| 【発明の名称】 |
レスベラトロールを成分として含む天然産物と アルギン酸塩とからなる健康補助食品 |
| 【発明者】 |
【氏名】諸岡 茂昭
【氏名】坂本 暁夫
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】レスベラトロールを成分として含む天然産物を、アルギン酸化合物を成分として含むゲル状固形物で包含した食品。 【請求項2】トランス型レスベラトロールを成分として含む葡萄由来物からなる請求項1の食品。 【請求項3】トランス型レスベラトロールを成分として含む葡萄エキスまたは葡萄酒の濃縮物または抽出物と、アルギン酸のカルシウム塩とからなる請求項1の食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、トランス型レスベラトロールを成分として含む天然産物を、アルギン酸化合物を成分として含むゲル状固形物で包含することによって光に対する安定性を高め、トランス型レスベラトロールの一定の存在量を確保したまま食品とすることができることを特徴とする食品を提供する。 【0002】 【従来技術と本発明が解決しようとする問題点】葡萄エキスまたは葡萄酒に含まれるレスベラトロールは健康補助食品として重宝されている。レスベラトロールにはシス型とトランス型の2種類のタイプが知られているが、葡萄酒に存在するスチルベン化合物の内、主成分として存在するのはトランス型レスベラトロールである。このトランス型レスベラトロールは腫瘍細胞の増殖の抑制、免疫機構の抑制機構に対する抑制に効果のあることが発表されている。(Science,275,218(1997))しかし、トランス型レスベラトロールは光に対して不安定であり、液状など流動性をもつ形態の食品として加工した場合、光の曝露によって変質、減少する割合が大きい。 【0003】そのため、トランス型レスベラトロールを食品中に安定に保持する技術は、健康補助食品の商品的価値を維持し高めることにとって極めて重要であり、産業上有用である。また、天然産物には葡萄由来天然物のように、その性格上比較的濃い着色を帯びているものが多く、そのため、一見、液状のままでも光の曝露は外面に露出している面部分のみに止まり、内部の光曝露は阻止できる様に思われるが、実際には商品の陳列や移動作業等に伴い内容液体分の撹乱移動が考えられ、静置状態においても液体の対流運動によって光の曝露面に入れ替わりが起り、全体的な光の曝露を阻止することはできない。また、不透明容器等により食品を遮光することも考えられるが、陳列商品としての食品自体の外観を覆うことは、購買意欲の点など商品的価値を少なからず減退させ、この点においても本発明が問題を回避しうることは産業上有用である。 【0004】 【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記のトランス型レスベラトロールの減少を抑制すべく、ゲル状固形物とする方法に着目した。アルギン酸化合物がある条件下で可食性のゲル状固形物を形成することが公知の技術として知られている。たとえば、特公昭30−6189および特公昭45−11101、また特公昭41−15501、特公昭46−21772などがある。 【0005】本発明により示される技術は、単なる液状にしたものやその液をカプセル化したもののように液体としての流動性を持つものとは異なり、アルギン酸化合物よりなるゲル状固形物に固定され、一旦固定された固形物の内部が光に曝露されうる表層部分に移動するといったことがなく、固形物表層に当たった光が固形物内部に存在する目的物質までには到達しにくいとう特性を利用したものである。 【0006】さらにまた、ここで本包含技術のもう一方の組成成分として利用したアルギン酸化合物は、可食性であるという点より採用した条件であるが、それのみに留まらず、他の食品用ゲル状固形材料とは根本的に異なり、それ自体が海藻由来の健康補助食品として所謂生活習慣病を予防あるいは改善する食品として既に社会的に評価が定着しており、本発明で提供される製品の商品的価値を相乗的に高めている。また本発明はアルギン酸を使用しているため、適切に調合比率を選択すると、アルギン酸から作られた粒状ゲルに特有のややコリコリとした新鮮な歯応えのテクスチャーが得られ、健康補助食品としての性格上からも好ましいイメージを賦与するという付随的効果をも同時に実現している。 【0007】このように、健康補助食品の組成成分として産業上極めて注目されながら光に対して不安定なことから、たとえ製造当初には十分に含まれていたとしても、商品陳列を経て消費者の食品摂取時点では真に有効な形のままでは利用されにくい状況にあったトランス型レスベラトロールを成分として含む天然産物を、可食性でありまたそれ自体が健康にとって有益とされるアルギン酸化合物によりゲル状固形物として包含することによって、それぞれ単独の食品形態としては得られにくい有効成分保持特性を賦与した食品を製造することである。 【0008】以下、本発明の実施について一例を説明するが、ここに示すものはあくまでも例であり、これらに限定されるものではない。 【0009】 【実施例】実施例1水97.5gと、アルギン酸ナトリウム(キミツアルギンI−7F)1.5gと、トランス型レスベラトロール0.34mg(この量のトランス型レスベラトロールを成分として含む天然産物の相当量として、たとえば、高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと略)分析実測結果よりトランス型レスベラトロール約0.34mg分に相当するセティカンパニーリミテッド社製赤葡萄エキスBIOVINの1g)とを混合した液を調製し、そのうちの75gを、公知の方法にしたがって、塩化カルシウム水溶液(0.75% 30ml)を充たした容量約200mlの円筒状ガラス製容器中に滴下し、赤葡萄エキスを包含させた粒径約4.5mmのビーズ状のアルギン酸ゲル状固形物を造粒した。ブランク実験用サンプル分を含めて計2本の同様のものを調製した。また、テクスチャー検討のための実施例2〜5については、実施例1に倣って別途に適宜実施した。 【0010】比較例実験では、なるべくアルギン酸ゲルでの包含の影響のみを評価するために、可能な限り操作等の対照条件を揃えることに留意した。比較対照サンプルとしては、先に調製した場合と同様に、水97.5gと、アルギン酸ナトリウム(キミツアルギンI−7F)1.5gと、トランス型レスベラトロール0.34mg(上記記載と同様に、この量のトランス型レスベラトロールを成分として含む天然産物の相当量として、たとえば、HPLC分析実測結果よりトランス型レスベラトロール約0.34mg分に相当するセティカンパニーリミテッド社製赤葡萄エキスBIOVINの1g)とを混合した液を調製し、そのうちの75gを、対照条件として水のみ(30ml)を充たした容量約200mlの円筒状ガラス製容器中に注ぎ、液状状態のままの比較対照サンプルを調製した。ブランク実験用サンプル分を含めて計2本の同様のものを調製した。 【0011】造粒されたアルギン酸ゲルのビーズの入っているガラス製容器の内の1本、および、液状状態のままの比較対照サンプルのうちガラス製容器の1本を、密栓して同時に緩やかに回転させながら自然光にて約120分間光に曝露させた。ブランク実験用サンプルのそれぞれ1本ずつについては光をさえぎり別途に保管した。 【0012】光に曝露させた後の赤葡萄エキスを包含させたアルギン酸ゲルのビーズを含む方のガラス容器の全量をミキサーに移し、対照条件としての水30mlと、エタノール50mlとを加えて粉砕した。粉砕液は減圧濾過した後、濾液を濃縮乾固し、残渣に塩化メチレン20mlと水20mlを同時に加えて溶解し、塩化メチレン層を分離して無水硫酸マグネシウム0.5gで乾燥後濃縮乾固した。残渣にさらにヘキサン3mlと90%−メタノール(水10%)3mlを同時に加えて溶解し、90%−メタノール層を分離した。分離した90%−メタノール溶液は50mmol−ギ酸水溶液と等容量に混合し、HPLCにより分析した。 【0013】光に曝露させた後の液状状態の方の比較対照サンプルは、ガラス容器内の全量を、一旦、対照条件として塩化カルシウム水溶液(0.75% 30ml)を充たした容器中に滴下し、アルギン酸ゲル状固形物として十分固化させた後、全量をミキサーに移し、エタノール50mlを加えて粉砕した。粉砕液は前掲と同様に処理した後、HPLCにより分析した。 【0014】各ブランク実験用サンプルについても同様にそれぞれの処理を行った後、HPLCにより分析した。 【0015】HPLCによる分析実験。 HPLC条件・使用カラム HiBar Lichrosorb RP−Select B 250×4mmID(Merck) ・(担体) Lichrosphere 100CN(5μm) ・カラム温度 40℃・移動相 水:メタノール:アセトニトリル=90:7:3・移動相流量 0.8ml/mim・サンプル導入量 25μl・検出 UV306mm・検出器 Shimadzu SPD−6A・データ解析機 Shimadzu C−R3A・トランス型レスベラトロールの標準品として、SIGMA社製RESVERATROL(3,4′,5−Trihydroxystilbene)試薬を使用した。 【0016】実施例1の実験の結果(アルギン酸ゲルで包含したサンプルの場合) 【表1】
保持時間約31分付近のピークがトランス型レスベラトロール(標準品との照合)である。光曝露時間120分のものは、トランス型レスベラトロールの存在量に相当するピーク積分面積の値が0分(ブランク)の場合に比較して減少している。 【0017】比較例の実験の結果(液状のままのサンプルの場合) 【表2】
比較例では、ピーク積分面積は当然、光曝露時間120分のものが0分(ブランク)に比較して減少しているが、ここで、その減少量は本特許請求の方法による実施例1の場合に較べてより過剰に減少している。 【0018】実施例1の実験の結果と比較例の実験の結果との対照検討の結果アルギン酸ゲルにより包含した場合に較べて、液状のままで光に曝露させた場合に過剰に減少したトランス型レスベラトロールのHPLC積分面積量は1994(=10867−8873)であり、アルギン酸ゲルにより包含した場合に比較して22.5%[=(1994/8873)×100]だけ、過剰に減少していることがわかる。 【表3】
このことは、すなわち、アルギン酸ゲルにより包含することを特徴とする本特許請求の方法の効果によって、これに相当する分のトランス型レスベラトロールの光による減少を阻止できたことを示している。 【0019】テクスチャー評価本特許請求の方法により得られた赤葡萄エキス包含アルギン酸粒状ゲルの健康補助食品としての適性度を評価するため、10人のモニター(男性5人、女性5人)による官能試験を実施した。評価方法は、実施例1〜5の粒状ゲルおよび比較例1のそれぞれについて、そのテクスチャーを、「悪い」、「やや悪い」、「普通」、「やや良い」、「良い」の各項目の中から選択してもらい、結果をそれぞれ「悪い」を1点、「やや悪い」を2点、「普通」を3点、「やや良い」を4点、「良い」を5点として換算し、合計の獲得点数をその実施例および比較例の健康補助食品適性度指数とした。 【表4】
その結果、実施例3ではアルギン酸ナトリウムの濃度が低く、ゲルが幾分軟弱傾向であり、ポイントとしては十分な評価が得られなかった。実施例4では塩化カルシウム濃度が高く、カルシウム塩の味感がやや残留傾向であったこと、実施例5ではゲルの表面の食感がやや固すぎたことでポイントとしてあまり高くは得られなかった。比較例1はゲル化せずのそのままの液状のものであり、アルギン酸の粘性がかえって健康補助食品としての清涼感を妨げ、ポイントは低かった。一方、実施例1および実施例2においては概ね高いポイント評価が得られ、本特許請求の方法により得られた赤葡萄エキス包含アルギン酸粒状ゲルが、テクスチャーの点からも健康補助食品として望ましい特性を実現しうることを示した。 【0020】 【発明の効果】本発明により得られたアルギン酸ゲル状固形物は、成分として含まれる光に対して不安定なトランス型レスベラトロールを安定に保持した健康補助食品を提供するという発明上の効果を提供する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000174541 【氏名又は名称】堺化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年8月28日(1998.8.28) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−69937(P2000−69937A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月7日(2000.3.7) |
| 【出願番号】 |
特願平10−283249 |
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