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【発明の名称】 アトピー性皮膚炎を防ぐ保健食品
【発明者】 【氏名】林 隆博

【要約】 【課題】食品の味や風味を損なう事なく有効かつ安価に子供のアトピー性皮膚炎を防ぐ食品を製造することが目的である。

【解決手段】乳児用の粉ミルクの中と、幼児の食べる食品の中に生きた乳酸桿菌属の乾燥抽出物を混合する事で、アトピー性皮膚炎を予防する効果を持った保健食品を製造することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】育児用粉ミルク中に生きた乳酸桿菌属乾燥抽出物を配合して作るアトピー性皮膚炎を防ぐ保健食品。
【請求項2】離乳食等の食品中に生きた乳酸桿菌属乾燥抽出物を配合して作るアトピー性皮膚炎を防ぐ保健食品。
【請求項3】食品中に配合して使用するための乳酸桿菌属乾燥抽出物から成るアトピー性皮膚炎を防ぐ保健食品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アトピー性皮膚炎になりやすい子供がアトピー性皮膚炎になるのを予防するための保健食品の作り方に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アトピー性皮膚炎にかかる恐れの有る子供が毎日食べ続けることでアトピー性皮膚炎にかかりにくくなるアトピー性皮膚炎発病予防効果のある保健食品には、従来より米や牛乳などの食品に加水分解処理を加えて蛋白質を変化させてアレルギーの原因となる蛋白質の抗原性を低下させた低アレルゲン食品が有ったが、製造コストが高く、製品の風味・味覚が著しく損なわれる欠点が有った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、食品を加水分解で低アレルゲン化する事なくアトピー性皮膚炎の発症を予防する効果のある保健食品を作った。従来より乳幼児や子供の食べるものは衛生的で無菌であるべきとの見解が強く納豆・ヨーグルト等の一部の食品を例外として、子供用の食品に生きた細菌類を添加する事は避けられていた。乳酸菌を用いた食品であるヨーグルトが便秘の改善に有用との認識は既に有ったが、ヨーグルトは牛乳の蛋白質を豊富に含むために逆にアレルギーを引き起こす可能性が有る為、アトピー性皮膚炎の予防の目的では使用できなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1、の育児用粉ミルク中に生きた乳酸桿菌属乾燥抽出物を配合して作るアトピー性皮膚炎を防ぐ保健食品とは、乳酸桿菌属を人工的に培養増殖させて生きたままで乾燥させた物を、一般に使われている粉末の育児用粉ミルク200g当たりにビフィズス菌を概数で100億個から10億個、アシドフィルス菌を10億個から1億個程度含むように配合した育児用の粉ミルクの事である。
【0005】請求項2、の離乳食等の食品中に生きた乳酸桿菌属乾燥抽出物を配合して作るアトピー性皮膚炎を防ぐ保健食品とは、離乳食などの幼児用の食品やその他の食品中に、前記と同様に製造した乳酸桿菌属乾燥抽出物を混合して食事毎にビフィズス菌を概数で100億個から10億個、アシドフィルス菌を10億個から1億個程度含むように混合して作る保健食品の事である。
【0006】請求項3、の食品中に配合して使用するための乳酸桿菌属乾燥抽出物から成るアトピー性皮膚炎を防ぐ保健食品とは、あらかじめ混入する食品を限定せずにビフィズス菌、アシドフィルス菌などの乳酸桿菌属を人工的に培養増殖させて、ビフィズス菌を概数で100億個から10億個、アシドフィルス菌を10億個から1億個程度含むように生きたままで乾燥させてドライパウダー、固形等の形状にした製品で、食事と同様に摂取する事でアトピー性皮膚炎を防ぐ効果を発揮する保健食品の事である。こうして作られた製品では食品が本来持つ味や風味がほとんど損なわれる事がなく、また製造コストも比較的に安価で、従来から行われていた食品中の蛋白質を加水分解して低アレルゲン化処理することの持つ欠点を解決できた。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の方法について、発明者の勤務する皮膚科・小児科医院での実際のアレルギー予防用保健食品としての使用実験を基に説明する。静岡県焼津市でアトピー性皮膚炎の治療を専門としている『西焼津こどもクリニック』で、両親あるいは兄弟にアレルギー歴が有る事から将来かなり高い確率でアトピー性皮膚炎を発症すると予想された乳児湿疹を持つ2歳未満の子どもの対象群に、育児用粉ミルクを調整する時に先に述べたように粉ミルク200g中にビフィズス菌を概数で100億個から10億個、アシドフィルス菌を10億個から1億個程度含むようにドライパウダーにしたヒト腸内細菌類を配合して毎日続けて飲用させた。同様に家族歴・病歴から高率にアトピー性皮膚炎を発症すると予想された幼児の食べる食品の中に前項の2)で述べたように生きた乳酸桿菌属の乾燥抽出物を混入させて毎日食べさせ続けた。母乳栄養を行っている場合には前項の3)で述べたような乳酸桿菌属乾燥抽出物を授乳時に直接乳首に付けて毎日与えた。与える量は1日量換算でビフィズス菌を500億個、アシドフィルス菌を50億個程度摂取するようにした。
【0008】実験で用いたヒト腸内細菌類は、概ね上記のような配合比率の生きた乳酸桿菌を混合してドライパウダーの形状で乾燥させて保管しておき、使用の直前に開封してミルクあるいは離乳食中に混合して、あるいは母親の乳首に授乳時に付着させて使用した。
【0009】
【発明の効果】家族中にアレルギー疾患の病歴を持つ人の数が多いほど次に生まれた子どもがアレルギー疾患を発病する確率が高くなることは既に広く認められている。両親のいずれか一人にアレルギー疾患を経験した人がいる場合に子どもがアレルギー疾患を発病する確率はおよそ40%程度、両親の両方にアレルギー疾患を認める場合には子どもがアレルギー疾患を発病する確率はおよそ50%程度との認識が一般的である。今回実験対象とされた子どもの群は、両親兄弟のいずれか一名以上にアレルギー疾患を有する人がいる場合と、乳児期早期に全身性に重症の湿疹病変を認めており、しかも2週間のステロイド剤を含む外用療法で症状の改善を認めなかった2歳未満の乳児で、体の顔面頭部、胸腹部、背臀部、上肢、下肢の5カ所のうち最低2カ所以上の皮膚に左右対称性の湿疹病変を有する子どもの集団であった。この集団中の将来のアトピー性皮膚炎発病確率を40%以上と予測することには十分な妥当性がある。
【0010】この将来40%以上の確率でアトピー性皮膚炎を発病すると予想された子どもの群に対して請求項目1、2、3の食品を発明の実施の形態のところで述べた方法で毎日与えて観察を続けたところ、半年以上の観察期間で、対象群105中でわずか9名8.6%の子供の皮膚にアトピー性皮膚炎の症状が見られただけで、他の大多数の子供のアトピー性皮膚炎の発病を予防できた。本発明では食品に加水分解等の処理を加える事なく、子供のアトピー性皮膚炎の発症を予防する食品を作る事ができた。子供のアトピー性皮膚炎の発症の原因については食品の影響が大であることは既に指摘されていたが、現在まで有効な解決策は知られていない。本発明は従来のアトピー性皮膚炎予防用食品の持つ欠点を解決して、食品の風味・味覚を損なう事なく安価かつ大量にアトピー性皮膚炎を防ぐ食品を製造する事を可能にした。この事は現在まだ治療法さえ確立されていない子供のアトピー性皮膚炎を発症以前に予防することで医療費の抑制・薬剤使用量の削減等の経済的効果を始め、教育的効果、産業振興的効果、保健的効果が期待できる。
【出願人】 【識別番号】598138660
【氏名又は名称】医療法人社団青藍会
【出願日】 平成10年9月2日(1998.9.2)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−69935(P2000−69935A)
【公開日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【出願番号】 特願平10−287208