| 【発明の名称】 |
食品の風味品質低下防止剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】小川 博衛
【氏名】小川 明宏
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| 【要約】 |
【課題】ポリグリセリン脂肪酸エステル(モノエステル含有量50重量%以上)は粘稠性のある固体状で水に混ざりにくく、そのままでは食品に使用しにくい。このポリグリセリン脂肪酸エステルを用いながら、安定な水溶液又は水に溶解分散しやすい安定なペースト状または固体状であり、食品の風味品質を害せず長期に亙り効果を発揮しうる食品の風味品質低下防止剤を提供すること。
【解決手段】溶融したポリグリセリン脂肪酸エステル(モノエステル含有量50重量%以上)をアルコール及び糖類、糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコールの少なくとも一種を含有する水溶液又は粘稠液に添加することにより水に溶け易く、また食品にまざりやすい安定化された食品の風味品質低下防止剤を得ることができた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】アルコール(a)、モノ脂肪酸エステルを50重量%以上含むポリグリセリン脂肪酸エステル(b)及び糖類、糖アルコール、グリセリン及びプロピレングリコールの一種以上(c)を含有してなる食品の風味品質低下防止剤。 【請求項2】(b)がポリグリセリンC8-14脂肪酸エステルである請求項1記載の食品の風味品質低下防止剤。 【請求項3】(b)がジ、トリ、テトラまたはペンタグリセリン脂肪酸エステルである請求項1記載の食品の風味品質低下防止剤。 【請求項4】全体に対して(a)を0.5〜60重量%、(b)を0.1〜40重量%、(c)を0.3〜60重量%含有してなる請求項1記載の食品の風味品質低下防止剤。 【請求項5】請求項1記載の食品の風味品質低下防止剤を0.05〜5重量%含有してなる食品。 【請求項6】食品が澱粉質加工食品である請求項5記載の食品。 【請求項7】食品が魚介畜肉製品である請求項5記載の食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は食品の風味品質低下防止剤、より詳しくは、アルコール(a)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(b)及び糖類、糖アルコール、グリセリンおよびプロピレングリコールの一種以上(c)を含有してなる食品の風味品質低下防止剤及びその食品の風味品質低下防止剤を含有する食品に関する。 【0002】 【従来の技術】従来ジグリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル又はそれを配合した粉体や油脂を食品に添加することが知られており、たとえばソース類や調味液の水濡れ性の改良剤として特開平9−271372号が、デカグリセリンペンタ脂肪酸エステルとの複合製剤で炊飯の艶や、食感、釜離れの改良剤として特開平9−191839号が、麺類の品質改良剤として特開平9−56347号、特開平9−37728号が、澱粉含有食品の品質改良及び水濡れ改良剤として特開平9−285259号が、密封加熱殺菌された澱粉含有飲料の耐熱性細菌の増殖抑制剤として特開平8−228735号が、乳成分含有飲料の耐熱性細菌増殖抑制剤として特開平8−228676号が、ポテトチップスの食感改良剤として特開平8−224067号が、水産練り製品や焼き菓子の食感、色調、風味改良剤として特開平8−70823号、特開平7−327582号が、冷凍すり身の品質、色調、風味の改良と褐変防止剤として特開平7−39346号が、そして、米飯類の離型性、ほぐれ、バラケ、光沢、冷凍耐性の改良と老化防止剤として特開平7−39325号などが知られている。 【0003】また、澱粉含有食品の製造に際しトレハロースと老化防止剤、たとえばグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、還元澱粉加水分解物を添加することが特開平7−79689号に記載されているが、そこには単に通常の乳化剤及び還元澱粉加水分解物とトレハロースを併用して澱粉の老化防止を強化することが記載されているだけで風味品質低下防止効果は述べられていない。しかもジグリセリンモノ脂肪酸エステルは一般にいうグリセリン脂肪酸エステルとは異なるものである。さらに食品の抗菌剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するモノ脂肪酸エステルの含有量が50重量%以上であるものが特に効果のあることが特開平10−22528号により知られている。ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル、特にモノエステルの含有量が50重量%以上のC8-14脂肪酸エステルは、融点が30〜60℃前後の常温で半固体状または固体状のものであり、常温では水に溶解しにくく、また加熱溶融したもは非常に乳化しにくいという欠点がある。さらに乳化させたものも分離する等不安定で、その渋味、えぐみにより食品の風味を害するという欠点があるため、粉体製剤又は油脂に溶融させて食品に添加しているのが現状である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、ポリグリセリン脂肪酸エステルは粘稠性の固体状で水に混ざりにくく、不安定で、そのままでは食品に使用しにくい。そこで本発明はこのポリグリセリン脂肪酸エステルを安定な水溶液、又は水に溶解分散しやすい安定なペースト状または固体状とし、食品の風味を損なわず、より長期に亙りその食品の風味品質低下防止効果を保持しうるものを提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究した結果、溶融したポリグリセリン脂肪酸エステル(b)を、アルコール(a)及び糖類、糖アルコール、グリセリン及びプロピレングリコールの一種以上(c)を含有する水溶液または粘稠液に添加すると、水と混合し易く、しかもその水溶液が安定で、食品に添加した場合その風味を害さず長期に亙りその保存効果が発揮されるという知見を得て本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は(1)アルコール(a)、モノ脂肪酸エステルを50重量%以上含むポリグリセリン脂肪酸エステル(b)及び糖類、糖アルコール、グリセリン及びプロピレングリコールの一種以上(c)を含有してなる食品の風味品質低下防止剤、(2)(b)がポリグリセリンC8-14脂肪酸エステルである前記(1)記載の食品の風味品質低下防止剤、(3)(b)がジ、トリ、テトラまたはペンタグリセリン脂肪酸エステルである前記(1)記載の食品の風味品質低下防止剤、(4)全体に対して(a)を0.5〜60重量%、(b)を0.1〜40重量%、(c)を0.3〜60重量%含有してなる前記(1)記載の食品の風味品質低下防止剤、(5)前記(1)記載の食品の風味品質低下防止剤を0.05〜5重量%含有してなる食品、(6)食品が澱粉質加工食品である前記(5)記載の食品、および(7)食品が魚介畜肉製品である前記(5)記載の食品、である。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明に用いられるアルコール(a)は食用アルコールであれば、無水物でも水溶液でもよい。該アルコールは変性アルコールでもよいし、みりんタイプのものでも良い。該アルコールの濃度は0.5〜60重量%、好ましくは1〜40重量%、より好ましくは1〜30重量%である。尚、本発明の食品の風味品質低下防止剤中のアルコール濃度は、食品の種類にもよるが、通常食品の保存には30重量%以上であることが好ましく、製剤のみの保存安定化には通常0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%である。また本発明によるアルコール濃度は0.5重量%以下では製剤自体の保存安定性が悪くなり、60重量%以上では引火性が出て消防法による危険物となり保存面及び取り扱い上不便を生ずる。本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸エステル(b)はジ、トリ、テトラ、ペンタグリセリンなど、グリセリンが2〜数個脱水縮合した型のポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応、或いは該ポリグリセリンとトリグリセライドとのエステル交換反応等により得ることができ、分子蒸留、液抽出分離、クロマト分離等の方法によって精製濃縮し、水になじみ易くしてモノエステルの含有率を50重量%以上高めたものであるが、モノエステルの含量が70重量%以上のものがさらに好ましい。エステルを構成する脂肪酸は通常、炭素数8〜14の飽和または不飽和の脂肪酸が好ましい。エステルを構成する脂肪酸の具体例としては、たとえばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸など炭素数8〜14の飽和脂肪酸があげられるが、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸が特に好ましい。これらの脂肪酸は一種又は二種以上であってもよい。脂肪酸の炭素数が8未満の場合、その特有の刺激味により食品の風味に影響が及ぼされ、炭素数14を越える場合には、融点が高くなり、製剤化しにくく分離もし易い。 【0007】本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステル(b)の配合割合は、食品の風味品質低下防止剤、すなわち製剤全体に対し0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%である。この脂肪酸エステルの0.1重量%以下の配合では風味品質低下防止効果が弱く、40重量%以上では固結又は分離を生じ食品に分散しにくくなる。本発明に用いられる糖類としては、単糖類、二糖類、澱粉分解物などがあげられる。単糖類としては、四炭糖、五炭糖、六炭糖など何れでもよく、たとえば、、エリスリトール、トレオース、キシロース、アラビノース、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトースなどが挙げられる。二糖類としては例えば、蔗糖、乳糖、マルトースなどが挙げられる。これらの中ではトレハロース、マルトース、乳糖、グルコース、フルクトース、キシロース、ガラクトース、蔗糖などが好ましい。さらに水飴や蜂蜜など糖類を含む天然物や加工品も使用することができる。糖アルコールとしては、例えばマルチトール、パラチニット、ラクトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、還元澱粉加水分解物などが挙げられる。またこれら糖類や糖アルコールと同様の効果のある食品添加物として、プロピレングリコールおよびグリセリンがある。(c)成分の配合割合は製剤全体に対して0.3〜60重量%、好ましくは0.5〜40重量%、より好ましくは1〜30重量%である。0.3重量%以下では製剤の安定性、ポリグリセリン脂肪酸エステル(モノエステル含有量50重量%以上)の渋み、えぐみの改良効果が薄くなり、60重量%以上では固結したり粘度が高くなり分散しにくくなる。 【0008】本発明の食品の風味品質低下防止剤はアルコール(a)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(モノエステル含有量50重量%以上)(b)及び糖類、糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコールの一種以上(c)を水と混合して乳化液又はペースト状又は固体状にすることにより得られる。混合方法は特に限定はないが、加熱溶融させたポリグリセリン脂肪酸エステルをアルコールと混合し、さらに浄水を加えたものに糖類、糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコールの一種以上を混合するようにしても良い。また、本発明の目的を阻害しない限り本発明の食品の風味品質低下防止剤に各種添加物、例えば甘味料、調味料、油脂類、酸化防止剤、結着剤、リン酸塩類、香辛料、食品素材、グリシン等のアミノ酸、酢酸、醸造酢、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、乳酸及びアスコルビン酸等の有機酸及びその塩類、フィチン酸、ミョウバン及びその塩類、リン酸一、リン酸二、リン酸三の塩類及びピロ、ポリ、メタの重合リン酸類、アミラーゼ、プロテアーゼ等の酵素類及び栄養強化剤としてビタミン類、アミノ酸、ミネラル等を添加してもよいしまた併用してもよい。 【0009】本発明による食品の風味品質低下防止剤を添加する対象の食品としては、例えば魚介類製品(例、冷凍すり身、カラ揚げ、フライ、蒲鉾、竹輪、さつま揚げ、魚肉ソーセージ、エビ、カニ、イカの冷凍及び加工品等)、畜肉製品(例、肉ソーセージ、ハンバーグ、カラ揚げ、フライ、肉ダンゴ、焼き肉、焼き鳥、ハム等)、惣菜(例、サラダ、ギョーザ、シュウマイ、コロッケ、和え物、煮物、焼き物、揚げ物等)、調味料(例、肉ジュース、ミートソース、タレ、ケチャップ、マスタード、ドレッシング等)、パン、菓子類(例、ケーキ、カスタード、クリーム、シュークリーム、饅頭等)、飲料(例、コーヒー、紅茶、ココア、ジュース、乳酸飲料等)、スープ類(例、ポタージュ、コンソメ等)、佃煮類、塩蔵類、塩干類、漬物類(例、味噌漬、浅漬、麹漬、粕漬、醤油漬等)、魚介乾製品、燻製品、卵製品(例、厚焼き卵、豆腐、茶わん蒸し、マヨネーズ等)、カレー類、チルド食品、冷凍食品及びそのバッター液等、米飯類、おかゆ類、味噌類(例、米味噌、豆味噌、麦味噌等)、塩辛類、もづく、生わかめ、生のり、めん類(例、うどん、そば、中華麺及びそれらの生麺等)、もち類、豆腐類、生肉加工品(例、ミンチ、ひき肉等)、あん類(豆、いも、小豆等)、丼物(例、親子丼、肉丼等)が挙げられ、特に米飯類、めん類、パン類、もち類の澱粉質加工食品や魚介畜肉製品に効果が高い。更に上記食品を瓶詰、缶詰、レトルトポウチ、各種プラスチックフィルム(例、セロハン、ポリエチレン、塩酸ゴム、塩化ビニリデンポリエステル、ポリプロピレン、複合加工紙等)によりケーシング、チルド又はレトルトした密封包装食品も挙げられる。これら食品に本発明の風味品質低下防止剤を適量使用することにより風味品質の低下を防止することができる。本発明の風味品質低下防止剤の食品に対する添加量は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの添加量や食品の種類にもよるが、通常食品に対して0.05〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%、より好ましくは0.2〜2.0重量%程度である。 【0010】 【実施例】以下に合成例、実施例、比較例、および試験例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。 合成例1ジグリセリン脂肪酸モノエステルの合成グリセリン20kgに酸化カルシウム40g加え、260℃で3時間縮合反応を行った後、リン酸72gを添加して中和し冷却した。得られた組成物は、グリセリン59重量%、ジグリセリン23重量%、トリグリセリン12重量%、テトラグリセリン5重量%、ペンタグリセリン1重量%であった。この組成分を分子蒸留に付してジグリセリン95重量%のフラクションを得た。このジグリセリンとカプリン酸(純度99%)、ラウリン酸(純度99%)またはミリスチン酸(純度99%)を、それぞれ1:1(モル比)で仕込み、260℃で1時間エステル化反応を行った。得られたそれぞれの反応物を分子蒸留に付して、以下のジグリセリン脂肪酸モノエステルを得た。 A:ジグリセリンモノカプレート(モノエステル含有量76重量%) B:ジグリセリンモノラウレート(モノエステル含有量83重量%) C:ジグリセリンモノミリステート(モノエステル含有量84重量%) 【0011】合成例2トリグリセリン脂肪酸モノエステルの合成合成例1と同様のグリセリン縮合反応を行い、分子蒸留に付してトリグリセリン90重量%のフラクションを得た。このトリグリセリンを活性炭処理により精製した後、合成例1で用いたと同じ高純度のカプリン酸(純度99%)、ラウリン酸、ミリスチン酸を用い合成例1と同様のエステル化反応を行った。得られた反応物をヘキサンと90%メタノールにて抽出し、90%メタノール層の抽出物より以下のトリグリセリン脂肪酸モノエステルを得た。 D:トリグリセリンモノカプレート(モノエステル含有量76重量%) E:トリグリセリンモノラウレート(モノエステル含有量83重量%) F:トリグリセリンモノミリステート(モノエステル含有量84重量%) 【0012】合成例3テトラグリセリン脂肪酸モノエステルの合成合成例1と同様のグリセリン縮合反応を行い、分子蒸留に付してテトラグリセリン70重量%の組成物を得た。このテトラグリセリンを活性炭処理にて精製した後、合成例2に用いた高純度のカプリル酸、ミリスチン酸を用いて合成例2と同様のエステル化反応を行い、以下のテトラグリセリン脂肪酸モノエステルを得た。 G:テトラグリセリンモノカプリレート(モノエステル含有量62重量%) H:テトラグリセリンモノミリステート(モノエステル含有量76重量%) 【0013】合成例4ペンタグリセリン脂肪酸エステルの合成反応時間を5時間にする以外は合成例2と同様のグリセリン縮合反応を行い、グリセリン30重量%、ジグリセリン29重量%、トリグリセリン25重量%、テトラグリセリン10重量%、ペンタグリセリン5重量%、ヘキサグリセリン1重量%の組成物を得た。この組成物を分子蒸留に付してトリグリセリン13重量%、テトラグリセリン63重量%、ペンタグリセリン20重量%、ヘキサグリセリン4重量%の組成物を得た。この組成物を活性炭処理にて精製した後、合成例2で用いた高純度のカプリン酸、ラウリン酸を用い合成例2と同様のエステル化反応を行い、得られた反応品を薄層クロマトグラフ(展開液:クロロホルム/メタノール=45/5(重量比)にて繰り返し抽出し、以下のペンタグリセリン脂肪酸モノエステルを得た。 I:ペンタグリセリンモノカプレート(モノエステル含有量50重量%) J:ペンタグリセリンモノラウレート(モノエステル含有量52重量%) 【0014】実施例1ジグリセリンモノミリステート(C)3重量部、グリセリン4重量部、食用油0.5重量部を加温混合し、さらにアルコール4重量部を混合した後に浄水83.5重量部にトレハロース5重量部を溶解したものを混合して組成物(1)とした。 実施例2ジグリセリンモノミリステート(C)4重量部、グリセリン3重量部、食用油1重量部を加温混合し、更にアルコール5重量部を混合したものに浄水82重量部にトレハロース5重量部を溶解したものを混合して組成物(2)とした。 実施例3ジグリセリンモノミリステート(C)10重量部、マルチトール10重量部、浄水70重量部を加温混合し、更にアルコール10重量部を混合して組成物(3)とした。 実施例4ジグリセリンモノラウレート(B)10重量部を加温熔融し、アルコール10重量部を混合したものに、浄水57重量部にトレハロース23重量部を溶かしたものを混合して組成物(4)とした。 【0015】実施例5ジグリセリンモノミリステート(C)15重量部を加温熔融したものに、アルコール30重量部、グリセリン15重量部及び食用油1重量部を混合し、さらに浄水37重量部にトレハロース2重量部を溶かしたものを混合して組成物(5)とした。 実施例6ジグリセリンモノカプレート(A)25重量部とプロピレングリコール5重量部を加温熔融し、アルコール25重量部を混合したものに、浄水35重量部にラクチトール10重量部を溶かしたものを混合して組成物(6)とした。 実施例7ジグリセリンモノカプレート(A)25重量部を加温熔融してアルコール20重量部を混合したものに、浄水50重量部にエリスリトール5重量部を溶かしたものを混合して組成物(7)とした。 【0016】試験例1原料白米300gを水洗、水切りし、それぞれ150gづつに2等分して一方に実施例1で得た組成物(1)を米に対し0.8重量%と水を加えて225mlとし、片方、無添加区には水のみ225ml加えて常法により炊飯器で炊飯した。冷却後各々の米飯をポリ袋に入れて30℃の恒温器に保存しその保存状況を観察した。その結果を〔表1〕に示す。 【表1】
【0017】試験例2原料白米150g、もち米150g及びササゲ50gをそれぞれ水洗し、常法によりササゲの煮汁に水を加えて275mlにして炊飯(赤飯)し無添加区とした。一方、煮汁に水を加えたもの257mlに実施例2で得た組成物(2)を原料米に対し0.6重量%加え275mlとして常法により炊飯して発明区とした。冷却後各々をポリ袋に入れて30℃の恒温器に保存し、その保存状況を観察した。結果を〔表2〕に示す。 【表2】
【0018】試験例3すり身の配合冷凍すり身(特級) 100g食塩 29gグルタミン酸ナトリウム 9g砂糖 9g馬鈴薯澱粉 83g酒精調味料 20g(味しるべ 武田薬品工業製) 複合調味料 5g(プレミックス 武田薬品工業製) 核酸系調味料 5g(リボタイド散 武田薬品工業製) 氷水 400g上記原料を用いて常法によりケーシング蒲鉾を製造するに際し、得られた仕上がりすり身を2等分し、片方に実施例3で得た組成物(3)を0.3重量%添加して発明区とし、他方は無添加でそれぞれ常法によりケーシング蒲鉾を製造した。それぞれの製造品5検体を20℃の恒温器に入れ、10日、13日、18日及び20日における経日変化を観察した。結果を〔表3〕に示す。 【0019】 【表3】
【0020】試験例4茹で麺配合割合茹で麺原材料 無添加区 発明区小麦粉(中力粉) 1000g 1000g水 450g 450g食塩 50g 50gコーティングフマル酸 2g 2g組成物(4) ─ 3g上記原材料を用いてそれぞれ常法により製麺して沸騰水中で20分間茹でた後ザルに取り上げて水洗した。得られた各茹麺を200gずつ耐熱性合成樹脂フイルムで真空包装して更に80〜90℃で30分間2次加熱を行い、冷水にて冷却後30℃の恒温器に入れて無添加区、発明区の保存性を観察した。結果を〔表4〕に示す。 【表4】
以上の如く発明区の保存状態は良好であった。 【0021】試験例5ひき肉(豚) 300g白菜 150g塩 5g醤油 10g胡麻油 10g上記材料割合のギョウザの具に実施例5で得た組成物(5)を0.3重量%練り込んだもの(発明区)と無添加品(無添加区)を、それぞれ市販のギョウザの皮に包み90℃で20分間蒸した後、冷却しポリ袋に入れた。これを20℃の恒温器中に保存し日数ごとに(一般生菌数/g)について測定した。結果を〔表5〕に示す。 【表5】
【0022】試験例6市販のハンバーグ用トマトソースタレ(マルシン(株)製)に実施例7で得た組成物(7)を0.1重量%添加混合したもの(発明区)と、無添加のもの(無添加区)を90℃30分間加熱殺菌した瓶に密封して30℃の恒温器中に1カ月保存後開封して風味、品質を比較した。その結果は無添加区は発酵状態で風味が低下していたが、発明区は風味、品質共に良好であった。 【0023】試験例7ミンチ肉(豚肉50%牛肉50%) 1000g食塩 36g卵白 100gガーリック 12gホワイトペッパー 2g玉葱 480gパン粉 360g大豆蛋白 100g水 700g上記配合にて常法によりハンバーグを製造する工程中に実施例6で得た組成物(6)を0.1重量%添加したもの(発明区)と無添加のもの(無添加区)を作り、30℃における保存性を比較した。結果を〔表6〕に示す。 【表6】
【0024】実施例8ジグリセリンモノカプレート(A)3重量部、グリセリン4重量部、食用油0.5重量部を加温混合し、さらにアルコール4重量部を混合した後に浄水81.5重量部にトレハロース7重量部を溶解したものを混合して組成物(8)とした。 比較例1ジグリセリンモノカプレート(A)3重量部に熱湯97重量部を加え撹拌混合したが、アメ状の小粒子になり、これを乳化するのに4〜5分を要した。 実施例9ジグリセリンモノラウレート(B)4重量部、グリセリン4重量部、食用油0.5重量部を加温混合し更にアルコール5重量部混合したものに浄水81.5重量部にマルチトール5重量部を溶解したものを混合して組成物(9)とした。 比較例2ジグリセリンモノラウレート(B)4重量部に熱湯96重量部を加えよく撹拌混合したが、アメ状の小粒子が出来て、これを乳化するのに5〜6分の時間を要した。 【0025】実施例10ジグリセリンモノミリステート(C)5重量部、グリセリン3重量部、食用油1重量部を加温混合し、更にアルコール5重量部を混合したものに浄水76重量部にマルトース10重量部を溶解したものを混合して組成物(10)とした。 比較例3ジグリセリンモノミリステート(C)5重量部に熱湯95重量部を加えよく撹拌混合したがアメ状の小粒子が溶けにくく、乳化するのに6〜7分の時間を要した。実施例8〜10で得られた組成物(8)〜(10)と、比較例1〜3で得られた組成物をそのままで味の比較をすると、実施例の組成物はやや甘みがあり殆ど味に影響はなかったが、比較例の組成物は何れも後味が悪く渋味が残った。 【0026】実施例11トリグリセリンモノカプレート(D)15重量部、マルトース10重量部、浄水65重量部を加温混合し、更にアルコール10重量部を混合して組成物(11)とした。 比較例4トリグリセリンモノカプレート(D)15重量部に熱湯85重量部を加えよく撹拌混合したがアメ状の小粒子ができて、乳化するのに8分を要した。 実施例12トリグリセリンモノラウレート(E)10重量部、グルコース10重量部、浄水70重量部を加温混合し、更にアルコール10重量部を混合して組成物(12)とした。 比較例5トリグリセリンモノラウレート(E)10重量部に熱湯90重量部を加えよく撹拌混合したが、アメ状の小粒子ができて乳化するのに7分を要した。 実施例13トリグリセリンミリステート(F)5重量部、グリセリン3重量部、食用油0.5重量部を加温混合し、更にアルコール5重量部を混合したものに浄水80.5重量部、ソルビトール6重量部を溶解したものを混合し組成物(13)とした。 比較例6トリグリセリンミリステート(F)5重量部に熱湯95重量部を加え、よく撹拌混合したがアメ状の小粒子ができて、これを乳化するのに8分を要した。 【0027】実施例11〜13で得られた組成物と比較例4〜6で得られた組成物の差を見ると、比較例4〜6は比較例1と同様に乳化液が作りにくく6〜8分間の撹拌を要し、味も実施例に比較して悪く、渋味が残った。又各組成物を常温で3日間保存し比較すると、比較例の組成物は分離したり、底に沈殿状のものが生じたりしたが、実施例の組成物は何れも分離や沈殿物は認められなかった。 【0028】実施例14テトラグリセリンモノカプリレート(G)25重量部、プロピレングリコール5重量部を加温溶融し、更にアルコール25重量部を混合したものに浄水35重量部に蔗糖10重量部を溶解したものを混合して組成物(14)とした。 実施例15テトラグリセリンモノミリステート(H)15重量部を加温熔融したものにアルコール30重量部、グリセリン15重量部及び食用油1重量部を混合し、さらに浄水37重量部にガラクトース2重量部を溶かしたものを混合して組成物(15)とした。 実施例16ペンタグリセリンモノカプレート(I)25重量部を加温熔融しアルコール30重量部を混合したものに浄水35重量部、ラクチトール10重量部を溶かしたものを混合して組成物(16)とした。 【0029】実施例17ペンタグリセリンモノラウレート(J)7重量部、グリセリン3重量部、食用油0.5重量部を加温混合し更にアルコール6重量部を混合したものに浄水75.5重量部にフルクトース8重量部を溶かしたものを混合して組成物(17)とした。実施例14〜17で得られた組成物14〜17を、常温で3日間保存したが、分離や沈殿物は認められなかった。 試験例8原料白米300gを水洗、水切りし、それぞれ150gづつに2等分して実施例10の組成物(10)を米に対し0.8重量%と水を加えて225mlとし、片方、無添加区には水のみ225mlを加えて常法により炊飯器で炊飯した。冷却後それぞれの米飯をポリ袋に入れて10時間後比較観察した結果、無添加区はパサついた食感であったが、発明区は米飯のほぐれがよく、適度の粘性があり風味が良好であった。又10℃の冷蔵庫に5日間保存後再加熱して試食した結果、発明区は風味品質ともに良好であったが、無添加区はやや異臭がして水っぽくなり舌触りが悪く風味品質ともに低下した。 【0030】試験例9ミンチ肉(豚肉50%、牛肉50%) 1000g食塩 36g卵白 100gガーリック 12gホワイトペッパー 2g玉葱 480gパン粉 360g大豆蛋白 100g水 700g上記配合にて常法によりハンバーグを製造する工程中に実施例13で得た組成物(13)を0.8重量%添加したもの(発明区)と無添加のもの(無添加区)を作り、冷却後冷蔵庫(10℃)に1週間保存後、再加熱して風味品質を観察した。無添加区は肉の臭いが薄くなりやや異臭がして風味が低下したが、発明区は味・臭い・食感共に著しく良好であった。 【0031】 【発明の効果】ポリグリセリン脂肪酸エステル(モノエステル含有量50重量%以上)とアルコール及び糖類、糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコールの少なくとも1種を含有する本発明の食品の風味品質低下防止剤は、水に溶けやすく、食品にまざりやすく、そして風味、品質の低下防止効果を顕著に発揮する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000184975 【氏名又は名称】小川 博衛 【識別番号】594034876 【氏名又は名称】小川 明宏
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| 【出願日】 |
平成10年10月26日(1998.10.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071973 【弁理士】 【氏名又は名称】谷 良隆
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| 【公開番号】 |
特開2000−78947(P2000−78947A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月21日(2000.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願平10−304178 |
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