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【発明の名称】 経口摂取用美白剤およびその利用
【発明者】 【氏名】高下 崇

【氏名】井上 良計

【氏名】石原 健夫

【氏名】石原 隆文

【要約】 【課題】経口摂取しても安全性に問題なく、皮膚のシミ、ソバカス、くすみ等を取り除き、色白の肌を与える美白効果が優れた経口摂取用美白剤およびこれを含む食用組成物を提供する。

【解決手段】グアバの葉を水もしくは親水性有機溶媒またはこれらの混合溶媒で抽出して得られるエキスを有効成分として含有してなる経口摂取用美白剤。このグアバ葉抽出エキスは、より好ましくは含水エタノールを用い、加圧下かつ加熱下で抽出して調製し、また、プロアントシアニジンを含む植物抽出エキスと併用する。また、前記経口摂取用美白剤を配合して食用組成物となす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 グアバの葉を、水もしくは親水性有機溶媒またはこれらの混合溶媒を用いて抽出して得られるエキスを有効成分として含有してなる経口摂取用美白剤。
【請求項2】 混合溶媒がエタノール濃度10〜90容量%の含水エタノールである請求項1に記載の経口摂取用美白剤。
【請求項3】 抽出を1.2〜5気圧の加圧下かつ加熱下で行うものである請求項1または2に記載の経口摂取用美白剤。
【請求項4】 抽出を1.2〜1.7気圧の加圧下、100〜130℃の加熱下で行うものである請求項3に記載の経口摂取用美白剤。
【請求項5】 植物体からの抽出エキスであり、プロアントシアニジンを含む前記抽出エキスをさらに含有してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の経口摂取用美白剤。
【請求項6】 プロアントシアニジンを含む抽出エキスがブドウ種子からの抽出エキスおよび/またはフランス海岸松(Pinus pinaster)の樹皮からの抽出エキスである請求項5に記載の経口摂取用美白剤。
【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の経口摂取用美白剤を含んでなる食用組成物。
【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の経口摂取用美白剤を経口摂取することを特徴とする美白方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の植物体の抽出エキスを有効成分として含有し、経口摂取することにより顕著な美白効果を奏する経口摂取用美白剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人体の皮膚および粘膜の表皮基底細胞層にはメラノサイトが存在する。メラノサイト内のプレメラノソームでは、アミノ酸の一種であるチロシンがチロシナーゼにより酸化作用を受け、ドーパ(3,4−ジオキシフェニルアラニン)、ドーパキノン、ドーパクロム、5,6−ジヒドロキシインドール等の中間体を経て黒褐色の色素メラニンを生成する。メラニン色素は沈着して肌のシミやソバカスを生じる原因となり、また皮膚の色を褐色ないし黒色に変化させる。
【0003】かかるメラニン色素の生成を防止したり消失を促進して肌の色を白くし、シミやソバカス等を取り除いて美白効果を与える化粧料や医薬品が従来から開発されている。その有効成分としてアスコルビン酸(特開昭63−60911号、特開平1−254609号各公報等)、ホモシステイン(特開昭63−132812号公報)、ハイドロキノン誘導体(特開昭63−246311号公報)、コウジ酸(特公昭32−8100号、特開平1−275524号各公報等)、グルタチオン等のSH基含有物、アルブチン(特開昭63−8314号公報)、プラセンタ、シアル酸および該誘導体(特開平1−163112号公報)、コロイド硫黄等があり、また、各種植物抽出成分(特開昭63−23809号、特開平2−36113号、特開昭64−19014号各公報等)も提案されている。
【0004】しかしながら、アスコルビン酸を配合したものは実用面で安定性に難点があり、ハイドロキノンやコロイド硫黄等のように美白効果が十分でなかったり副作用のあるものがあり、また動植物体から抽出した成分は概して所望の効果が小さいものが多い。また、これらの有効成分を配合した化粧料や医薬品はいわば皮膚に直接塗付するものであり、かかる有効成分を配合した食品等の形態となし、これを経口的に摂取することによってメラニン色素の生成を抑制したり、生じたメラニン色素を低減ないし消失させようとする試みは見当たらない。
【0005】グアバ(学名:Psidium Guajava Limn)の葉にはサポニン、フラボノイド、カテキン、タンニン等の成分が種々含まれ、これを水、親水性有機溶媒またはこれらの混合溶媒で抽出したエキスはα−アミラーゼ活性阻害作用、抗酸化作用、アトピー性皮膚障害の防止作用等の効果を奏することが知られている。また、ブドウ種子の抽出エキスはポリフェノール類を多く含み、とりわけフラボノイドの一種であるアントシアニジン、プロアントシアニジン等が多く、該エキスには抗酸化機能があるため、抗酸化剤として市販されている。フランスのボルドー地方に生育する松の一種(フランス海岸松、Pinus pinaster)の樹皮を水またはエタノール等の親水性有機溶媒の含水物で抽出して得られるエキスはプロアントシアニジンおよび40種類以上の有機酸(カテキン−カテキンープロシアニジン類、エピカテキン−カテキン−プロシアニジン類、カテキン、カフェイン酸、フェルリック酸等)を含み、抗酸化活性や活性酸素消去作用を有している(松下祐治著、Fragrannce Journal)1997年4月号、第70頁〜第74頁)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本発明では、経口摂取しても安全性に問題なく、メラニン含量を低減させ、皮膚のシミ、ソバカス、くすみ等を取り除き、色白の肌を与える美白効果が優れた経口摂取用美白剤(以下、単に経口美白剤という)、これを含む食用組成物およびその利用を提供することを目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題の経口美白剤は、グアバの葉を、水もしくは親水性有機溶媒またはこれらの混合溶媒で抽出して得られるエキスを有効成分として含有してなるものである。ここで、グアバの葉の抽出溶媒は親水性有機溶媒がエタノールであって、エタノール濃度が10〜90容量%、より好ましくは30〜80容量%の含水エタノールを使用するのがよい。また、抽出は1.2〜5気圧の加圧下かつ加熱下で行うことが好ましく、さらには1.2〜1.7気圧の加圧下かつ100〜130℃の加熱下で行うことがより好ましい。
【0008】なお、本発明の経口美白剤は前記グアバ葉からの抽出エキスを有効成分として含有してなるものであるが、該エキスに加えて植物体からの抽出エキスであって、それがプロアントシアニジンを含むもの、より好ましくはブドウ種子からの抽出エキスおよび/またはフランス海岸松(Pinus pinaster)の樹皮からの抽出エキス、をさらに含有してなるものが望ましい。
【0009】また、本発明の食用組成物は前記いずれかの経口美白剤を含んでなるものである。さらに、前記いずれかの経口美白剤を経口摂取することを特徴とする美白方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の経口美白剤等について以下に詳述する。この経口美白剤は、グアバの葉を、水もしくは親水性有機溶媒またはこれらの混合溶媒を用いて抽出して得られるエキスを有効成分として含有してなることを特徴とするものである。
【0011】グアバは熱帯アメリカ原産の、フトモモ科に属する植物で、熱帯各地、台湾、沖縄等で栽培され、果汁はジュース飲料として利用されている。本発明ではグアバの葉部を抽出エキスの原料とする。該葉部は生のままでもよいが、抽出効率の点から乾燥物またはその破砕物、例えば約1mm〜数cm、平均5mm角の大きさに細片化したものを使用することが好ましい。焙煎した葉も好適である。
【0012】親水性有機溶媒としてはアルコール、エーテル、アセトン等の任意のものを使用できるが、低級1価アルコールが好適である。具体的にメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等を例示できるが、本発明の所望の効果および食品用途における安全性等を考慮すればエタノールが好ましい。食品用途を外れる場合はエタノールに限定されることはない。かかる親水性有機溶媒は水との混合溶媒として使用することがさらに望ましい。混合溶媒の種類および比率は任意であるが、アルコール濃度が10〜90容量%、より好ましくは30〜80容量%の含水アルコールとするのがよい。この範囲を外れると抽出エキスを経口摂取することによる美白効果が小さくなることがある。前記溶媒はグアバ葉に対して1〜10重量倍程度用いればよい。
【0013】本発明に係るエキスの抽出に際しては、1.2〜5気圧の加圧下かつ加熱下で行うことが好ましく、さらには1.2〜1.7気圧の加圧下かつ100〜130℃の加熱下で行うことがより好ましい。この条件のもとで抽出して得られるエキスは、経口摂取による美白効果が顕著であり望ましい。グアバの葉および前記溶媒の混合物を適宜に攪拌しながら、約10分間〜約5時間、より好ましくは30分間〜2時間、前記条件下でグアバ葉中の複数成分を抽出し、残渣を除去して抽出液を得、これを減圧濃縮、フリーズドライ、スプレードライ等の処理に供して本発明のグアバ葉抽出エキス(液状または粉末状)を製造することができる。なお、抽出液あるいは濃縮液を活性炭で処理するとよい。
【0014】本発明に係るグアバ葉抽出エキスは、ポリフェノール系物質であるストリクチニン、イソストリクチニン等のタンニンを含み、この他にサポニン、エラグ酸配糖体、フラボノイド、カテキン等を含む複雑な組成である。かかる成分組成であるため、該抽出エキスを経口摂取することにより顕著な皮膚の美白効果を奏するものと推察される。
【0015】本発明の経口美白剤は前述のようなグアバ葉抽出エキスを有効成分として含有してなるものであり、該抽出エキス単独でも構成されるが、さらに他の公知の美白作用を有するもの、例えばアスコルビン酸、コウジ酸、アルブチン、胎盤抽出物、桂皮エキス、甘草エキス、フィトステロール、アミノ酸、ペプチド、蛋白質およびこの分解物、ビタミンE、アロエ抽出物、霊芝抽出物、アシタバ抽出物、オウゴンエキス、紫根エキス、システイン、グルタチオン等およびこれらの誘導体を適宜に含有せしめてもよい。本発明のグアバ葉からの抽出エキスと他の成分とを併用する場合、他のエキス類としては特に植物体からの抽出エキスであって、フラボノイドの一種であるプロアントシアニジンを含有するものを選択すると相乗効果が発現するので望ましい。
【0016】プロアントシアニジンを含む植物抽出エキスとしては、ブドウ種子からの抽出エキスおよびフランス海岸松(Pinus pinaster)の樹皮からの抽出エキスを好適な例としてあげることができ、本発明ではこれらのいずれか一方あるいは両方を使用できる。なお、プロアントシアニジンを含有する抽出エキスはプロアントシアニジンを該エキス中に10重量%以上、より好ましくは30重量%以上含有するものである。また、本発明の経口美白剤において、グアバ葉抽出エキスとプロアントシアニジン含有植物抽出エキスとの比率は任意であるが、前者:後者(重量比)=1:0.1〜10が好ましく、1:0.5〜1がより好ましい。
【0017】ブドウ種子からの抽出エキスは、前述のように、ブドウ種子をエタノール等の親水性有機溶媒またはその含水溶媒で抽出して得られるエキスであり、市販品として「アクティビン」(インターヘルス社製)、「KPA−40」(キッコーマン(株)製)、「グレープ シード エキストラクト」(ファームライン社製)等を例示できるが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。また、フランス海岸松の樹皮からの抽出エキスも、前述のようにエタノール等の親水性有機溶媒またはこの含水溶媒で抽出して得られるエキスであり、「ピクノジェノール」(ホーファー・リサーチ社製)等が市販されている。
【0018】本発明は、さらに、前記経口美白剤を配合してなる食用組成物を提供するものである。すなわち、前述のようにして得られるグアバ葉の抽出エキスを有効成分として含有してなる経口美白剤は、これをそのまま液状、ゲル状あるいは固形状の食品、例えばジュース、清涼飲料、茶、スープ、ドレッシング、ゼリー、プリン、ヨーグルト、ふりかけ、粉末スープやケーキミックス等の粉末製品、パン、クッキー等に添加したり、適宜にデキストリン等の賦型剤、香料、色素等とともにペレット、錠剤、顆粒、またゼラチン等で被覆してカプセルに成形した健康食品や栄養補助食品等に加工することができる。これらの食用組成物における本発明の経口美白剤の配合量は、当該組成物の種類や状態等により一律に規定しがたいが、概ね0.001〜30重量%、より好ましくは0.01〜10重量%である。なお、本発明の経口美白剤を例えば濃縮液や粉末状のまま食用に供しても何らさしつかえない。また、本発明の経口美白剤を医薬品として経口的に摂取して皮膚のシミやソバカスの治療をはじめメラニン色素過剰による諸症状の改善あるいは予防のために適用してもよい。
【0019】さらに、本発明では、前述の経口美白剤を経口摂取することを特徴とする美白方法が提供される。この方法において、経口美白剤の形態は前記の食用組成物または公知の賦型剤や添加剤を加えて製剤化した医薬組成物が望ましい。摂取量はとくに限定されないが、有効成分であるグアバ葉抽出エキスとして、成人(体重50Kg)1日あたり0.01〜50g、より好ましくは0.1〜30gである。この範囲を外れて少ないと所望の効果を奏することが難しくなり、逆に多すぎてもさらに顕著な効果は認められない。
【0020】
【実施例】実施例1グアバの乾燥葉100kgを約2〜5mm角サイズに砕片化して加圧式抽出釜(1500リットル)に仕込み、水600リットルを加え、釜内温度が120℃になるまで加熱し、釜内圧力を1.3±0.1気圧にして45分間抽出した。ついで残渣をフィルタープレスで除き、抽出液を減圧濃縮機で処理して濃縮物(Brix30)95リットルを得た。該濃縮物をさらにスプレードライヤーで処理して乾燥、粉末化し、うす茶色の粉末グアバ葉抽出エキス(試料1)27kgを得た。
【0021】実施例2グアバの乾燥葉100kgを約2〜5mm角サイズに粉砕して加圧式抽出釜(1500リットル)に仕込み、アルコール濃度が30容量%の含水エタノール500リットルを加え、釜内温度:75℃、釜内圧力:1.6±0.1気圧に設定して30分間抽出した。ついで、残渣をフィルタープレスで除き、抽出液を減圧濃縮機で処理して濃縮物(Brix32)96リットルを得た。該濃縮物をさらにフリーズドライヤーで処理して乾燥、粉末化し、うす茶色の粉末グアバ葉抽出エキス(試料2)30kgを得た。
【0022】実施例3実施例2において、アルコール濃度が50容量%の含水エタノール500リットルを使用する以外は同様に処理して、うす茶色の粉末グアバ葉抽出エキス(試料3)29kgを得た。
【0023】実施例4実施例2において、アルコール濃度が80容量%の含水エタノール500リットルを使用する以外は同様に処理して、うす茶色の粉末グアバ葉抽出エキス(試料4)29kgを得た。
【0024】比較例1実施例1において釜内温度を25℃、釜内圧力を1気圧に設定する以外は同様に処理し、うす茶色の粉末グアバ葉抽出エキス(比較試料1)23kgを得た。
【0025】比較例2実施例3において釜内温度を25℃、釜内圧力を1気圧に設定する以外は同様に処理し、うす茶色の粉末グアバ葉抽出エキス(比較試料2)25kgを得た。
【0026】上記の実施例および比較例で調製した各グアバ葉抽出エキスの経口美白作用を以下の方法で試験した。
試験例1(メラニン量低減作用)
黒色マウス(C57BL/6J系、4週齢オス、8匹/群)に固形飼料(日本クレア(株)製、CA−1)を給餌し、試験物質(実施例1〜4および比較例1、2で調製した各グアバ葉抽出エキス、フランス海岸松の樹皮からの抽出エキス(商品名:ピクノジェノール、ホーファー・リサーチ社製)、ブドウ種子からの抽出エキス(商品名:KPA−40、キッコーマン(株)製)、リンゴ種子からの抽出エキス(商品名:アップルフェノン粉末50、ニッカウイスキー(株)製)、これらの混合物、タンニン成分であるペンタ−O−ガロイルグルコース(試薬)および渋柿の水抽出エキス末の各々)についてはそれぞれの当該エキス250mgに蒸留水5mlを加えて懸濁溶液とし、これをマウス体重10g当たり0.1ml/日、28日間連続経口投与した。また、陽性比較試験としてウシ胎盤抽出プラセンタ粉末100mgに蒸留水10mlを加えて懸濁溶液とし、これをマウス1匹当たり0.5ml/日、同期間経口投与した。対照群には前記試験溶液に代えて蒸留水を同条件で投与した。投与終了翌日にマウス背部の被毛を刈り取り、小川らの方法(小川忠丈、日皮会誌、第101巻、第10号、第1109頁〜第1117頁、1991年.OikawaA.and NakayasuM.,Yale J.Biol.Med.,46,500−507,1973)に準じて該被毛からメラニンを抽出乾固後、15%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液に溶解し、400nmにおける吸光度を測定して被毛(1mgあたり)中のメラニン量を求めた。この結果を表1に示す。
【0027】
【表1】

【0028】注1:表中の数値は平均値士標準誤差で表示。プラセンタ投与群及びタンニン投与群を除き、いずれの群も対照群に比べて危険率5%で有意差あり(Student’s−t検定)。試験物質が混合の場合の比は重量比である。
注2:ホーファー・リサーチ社製、商品名「ピクノジェノール」。
注3:キッコーマン(株)製、商品名「KPA−40」。
注4:ニッカウイスキー(株)製、商品名「アップルフェノン粉末50」。
注5:ペンタ−O−ガロイルグルコース(試薬)。
注6:渋柿を破砕し水に3日間浸漬後、濾別した抽出液の噴霧乾燥物。
【0029】表1のデータから、対照群に比べて全ての試験物質投与群およびプラセンタ投与群で被毛中のメラニン量が減少することが認められ、各試験物質ごとの低減率では、本発明に係るグアバ葉抽出エキス(試料1〜4)の場合に優れており、また、本発明に係るグアバ葉抽出エキスと、海岸松の樹皮からの抽出エキス、ブドウ種子からの抽出エキスまたはリンゴ種子からの抽出エキスとを併用した場合には相乗的に極めて高いメラニン量低減効果が認められた。
【0030】試験例2(ドーパクロム生成阻害作用)
試験例1で用いた試験物質の各投与濃度において、メラニンの前駆物質であるドーパクロムの生成阻害率を次に述べる方法で求めた。すなわち、基質液(0.04%チロシン溶液)、Mcllvarine緩衝液(pH6.8)および、試験例1で調製した試験物質の所定濃度溶液の各々1mlを吸光セルにとり、攪拌混和後35℃に保ち、5分後に吸光度目盛りを波長475nmに合わせてゼロ補正を行った。次にチロシナーゼ溶液0.02mlを加え、直ちに攪拌、35℃でインキュベートし、反応開始10分後の吸光度を測定した。対照(蒸留水)の反応開始10分後における吸光度をA、各試験物質の反応開始10分後における吸光度をBとし、ドーパクロム生成阻害率を該阻害率(%)=(A−B)/A ×100で算出した。この結果を表2に示す。
【0031】
【表2】

【0032】注1:表中の数値は平均値±標準誤差で表示。試験物質が混合の場合の比は重量比である。
注2〜6:表1の注釈と同じ。
【0033】表2において、試験物質を添加した場合はいずれもドーパクロムの生成が阻害されることが明らかになった。また、各試験物質ごとの阻害率を比較すると、本発明に係るグアバ葉抽出エキス(試料1〜4)の場合にドーパクロムの生成が強く抑制され、その阻害率はタンニン成分ペンタ−O−ガロイルグルコースや渋柿抽出物エキスの場合に比べて大きく、さらに、本発明に係るグアバ葉抽出エキスと海岸松の樹皮からの抽出エキス、ブドウ種子からの抽出エキスまたはリンゴ種子からの抽出エキスとを併用した場合には、ドーパクロムの生成がさらに強く阻害される相乗効果が認められた。
【0034】実施例5実施例1で得たグアバ葉抽出エキス5.0kg、化工澱粉(松谷化学(株)製、商品名:パインフロー)3.5kg、第三リン酸カルシウム0.3kg、ビタミンB0.3kg、ビタミンB0.3kg、ビタミンB0.2kgおよびビタミンC0.4kgを配合機に仕込み、10分間攪拌して取り出し、直打式打錠機に供給して直径7mm、長さ4mm、重量150mgのペレットを作成した後、コーティング機でセラック薄膜をコーティングしてペレット状食品を試作した。このペレットは1個あたりグアバ葉抽出エキスを75mgを含む。また、実施例2〜4で得たグアバ葉抽出エキスを用いて同様に処理し、ペレット1個あたりグアバ葉抽出エキスを20mg、50mgまたは150mg含むペレット状食品を試作した。なお、グアバ葉抽出エキスの配合量の増減はパインフローの配合量で調整した。これらを30℃の恒温室で6ヵ月間保存後試食したが、いずれの風味も試作直後のものと同様であった。
【0035】試験例3実施例3で得たグアバ葉抽出エキスを用いて、実施例5に記載の方法でペレット1個(150mg)あたりグアバ葉抽出エキスを50mg含むペレット状食品を試作した。肌のシミ、ソバカス、色黒に悩みをもつ女性モニター(25〜50歳、30名)に、前記試作品を1日当たり3個、3カ月間試食してもらい、肌の具合についての回答を集計したところ、表3に示すように、本発明のグアバ葉抽出エキスを含む食品を摂取することにより、顕著な肌の美白効果が認められた。
【0036】
【表3】

【0037】実施例6バター150g、ショートニング250g、牛乳80gおよび砂糖90gを家庭用ホイッパーでよく攪拌しながら鶏卵90gを加えて十分に混合した後、小麦粉330g、ベーキングパウダー2.5gおよび実施例1〜4で得たグアバ葉抽出エキスのいずれか7gの混合粉体を加えてさらに混捏した。このドウを30分間ねかせた後、金型で50個に分割し、オーブンで焼いてバタークッキーを試作した。
【0038】実施例7市販のオレンジジュース180mlに、実施例1〜4で得たグアバ葉抽出エキス(試料1〜4)のいずれか1種:ブドウ種子抽出エキス(インターヘルス社製、商品名「アクティビン」)=1:1(重量比)を加え、攪拌して溶解させ、グアバ葉抽出エキスすなわち試料1を0.01重量%、試料2を0.1重量%、試料3を0.8重量%、試料4を1.5重量%それぞれ含むグアバ葉抽出エキス入りジュースを試作した。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、グアバの葉から抽出されるエキスを含有してなり、経口摂取することにより、毛髪、皮膚、粘膜等の生体組織中のメラニン前駆物質であるドーパクロムの生成を抑制し、メラニン量を低減させることができ、肌のシミ、ソバカス、くすみ等を改善し、色白の肌を与える、安全な経口摂取用美白剤が提供される。この美白効果は、前記グアバ葉抽出エキスと、プロアントシアニジンを含む植物抽出エキスとりわけブドウ種子からの抽出エキスおよび/またはフランス海岸松の樹皮からの抽出エキスとを併用することによってさらに顕著なものとなる。また、本発明では、グアバの葉を、エタノール濃度が10〜90容量%の含水エタノールを用いて、加圧下かつ加熱下で抽出することにより、一層強力な美白効果を奏するグアバ葉抽出エキスが得られる。さらに、かかる経口摂取用美白剤を含む食用組成物が提供され、該食用組成物は従来の健康食品や栄養補助食品といった範疇のものに限定されることなく各種一般加工食品にも適用でき、また、医薬品としても利用できる。これらは皮膚の前記問題の予防あるいは治療を目的とした利用が可能である。
【出願人】 【識別番号】391007356
【氏名又は名称】備前化成株式会社
【出願日】 平成10年8月31日(1998.8.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−69938(P2000−69938A)
【公開日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【出願番号】 特願平10−285840