| 【発明の名称】 |
排泄物消臭用飲料水 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 信弘
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| 【要約】 |
【課題】人及び動物の排泄物の臭いを和らげるための、植物由来の成分をその有効成分とする飲料水を提供する。
【解決手段】水に所定量のフィトンチッドを混入してなる。フィトンチッドに加えて、さらに所定量のトロポロン骨格をもつ有機物を混入するとよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】水に所定量のフィトンチッドを混入してなることを特徴とする排泄物消臭用飲料水。 【請求項2】前記フィトンチッドに加えて、さらに所定量のトロポロン骨格をもつ有機物を混入してなる請求項1に記載の排泄物消臭用飲料水。 【請求項3】前記フィトンチッドに加えて、さらに糖類、果汁、野菜汁、茶抽出物からなる群から選ばれる1種以上の有機物を混入してなる請求項1又は2に記載の排泄物消臭用飲料水。 【請求項4】前記フィトンチッドに加えて、さらに炭酸水を混入してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の排泄物消臭用飲料水。 【請求項5】前記フィトンチッドに加えて、さらにゼリーを添加してゼリー状とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の排泄物消臭用飲料水。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、植物由来の成分をその有効成分とする、人及び動物の排泄物を消臭するための排泄物消臭用飲料水に関する。 【0002】 【従来の技術】近年の高齢化社会において、アルツハイマー病に代表される、所謂ボケ老人や寝たきりの人達が増加するにおいて、介護する側での大きな問題の一つに、排便の臭いの問題がある。乳児の排便は乳に含まれる臭いであまり問題はないが、成人の場合には、一般人と同様の物を食するため、排便の臭いはかなりなものと言える。また、ペット動物においては、近年屋内で飼うことも多くなってきており、排便の臭いが問題となってきた。畜産業においても、牛、豚、鶏等の飼育環境が民家に近いと排便の臭いというものが問題となっている。このような場合において、排便自体の臭いを和らげることができれば、極めて有益である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、これら人及び動物の排泄物の臭いを和らげるための、植物由来の成分をその有効成分とする飲料水を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】多数の植物から抽出した植物エキスを有効成分とし、消臭性をもつとされるフィトンチッドを含有する消臭剤が知られている。この消臭剤は、その有効成分を気化させて悪臭成分に作用させ、消臭するものである。このような消臭剤を直接飲用することができれば、排便の消臭効果があるのではないかと、本発明者等は鋭意研究の結果、飲用した場合にも安全性が高く、排便自体の臭いを和らげることができ、高い消臭効果をもつことを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の排泄物消臭用飲料水は、水に所定量のフィトンチッドを混入してなること、を特徴としている。前記フィトンチッドに加えて、さらに所定量のトロポロン骨格をもつ有機物を混入するとよい。さらに糖類、果汁、野菜汁、茶抽出物からなる群から選ばれる1種以上の有機物を混入するとよい。さらに炭酸水を混入してもよい。さらにゼリーを添加してゼリー状としてもよい。 【0005】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。本発明において、フィトンチッド(phytoncide)は、ロシア語で、樹木や草が炭酸同化作用の時に酸素と一緒に発散する殺菌作用のある芳香性物質(精油成分)のことを言う。フィトンチッドには消臭作用があり、悪臭を中和相殺により消臭する。このようなフィトンチッドの一例として、株式会社東海興産製のフィトンチッド(商品名「スメルナーク」)が挙げられ、このものは杉、檜、樅、イラクサ、楠、黒松、赤松、エゾマツ、柿、熊笹、ヨモギ、茶、白樺、シソ、アロエ、サンショウ、アマ茶ズル等を主原料とした35種類の植物から独特の圧搾装置と真空乾留装置により約180種類の有機化合物を抽出し、これらをブレンドした抽出エキス(主にテルペン類)である。かかる抽出エキスは水溶性で、高い消臭効果を有している。 【0006】フィトンチッドを人又は動物が飲用すると、その機作は明らかではないが、腸内において、フィトンチッドが大便の悪臭成分に作用し、これを中和相殺して大便自体の臭いを和らげるものと考えられる。ここで、飲料水中のフィトンチッドの濃度は、1000〜50000ppmの範囲が好ましい。濃度が低すぎると排泄物(大便、小便)の消臭効果が十分でなく、高すぎるとコスト高となる。なお、フィトンチッドを飲用することにより、排泄物の消臭だけでなく、体臭を和らげる効果も期待される。 【0007】このフィトンチッドに加えて、所定量のトロポロン骨格をもつ有機物を混入させるとよい。トロポロン骨格をもつ有機物としては、例えば、ヒノキチオール(別名β−ツヤプリシン)、β−ドラブリン、これらの誘導体などが挙げられる。ヒノキチオールは、油溶性の結晶性物質で、強い抗菌性を有している。ヒノキチオールについては、天然品として、青森産ヒバ油、台湾ヒノキ油、ウェスタン・レッド・シーダー油などに含まれている。天然品にはヒノキチオールとともに、ヒノキチオールと同等の抗菌性をもつβ−ドラブリンが略同量含まれている。 【0008】これらトロポロン骨格をもつ有機物を人又は動物が飲用すると、その機作は明らかではないが、腸内において、大便の悪臭成分の発生原因となる腸内細菌の力を弱め、大便自体の臭いを和らげるものと考えられる。また、トロポロン骨格をもつ有機物は、大腸菌O157、黄色ブドウ球菌MRSA、黄色ブドウ球菌、サルモネラ等に対する殺菌作用をもつため、食中毒や所謂院内感染等の予防作用もあるものと考えられる。ここで、飲料水中のトロポロン骨格をもつ有機物の濃度は、500〜10000ppmの範囲が好ましい。濃度が低すぎると、抗菌(殺菌)効果が不十分で、高すぎるとコスト高となる。 【0009】上記成分に加えて、糖類(オリゴ糖、果糖、ぶどう糖、砂糖など)、果汁、野菜汁(エキス)、茶(緑茶、ウーロン茶、麦茶、杜中茶、鳩麦茶など)抽出物からなる群から選ばれる1種以上の有機物を混入させるとよい。さらに、炭酸水を混入させると、清涼感を高めた炭酸水(清涼飲料水)となる。また、ゼリー(ゼラチンや寒天)を添加してゼリー状として飲用するようにしてもよい。これら、糖類,果汁,野菜汁,茶抽出物、炭酸水、ゼリーを適宜添加することにより、口当たりを良くし、飲みやすくすることができる。これらの添加成分の種類や添加量は、必要に応じて適宜変更可能である。 【0010】成人一日当たりのフィトンチッドの摂取量約1000mgを基準として、3日〜1週間程度継続して飲用することにより、排泄物の臭いが無くなるか、僅かになる。 【0011】 【実施例】以下に述べる実施例は本発明をより具体的に説明するためのものである。かかる実施例により本発明の範囲が限定されるものではない。 〔消臭性試験〕大塚製薬株式会社製の清涼飲料水(商品名「ポカリスエット」)350mlに、フィトンチッドとして商品名「スメルナーク」原液を添加し、スメルナークの濃度3300ppmとした飲料水を用意した。これを成人男子2人(体重75kg,65kg)が、毎日1本飲用したところ、5日頃から大便の臭いが殆ど無臭に近くなった。また、7〜8日頃には、小便のにおいも殆ど無いようになった。さらに、3〜4日頃からおならも殆ど臭わなくなった。 【0012】以下の説明において、「LBS10000」はスメルナーク10000ppm含有する水溶液(スメルナーク1%水溶液)を示し、「LNB2000」はスメルナーク3300ppm,ヒノキチオール2000ppm含有する水溶液を示す。ここで、「LBS10000」の性状は、pHが4.5±0.5(JIS K3362)、外観は淡黄色の液体、比重は1.00028±0.03(JISK0061)、油分は0.01%(JIS K3362)、有機酸は0.46%(滴定法)、酢酸は0.36%(GLC法)であった。また、「LNB2000」の性状は、油分が0.02%である他は「LBS10000」における値と同じであった。これら「LBS10000」と「LNB2000」についは、食品衛生法施行規則第5条第8項の規程による製造所固有の記号の届け出について、厚生大臣宛届け出済みであり、収受番号「岐阜県可児保健所第9号の51」として平成10年6月15日付けで収受されている。なお、食品固有記号は「JY」である。 【0013】〔殺菌性試験〕LNB2000について、社団法人日本食品衛生協会食品衛生研究所にて、殺菌効果試験を行った。供試菌として、黄色ブドウ球菌 MRSA (Staphylococcus aureus ヒト分離株)、腸管出血性大腸菌 0157 (Escherichia coli IID 959)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus IFO 12732 )、サルモネラ(Salmonella Typhimurium IFO12529)を用いた。普通ブイヨン培地で35℃、18時間培養菌液を100倍希釈したものを菌液とした(菌濃度:105 cfu/ml)。そして、感受性ディスク用培地に、菌液0.1mlをコンラージ棒にて塗抹し、供試品(LNB2000)を気化し循環させた箱(40×40×100cm)に所定の時間入れ、薬剤と作用させる。感作後、平板を取り出し35℃、48時間培養後、菌の有無を観察する。作用時間は試験開始時,15分間,30分間,1時間,2時間,4時間,8時間とした。環境条件は湿度99%,温度25℃,空気取り入れ口1/3とした。その試験結果を表1に示す。 【0014】 【表1】 表 1 供試菌 作 用 時 間 試験開始時 15分間 30分間 1時間 2時間 4時間 8時間MRSA +++ ++ − − − − − 2.3×105 5.0×10 大腸菌O157 +++ ++ − − − − − 4.5×105 1.3×102 黄色ブドウ +++ + − − − − − 球菌 4.5×105 2.0×10 サルモネラ +++ ++ + − − − − 2.1×105 2.3×102 8×10 (cfu /枚) −:検出せず 【0015】このように、LNB2000は、各種細菌に対する殺菌効果が認められる。上記試験はLNB2000を気化させて細菌と作用させた場合の殺菌効果を示しているが、飲用した場合にも、これらの細菌に対する殺菌作用が期待され、食中毒や院内感染等の予防が可能と考えられる。 【0016】〔安全性試験〕「LBS10000」及び「LNB2000」について、清涼飲料水としての安全性を確認するため、財団法人日本食品分析センターにて、細菌類、重金属類等について分析試験を行った。その結果を表2(LBS10000)及び表3(LNB2000)に示す。 【0017】 【表2】 表 2 分析試験項目 結 果 検出限界 分 析 方 法 一般細菌類(生菌数) 6.9 ×103 /ml 標準寒天平板培養法 カビ数 陰性/ml ポテトデキストロース( 10%)寒天平板培養法 酵母数 陰性/ml ポテトデキストロース( 10%)寒天平板培養法 清涼飲料水の成分規格※1 混濁 適 沈殿物 適 ヒ素 適 (As2 O3 として) 鉛 適 カドミウム 適 スズ 適(検出せず) 25ppm 大腸菌群 適 ※1 食品,添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の第1食品D各条○清涼飲料水によった。 【0018】 【表3】 表 3 分析試験項目 結 果 検出限界 分 析 方 法 一般細菌類(生菌数) 30以下/ml 標準寒天平板培養法 カビ数 陰性/ml ポテトデキストロース( 10%)寒天平板培養法 酵母数 陰性/ml ポテトデキストロース( 10%)寒天平板培養法 清涼飲料水の成分規格※1 混濁 適 沈殿物 適 ヒ素 適 (As2 O3 として) 鉛 適 カドミウム 適 スズ 適(検出せず) 25ppm 大腸菌群 適 ※1 食品,添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の第1食品D各条○清涼飲料水によった。 【0019】表2及び表3において、一般細菌数(生菌数)の基準値は10×103 未満/mlであり、「LBS10000」及び「LNB2000」のいずれもこの基準値を満たしている。また、他の項目についてもいずれも適であることが分かる。 【0020】〔ラットを用いた急性経口毒性試験(MSDS試験)1〕財団法人食品農医薬品安全性評価センターにて、LNB2000のラットに対する急性経口毒性試験を検討するため、雄2匹のSlc:Wistar系ラット(SPF )を用いて試験を実施した。投与料は、2000mg/kgの1用量を設定し、注射用水で希釈した被験物質を投与前16時間絶食した動物に胃ゾンデを用いて単回経口投与した。投与後の観察期間は7日間とし、動物の生死、一般状態及び体重推移について観察するとともに、観察終了時に病理解剖検査を行った。その結果は次の通り要約される。 ・死亡率について、観察期間中に死亡例は認められなかった(表4)。 ・一般状態について、観察期間中いずれの動物にも異常は認められなかった(表5)。 ・体重について、観察終了時の体重は、いずれの動物も投与時と比較して順調に増加していた(表6)。 ・剖検所見について、観察終了時の剖検所見で、いずれの動物にも異常は認められなかった(表7)。 以上の結果から、本試験条件下におけるLNB2000のSlc:Wistar系ラット(SPF )に対する急性経口毒性は弱く、LD50値は2000mg/kg以上であった。 【0021】 【表4】 表 4 性別 ブループ 投与量 動物数 日毎の死亡数 死亡率 (mg/kg) 1 2 3 4 5 6 7 (%)雄 1 2000 2 0 0 0 0 0 0 0 0 LD50:>2000mg/kg 【0022】 【表5】 表 5 性別:雄 投与量:2000mg/kg 動物数:2 時 間 日 1 2 3 4 5 6 24 2 3 4 5 6 7正常 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2死亡 冒された動物数:0 死亡率:0/2 【0023】 【表6】 表 6 性別:雄 単位:g グループ 投与量 動物 投与後の日数 (mg/kg) 識別番号 0 7 1 2000 1101 117 168 1102 118 171 平均 118 ±1 170 ±2 【0024】 【表7】
【0025】〔ラットを用いた急性経口毒性試験(MSDS試験)2〕LNB2000に替えてLBS10000とした他は上記と同様にラットに対する急性経口毒性試験を検討した。その結果は次のように要約される。 ・死亡率について、観察期間中に死亡例は認められなかった(表8)。 ・一般状態について、観察期間中いずれの動物にも異常は認められなかった(表9)。 ・体重について、観察終了時の体重は、いずれの動物も投与時と比較して順調に増加していた(表10)。 ・剖検所見について、観察終了時の剖検所見で、いずれの動物にも異常は認められなかった(表11)。 以上の結果から、本試験条件下におけるLBS10000のSlc:Wistar系ラット(SPF )に対する急性経口毒性は弱く、LD50値は2000mg/kg以上であった。 【0026】 【表8】 表 8 性別 ブループ 投与量 動物数 日毎の死亡数 死亡率 (mg/kg) 1 2 3 4 5 6 7 (%)雄 1 2000 2 0 0 0 0 0 0 0 0 LD50:>2000mg/kg 【0027】 【表9】 表 9 性別:雄 投与量:2000mg/kg 動物数:2 時 間 日 1 2 3 4 5 6 24 2 3 4 5 6 7正常 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2死亡 冒された動物数:0 死亡率:0/2 【0028】 【表10】 表10 性別:雄 単位:g グループ 投与量 動物 投与後の日数 (mg/kg) 識別番号 0 7 1 2000 1101 120 175 1102 117 172 平均 119 ±2 174 ±2 【0029】 【表11】
【0030】 【発明の効果】以上説明したように本発明の排泄物消臭用飲料水によれば、植物由来の成分をその有効成分としているので安全性が高く、人だけでなくペット動物や畜産動物の排泄物の臭いの問題を解消する上で極めて有効である。加えて、体臭を軽減する効果も期待される。さらにトロポロン骨格をもつ有機物を混入させれば、さらに殺菌効果を期待でき、食中毒や院内感染等の予防効果も期待できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】394000482 【氏名又は名称】鈴木 信弘
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| 【出願日】 |
平成10年9月1日(1998.9.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097700 【弁理士】 【氏名又は名称】増田 恒則
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| 【公開番号】 |
特開2000−69944(P2000−69944A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月7日(2000.3.7) |
| 【出願番号】 |
特願平10−262338 |
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