステムが取られている。
【0006】その際の個別包装は、調理容器と食器との機能を兼ね備えた耐熱のトレイ等の容器に食品を収納し、透明の蓋やフィルム材を被せた形態とされており、各店舗において、調理後の所定時間内に容器のまま、店頭に陳列し、販売されるされるようになっている。その際に、前記容器が液だれで汚れていれば商品としての体裁(見栄え)が悪く、商品価値も下がり、持ち帰りにも不便である。そして、衛生管理も大変面倒である。また、液だれ防止のために、前述のような缶詰や脱気密封の手段を用いれば作業が大変でありコスト高につながるとともに、商品の体裁も、出来立ての状態を維持できず、フレッシュ感に劣る傾向があった。さらには、調理後のスピーディーな配送が困難になるという問題もあった。
【0007】また、特開平2−234635号公報に示されているように、具材と煮汁を含む食品を冷凍してしまえば、煮汁が凍結している間の液だれは防止しうるが、かかる食品の素材の中には、例えば、ゆで卵やじゃがいものように冷凍に適さない素材もあり、煮汁を有する全ての調理済み食品や半調理食品が冷凍可能ではないことは周知の通りである。
【0008】本発明は前記した点に鑑みなされたもので、容器に盛られた具材と煮汁を含む調理済み食品または半調理済み食品の包装品の液だれを、簡単な方法で、かつ安価に防止することができる食品包装品の液だれ防止方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため本発明の請求項1に係る食品包装品の液だれ防止方法は、容器に具材と煮汁とからなる食品を盛った食品包装品からの液だれを防止する食品包装品の液だれ防止方法であって、前記食品の前記煮汁にゲル化剤を添加し、前記煮汁を固化させることを特徴としている。
【0010】本発明によれば、少なくとも流通過程において煮汁をゲル化剤により固化することができ、よって、液だれを防止することができるものである。
【0011】請求項2に係る食品包装品の液だれ防止方法は、請求項1において、具材と煮汁とからなる食品の前記具材と煮汁とを分離し、ゲル化剤を添加した前記煮汁を前記具材を入れた容器に注入し、前記具材と一体化させた状態で前記煮汁を容器内で固化させることを特徴としている。
【0012】本発明によれば、固形状の具材と一体化させて煮汁をゲル化剤により容器内に固化させることで、具材が容器内で移動することによる姿崩れを防止しつつ、煮汁の液だれを防止することができるものである。
【0013】また、請求項3に係る食品包装品の液だれ防止方法は、請求項1において、具材と煮汁とからなる食品の前記具材と煮汁とを分離して前記煮汁のみをゲル化剤を用いて固化した後、前記具材と固化した煮汁とを同一の容器に収納することを特徴としている。
【0014】本発明によれば、前記加熱調理前においては煮汁をゲル化剤により固化させることにより煮汁の液だれを防止することができ、さらに、例えば、シート状に固化させた煮汁を固形物の具材の上側に被せるようにして容器に収納しておき、前記ゲル化した煮汁を加熱により再びゾル化させる際に、前記固形物に煮汁を上方から滴らせ絡めるようにしたり、キューブ状に固化させた煮汁を固形物と適当に混在させて容器内に収納しておき、前記ゲル化した煮汁を加熱により再びゾル化させる際に、前記固形物に煮汁を絡めるようにすることができる。
【0015】そして、請求項4に係る食品包装品の液だれ防止方法は、請求項1において、固溶体状の食品にゲル化剤を添加し、前記固溶体を容器内で固化させたことを特徴としている。
【0016】本発明によれば、固溶体はゲル化剤により固化されているので固溶体の液だれを防止することができるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1から図3について説明する。
【0018】図1から図3はそれぞれ本発明方法によって液だれ防止が施された食品包装品を示している。
【0019】図1により一実施形態を説明する。
【0020】まず、魚介類や野菜等の具材を鍋等の調理器具を用いて煮汁で煮付け、味を調える。調理が済んだら、例えば図1に示すように、魚介類、野菜等の固形物状の具材2はプラスチック等からなる耐熱性のトレイ1に必要に応じた人数分ずつに盛り分けておく。なお、本実施形態において、前記トレイ1は、流通過程における包装容器、摂食前の再加熱のための容器、そして料理を盛りつける食器を兼ねて使用可能なものとする。その材料は前記プラスチックに限らない。例えば、紙や陶器等であってもよい。
【0021】次に、鍋等の調理器具に残った煮汁にゲル化剤を加えて加熱し、ゲル化剤が溶解した煮汁をつくる。前記ゲル化剤は、混合された煮汁が10℃〜8℃でゲル化し、しかも、その調理済食品を冷凍し解凍してもゲル形成機能を失なわないものを用いる。例えば、ゼラチンをゲル化剤として用いる場合は、煮汁の最大2重量%の使用で、冷凍後、解凍しても20℃位まではゲル形成機能を保つことができる。また、煮汁の味や食感を損なうこともないので、適剤といえる。また、ゲル化剤が溶解した煮汁が10℃〜8℃でゲル化するものとすることで、調理済み食品のチルド流通も充分可能となる。
【0022】このゲル化剤の溶解した煮汁3を前記具材2を入れたトレイ1に適量ずつ注液して冷却する。前述のように、煮汁3は10℃〜8℃でゲル化するようになされているので、調理済み食品から荒熱が除去され、上記温度にすることにより、煮汁3は前記トレイ1の中でゲル化することとなる。
【0023】そして、さらに必要に合わせて、前記食品が収納されるトレイ1の内部を覆いうる蓋4、あるいはトレイ1自体を収納可能とする外装箱や外装袋等に収納して図1に示すような食品包装品とする。
【0024】このように、包装容器としてのトレイ1内に煮汁3をゲル化させ固化させた食品包装品とすることで、煮汁3がトレイ1からこぼれることを防止し、食品包装品が液だれによって汚れて商品価値を下げることを防止することができる。
【0025】そして、本実施形態の場合、煮汁3の量の多少に制限されることなく、いかなる場合にも液だれを防止することができる。つまり、煮汁3が少量であっても、また、固形物である具材2を覆うほどの多量の煮汁3であっても、同様の方法で煮汁3をトレイ1内でゲル化させ、固化させることにより液だれを防止することが可能である。
【0026】また、本実施形態によれば、調理後の一定時間内に消費する食品であって長期保存の必要がないものは、流通させる前の冷凍工程を省略してもチルド温度帯に保持することにより液だれを完全に防止することができる。よって、本実施形態は、冷凍に適しない食材を用いている場合にも有効な液だれ防止方法となる。
【0027】そして、魚介類や野菜類の具材2を入れたトレイ1に、ゲル化剤を混合した適量の煮汁3を流し込み、固化する煮汁3により固形物状の具材2をトレイ1の中に固定させるようにすれば、流通過程において固形物状の具材2同志が衝突してその形状を崩すようなことを防止することができるといった効果も得られる。
【0028】なお、本実施形態においては、その調理済食品を冷凍し解凍してもゲル形成機能を失なわないゲル化剤を用いているので、さらに必要な場合には、この調理済み食品をトレイごと冷凍し、凍結状態で流通させることも可能であることはいうまでもない。そして、調理前の流通過程において食品の凍結が解けた場合であっても、煮汁は前記ゲル化剤のゲル形成機能により一定の温度までゲル状態を保つので、その間の液だれを防止することができる。
【0029】よって、消費者が店舗でこの食品包装品を購入して持ち帰る際にも、特に高温にさらさない限り、各家庭まで液だれの心配なく持ち帰ることが可能となる。
【0030】なお、食品包装品を冷凍させない場合、摂食時の再加熱前までは流通トラック内、倉庫、店頭ショーケース等においては3℃〜10℃程度のチルド状態で陳列・保管することが望ましい。
【0031】このように液だれを防止することができれば、商品として店頭に陳列されている場合にも、食品包装品が液だれで汚れないので体裁(見栄え)も良く、商品価値を落とすこともなく、衛生管理も容易となる。
【0032】そして、本実施形態においては、前記トレイ1を調理容器として用い、電子レンジ等で直接加熱調理することで、簡単に、暖かくて美味しい料理を提供することができるものとなる。
【0033】また、本発明の食品包装品の液だれ防止方法は、前記ゲル化剤を溶解させた煮汁を調理用バット等に流し入れ、例えばシート状やキューブ状等の所定形状に形成し、これを前記固形物状の具材2とともに前記トレイ1に収納して、図2に示すような食品包装品とした場合にも、ゲル化剤で煮汁3をトレイ1内に固化させることにより、前述と同様の効果を得ることができる。
【0034】例えば、煮汁3をシート状に固化させた場合には、トレイ1に置かれた煮魚等の固形物状の具材2の上から前記シート状に固化した煮汁3を覆い被せた状態で流通させることができる。このような状態で包装された食品は、摂食時等にトレイ1のまま電子レンジで加熱することで、前記ゲル化した煮汁3を溶かし、その煮汁3を前記煮魚等の具材2の上面からその全体にかけて、煮汁3の味を具材2全体になじませることができるという、さらなる効果を得るものとなる。
【0035】また、煮汁3をキューブ状に固化させた場合は、図3に示すように、1または複数個の煮汁3のキューブを野菜等の具材2と混ぜ合わせてトレイ1に収納した状態で流通させることができる。このような状態で包装された食品は、摂食時に、トレイ1のまま電子レンジで加熱することで、前記ゲル化した煮汁を溶かし、その煮汁3をトレイ1内で前記キューブに隣位する前記野菜等の具材2に絡めることができるといったさらなる効果をえるものとなる。
【0036】さらに、本発明の食品包装品の液だれ防止方法は、固形物状の具材と液状の煮汁とを分離可能な場合のみならず、具材が煮汁に溶けて固溶体となった食品の液だれを防止することも可能である。つまり、カレールーやポタージュスープのような固溶体の食品であっても液だれの問題は生じうる。このような固溶体の食品に対しても、固溶体の食品自体に前記ゲル化剤を添加し、その固溶体の食品を包装容器としてのトレイの中に注入して固化させることができる。そして、このトレイ自体に蓋を施すか、外装箱、外装袋等にトレイ自体を収納する等して食品包装品とする。
【0037】このような場合にも、前記ゲル化剤を添加することにより、固溶体の食品の液だれを防止することができる。
【0038】このように、本発明の食品包装品の液だれ防止方法によれば、簡単かつ低コストで、しかも、調理済み食品の味覚をほとんど損なうことなく食品包装品の液だれを防止することができる。
【0039】なお、以下に本発明の詳細を実施例で記載する。
【0040】
実施例1 鯖の味噌煮の作り方材料 具 : 鯖(1切) 75g 煮汁 : 水 60g 味噌 36g その他砂糖等の調味料 適量 ゼラチン液: 水 適量 ゼラチン(ゲル化剤) 煮汁の約2重量%程度作り方1.水、味噌、砂糖等の煮汁の材料を混合し、鍋に入れて火にかけ、鯖1切れを入れる。
【0041】2.落とし蓋をし、中火で煮付ける。
【0042】3.途中、1,2回、鍋底をゆっくり静かに回し、煮汁液が鯖の切り身にかかるようにする。
【0043】4.その後、弱火で煮汁液が半量になる位まで煮付ける。
【0044】5.煮終えたら放置して荒熱をとり、切り身をトレイに盛りつける。
【0045】6.残りの煮汁を固化させるため、ゼラチン液を加えて混ぜ合わせ、魚を盛りつけたトレイに流し入れる。
【0046】蓋をして、チルド庫で10℃以下に冷却し、煮汁をゲル化させた後、冷蔵庫に入れて凍結し、冷凍の鯖味噌煮のパックを得る。
【0047】
実施例2 いかの醤油煮の作り方材料 具 : するめいか(1パイ) 150g 煮汁 : 水 60g 醤油 27g その他砂糖等の調味料 適量 ゼラチン液: 水 適量 ゼラチン(ゲル化剤) 煮汁の約2重量%程度作り方1.するめいかは内臓処理をし、良く水洗いをする。
【0048】2.水、醤油、砂糖等の煮汁の材料を混合し、鍋に入れて火に掛け、いか胴体、げそをいれる。
【0049】3.落とし蓋をし、中火で煮付ける。
【0050】4.途中1,2回、鍋底をゆっくり静かに回し、煮汁液がいかにかかるようにする。
【0051】5.その後、弱火で煮汁液が半量になるぐらいまで煮付ける。
【0052】6.煮終えたら放置し、荒熱をとる。
【0053】7.いかは胴体を3等分に切り目を入れてからげそとともにトレイに盛りつける。
【0054】8.残りの煮汁を固化させるために、ゼラチン液を加えて混ぜあわせ、いかを盛りつけたトレイに流し入れる。
【0055】蓋をして、チルド庫で10℃以下に冷却し、煮汁をゲル化させた後、冷蔵庫に入れて凍結し、冷凍のいかの醤油煮のパックを得る。
【0056】なお、本発明は前記実施形態のものに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係る食品包装品の液だれ防止方法は、容器に盛られた具材と煮汁を含む調理済み食品または半調理済み食品の包装品の液だれを、簡単な方法で、かつ安価に防止することができる等の効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000110882
【氏名又は名称】ニチモウ株式会社
【出願日】 平成10年9月4日(1998.9.4)
【代理人】 【識別番号】100081282
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 俊輔 (外2名)
【公開番号】 特開2000−78948(P2000−78948A)
【公開日】 平成12年3月21日(2000.3.21)
【出願番号】 特願平10−250548