| 【発明の名称】 |
被覆果肉の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】平野 純一
【氏名】隅田 孝司
【氏名】大和田 厚
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| 【要約】 |
【課題】被覆果肉の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、乳酸カルシウムなどの可溶性の二価カチオン素材を粉末状態のまま湿潤した果肉の表面に付着させ、次いで、これをアルギン酸ナトリウムなどのカチオンと反応してゲルを形成する被覆剤溶液に浸漬処理することにより、果肉表面にゲル被覆を形成させることを特徴とする被覆果肉の製造方法、及び上記被覆果肉をシラップ液とともに容器に充填し熱処理を施すことによって、ゲル被覆の強化及び殺菌をすることを特徴とする被覆果肉の製造方法、等に関する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 果肉の表面に均一で強固な被膜を有する被覆果肉の製造方法であって、被覆対象となる果肉の表面に乳酸カルシウムなどの可溶性のカチオン素材を粉末状態のまま付着させる処理を行い、次いで、これをアルギン酸ナトリウムに代表されるカチオンと反応してゲルを形成する被覆剤溶液に浸漬処理することにより、果肉の表面にゲル被覆を形成させることを特徴とする被覆果肉の製造方法。 【請求項2】 カチオン素材粉末に、食品素材粉末を混合し、粉末組成物としてから、当該粉末組成物を果肉の表面に付着させることを特徴とする請求項1記載の被覆果肉の製造方法。 【請求項3】 カチオン素材粉末又はカチオン素材粉末を含む粉末組成物に、ゼラチンに代表されるカチオンでゲル化しないゲル形成素材粉末を混合してから、当該粉末組成物を果肉の表面に付着させる処理を行い、次いで、これを混合した上記ゲル形成素材粉末の溶解温度以上に加温した被覆剤溶液に浸漬処理し、ゲル被覆を形成させた後、冷却することにより、形成されたゲル被覆と果肉の間に、他のゲル層を形成させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の被覆果肉の製造方法。 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3記載の方法で作製した被覆果肉を、更に乳酸カルシウムなどのカチオン素材を含む凝固剤溶液に浸漬することを特徴とする被覆果肉の製造方法。 【請求項5】 請求項1、請求項2又は請求項3記載の方法で作製した被覆果肉を乳酸カルシウムなどのカチオン素材を含む凝固剤溶液に浸漬後、そのまま加熱処理、若しくはシラップ液と共に容器に充填し加熱処理を施すことにより、ゲル被覆の強化及び殺菌をすることを特徴とする被覆果肉の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、被覆果肉の製造方法に関し、更に詳しくは、果肉の表面に均一で強固な被膜を簡便な操作で被覆形成させることを可能とする新しい被覆果肉の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ハイドロコロイドを含む被覆素材を用いた食品の被覆方法が種々開発されている。その具体例として、例えば、果実類を剥皮した後、これをアルギン酸ナトリウム、ペクチン、ゼラチンからなるゲル化剤中に浸漬し、必要により凝固液に浸漬した後、包装することからなるコーティング剥皮果実類の製造方法(特開平3−76531号公報)、また、剥皮された果菜類表面に、糊材あるいは凝固性物質を主材料とする軟皮形成材料による薄皮膜を形成し、これを常法により缶びん詰めとする方法(特開昭58−81735号公報)、などが報告されている。しかし、これらの方法に示される被覆食品は、被覆液だけでは被膜が形成されないため、若しくは被膜が弱いため、続いて凝固液に浸ける必要があり、そのため、均一な被膜形成の点や作業性の点に問題がある。また、前記方法に示される果実類の剥皮は、外皮のみの剥皮であり、被覆は、内皮のじょうのう膜は残っている柑橘類の果肉を対象に行ったものである。内皮のじょうのう膜上に被覆液を付着させることは、その性状から比較的容易であるが、じょうのう膜を剥皮した剥き身果肉上に被覆液を付着させる場合は、果肉の表面のロウワックスが妨げになり、果肉に被覆液が付着し難く、破れや剥離の無い均一な被膜を形成させることは非常に困難である。 【0003】また、他の例として、例えば、含水の食品にアルカリ金属塩などのイオンを添加してなるものの凍結物を、アルギン酸、カラギーナン、ローメトキシルペクチン、ハイメトキシルペクチン、ジェランガム、キサンタンガム、ローカストビーンガムなどの膠質材料の水性ゾル系に添加し、ゲル化物とすることを特徴とするゲル皮膜で包んでなる食品の製法(特開昭63−68047号公報)が報告されている。しかし、この含水の食品とは、アルカリ金属塩などのカチオン素材を溶解後、混釈、添加が可能な含水物を意味しており、この方法は、上記添加物の溶解、混合のできない固形物を被覆する方法としては不適当である。 【0004】更に、他の方法として、例えば、食品の表面に多糖類の被膜を形成するものも報告されている(特開平8−131066号公報、特開平6−169704号公報)が、これらの方法は、味噌、梅肉など、予め塩類が添加されている食品を対象とするものであり、この塩類との反応を利用して食品の表面を被覆することを特徴としているものであることから、塩類を含有させることが難しい果肉の被覆方法には適さない。また、この方法は、塩類の添加については、不定形の食品や、液状、ペースト状の食品を任意の形状、大きさに再構成する際に添加、混合する方法であり、特定の形状を有する固形物に適用することはできない。 【0005】このように、従来、カチオンとの反応を利用してハイドロコロイドゲルを形成させる方法では、アルギン酸ナトリウムやLM−ペクチンなどのカチオン反応性のある多糖類(被覆剤)と乳酸カルシウムや塩化カルシウムなどの可溶性カチオン素材(凝固剤)とをそれぞれ水溶液として、別々に用意し、両者を接触させて界面反応させることによってゲルが調製されていた。即ち、この方法は、液−液接触による直接反応を基本とするゲル形成方法であり、果肉などを含む固形試料にゲル被覆を形成させる場合は、被覆剤溶液をその粘性によって試料に付着(被覆)させなければならず、また、カチオン水溶液と接触させるまではゲル化しないため、作業性は悪く、また、均一な被覆形成は困難であった。 【0006】また、ハイドロコロイドゲルの被覆に、例えば、食味、色、機能性などを付与するために、食品素材を混合する場合、これをハイドロコロイド溶液に添加、混合する必要があるため、当該食品素材としては、溶液に溶解するか、均一に分散する性質のものしか使用することができなかった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、果肉の表面に均一で強固な被膜を簡便な操作で被覆形成させることが可能な新しい果実の被覆方法等を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、乳酸カルシウムなどの可溶性のカチオン素材を粉末状態のまま果肉の表面に付着させる固−液接触によるゲル形成反応を利用することにより所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、果肉へのカチオン架橋ハイドロコロイドゲル被覆の形成方法として、従来の、液−液接触によるゲル形成反応方法ではなく、可溶性のカチオン素材を粉末状態のまま使用する固−液接触による反応方法を使用することを特徴とするものであり、それにより、果肉の被覆処理を簡便に行うことを可能とし、かつ強固で均一な被覆を良好に形成させることを可能とする新しい被覆果肉の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、形成させたゲル被覆と果肉の間に他のゲル層を形成させて、例えば、食味、色、機能性などを付与し、食味の豊かな被覆果肉を製造する方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明は、以下の技術的手段から構成される。 (1)果肉の表面に均一で強固な被膜を有する被覆果肉の製造方法であって、被覆対象となる果肉の表面に乳酸カルシウムなどの可溶性のカチオン素材を粉末状態のまま付着させる処理を行い、次いで、これをアルギン酸ナトリウムに代表されるカチオンと反応してゲルを形成する被覆剤溶液に浸漬処理することにより、果肉の表面にゲル被覆を形成させることを特徴とする被覆果肉の製造方法。 (2)カチオン素材粉末に、食品素材粉末を混合し、粉末組成物としてから、当該粉末組成物を果肉の表面に付着させることを特徴とする前記(1)記載の被覆果肉の製造方法。 (3)カチオン素材粉末又はカチオン素材粉末を含む粉末組成物に、ゼラチンに代表されるカチオンでゲル化しないゲル形成素材粉末を混合してから、当該粉末組成物を果肉の表面に付着させる処理を行い、次いで、これを混合した上記ゲル形成素材粉末の溶解温度以上に加温した被覆剤溶液に浸漬処理し、ゲル被覆を形成させた後、冷却することにより、形成されたゲル被覆と果肉の間に、他のゲル層を形成させることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の被覆果肉の製造方法。 (4)前記(1)、(2)又は(3)記載の方法で作製した被覆果肉を、更に乳酸カルシウムなどのカチオン素材を含む凝固剤溶液に浸漬することを特徴とする被覆果肉の製造方法。 (5)前記(1)、(2)又は(3)記載の方法で作製した被覆果肉を乳酸カルシウムなどのカチオン素材を含む凝固剤溶液に浸漬後、そのまま加熱処理、若しくはシラップ液と共に容器に充填し加熱処理を施すことにより、ゲル被覆の強化及び殺菌をすることを特徴とする被覆果肉の製造方法。 【0009】即ち、本発明は、例えば、乳酸カルシウムや塩化カルシウムなどの可溶性の二価カチオン素材を粉末状態のまま湿潤した果肉の表面に付着させ、次いで、これをアルギン酸ナトリウムなどのカチオンと反応してゲルを形成する被覆剤溶液に浸漬する処理を行うことにより、果肉の表面にゲル被覆を形成させることを特徴とする。付着させたカチオン素材粉末は、被覆剤溶液内で可溶化しながらイオン化し、被覆剤と反応して果肉の表面にカチオン架橋ハイドロコロイドゲルの被覆が形成される。また、上記方法において、カチオン素材粉末に食品素材粉末を混合し、粉末組成物としてから当該粉末組成物を果肉の表面に付着させて被覆処理を施すことも可能である。この場合、食品素材粉末としては、適宜のものを使用することが可能であり、特に限定されないが、例えば、ハイドロコロイドゲル被膜に、食味、色、機能性などを付与するための素材である、糖類、酸味料、色素、機能性成分などの粉末が好適なものとしてあげられる。これらの粉末素材は、カチオン素材粉末及び粉剤希釈剤などと粉体混合して使用されるため、水に溶解、分散する性質のものである必要はなく、また、その溶解度を越える高濃度で添加することも可能である。また、本発明においては、カチオン素材粉末又はカチオン素材粉末を含む粉末組成物に、ゼラチンに代表されるカチオンでゲル化しないゲル形成素材粉末を混合することができる。この場合、例えば、この粉末とカチオン素材粉末を混合した粉末成分を果肉の表面に付着させ、次いで、これを混合したゲル形成素材粉末の溶解温度以上に加温した被覆剤溶液に浸漬処理し、ゲル被覆を形成させた後、冷却することにより、形成されたゲル被覆と果肉の間に、他のゲル層を形成させた被覆果肉が得られる。更に、本発明においては、上記方法で作製した被覆果肉を、更に乳酸カルシウムなどのカチオン素材を含む凝固剤溶液(例えば、二価のカチオン溶液)に浸漬し、ゲル被覆の強化を図ることにより、優れた特性を有する被膜を形成することができる。 【0010】 【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に説明する。本発明において、被覆対象とする果肉としては、例えば、温州みかん、伊予柑、八朔、夏みかん、バレンシアオレンジ、グレープフルーツ、ネーブル、レモンなどの柑橘果実類、その他、もも、ぶどう、さくらんぼ、なし、西洋なし、すもも、りんご、いちご、パインアップル、パパイヤ、マンゴーなどの果実の果肉類があげられ、これらの果実を常法に従って剥皮、若しくはカットしたもの、あるいは、シラップ漬けにしたもの等、適宜のものが使用される。 【0011】本発明において、果肉の表面に粉末状態のまま付着させる可溶性のカチオン素材粉末としては、後記する被覆剤のアルギン酸ナトリウムなどとの関係から、二価以上のカチオンが望ましく、また、対象製品が食品であることを考慮すると、例えば、乳酸カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシウム塩が好適なものとしてあげられる。特に、果肉の表面への付着性、溶解性、食味への影響などの点から、微細粉末の乳酸カルシウムを使用することが望ましい。また、本発明においては、これらのカチオン素材粉末に、必要に応じて、食品素材粉末を混合し、粉末組成物としてから、これを果肉の表面に付着させることができる。 【0012】本発明で用いる被覆剤としては、対象が食品で有ることから、人体に対する安全性が確認されている可食性のものでなければならない。このような条件に適合するものとしては、天然物由来の高分子化合物(ハイドロコロイド)が好適なものとして例示される。その内、カチオンと反応してゲルを形成する素材、若しくはゲルを強化する素材としては、例えば、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸の塩類、LM−ペクチン、ジェランガムなどがあげられる。この中で、低濃度、及び低粘性でゲル被覆を形成する素材であること、調製した被覆剤溶液のゲル化が温度に影響され難いこと、また、ゲル強度、弾力性、耐熱性などの点を考慮すると、特に、アルギン酸の塩類(特に、ナトリウム塩)が好適なものとしてあげられる。これらの素材は、適宜の溶液の形で、単独で使用することができるが、例えば、食した時の食感、香味などを変えるために、その他の多糖類、香料、着色料などの添加物を混合して使用することも可能である。その場合、これらの添加物は、被覆形成の妨げにならない範囲で混合することが望ましい。 【0013】本発明を実施する場合、例えば、常法により内外皮の剥皮処理を行った果肉の表面に、予め、カチオン素材(例えば、乳酸カルシウム)粉末を付着させる処理を行い、次いで、これをアルギン酸ナトリウムの被覆剤溶液へ投入し、果肉どうしが接触したままにならない程度に緩やかな撹拌を行いながら果肉を被覆剤に浸漬処理することにより、果肉の表面にカチオン架橋ハイドロコロイドゲル被覆を形成させることができる。 【0014】果肉の表面に付着させるカチオン素材粉末の付着量としては、付着粉末をカルシウム塩とした場合、果肉重量に対し、カルシウム量として、0.2〜0.3%以上付着させると果肉表面に良好なゲル被覆が形成される。具体的には、果肉の表面にカチオン素材(例えば、乳酸カルシウム)粉末を付着させる場合は、果肉の表面の湿潤状態に左右されて付着量にばらつきがでるため、少量の粉末の付着処理は難しい。特に、シラップ漬けした果肉を使用する場合、充分に液切りを施すための前処理が必要になってくる。このため、カチオン素材粉末に、必要に応じて、乳糖やデキストリンなどに代表される粉剤希釈剤(賦形剤)を混合し、粉末の付着量が変わってもカチオン素材粉末の付着量の変化が少ない様にすることが望ましい。実際には、果肉の種類によって、その表面の性状、湿潤の状態などが異なるため、カチオン素材粉末の付着割合が変わってくる。詳細には、果肉の種類毎のカチオン素材粉末の付着量を確認し、被覆処理に必要なカチオンの量を調整してその配合を決めていくことが望ましい。乳酸カルシウム粉末や粉剤希釈剤、食品素材粉末を均一に果肉の表面へ付着させるには、それらの微細粉末が好ましく、結晶化物や顆粒タイプは付着にばらつきがでて好ましくない。混合する粉末素材の選択として、顆粒タイプなどを使用しなければならない場合は、それを擦り潰してから混合することが望まれる。 【0015】被覆剤溶液のアルギン酸ナトリウムの濃度は、0.5〜3.0%の範囲でゲル被覆を形成可能であるが、低濃度の場合は、果肉の辺の部分の被膜が薄くなり、破れや剥離を生じることがある。また、濃度が高くなると溶液の粘性も上がり、浸漬、撹拌処理が難しくなり、被覆果肉どうしがくっつくなどの問題があるため、均一な被膜を形成させる濃度は、好ましくは1.0〜1.5%である。アルギン酸ナトリウムの被覆剤溶液の液温は、室温で充分に被覆形成が可能である。しかし、付着粉末量、混合粉末組成物の種類、溶解性、配合割合によっては、可溶性の粉末素材の溶解を促進させるために加温することが望ましい。また、加温すると、アルギン酸ナトリウム溶液の粘性が低下するため、操作性が向上する。液温の範囲は、20〜60℃で良好な被覆形成が可能であるが、好ましくは40〜50℃である。ゲル被覆の形成状況は、被覆剤溶液に投入直後から被膜を形成し始めるが、粉末素材が可溶化するまでの時間は必要になってくる。しかし、浸漬時間が長くなりすぎると反応が進み肉厚なゲル被膜になり、また、撹拌による擦れなどで傷や剥離が被膜表面に生じる場合があるため、浸漬時間は、5〜20分間、好ましくは10〜15分間である。 【0016】前記方法により、破れやピンホールの無い、アルギン酸塩の強固なカチオン架橋ハイドロコロイドゲルの被覆が形成されるが、更に、これを凝固剤溶液に浸漬し、外側からのゲル強化を図ることで、より強固にすることができ、かつ被覆からの離水を低減することができる。凝固剤については、果肉に付着させる前記カチオン素材と同じものを同様に使用し、例えば、乳酸カルシウムを使用した場合、その濃度は、0.5〜5%、好ましくは、1〜3%である。処理は常温で行い、浸漬時間は、1〜30分間で処理目的によって調整する。 【0017】仕上がった被覆果肉は、固くて弾力性に富んだ、光沢の良い被膜に覆われている。本発明による被覆処理は、果肉の表面に付着したカチオン素材(例えば、乳酸カルシウム)粉末が可溶化(イオン化)しながら被膜を形成するため、被膜下に若干ドリップが溜まり、被膜の袋包み状態の被覆果肉になる。この被膜下のドリップは、カチオン素材粉末と混合した食品素材粉末等の溶解や分散を促し、また、後記するカチオンでゲル化しないゲル形成素材粉末の溶媒となる。付着させるカチオン素材粉末又はカチオン素材粉末を含む粉末組成物に、カチオンでゲル化しないゲル形成素材粉末を混合してから、当該粉末成分を果肉の表面に付着させることで、この被膜下のドリップをゲル化させ、離水の少ない、かつ無添加時とは被覆ゲルの食感の異なる被覆果肉を作ることができる。カチオン素材粉末と混合するゲル形成素材としては、例えば、寒天、HM−ペクチン、ゼラチン、ファーセレラン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、サイリウムシードガムなどが好適なものとして例示されるが、混合するカチオン素材とゲル化反応しないものが望ましい。この中で、比較的低温で可溶化し、低粘性な素材であること、ゲル化状態における保水性などの点を考慮すると、特に、ゼラチンが良好な素材としてあげられる。このゼラチン粉末と乳酸カルシウム粉末を混合してから、当該粉末成分を果肉の表面に付着させる。次いで、これをゼラチン粉末の溶解温度以上に加温した被覆剤溶液に浸漬処理し、ゲル被覆を形成させた後、冷却すると、被膜と果肉の間にゼラチンのゲル層が形成され、被膜と果肉の結着性が良くなる。また、保水性の良いゼラチンゲルを被膜と果肉の間に形成させることで、被覆果肉からの離水が少なくなる。また、ゼラチンは保水して膨張するため、果肉の表面の被覆によるゼリー様の食感を楽しむことができる。更に、混合割合を変えることによって固さを調整することが可能であり、バリエーションに富んだ被覆果肉を作ることができる。例えば、ゼラチンゲルが柔らかくなるように混合量を調整し、甘味、香味など素材を添加すると、弾力性に富んだ被膜が形成され、これを噛み切ると口の中で柔らかなゼラチンゲルが広がる、一口サイズの果肉入りゼリーのような被覆果肉の製造が可能である。 【0018】仕上がった被覆果肉は、シラップ漬けにして長期保存することが可能である。常法に従って、シラップ液と被覆果肉を容器に充填し、湯浴などを用いて加熱殺菌を施す。本発明によるアルギン酸塩のゲル被覆は、耐熱性が高く、加熱処理によって、更に、被膜強度は高くなる。従来のシラップ漬けの形態では、身崩れをおこし易い、いちご、ぶどう、パパイヤなどの果肉を、本発明の被覆方法で処理し、これをシラップ漬けにすることにより、軟化、身崩れのほとんど無い被覆果肉のシラップ漬け製品を製造することができる。また、アルギン酸ナトリウムの被覆剤溶液に、例えば、ジェランガム、キサンタンガム、ペクチンなどの各種耐性のある素材を補助材として添加、調整し、被覆処理を施すことによって、より高い耐熱性、耐酸性、耐塩性などを有するゲル被覆を形成することも可能である。 【0019】試験例次に、試験例に基づいて本発明を具体的に説明する。 【0020】試験例1本発明による果肉の被覆処理と従来法を用いた果肉の被覆処理(比較例1〜3)の比較試験を行った。 (1)方法1)本発明の被覆処理粉末組成物(乳酸カルシウム50%、乳糖50%)を付着させた温州みかん果肉を1.0%アルギン酸ナトリウム(被覆剤)溶液に攪拌しながら10分間浸漬し、被覆果肉を作製した。 2)比較例11.0%アルギン酸ナトリウム(被覆剤)溶液を調製した。温州みかん果肉を被覆剤溶液に投入し、被覆剤溶液を果肉にからめたまま個々に引き上げ、軽く液切り後、3%乳酸カルシウム(凝固剤)溶液に約10分間浸漬し、被覆果肉を作製した。 3)比較例23.0%アルギン酸ナトリウム溶液を調製し、比較例1と同様に被覆果肉を作製した。 4)比較例35.0%アルギン酸ナトリウム溶液を調製し、比較例1と同様に被覆果肉を作製した。 【0021】(2)結果1)果肉への被覆状況上記各方法により作製した被覆果肉について、果肉への被覆状況を調べた。その結果を以下に示す。 本発明の方法・・・破れやピンホールの無い、弾力性に富む、強固で均一な被膜に包まれた被覆果肉に仕上がった。 比較例1・・・被覆剤溶液の付着性が悪く、極めて薄く弱い被膜が、果肉表面の一部分にしか付着されていなかった。 比較例2・・・被覆剤溶液の液切りの加減によって、被覆されない箇所も発生した。また、個々及び部位の被膜形成にばらつきが見られた。被覆の薄い箇所はすぐに破れが生じた。 比較例3・・・被覆剤溶液の粘性が非常に高いため、液だれ状態のままゲル化し、膜厚の強弱の大きい被覆果肉が多数仕上がった。 2)その他本発明の固−液接触による果肉の被覆方法は、被覆剤溶液への浸漬処理中に強固で均一なゲル被覆が形成されるため、簡便な操作で作業性、実用性が向上した。 比較例1〜3の液−液接触による果肉の被覆は、被覆剤溶液をその粘性によって果肉の表面に付着させてから、凝固剤溶液に浸漬するまでは被覆剤溶液がゲル化しないため、作業性、能率が悪く、実用性に欠けている。被覆剤溶液の濃度(粘性)が低いと果肉の表面への付着性が悪く、良好に被覆できなかった。また、濃度(粘性)が高いと被覆剤溶液の液切り加減に左右され、ばらつきの多い不均一な被覆が形成された。 【0022】試験例2付着させる粉末組成物の配合割合と被覆果肉の離水量の変化を調べた。乳酸カルシウムを含む粉末組成物(配合1〜6)を付着させた温州みかん果肉を1.0%アルギン酸ナトリウム溶液に撹拌しながら10分間浸漬し、ゲル被覆を形成させた。処理操作後、一晩冷蔵保存(5℃)し、被覆果肉の処理直後からの重量変化を測定して離水量(%)を算出した。その結果を表1に示す。 【0023】 【表1】
【0024】ゼラチン粉末を混合することにより、被覆下のドリップが保水性の良いゼラチンでゲル化し、離水量が低減されることが分かった。 【0025】試験例3被覆果肉を乳酸カルシウムの凝固剤溶液へ浸漬処理することよる離水量の変化を調べた。試験例2と同様に温州みかん被覆果肉を作製した後、3%乳酸カルシウム溶液に浸漬した。粉末組成物の配合割合は、乳酸カルシウム50%,ゼラチン30%,乳糖20%とし、浸漬時間は、0(無処理),1分間,5分間,10分間,30分間とした。処理操作後、一晩冷蔵保存(5℃)し、試験例2と同様に処理直後からの重量変化を測定して離水量を算出した。その結果を表2に示す。 【0026】 【表2】
【0027】凝固剤溶液に浸漬することで、ゲル被覆が強化され、離水量の低減が図れることが分かった。 【0028】試験例4被覆果肉を熱処理することによる被膜強度の変化を調べた。試験例3と同様に温州みかん被覆果肉を作製した後、3%乳酸カルシウム溶液に10分間浸漬し、その後、熱水に30分間浸漬した。熱水の温度は、70℃,80℃,90℃とした。処理操作後、一晩冷蔵保存(5℃)し、被覆果肉の破断強度測定を行った。破断強度は、クリープメータ(山電社製)を用いて測定し、ゲルの破断点における荷重(gf)で示した。その結果を表3に示す。 【0029】 【表3】
【0030】加熱処理によりアルギン酸塩被覆は、更に強化され、殺菌処理に充分耐えることが可能な被膜であることが示された。 【0031】 【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、それらは、本発明の範囲を限定するものではない。 実施例1被覆果肉の製造混合粉末組成物を下記の通り、調製した。 混合粉末組成物の配合乳酸カルシウム 50%乳糖(粉剤希釈剤) 50%上記混合粉末組成物を付着させた温州みかん果肉を1.0%アルギン酸ナトリウム溶液に攪拌しながら10分間浸漬し、被覆処理を施した。形成されたゲル被覆に、剥離や破れ、ピンホール等は見られず、均一な被膜に包まれた被覆果肉に仕上がった。 【0032】実施例2被覆果肉の製造混合粉末組成物を下記の通り、調製した。 混合粉末組成物の配合乳酸カルシウム 50%甘味料 10%粉末香料 5%プルラン 5%乳糖(粉剤希釈剤) 30%缶詰の温州みかん果肉を使用して、実施例1と同様に被覆処理を施した。従来の方法では、甘味料や香料、食品素材等を直接被覆剤溶液に混合する方法しかなかった。この場合、薄い被膜への付与は、添加した程、食味を感じることができない。また、素材によっては被覆形成を妨げるものもあり、使用範囲等に制限の付く素材もあった。上記本発明の被覆果肉は、被膜下にドリップと共に甘味、香味が付与されており、食した際は、充分に甘味や香味の浸透した果肉を味わうことができた。プルランは、高分子多糖類で、その溶液は、低粘性でゲル化性は無いが、保水性が良く、被膜下のドリップの保持性が向上した。また、プルランは、食物繊維含量が高く、機能性付与も担っている。 【0033】実施例3被覆果肉の製造混合粉末組成物を下記の通り、調製した。 混合粉末組成物の配合乳酸カルシウム 50%ゼラチン 30%乳糖(粉剤希釈剤) 20%缶詰の温州みかん果肉を使用して、上記混合粉末組成物を付着させて粉末付着処理果肉を作製した。次いで、これを40〜50℃に加温した1.0%アルギン酸ナトリウム溶液に攪拌しながら10分間浸漬し、被覆処理を施した後、冷却すると、形成されたアルギン酸塩のゲル被覆と果肉の間にゼラチンゲルが付与された。従来、ゼラチンゲルは、柔らかく、また、加熱溶解−冷却によるゲル化反応でゲル形成に時間がかかるため、ゲル化には型枠やカップ等を必要とし、被覆形態は取れなかった。本発明は、アルギン酸塩の被膜で包み込むことによってゼラチンゲルを果肉に付与することができ、離水の少ない、無添加時とは食感の異なった被覆果肉に仕上がった。 【0034】実施例4混合粉末組成物と被覆剤溶液の配合を下記の通り調製して、被覆果肉を製造した。 混合粉末組成物の配合 乳酸カルシウム 50 % ゼラチン 30 % 乳清たんぱく 10 % 乳糖(粉剤希釈剤) 10 % 被覆剤溶液の配合 アルギン酸ナトリウム 1.0 % 乳清たんぱく 2.0 %果肉として、缶詰の温州みかん果肉を使用して、実施例3と同様の方法により、果肉に被覆処理を施し、温州みかん被覆果肉を得た。得られた製品は、乳白色の被覆が果肉に形成され、また、ミルク風味が良好に付与された被覆果肉に仕上がった。 【0035】実施例5ぶどう(巨峰)の被覆果肉の製造果肉として、缶詰の巨峰果肉を用いた。液切り、選別を行い、実施例3と同様の方法により、果肉に被覆処理を施し、巨峰被覆果肉を得た。巨峰の缶詰果肉は、通常、剥皮処理や種子の除去処理、保存によって果肉組織が軟化し、生果肉に比べて保形性や光沢などが低下している。本発明の被覆処理中に、巨峰果肉は、ゲル被膜形成によって、元の生果肉様に丸く再保形され、かつゼラチンゲルによって、弾力性が付与された被覆果肉に仕上がった。 【0036】実施例6温州みかん被覆果肉の製造混合粉末組成物の配合を下記の通り調製して、被覆果肉を製造した。 混合粉末組成物の配合 乳酸カルシウム 50% ゼラチン 15% 乳糖(粉剤希釈剤) 35%果肉として、缶詰の温州みかんを使用して、実施例3と同様の方法により、果肉に被覆処理を施し、温州みかん被覆果肉を得た。得られた製品は、被覆下にゼラチンゲルが非常に柔らかく形成され、被覆を噛み切ると口溶けの良いゼラチンゲルが広がる被覆果肉に仕上がった。 【0037】実施例7被覆果肉の製造(柑橘果肉を使用) 1.原料素材の調製A.柑橘剥皮果肉の調製果肉は、柑橘果実を常法により、外皮・内皮を剥皮処理し、一旦、常法によりシラップ漬けして、通年供給が可能な原料として保存されていたものを充分に液切りしてから使用した。 【0038】 B.混合粉末組成物の調製 乳酸カルシウム 50 % ゼラチン 30 % 乳糖(粉剤希釈剤) 20 %上記素材を粉末のまま均一に混合した。粉末粒子が顕著に異なる場合は、擦り潰しながら混合していく。 【0039】 C.被覆剤溶液の調製 アルギン酸ナトリウム 1.0 %上記アルギン酸ナトリウムを水に分散、加温溶解(約60℃)し、水でトータル量100%にして、被覆剤溶液を調製した。 【0040】 D.凝固剤溶液の調製 乳酸カルシウム 3.0 %上記乳酸カルシウムを水に溶解させて、トータル量100%にして、凝固剤溶液を調製した。 【0041】2.実施手順(1)充分液切りした上記Aの果肉の表面に上記Bの混合粉末組成物を付着させ、粉末付着処理果肉を作製した。余分に付着した粉末は叩くか、若しくはエアーなどで除去した。 (2)次に、上記(1)の粉末付着処理果肉を上記Cの被覆剤溶液(液温45〜50℃)に投入し、果肉どうしが接触したままにならない程度に穏やかな撹拌を行いながら果肉を被覆剤溶液に10分間浸漬し、ゲル被覆を形成させた。 (3)上記(2)の処理後、形成された被覆果肉を被覆剤溶液から引き上げ、軽く水洗いした後、凝固剤溶液に10分間浸漬して、ゲル被覆を強化した。 (4)処理された被覆果肉を冷却し、被膜下のゼラチンをゲル化させた。 【0042】3.結果上記の方法により、剥き身果肉をアルギン酸塩のゲル被覆で包み、その被膜下にゼラチンゲル層を形成させた光沢の良い被覆果肉を製造することができた。 【0043】実施例8温州みかん被覆果肉の製造果肉として、缶詰の温州みかん果肉を用いた。液切り、選別を行った、1.1kgの果肉を使用して、実施例7と同様の方法により、果肉に被覆処理を施し、1.8kgの温州みかん被覆果肉を得た。本発明の被覆処理により、温州みかん果肉は、被膜下のゼラチンが保水して膨張、ゲル化して丸みの帯びた光沢の良い被覆果肉に仕上がった。 【0044】実施例9甘夏みかん被覆果肉の製造果肉として、缶詰の甘夏みかん果肉を用いた。液切り、選別を行った、1.4kgの果肉を使用して、実施例7と同様の方法により、果肉に被覆処理を施し、2.3kgの甘夏みかん被覆果肉を得た。甘夏みかん果肉は、通常、種子が多く、除去後の果肉は穴が開いている。また、その剥き身は柔らかく崩れ易い。本発明の被覆処理を施した果肉は、穴の中まで良好に被膜が形成され、かつ身崩れすることの無いしっかりした被覆果肉に仕上がった。 【0045】実施例10被覆果肉のシラップ漬けの製造実施例7に準じて、柑橘果肉を用いて被覆果肉を仕上げ、これを常法通り、シロップ液とともに合成樹脂袋(スタンドパウチ)に充填し、湯浴にて80℃、30分間の殺菌を施した。得られた製品は、形成されたゲル被覆に破れなどの破損は生じず、従来の果肉のシロップ漬けと比べて、果肉の身崩れがなく、また、被膜下にゼラチンが付与された一口サイズの果肉入りゼリータイプの光沢の良い被覆果肉のシラップ漬けに仕上がった。 【0046】実施例11被覆果肉のシラップ漬けの製造前記実施例7の混合粉末組成物の配合を下記の通り変更して、被覆果肉を製造した。 混合粉末組成物の配合 乳酸カルシウム 50% ゼラチン 10% サイリウムシードガム(天然多糖類) 20% 乳糖(粉剤希釈剤) 20%果肉として、缶詰の温州みかんを使用して、被覆剤溶液の液温を60℃に設定し、それ以外は、実施例7と同様の方法により、果肉に被覆処理を施した。処理された被覆果肉を、常法通り、シラップ液とともに合成樹脂袋(スタンドパウチ)に充填し、湯浴にて80℃、30分間の殺菌を施した後、冷却した。加熱後、冷却することでサイリウムシードガムはゲル化し、被膜下にサイリウムシードガム特有の粘りのあるもち様のゲルが形成された被覆果肉のシラップ漬けに仕上がった。 【0047】実施例12りんごの被覆果肉(シラップ漬け)の製造1.原料素材の調製各々の原料素材を下記の配合により調製した。 A.前処理用糖液の調製 しょ糖 25% ビタミンC 1%【0048】 B.混合粉末組成物の調製 乳酸カルシウム 30% ゼラチン 20% 乳糖(粉剤希釈剤) 50%【0049】 C.被覆剤溶液の調製 アルギン酸ナトリウム 1.0% しょ糖 15%【0050】 D.凝固剤溶液の調製 乳酸カルシウム 3.0% しょ糖 15%【0051】2.実施手順(1)りんごを食べ易い大きさに剥皮、ダイスカットした後、上記Aの前処理用糖液に浸漬して、減圧脱気処理を行い、果肉内の含有空気の除去、及びりんごの褐変抑制、糖液の浸透処理を施した。 (2)上記(1)の処理後、充分液切りした果肉の表面に上記Bの混合粉末組成物を付着させた。余分に付着した粉末は振動、若しくはエアーなどで除去した。 (3)上記(2)の粉末付着処理果肉を上記Cの被覆剤溶液に投入し、果肉どうしが接触したままにならない程度に穏やかな攪拌を行いながら果肉を被覆剤溶液に10分間浸漬し、ゲル被覆を形成させた。 (4)上記(3)の処理後、形成された被覆果肉を被覆剤溶液から引き上げ、軽く水洗いした後、上記Dの凝固剤溶液に10分間浸漬して、ゲル被覆を強化した。 (5)処理された被覆果肉を、常法通り、シラップ液と共に合成樹脂袋(スタンドパウチ)に充填し、湯浴にて80℃、30分間の殺菌を施した後、冷却し、被膜下のゼラチンをゲル化させた。 【0052】3.結果上記の方法により、ダイスカットのりんごは、固い肉質を保持したままゲル被覆され、被膜下のゼラチンが保水して膨張、ゲル化して丸みの帯びた一口サイズの被覆果肉のシラップ漬けに仕上がった。 【0053】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、果肉の表面に可溶性のカチオン素材を粉末状態のまま付着させる処理を行い、果肉表面にゲル被覆を形成させることを特徴とするものであり、本発明により以下のような効果が奏される。 (1)果肉の表面に可溶性のカチオン素材粉末を付着させてから、被覆剤溶液に浸漬すると、溶液内でゲル被覆が形成されるため、工程が非常に簡素化し、作業性、実用性を向上させることができる。 (2)形成されるゲル被覆は、光沢が良く、強固で弾力性に富み、破れやピンホールの発生し難い被覆果肉が製造できる。また、シロップ漬けにした場合、身崩れ防止の効果がある。 (3)可溶性のカチオン素材を含む粉末組成物にゼラチン粉末を配合するとゼラチンゲルが保水して離水が低減され、また、ゼラチンゲルの食感が楽しめる一口サイズの果肉入りゼリーが製造できる。 (4)更に、ゼラチンの配合割合を変えたり、他の素材を混合して処理することにより異なった食感を持った被覆果肉を作製することが可能であり、容易に製品のバリエーションを付けることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596135755 【氏名又は名称】株式会社愛媛柑橘資源開発研究所
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| 【出願日】 |
平成10年9月2日(1998.9.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102004 【弁理士】 【氏名又は名称】須藤 政彦
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| 【公開番号】 |
特開2000−69928(P2000−69928A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月7日(2000.3.7) |
| 【出願番号】 |
特願平10−248213 |
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