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【発明の名称】 きのこの凍結品の製造方法
【発明者】 【氏名】平林 守男

【要約】 【課題】製品の破損の生じにくいきのこの凍結品を得る。

【解決手段】きのこ原料を水蒸気処理するスチーミング工程と、水蒸気処理されたきのこ原料を水洗する水洗工程と、水洗されたきのこ原料を熱風処理してきのこ原料の水分含量を減じる熱風処理工程と、熱風処理されたきのこ原料を急速凍結処理する急速凍結工程とを含むことを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 きのこ原料を水蒸気処理するスチーミング工程と、水蒸気処理されたきのこ原料を水洗する水洗工程と、水洗されたきのこ原料を熱風処理してきのこ原料の水分含量を減じる熱風処理工程と、熱風処理されたきのこ原料を急速凍結処理する急速凍結工程とを含むことを特徴とするきのこの凍結品の製造方法。
【請求項2】 きのこが、マイタケ、ヒラタケ、エノキタケもしくはこれらの混合品であることを特徴とする請求項1記載のきのこの凍結品の製造方法。
【請求項3】 前記スチーミング工程が、95℃〜100℃の水蒸気をきのこ原料に100秒〜150秒噴出する水蒸気処理工程であることを特徴とする請求項1または2記載のきのこの凍結品の製造方法。
【請求項4】 前記熱風処理工程は、きのこ原料の水分含量を70%前後になるように調整することを特徴とする請求項1、2または3記載のきのこの凍結品の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はきのこの凍結品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エノキタケ、ヒラタケ、ブナシメジ、マイタケ等の人工栽培に係るきのこは、収穫時の形態のまま包装袋、トレー等の容器に収納して出荷されることの他に、そのまま調理できるように適当な大きさにほぐして容器に収納して出荷される場合もある。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、上記いずれの包装形態の場合でもきのこの日持ちがよくないという課題がある。そこで、きのこを凍結した凍結品として長期間保存することが考えられる。ところが、特にマイタケ、ヒラタケ等は、きのこの笠の肉が薄く、したがって凍結した際にバラバラに破損しやすく、これらきのこの凍結品はできなかった。
【0004】発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、凍結前のきのこ原料の水分含量を調整することで破損のないきのこの凍結品を得られることに想到した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するため次の構成を備える。すなわち、本発明に係るきのこの凍結品の製造方法は、きのこ原料を水蒸気処理するスチーミング工程と、水蒸気処理されたきのこ原料を水洗する水洗工程と、水洗されたきのこ原料を熱風処理してきのこ原料の水分含量を減じる熱風処理工程と、熱風処理されたきのこ原料を急速凍結処理する急速凍結工程とを含むことを特徴としている。ボイルでなく、スチーミング工程を経ることによって、凍結品を解凍した際のドリッピングが防止できる。熱風乾燥が肝要である。機械的な、例えば遠心脱水処理ではきのこの型くずれが生じる。このように熱風処理してきのこ原料中の水分含量を減じることで、凍結処理した際、氷成分が少なくなり、そのために破損が防止できることになる。
【0006】マイタケ、ヒラタケ、エノキタケを凍結処理するのに好適である。これらきのこの混合品であってもよい。前記スチーミング工程は、95℃〜100℃の水蒸気をきのこ原料に約100秒〜150秒噴出する処理工程が好適である。前記熱風処理工程は、きのこ原料の水分含量を70%前後になるように調整するようにするとよい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は処理工程の一例を示す工程図である。まず、ほぐし工程において、マイタケ、ヒラタケ、エノキタケ等のきのこ原料を適当な大きさにほぐす。その際、根付き等の不用部分およびゴミを除去する。ほぐしたきのこ原料は上記きのこの混合品とすることもできる。次にコンベヤ(図示せず)上で、目視により欠け等の生じている不良品部分等を除去する。
【0008】次いでコンベヤにのせたまま、スチーム室(図示せず)を通過させ、スチーミング処理を行う。スチーム室は、コンベヤの通過できる空間内に高温の水蒸気をきのこ原料に向けて噴出できるように設けられている。スチーミング処理条件は、きのこの種類および量にもよるが、概ね95℃〜100℃の水蒸気中をきのこ原料が100秒〜150秒間で通過するようにするとよい。スチーム処理することにより、きのこの表面の殺菌ができると共に、前記のように、解凍後の製品にドリップが生じず、高品質を維持できる。これに対し、煮沸処理した場合には、解凍後ドリップが生じ、味の低下が生じた。
【0009】次にスチーム処理されたきのこ原料を、洗浄槽(図示せず)中を通過させて冷却すると共に洗浄する。洗浄槽中にはエアを吹き込んで、きのこ原料を攪拌することで効率よく洗浄が行える。次いで毛髪や樹脂片等の異物を焼却して除去するために毛焼装置(図示せず)を瞬間的に通過させる。毛焼装置内にはガスバーナを備え、上記異物を焼却する。
【0010】次にきのこ原料をコンベヤにのせたまま熱風炉(図示せず)中を通過させて熱風処理をする。熱風の温度は60℃〜80℃程度に設定するのが好適である。外気をヒーターで加熱し、25m〜30m/分の風速でコンベヤの下流側から上流側に向けて熱風炉中を流れるようにし、外部に放出するようにする。これにより効率よく熱風処理が行える。処理時間は、上記の温度で、10分〜15分程度とする。熱風処理によりきのこ原料中の水分含量が減じられる。この場合の水分含量は70%前後に調整すると好ましい。なお生のきのこの水分含量は90%前後が普通である。
【0011】上記のように水分調整したきのこ原料を急速凍結処理するのである。本実施の形態では、まず、−190℃の液化窒素中に10秒前後浸漬して、きのこ原料の表面を瞬間的に凍結させ、次いで−40℃程度の低温に調整されたトンネルフリーザー中を約15分かけて内部まで凍結させて凍結品を得た。上記のように液化窒素中に浸漬して表面を瞬間凍結させることで、ほぐされて小片にされたきのこ原料は互いにくっつき合うことがなく、バラバラの状態を維持するので調理に好適である。なお、通常の急速凍結処理であってもよい。
【0012】上記のように、熱風処理により水分含量を70%前後に調整することにより、きのこ原料自体の繊維の強度が得られ、またこれを急速凍結させることで、氷成分を減少させることができ、凍結品の破損を防止することができた。特に、熱風処理して水分含量を調整しないまま、上記液化窒素中に浸漬した場合には瞬間的に粉々に破損してしまい、凍結品を得ることができなかったが、上記のように水分含量を調整することで、液化窒素の過酷な低温中に浸漬した場合にも破損が生じず、そしてきのこ原料自体のくっつきのない良好な凍結品が得られるのである。
【0013】上記ではマイタケ、ヒラタケ、エノキタケで説明したが、その他のきのこにも応用し得ることはもちろんである。また、かならずしもきのこ原料をほぐす必要はなく、根付き部分等の不用部分を除去した形態での凍結品も得ることができる。
【0014】以上本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0015】
【発明の効果】本発明に係るきのこの凍結品の製造方法によれば、上述のように、きのこ原料をスチーム処理することで、解凍後のドリップをなくし、高品質のものが得られると共に、熱風処理をして水分含量を低減させて急速凍結処理をすることで、破損の生じにくい凍結品を得ることができるという著効を奏する。
【出願人】 【識別番号】393004513
【氏名又は名称】平林産業株式会社
【出願日】 平成10年8月28日(1998.8.28)
【代理人】 【識別番号】100077621
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 隆夫 (外1名)
【公開番号】 特開2000−69927(P2000−69927A)
【公開日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【出願番号】 特願平10−243006