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【発明の名称】 スティック状に成型されたポテトスナックおよびその製造方法
【発明者】 【氏名】竹森 俊雄

【氏名】寺崎 俊一

【氏名】三井 誠

【要約】 【課題】ポテトフレーク等の乾燥ポテトを使用して、外観がきれいで且つ柔らかな食感を有するスティック状に成型されたポテトスナックおよびその製造方法を提供する。

【解決手段】ポテトフレーク、ポテトグラニュール等の乾燥ポテトを主原料とし、前記原料に水分含量が60〜80%となるように加水して生地を調製し、前記生地をスティック状に成型し、必要により前記成型生地にピンホールを設けた後、冷凍処理し、次いで真空フライする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポテトフレーク、ポテトグラニュール等の乾燥ポテトを主原料とし、生地が前記原料に水分含量が60〜80%となるように加水して調製され、前記生地がスティック状に成型され、必要により前記成型生地にピンホールを設けた後、冷凍処理され、次いで真空フライされたことを特徴とするスティック状に成型されたポテトスナック。
【請求項2】 生地厚が4〜9mmであることを特徴とする請求項1記載のスティック状に成型されたポテトスナック。
【請求項3】 ピンホールが生地1平方センチメートル当たり1個以下且つ0個より多い数であることを特徴とする請求項1または2記載のスティック状に成型されたポテトスナック。
【請求項4】 生地が押出し成型されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスティック状に成型されたポテトスナック。
【請求項5】 ポテトフレーク、ポテトグラニュール等の乾燥ポテトを主原料とし、前記原料に水分含量が60〜80%となるように加水して生地を調製し、前記生地をスティック状に成型し、必要により前記成型生地にピンホールを設けた後、冷凍処理し、次いで真空フライすることを特徴とするスティック状に成型されたポテトスナックの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾燥ポテトを主原料とするスティック状に成型されたポテトスナックおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポテトを主原料とするポテトスナックとしては、生のポテト(ジャガイモ)を使用したスナック、ポテトフレーク等の乾燥ポテトを使用したスナックおよびこれらを併用したスナックがある。しかしながら、生のポテトを使用したスナックは、ポテト風味が良好であり且つ低水分のため長期間保存できる製品もあるが、ポテト特有の性質から食感が固くなる傾向がある。また、生のポテトは、原料であるイモを貯蔵保管するのに大きな設備が必要であり、更に発芽、腐敗等を防ぐためにもその管理に十分な注意を払う必要がある。
【0003】一方、ポテトフレーク等の乾燥ポテトを使用したスナックは、原料の保管等はは通常の冷暗所であれば十分であり、取り扱いが簡便であるという利点があるが、ソフトな食感を得るためには厚みの薄いシート状の製品しか得られない。例えば、特願平3−98548号公報には、ポテトフレークのようなポテト加工品と澱粉および/または穀粉を主原料とし、更に水分を30〜75%に調整した生地を作成し、その後火ぶくれを防止する目的でこの生地に1平方センチメートル当たり3〜20個のピンホールを設けた後、成型、焼成、フライした成型ポテトチップであるポテトスナックが開示されているが、この方法によって得られる成型ポテトスナックは、生ポテトを使用したポテトチップに劣らない食感を有しているが、ポテトチップ様の薄いスナックである。
【0004】このようなポテトチップ様の薄いスナックは、衝撃により破損したりするため極めてその取り扱いが難しく、また喫食する際にボロボロになって食べにくいという欠点を有する。
【0005】近年、このようなポテトチップ様のスナックの持つ欠点を解消したスナックとして、スティック状のポテトスナックが脚光を浴びるようになってきた。スティック状のポテトスナックとしては、生のポテトをそのままカットして成型したスナックや生のポテトを蒸かし、次いでつぶしてから成型したスナックがあるが、いずれも硬く、良好な食感を有しているとは言い難い。また、ポテトフレーク等の乾燥ポテトを使用したスティック状のポテトスナックも存在するが、柔らかな食感を付与するためにポテトの使用量が50%以下と少なく、ポテト風味が極めて劣っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような状況に鑑み、ポテトフレーク等の乾燥ポテトを使用して、外観がきれいで且つ柔らかな食感を有するスティック状に成型されたポテトスナックおよびその製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、ポテトフレーク、ポテトグラニュール等の乾燥ポテトを主原料とし、生地が前記原料に水分含量が60〜80%となるように加水して調製され、前記生地がスティック状に成型され、必要により前記成型生地にピンホールを設けた後、冷凍処理され、次いで真空フライされたことを特徴とするスティック状に成型されたポテトスナックおよびその製造方法を提供するものである。
【0008】即ち、本発明によれば、焦げ、火ぶくれ等のない外観がきれいで且つポテト風味に優れた柔らかな食感を有するスティック状のポテトスナックが得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のスティック状に成型されたポテトスナックにおいて、主原料として使用する乾燥ポテトとしては、ポテトフレーク、ポテトグラニュール、ポテトパウダー、乾燥マッシュポテト、乾燥ポテト等を単独で或いはこれらを混合して適宜使用することができる。必要に応じてこれらの乾燥ポテトに食塩、うまみ調味料等の調味料、および/または具、例えばスナックに海苔風味を付与する場合には乾燥海苔を加え、水分含量が60〜80%になるように水を加える。加える水の量が60%より少ない場合には、得られるスティック状のポテトスナックの食感が硬くなり、80%を超えた場合には、スティックの成型が困難となり且つもろく崩れやすい製品しか得られないため、本発明においては好ましくない。
【0010】次に、加水した上記原料を混捏して均一な生地を得る。この際、良好な成型性を保つために必要な物性が得られるようにする、即ち生地の膨張しすぎによる食感の悪化および外観を損ねないようにするため、生地の粘りを強くしすぎないようにすることが好ましい。混捏時間としては、生地の水分、混捏機等の種類によって異なるが、一般的には2〜8分間が好ましい。
【0011】次に、このようにして調製した生地をスティック状に成型する。スティック状に成型する方法としては、シート状の生地を作成してからスティック状に切断する方法、モールドにより成型する方法、押出し機により成型する方法等が適宜使用できるが、生地に過度の粘りを与えないために、押し出し成型機を用いる押出し成型が好ましい。押出し成型機としては、スクリュー式、ピストン式押出し成型機等を使用することができる。このようにスティック状に成型された生地は、好ましくは4〜9mmの生地厚を有する。
【0012】スティック状に成型されたポテトスナック生地は、必要によりピンホールを設ける。ピンホールを設けることにより、焼色がきれいで且つスナック全体が均一に柔らかな食感を持ったポテトスナックを得ることができる。即ち、本発明のポテトスナックは生地が厚いため、真空フライ処理の工程で油の通りが悪く表面のみが固くなる傾向があるが、この処理を施すことによりスナック全体が均一に柔らかな食感を持ったポテトスナックを製造することができる。この場合、設けるピンホールの数は、好ましくは生地1平方センチメートル当たり1個以下且つ0個より多い数とする。これより多い数では、生地がもろくなって製造過程で折れてしまったり、焼ムラのある外観になり好ましくない。
【0013】次いで、成型された生地を冷凍処理する。この冷凍処理を施すことによって、生地中に氷核が形成され、この氷核により生地組織が破壊される結果、フライ中における生地の過度の膨張を防ぐことができ、このためスナックに柔らかな食感ときれいな外観を付与することができる。冷凍処理する方法としては、急速冷凍、緩慢冷凍等いずれの方法でもよい。
【0014】この冷凍した生地を真空フライする。真空フライする方法としては、従来一般的に使用されている真空フライヤー等を利用すればよい。
【0015】乾燥ポテトを主原料として、このように製造されたスティック状に成型されたポテトスナックは、スティック状の厚い生地のスナックであるにもかかわらず、従来にない極めて柔らかな食感を有し、低水分で保存性が高く、且つ焦げ、火ぶくれのない外観のきれいなポテト風味を有するポテトスナックである。
【0016】以下に実施例をあげて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
【実施例】[実施例1]下記の表1に示す配合に従って、ポテトフレーク(水分含量7重量%)に生地の水分含量が55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%になるように水を加え、愛工舎製縦型ミキサー AM−20型を用いて中速で3分間混捏して生地を作成し、これを7.5×7.5×60mmの大きさのスティック状に成型し、−30℃で1時間冷凍処理を行い、次いで130℃、真空度10torrで15分間真空フライを行ってスティック状のポテトスナックを得た。
【0018】
【表1】

【0019】これらのスナックについて、100名のパネラーにより官能試験を実施してスナックの食感と外観を評価した。その結果、60〜80%までの生地水分のスナックでは良好な食感を有すると評価されたが、生地水分が55%では食感が悪化し、生地水分が85%ではもろく崩れ易くなって成型が困難となり、スナックを作成することができなかった。この結果を表2に示す。
【0020】
【表2】

【0021】[実施例2]ポテトフレークに生地水分が70%になるように水を加え、混捏時間を1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間に設定した他は実施例1と同様な方法によりポテトスナックを作成した。実施例1と同様な官能試験を実施した結果、混捏時間が2〜8分間までのスナックは、柔らかで良好な食感ときれいな外観を有すると評価された。しかしながら、混捏時間1分間では外観上ささくれ立った形状となって商品価値が劣り、9分間以上では膨張し過ぎて芯が残る食感となった。これらの結果を表3に示す。
【0022】
【表3】

【0023】[実施例3]ポテトフレークに水分含量が70%になるように水を加えて3分間混捏し、7.5×7.5×60mmのスティック状に成型し、その後冷凍処理を施してから真空フライを行ったスナックと成型直後に冷凍処理を施さずに真空フライを行ったスナックを作成した。これら2種類のスナックを比較するために、実施例1と同様に官能試験を実施した。その結果、冷凍処理を施したスナックは柔らかな良好な食感ときれいな外観を有すると評価されたが、冷凍処理を施さなかったスナックは膨張しすぎか、或いは破裂した外観および食感の悪いスナックであった。これらの結果を表4に示す。
【0024】
【表4】

【0025】[実施例4]ポテトフレークに水分含量が70%になるように水を加えて3分間混捏し、7.5×7.5×60mmのスティック状に成型し、その後冷凍処理を施してから真空フライを行ったスナックと常圧下で通常のフライを行ったスナックを作成した。これら2種類のスナックを比較するために、実施例1と同様に官能試験を実施したところ、真空フライを行ったスナックでは水分が2〜4%程度まで乾燥して良好な食感を有すると評価されたが、常圧フライを行ったスナックは、水分が抜ける前に表面から焦げてしまい、官能評価の結果は低かった。これらの結果を表5に示す。
【0026】尚、真空フライは実施例1と同じ条件で行い、通常のフライは180℃で実施した。
【0027】
【表5】

【0028】[実施例5]ポテトフレークに水分含量が70%になるように水を加えて3分間混捏し、7.5×7.5×60mmのスティック状に成型し、その後冷凍処理を施してから真空フライを行ったスナックと常圧下で通常のフライを行ったスナックにおいて、成型後にピンにより生地に0.5個/cm、1個/cm、3個/cm、5個/cmのピンホールを設けたスナックとピンホールを設けなかったスナックを作成し、これらのスナックについて官能試験を実施した。その結果、ピンホールが0.5個/cm、1個/cm、3個/cmであるスナックは柔らかな食感を有すると評価され、また、0.5個/cm、1個/cmのスナックとピンホールを設けなかったスナックは良好な外観を有していると評価され、総合評価は0.5個/cm、1個/cmのスナックが最も高かった。これらの結果を表6に示す。
【0029】
【表6】

【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ポテトフレーク等の乾燥ポテトを使用して、外観がきれいで且つ柔らかな食感を有するスティック状に成型されたポテトスナックおよびその製造方法を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】390002990
【氏名又は名称】株式会社ロッテ
【出願日】 平成10年9月1日(1998.9.1)
【代理人】 【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
【公開番号】 特開2000−69930(P2000−69930A)
【公開日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【出願番号】 特願平10−246740