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【発明の名称】 かんきつ果汁を付着した小魚の乾燥装置
【発明者】 【氏名】松村 誠

【氏名】金沢 公幸

【氏名】田中 鋭太郎

【氏名】影山 義郎

【氏名】宮崎 豪

【氏名】奥山 繁治

【要約】 【課題】かんきつ果汁を付着させた小魚を、真空チャンバから速やかに詰まらないように排出する。

【解決手段】かんきつ果汁を付着した小魚の乾燥装置は、真空ポンプ7に連結して内部を減圧している真空チャンバ1と、真空チャンバ1に小魚Kを供給する供給機構4と、供給された小魚Kにかんきつ果汁を付着させる付着機構24と、かんきつ果汁の付着された小魚Kを真空チャンバ1から排出させる開閉弁のある排出機構20とを備える。さらに、この装置は、小魚Kを真空チャンバ1から外部に排出する排出ダクト22を排出機構20に設けている。排出ダクト22は、中心軸の近傍に、空気噴射管25を配設している。空気噴射管25は、周囲に空気を噴射する。空気噴射管25から周囲に噴射される空気は、排出ダクト22の内面に吹き付けられる。この噴射空気は、排出ダクト22に詰まる小魚Kのブリッジを解消して、排出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 子魚(K)にかんきつ果汁を付着させる付着機構(24)と、この付着機構(24)でかんきつ果汁が付着された子魚(K)を乾燥させる真空チャンバ(1)と、この真空チャンバ(1)に連結されて内部を減圧する真空ポンプ(7)と、真空チャンバ(1)に子魚(K)を供給する供給機構(4)と、かんきつ果汁の付着された子魚(K)を真空チャンバ(1)から排出させる開閉弁を有する排出機構(20)とを備えるかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置であって、排出機構(20)が、子魚(K)を真空チャンバ(1)から外部に排出する排出ダクト(22)を有すると共に、この排出ダクト(22)の中心軸の近傍に、空気噴射管(25)を配設しており、空気噴射管(25)は排出ダクト(22)の内面に向かって空気を噴射し、噴射される空気でもって、排出ダクト(22)内における子魚(K)の詰まりを解消して排出するように構成してなるかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置。
【請求項2】 付着機構(24)が噴霧管(15)を有し、この噴霧管(15)が真空チャンバ(1)に配設されて、真空チャンバ(1)の内部で子魚(K)にかんきつ果汁を付着させる請求項1に記載されるかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置。
【請求項3】 付着機構(24)が、真空チャンバ(1)の外部に設けられており、この付着機構(24)でかんきつ果汁の付着された子魚(K)が、供給機構(24)で真空チャンバ(1)に供給される請求項1に記載されるかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置。
【請求項4】 排出ダクト(22)に、直列に少なくともふたつの開閉弁を連結しており、両開閉弁の間には中間貯溜部(18)を設けており、空気噴射管(25)は上部に連結される開閉弁の近傍まで延長して設けられており、空気噴射管(25)が排出ダクト(22)の内面と開閉弁の両方に向かって空気を噴霧する請求項1に記載されるかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置。
【請求項5】 上部の開閉弁を開く状態で、空気噴射管(25)が開閉弁に向かって空気を噴射する請求項4に記載されるかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置。
【請求項6】 子魚(K)にかんきつ果汁を付着させる付着機構(24)と、この付着機構(24)でかんきつ果汁が付着された子魚(K)を乾燥させる真空チャンバ(1)と、この真空チャンバ(1)に連結されて内部を減圧する真空ポンプ(7)と、真空チャンバ(1)に子魚(K)を供給する供給機構(4)と、かんきつ果汁の付着された子魚(K)を真空チャンバ(1)から排出させる開閉弁を有する排出機構(20)とを備えるかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置であって、供給機構(4)が、真空チャンバ(1)に子魚(K)を供給する供給ガイド(19)を有し、この供給ガイド(19)には空気噴射管(25)を連結しており、空気噴射管(25)から噴射される空気で供給ガイド(19)の子魚(K)を強制的に移送するように構成してなることを特徴とするかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置。
【請求項7】 付着機構(24)が、真空チャンバ(1)の外部に設けられており、この付着機構(24)でかんきつ果汁の付着された子魚(K)が、供給機構(4)で真空チャンバ(1)に供給される請求項6に記載されるかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、すだち果汁等のかんきつ果汁を付着させた、しらす等の子魚を乾燥させる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】小型イワシ等の小魚類は、従来より、チリメンジャコ、煮干し等の乾燥品または佃煮等に加工して販売されている。これ等の小魚類は、牛乳等の乳製品や、豆類、海藻類と同様に、重要なカルシウム補給食品として食生活には欠かせない。それは、多量の天然カルシウムを含んでいるからである。ただ、小魚類のカルシウムは、牛乳等の乳製品に比べると、体内で吸収され難い性質がある。小魚類のカルシウムは、魚骨由来のものであって、単に小魚類を乾燥する等の加工方法では、体内で吸収されやすい状態にならない。また、カルシウムを補給するために、多量の小魚類を食べると、小魚類に含まれる塩分が同時に多量に摂取される弊害が発生する。このことは、最近の減塩傾向の食生活に大きな問題となる。
【0003】イワシ等の小魚類は、乾燥した「チリメンジャコ」と、乾燥しない「釜揚げ」の状態で市販されている。チリメンジャコ等の乾燥品は、原料となるイワシ等の小魚類を煮沸した後、水切りし、天日等の乾燥工程を経て製造される。釜揚げは、乾燥前の小魚類を製品として販売するものである。釜揚げは、その柔らかな食感が好まれて、特に高齢者に好まれている。ただ、釜揚げは、高水分のために保存性が極めて悪く、日持ちしない欠点がある。防腐剤等の薬品を添加して保存性を改善できるが、添加物等を用いないで日持ちできる釜揚げが切望されている。
【0004】以上の弊害を解消するために、チリメンジャコ等の小魚類の加工品に含まれるカルシウムを、体内で吸収されやすいようにすると共に、小魚類の保存性を改善するために、チリメンジャコ等の小魚類に含まれるカルシウムを、スダチ等の香酸かんきつ類の果汁を含むかんきつ水溶液に可溶化させて体内に吸収しやすい状態とし、さらに、カルシウムを可溶化させる香酸かんきつ類の果汁で、小魚類の保存性を改善する方法が開発されている。
【0005】この方法は、チリメンジャコ等の小魚類を、スダチ等の香酸かんきつ類の果汁を含むかんきつ水溶液に浸漬し、小魚類のカルシウムをかんきつ水溶液で可溶化させた後、所定の水分率に乾燥させて容器に包装する。包装された状態では、かんきつ果汁が小魚類の保存性を向上させる。食べるときは、カルシウムの溶解された果汁と小魚類を一緒に食べることができる。したがって、この方法で処理された子魚は、乾燥されたチリメンジャコと同じように食べることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の方法は、美味でカルシウムを吸収しやすくした子魚にできる。しかしながら、この方法で子魚を処理するには、著しく手間がかかる。また、加工費用も高くなる。それは、かんきつ果汁を付着させた子魚の乾燥が難しいからである。子魚に付着するかんきつ果汁は、水分を気化させるようには簡単には乾燥できない。さらに、この方法は、子魚をかんきつ果汁に浸漬したのち、乾燥させる全ての加工工程で、細菌の繁殖しないクリーンな環境を実現するために、設備コストが高くなる欠点もあった。
【0007】本発明者等は、このような欠点を解決することを目的に、図1に示す装置を開発した。この図に示す装置は、子魚に付着するかんきつ果汁を速やかに乾燥するために、真空チャンバ1の内部で子魚にかんきつ果汁を付着させる。真空チャンバ1は、たとえば、5〜10トールに減圧して、子魚に付着するかんきつ果汁を速やかに乾燥させる。ただ、真空チャンバ1から排出される子魚は、水分率が0になるまで完全に乾燥されない。水分率が0の子魚は、硬くて美味に食べられないからである。水分率が0でない子魚は、真空チャンバ1からスムーズに排出するのが極めて難しい。排出ダクト22の内面に、ブリッジの状態になって詰まるからである。
【0008】とくに、真空チャンバから子魚を排出する装置は、排出ダクトに開閉弁を連結する必要がある。真空チャンバを真空状態に保持しながら子魚を排出するからである。開閉弁を設けた排出ダクトは、子魚が極めて詰まりやすい。それは、開閉弁を閉じた状態で、子魚の移送が停止されるからである。開閉弁を閉じて子魚の移送を停止させると、この状態で子魚がブリッジとなりやすい。この状態で開閉弁を開いても、ブリッジ状態の子魚は排出されない。子魚が排出されない状態になると、次々と供給される子魚が次第に詰まって密になり、より完全に詰まってその後は全く排出されなくなる。
【0009】本発明はさらにこの欠点を解消することを目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、かんきつ果汁を付着させた子魚を、真空チャンバから速やかに詰まらないように排出できるかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置は、子魚Kにかんきつ果汁を付着させる付着機構24と、この付着機構24でかんきつ果汁が付着された子魚Kを乾燥させる真空チャンバ1と、この真空チャンバ1に連結されて内部を減圧する真空ポンプ7と、真空チャンバ1に子魚Kを供給する供給機構4と、かんきつ果汁の付着された子魚Kを真空チャンバ1から排出させる開閉弁を有する排出機構20とを備える。
【0011】さらに、本発明の請求項1のかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置は、子魚Kを真空チャンバ1から外部に排出する排出ダクト22を排出機構20に設けている。この排出ダクト22は、中心軸の近傍に、空気噴射管25を配設している。空気噴射管25は、周囲に空気を噴射する。空気噴射管25から周囲に噴射される空気は、排出ダクト22の内面に吹き付けられる。この噴射空気は、排出ダクト22に詰まる子魚Kのブリッジを解消して、排出する。
【0012】さらに、本発明の請求項2のかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置は、付着機構24が噴霧管15を有する。この噴霧管15は、真空チャンバ1に配設されており、真空チャンバ1の内部で子魚Kにかんきつ果汁を付着させている。
【0013】さらに、本発明の請求項3のかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置は、付着機構24が、真空チャンバ1の外部に設けられている。この付着機構24でかんきつ果汁の付着された子魚Kが、供給機構24で真空チャンバ1に供給されている。
【0014】さらに、本発明の請求項4のかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置は、排出ダクト22に、少なくともふたつの開閉弁を直列に連結している。両開閉弁の間には、中間貯溜部18を設けている。空気噴射管25は、上部に連結される開閉弁の近傍まで延長して設けている。さらに、空気噴射管25は、排出ダクト22の内面と開閉弁の両方に向かって空気を噴霧する。排出ダクト22の内面に向かって噴射される空気は、排出ダクト22に子魚Kがブリッジになるのを解消する。開閉弁に向かって噴射される空気は、排出ダクト22と開閉弁に子魚Kが詰まるのを解消する。
【0015】さらに、本発明の請求項5のかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置は、上部の開閉弁を開く状態で、空気噴射管25が開閉弁に向かって空気を噴射する。開弁された開閉弁に噴射される空気は、開閉弁を通過して開閉弁の下方で子魚Kが詰まれのを防止する。
【0016】さらに、本発明の請求項6のかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置は、供給機構4が、供給ガイド19に空気噴射管25を備える。供給ガイド19に設けた空気噴射管25は、噴射される空気で供給ガイド19の子魚Kを強制的に移送して、スムーズに子魚Kを真空チャンバ1内に供給する。
【0017】さらに、本発明の請求項7のかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置は、供給機構4が供給ガイド19に空気噴射管25を有すると共に、付着機構24が真空チャンバ1の外部に設けられている。付着機構24でかんきつ果汁の付着された子魚Kは、供給機構4で真空チャンバ1に供給されている。子魚Kは、供給ガイド19に設けた空気噴射管25から噴射される空気で、強制的に移送して、スムーズに真空チャンバ1内に供給されている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置を例示するものであって、本発明はかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置を下記のものに特定しない。
【0019】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0020】図2の断面図に示すかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置は、気密に密閉される真空チャンバ1と、この真空チャンバ1内に配設して、供給された子魚にかんきつ果汁を付着させる付着機構24と、真空チャンバ1に子魚を供給する供給機構4と、かんきつ果汁を付着した子魚を排出する排出機構20とを備える。
【0021】付着機構24は、トロンメル2と、このトロンメル2を回転させる駆動機構3と、回転しているトロンメル2の内部に、子魚に向かってかんきつ果汁を噴霧する噴霧ノズル5と、噴霧ノズル5にかんきつ果汁を供給する供給ポンプ6とを備える。
【0022】真空チャンバ1は、真空ポンプ7を連結している。真空ポンプ7は、真空チャンバ1内から気体を排気して、真空チャンバ1内を、たとえば、3〜150トール、好ましくは5〜50トール、さらに好ましくは5〜20トールの真空度に減圧する。真空チャンバ1内の圧力を低くすると、子魚に付着したかんきつ果汁を速やかに乾燥できる。さらに、図に示す真空チャンバ1は、内部に紫外線ランプ8を配設している。紫外線ランプ8は、内部に紫外線を照射して殺菌する。
【0023】トロンメル2は、真空チャンバ1内に、水平ないしはほぼ水平な姿勢で、回転できるように配設される。図に示すトロンメル2は、入口側から出口側に向かって下り勾配に傾斜する。トロンメル2の傾斜角は、水平面に対して2〜10度、好ましくは2〜8度、さらに好ましくは3〜5度、最適には約4度に設定される。トロンメル2の傾斜角を緩くすると、入口側に供給された子魚はゆっくりと出口側に移送され、急峻にすると子魚の移送速度が速くなる。さらに、トロンメル2は、必ずしも下り勾配に傾斜して配設する必要はない。それは、トロンメル2の内面に、子魚を移送するフィン(図示せず)を固定して、フィンで子魚を移送できるからである。フィンは、トロンメル2の回転で子魚を移送できるように、たとえば、スパイラル状にトロンメル2の内面に固定される。
【0024】さらに、トロンメル2の内面には、図3〜図5の横断面図に示すように、供給される子魚Kを攪拌するための攪拌羽根9を固定している。攪拌羽根9は、図に示すように、トロンメル2が回転されることによって、供給された子魚Kを攪拌する。子魚Kは、攪拌羽根9に載って図3から図4に示すように、上方に回転移動させられる。上部に移動した攪拌羽根9に載った子魚Kは、攪拌羽根9から落下する。これらの図のトロンメル2は、90度ピッチに、4枚の攪拌羽根9を半径方向に固定している。さらに、攪拌羽根9は、トロンメル2の軸方向に延長して固定されている。トロンメルには、4枚以上の、あるいは3枚以下の攪拌羽根を固定することもできる。また、幅の狭い多数の攪拌羽根を、トロンメルの内面に所定のピッチで固定することもできる。
【0025】さらに、トロンメル2は、紫外線ランプ8が照射する紫外線を透過させるように、金属網、あるいは、透明または半透明の材料で製作される。たた、紫外線ランプをトロンメルの内部に配設して、子魚を殺菌することもできる。
【0026】さらに、トロンメル2は、これを回転させるために、両端部分の外周にリング10を固定している。リング10は、図4に示すように、駆動機構3である一対のローラー11に載せられ、ローラー11でトロンメル2を矢印の方向に回転させる。
【0027】駆動機構3は、真空チャンバ1の外部に設けられた減速モーター12と、この減速モーター12の回転軸12Aを気密に、しかも回転できるように真空チャンバ1に貫通させる気密ベアリング13と、気密ベアリング13で真空チャンバ1の内部に貫通された回転軸12Aを連結するユニバーサルジョイント14と、ユニバーサルジョイント14に連結された回転軸11Aに固定されたローラー11とを備える。ローラー11はテーパーローラーで、回転軸11Aを軸方向に移動させて、トロンメル2の回転速度を変化させる。駆動機構3は、たとえば、トロンメル2を5〜30rpm、好ましくは8〜25rpm、さらに好ましくは12〜20rpmで回転させる。トロンメル2の回転速度は、トロンメル2の内径を考慮して最適値とする。大きな直径のトロンメル2は、回転速度を遅くし、小さいトロンメル2は速く回転させる。トロンメル2の直径が大きくなると、回転速度が同じでも、内面の周速が速くなるからである。
【0028】噴霧ノズル5は、トロンメル2の内部で攪拌されて落下している子魚Kにかんきつ果汁を噴霧する。図2に示す装置は、トロンメル2内の上部に縦方向に延長して噴霧管15を設けて噴霧ノズル5としている。この噴霧管15は、所定の間隔で複数の噴霧孔を開口し、噴霧孔から霧状のかんきつ果汁を子魚に向かって噴霧する。噴霧管15はトロンメル2の出口側を除く部分に配設されている。出口側の近傍では、かんきつ果汁を付着させた子魚を乾燥させるためである。
【0029】噴霧ノズル5が、子魚Kにかんきつ果汁を噴霧する状態を図5の断面図に示している。この噴霧ノズル5は、トロンメル2の内部で、バラバラと落下している子魚Kに向かってかんきつ果汁を噴霧する。落下する子魚Kにかんきつ果汁を噴霧するために、図の装置は、噴霧ノズル5を、トロンメル2の上部であって、子魚Kが落下する近傍に配設している。さらに、噴霧ノズル5は、ほぼ水平な方向から下向きになる範囲でかんきつ果汁を噴霧し、落下している子魚Kに効率よくかんきつ果汁を噴霧して付着させる。
【0030】噴霧ノズル5である噴霧管15は、配管を介して供給ポンプ6に連結される。供給ポンプ6は、吸入側をかんきつ果汁を充填している原液タンク16に連結している。供給ポンプ6は、吐出流量を調整できる定流量ポンプである。供給ポンプ6がかんきつ果汁を噴霧ノズル5に供給する流量は、供給機構4がトロンメル2に供給する子魚に対して適量に調整される。
【0031】供給機構4は、子魚を供給する上方を開口しているホッパー17を備えている。このホッパー17の底部には、直列に第1開閉弁MV1と第2開閉弁MV2を連結している。開閉弁にはロータリーバルブが使用される。第1開閉弁MV1と第2開閉弁MV2の間には、中間貯溜部18を設けている。さらに、第2開閉弁MV2の下部には、真空チャンバ1を気密に貫通してトロンメル2の入口側に向かって伸びている供給ガイド19を連結している。
【0032】供給ガイド19は、垂直に落下させる子魚を、トロンメル2に供給するために、トロンメル2に向かって湾曲させている。供給ガイド19は、図6の断面図に示すように、底面に空気噴射管25を連結している。空気噴射管25は、子魚をトロンメル2に向かって強制的に移送するために、子魚の移送方法に加圧空気を噴射する。空気噴射管25は、供給ガイド19の外周面を貫通し、供給ガイド19の内面で下向きに湾曲されて供給ガイド19の内面に沿って空気を噴射する。空気噴射管25の上面に子魚が堆積しないように、空気噴射管25は、子魚が落下するより位置よりも後退させて噴射孔25Aを配設している。
【0033】空気噴射管25は、途中にソレノイドバルブSV5を介して、コンプレッサー等の加圧空気源26に連結している。ソレノイドバルブSV5は、断続して短時間に開弁される。ソレノイドバルブSV5が開弁された瞬間に、空気噴射管25から加圧空気が噴射される。
【0034】さらに、図に示す装置は、真空チャンバ1から子魚を取り出す排出機構20も設けている。この図の排出機構20は、回転するトロンメル2から落下する子魚を受ける受部21を真空チャンバ1の内部に設けている。受部21の底部には垂直に排出ダクト22を連結している。排出ダクト22は、真空チャンバ1の底を気密に貫通して、途中に、第3開閉弁MV3と第4開閉弁MV4を連結している。第3開閉弁MV3と第4開閉弁MV4の間には中間貯溜部23を設けている。
【0035】排出ダクト22は、子魚の詰まりを解消するために、図7に示すように、中心軸の近傍に、空気噴射管25を配設している。図の排出ダクト22は垂直に配設されているので、空気噴射管25を排出ダクト22の中心軸に位置させて垂直に配設している。排出ダクト22の内部に配設される空気噴射管25は、排出ダクト22の内面に向かって空気を噴射し、噴射される空気で、排出ダクト22の子魚を詰まりを防止する。
【0036】空気噴射管25は、排出ダクト22の内面に向かって空気を噴射するために、周囲に複数の噴射孔25Aを開口している。噴射孔25Aは、半径方向に加圧空気を噴射する。さらに、噴射孔25Aは、空気噴射管25に上下に離されて開口されている。噴射孔25Aは、たとえば、図8に示すように、90度ピッチで半径方向に加圧空気を噴射する。ただし、複数の噴射孔25Aは、90度よりも小さい角度で、あるいは大きい角度で加圧空気を噴射することもできる。さらに、空気噴射管25は下端を開口しており、下端からも開閉弁に向かって加圧空気を噴射する。
【0037】空気噴射管25は、第3開閉弁MV3の近傍まで下端を延長している。空気噴射管25の下端は、第3開閉弁MV3を開いたときに、加圧空気を噴射する。空気噴射管25から噴射される空気は、開かれた第3開閉弁MV3を通過して、中間貯溜部23に吹き込まれる。中間貯溜部23に吹き込まれる空気流は、中間貯溜部23で子魚がブリッジになって詰まるのを解消する。
【0038】排出ダクト22に設けた空気噴射管25は、供給ガイド19に設けた空気噴射管25と同じように、ソレノイドバルブSV6を介して加圧空気源27に連結される。ソレノイドバルブSV6は、第3開閉弁MV3が開弁されたときに、断続的に開弁される。ソレノイドバルブSV6が開弁された瞬間に、空気噴射管25の下端と噴射孔25Aから加圧空気が噴射される。ソレノイドバルブSV6を断続的に開弁して、加圧空気を噴射する装置は、空気噴射管25から噴射される空気量を少なくして、排出ダクト22の詰まりを有効に解消できる特長がある。このため、真空チャンバ1の内圧を高くするのを少なくして、排出ダクト22の詰まりを有効に解消できる特長がある。
【0039】供給機構4と排出機構20に設けた2つの開閉弁の間に設けている、両中間貯溜部28、23には、ソレノイドバルブSV1、SV3を介して真空チャンバ11と連通する配管系と、ソレノイドバルブSV2、SV4を介して大気に連なる配管系を接続している。
【0040】ロータリーバルブの開閉弁MV1〜MV4は、90度ピッチで正逆回転し、間欠的に子魚を通過させる。開閉弁は、真空チャンバ1内を真空破壊することなく、子魚を供給し、あるいは、子魚を排出する。真空チャンバ1内は、真空状態に減圧保持しているので、たとえば、90℃前後に加熱された子魚が供給されると、断熱膨張による温度低下と、水分の気化熱による冷却とで、約5℃前後に冷却されて、排出機構20から排出される。
【0041】以上のように構成された装置は、各バルブを以下のように動作させて、子魚を供給し、また、排出する。
【0042】(1) 真空チャンバ1内を真空ポンプ7により減圧する。
(2) 供給機構4の第1開閉弁MV1と第2開閉弁MV2とを交互に開弁して、子魚Kであるしらす等をトロンメル2内に供給する。
(3) 供給ガイド19がトロンメル2に子魚Kを供給するとき、断続的にソレノイドバルブSV5を開いて、空気噴射管25から加圧空気を噴射する。空気噴射管25から噴射される空気は、供給ガイド19に沿って流動して、子魚Kを供給ガイド19に詰まらないようにトロンメル2に供給する。
(4) トロンメル2が回転して、子魚Kを移送する。トロンメル2は、子魚Kを攪拌羽根9で攪拌しながら移送する。移送される子魚Kは、噴霧ノズル5から噴霧されるかんきつ果汁が付着される。
(5) かんきつ果汁の付着された子魚Kが、トロンメル2から落下する。落下する子魚Kは、排出機構20で真空チャンバ1の外部に取り出される。
【0043】供給機構は、以下の動作をして、子魚をトロンメルに供給する。
(1) 供給機構4は、ソレノイドバルブSV1と第2開閉弁MV2を閉じ、第1開閉弁MV1とソレノイドバルブSV2を開弁する。この状態で、ホッパー17に供給された子魚Kは、第1開閉弁MV1を通過して中間貯溜部18内に落下して供給される。
(2) タイマーにより、所定時間経過すると第1開閉弁MV1を閉じる。その後、ソレノイドバルブSV2を閉じた後、ソレノイドバルブSV1を開いて、中間貯溜部18を真空チャンバ1内の真空度とする。
(3) 第2開閉弁MV2を開いて、中間貯溜部18の子魚Kを供給ガイド19からトロンメル2に供給する。
(4) その後、タイマーにより所定時間経過すると、第2開閉弁MV2を閉じる。
以後、(1)〜(4)の工程を繰り返して、ホッパー17の子魚Kをトロンメル2に供給する。
【0044】排出機構は以下の動作をして、子魚をトロンメルから真空チャンバの外部に排出する。
(1) トロンメル2から排出される子魚Kが受部21に供給される。
(2) 大気に連なるソレノイドバルブSV4と、第4開閉弁MV4を閉止して、真空チャンバ1とのソレノイドバルブSV3を開弁する。この状態で、中間貯溜部23は、ソレノイドバルブSV3を介して真空チャンバ1に連結されて、真空チャンバ1と同じ真空度となる。
(3) この状態で、第3開閉弁MV3を開弁すると、受部21の子魚Kが、第3開閉弁MV3を通過して、中間貯溜部23に落下する。このとき、ソレノイドバルブSV6を断続的に開いて、空気噴射管25から排出ダクト22に加圧空気を噴射する。空気噴射管25は、下端から第3開閉弁MV3に向かって加圧空気を噴射し、さらに、周囲の噴射孔25Aから排出ダクト22の内面に加圧空気を噴射する。この状態で、子魚Kは、排出ダクト22に詰まることなく、中間貯溜部23に供給される。さらに、中間貯溜部23に落下した子魚Kは、ここに噴射される加圧空気で、ブリッジにならないように解される。
(4) その後、タイマーにより所定時間経過後、第3開閉弁MV3と真空チャンバ1との配管系のソレノイドバルブSV3を閉じた後、大気開放バルブであるソレノイドバルブSV4を開弁する。
(5) この状態で、中間貯溜部23は大気圧になる。
(6) その後、第4開閉弁MV4を開くと、中間貯溜部23の子魚Kが外部に排出される。
以後、(1)〜(6)の工程を繰り返して、子魚Kを真空チャンバ1から排出する。
【0045】以上の装置は、供給ガイド19と排出ダクト22の両方に空気噴射管25を設けている。このため、子魚Kが供給ガイド19と排出ダクト22の両方に詰まるのを解消できる。ただ、空気噴射管25は、排出ダクト22にだけ設けることもできる。供給ガイド19に比較して、排出ダクト22に子魚Kが詰まりやすいからである。
【0046】さらに、以上の図に示す装置は、トロンメル2で移送している子魚Kに、かんきつ果汁を噴霧して、子魚Kにかんきつ果汁を付着しているが、本発明の装置は、子魚にかんきつ果汁を付着させる構造を、前述の構造に特定しない。子魚にかんきつ果汁を付着させる構造は、真空チャンバの内部、または、外部で子魚にかんきつ果汁を付着できる全ての構造とすることができる。
【0047】真空チャンバの外部で子魚にかんきつ果汁を付着する装置の一例を図9に示す。この図に示す装置は、真空チャンバ1の外部に配設された付着機構24で子魚にかんきつ果汁を付着している。この付着機構24は、密閉ケース28の内部に配設された回転筒29と、回転する回転筒29内で子魚にかんきつ果汁を噴霧する噴霧ノズル5と、かんきつ果汁が付着された子魚を真空チャンバ1の供給機構4に移送するコンベア30とを備える。
【0048】噴霧ノズル5は、回転筒29内の上部に縦方向に延長して配設された噴霧管15で構成されている。この噴霧管15は、所定の間隔で複数の噴霧孔を開口しており、噴霧孔から霧状のかんきつ果汁を子魚に向かって噴霧する。噴霧ノズル5である噴霧管15は、配管を介して供給ポンプ6に連結されている。供給ポンプ6は、吸入側をかんきつ果汁を充填している原液タンク16に連結している。
【0049】この構造の付着機構24は、密閉ケース28の内部に配設されて回転する回転筒29内で、噴霧ノズル5からかんきつ果汁を噴霧して子魚に付着する。かんきつ果汁が付着された子魚は、真空チャンバ1の供給機構4に供給される。図に示す供給機構4は、供給ガイド19に空気噴射管25を設けており、空気噴射管25から噴射する空気で子魚を強制的に移送して、スムーズにトロンメル2内に供給する。とくに、この装置は、かんきつ果汁が付着されて詰まりやすい状態となった子魚が供給ガイド19に供給されるが、空気噴射管25から噴射する空気で強制的に移送できるので、この部分で子魚がブリッジとなって詰まるのを有効に防止できる特長がある。
【0050】
【発明の効果】本発明のかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置は、かんきつ果汁を付着させた子魚を、真空チャンバから速やかに詰まらないように排出できる特長がある。それは、本発明の装置が、かんきつ果汁を付着させた子魚を、空気噴射管で加圧空気を噴射する排出ダクトで真空チャンバの外部に排出するからである。空気噴射管は、子魚を真空チャンバから排出する排出ダクトの中心軸の近傍に配設されて、排出ダクトの内面に向かって空気を噴射する。噴射される空気は、排出ダクト内における子魚の詰まりを確実に解消する。加圧空気で子魚の詰まりを解消して排出する本発明の装置は、速やかに子魚を排出できる特長がある。さらに、機械的な方法で排出ダクトの詰まりを解消する方法に比較すると、簡単な構造で、しかも、子魚を傷つけることなく、確実に詰まりを解消できる特長がある。
【0051】さらに、本発明の請求項4のかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置は、空気噴射管が、ふたつの開閉弁であって上方の開閉弁に向かって加圧空気を噴射する。このため、開閉弁に子魚が詰まるのを有効に防止できる。
【0052】さらに、本発明の請求項5のかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置は、上方の開閉弁を開いたときに、開閉弁に向かって加圧空気を噴射するので、開閉弁の間に設けた中間貯溜部に子魚が詰まるのも確実に阻止できる特長がある。
【0053】さらにまた、本発明の請求項6のかんきつ果汁を付着した子魚の乾燥装置は、供給ガイドに空気噴射管を設けているので、供給される子魚が供給ガイドに詰まるのを有効に防止できる特長がある。
【出願人】 【識別番号】598127099
【氏名又は名称】松村 誠
【識別番号】598127103
【氏名又は名称】金沢 公幸
【識別番号】598127114
【氏名又は名称】田中 鋭太郎
【識別番号】598127125
【氏名又は名称】影山 義郎
【識別番号】598127136
【氏名又は名称】宮崎 豪
【識別番号】591049619
【氏名又は名称】奥山 繁治
【出願日】 平成10年8月31日(1998.8.31)
【代理人】 【識別番号】100074354
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康弘
【公開番号】 特開2000−69941(P2000−69941A)
【公開日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【出願番号】 特願平10−262514