| 【発明の名称】 |
ローヤルゼリー及びその採取・保存方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】野田 泰三
【氏名】徐 瑩瑩
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| 【要約】 |
【課題】生理作用において優れたローヤルゼリー及びその採取・保存方法を提供する。
【解決手段】中華人民共和国産の蜜蜂の女王蜂幼虫が王台へ移虫してから約48 時間経過後に採乳し、次いで迅やかに冷凍保存する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中華人民共和国産の蜜蜂の女王蜂幼虫が王台へ移虫してから約 48 時間経過した時点で採乳し、次いで迅やかに冷凍保存することを特徴とする、ローヤルゼリーの採取・保存方法。 【請求項2】 採乳から冷凍保存までが 1 時間以内であることを特徴とする、請求項 1 に記載のローヤルゼリーの採取・保存方法。 【請求項3】 請求項 1 又は 2 に記載の採取・保存方法により得られたものであることを特徴とする、ローヤルゼリー。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はローヤルゼリー及びその採取・保存方法に係る。 【0002】 【従来の技術】ローヤルゼリーは羽化後 3 - 12 日齢の蜜蜂の働き蜂 (育児蜂) が頭部に有している下咽頭腺から分泌される蛋白質に富んだ乳白色のクリーム状物質と、大腮腺とから分泌される乳白色の油状物質との混合物であり、主として王台中の女王蜂幼虫に与えられる物質である。王台への女王蜂幼虫の移虫から 68 - 72 時間経過すると、王台は ローヤルゼリーで満杯となるので、この時期にローヤルゼリーは採取 (一般的には「採乳」と称される) されている。尚、王台への移虫から 72 時間以上経過すると、幼虫は急成長し、王台中のローヤルゼリーは急激に消費されてしまう。 【0003】 【発明が解決しようとする課題乃至発明の背景】移虫後の幼虫に働き蜂から与えられるローヤルゼリーの化学成分・組成は移虫からの時間と共に変化が認められるものとされている。従って、王台に満杯状態になった時点で採取したローヤルゼリーと、満杯になる前に採取したローヤルゼリーとは成分・組成において微妙に異なり、ヒトが摂取した場合の生理作用においても差異が生じる可能性がある。 【0004】従って、本発明者等は採乳の時期別、産地別及び保存方法別における生ローヤルゼリーの生理作用に及ぼす差異を検討するために、ラットを実験動物として抗高温高湿ストレス性、抗疲労性及び抗酸化性について調べた結果、各生ローヤルゼリー間に有意差乃至これに近い差が認められ、斯くて本発明を完成するに至った。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の課題は、中華人民共和国産の蜜蜂の女王蜂幼虫が王台へ移虫してから約48 時間経過した時点で採乳し、次いで迅やかに冷凍保存することを特徴とする、ローヤルゼリーの採取・保存方法により解決されると共に、生理活性において従来のものよりも更に優れたローヤルゼリーを提供しようとする本発明の目的は、上記のような採取・保存方法により得られたものである生ローヤルゼリーにより達成される。 【0006】各個の王台から採乳してローヤルゼリーを集めた上で、冷凍設備のある施設に持ち寄る関係上、採乳から冷凍保存までの時間は特定が困難であるが、1 時間以内であるのが好ましい。 【0007】 【実施例に代える試験例】試験例[I] 被験ローヤルゼリー試料試料 A :中華人民共和国産ローヤルゼリーであって、王台への幼虫の移虫から 48 時間後に採乳し、1 時間以内に -18℃ に保たれた冷凍庫に入れて保存したもの。採乳時期を 48 時間に設定した場合に、ローヤルゼリーが王台中で占める量割合は約 60% である。 試料 B :中華人民共和国産ローヤルゼリーであって、王台への幼虫の移虫から 72 時間後に採乳し、1 時間以内に -18℃ に保たれた冷凍庫に入れて保存したもの。採乳時期を 72 時間に設定した場合に、王台はローヤルゼリーでほぼ満杯状態となっている。 試料 C :中華人民共和国産ローヤルゼリーであって、王台への幼虫の移虫から 48 時間後に採取し、40℃ の温度条件下で 10 日間放置した後に -18℃ に保たれた冷凍庫に入れて保存したもの。 試料 D :台湾産ローヤルゼリーであって、王台への幼虫の移虫から 48 時間後に採取し、冷凍保存されたもの。各試料は、冷凍庫から随時取り出され、解凍されて後記の試験に供される。 【0008】上記の 4 種類の試料中で、試料 A - C は中華人民共和国淅江省江山市在の養蜂場において 1997 年 9 月 25 - 28 日に採乳されたものであり、蜜蜂の種類は西洋ミツバチのイタリア種であり、主たる蜜源は五倍子及び緑茶である。 【0009】試料 D は某社より提供されたものであって、このローヤルゼリーを分泌した蜂の種類や蜜源は不明である。 【0010】[II] 実験動物標準モデル動物 :中華人民共和国軍事医学科学院実験動物中心 (国営実験動物バンク) から購入した 2 級 SD 系雄性ラットであり、実験開始時の平均体重は約 183g であった。 高温多湿ストレスモデル動物 :上記の国営実験動物バンクから購入した 1 級ウィスター系雄性ラットであって、実験開始時の平均体重は約 321g であった。 【0011】[III] 試験方法(1) 抗高温多湿ストレス評価試験と極限体力評価試験(A) 飼育条件とローヤルゼリーの投与方法高温多湿ストレスモデル用ラット 75 匹をランダムで 5 群に分け、1 群当り15 匹とした。温度が 32℃ に且つ湿度が 90% に維持された高温多湿環境の実験室内で、1 ケージ当り 3 - 4 匹の飼育密度とした。実験動物には標準固形飼料と清浄水を与え、これらは自由摂取とした。試験開始直前に体重を測定し、試験開始時の体重とした。体重測定は毎日 1 回行い、この体重測定後に試料 A、B、C 及び D の被験ローヤルゼリーをそれぞれ生理食塩水で 0.2g/ml の濃度に希釈した溶液を第 1 - 4 群の動物に 5ml/kg の投与量で経口的に強制投与した。残余の第 5 群は対照群とし、この群の動物にはローヤルゼリーを含有していない単なる生理食塩水を 5ml/kg の割合で経口的に強制投与した。飼育期間乃至被験試料の投与期間は連続 11 日間であった。 【0012】(B) 水泳試験試験開始から 11 日目における被験ローヤルゼリー溶液投与の 2 時間後に被験群及び対照群に関して水泳試験を実施した。即ち、水深 30cm であって水温が22 ± 1℃ の水槽にラットを投入し、最初の 10 分間の無動時間 (動かない状態を呈している時間の累積時間) を計測し、この無動時間を抗高温多湿ストレスの評価基準とする。 【0013】その後に各群から 6 匹のラットをランダムに選び、体重の 10% に相当する荷重を負荷し (錘の装着)、上記の水槽に投入して水泳させ、溺死するまでの極限水泳時間を計測して抗疲労性に関するラットの極限体力評価基準とする。 【0014】[IV] 脳組織の抗酸化性評価試験(A) 飼育条件と生ローヤルゼリーの投与方法標準モデル用ラット 60 匹をランダムで 5 群に分け、1 群当り 12 匹とした。温度が 24℃に且つ湿度が 65% に維持された無菌実験室内で、1 ケージ当り6 匹の飼育密度とした。実験動物には標準固形飼料と清浄水を与え、これらについては自由摂取とした。試験開始直前に体重を測定して試験開始時の体重とした。体重測定は毎日 1 回行い、この体重測定後に試料 A、B、C 及び D の被験ローヤルゼリーをそれぞれ生理食塩水で 0.2g/ml の濃度に希釈した溶液を第 1- 4 群の動物に 5ml/kg の投与量で経口的に強制投与した。残余の第 5 群は対照群とし、この群の動物にはローヤルゼリーを含有していない単なる生理食塩水を 5ml/kg の割合で経口的に強制投与した。飼育期間乃至被験試料の投与期間は連続 15 日間であった。 【0015】(B) 間脳中のマロンジアルデヒドの測定試験開始から 15 日目におけるローヤルゼリー投与の 2 時間後にラットを屠殺して間脳を摘出し、生理食塩水で洗浄した後に秤量した。次いで、間脳を鋏で砕片化し、氷冷下でホモジナイズすることにより 10% (W/V) の間脳組織懸濁液を得た。遠心処理して上清を採取し、硫酸とドデカタングストリン酸との混合液を添加して沈澱を析出させ、蒸留水で洗浄した後にチオバルビツル酸と反応させる。反応生成物を 1-ブチルアルコールにより抽出し、遠心処理により上清を採取し、分光蛍光法により脂肪の酸化生成物であるマロンジアルデヒドを測定した。 【0016】[V] 結果及び考察(1) 抗高温多湿ストレス評価試験と極限体力評価試験に関して :(A) 体重変化試験の前後における各被験群ラットの平均体重と体重変化率は下記の表 1 に示される通りであり、高温多湿条件下で各群ラットの体重は減少したが、各群間に有意の差は認められなかった。 【0017】 【表1】
【0018】(B) 水泳試験における無動時間水泳試験における無動時間の平均値は下記の表 2 に示されている通りであり、ローヤルゼリー投与群は 12.08 - 19.18 秒の範囲内であり、ローヤルゼリーを投与しなかった対照群の 42.92 秒と比較すると約 1/3.5 - 1/2 であり、ローヤルゼリーの投与によりラットの抗高温多湿ストレス性が有意に且つ著明に向上することが明らかになった。中華人民共和国産と台湾産のローヤルゼリーとを比較する場合には前者を投与した場合の無動時間が約 35% 短く、又中華人民共和国産のローヤルゼリーに関しては採乳時期と保存方法の差異に起因する有意差が認められなかった。 【0019】 【表2】
【0020】(C) 極限水泳時間荷重を負荷して行われた極限水泳時間の平均値は下記の表 3 に示される通りであり、ローヤルゼリー投与群間に産地別、採乳時期別及び保存方法の差に起因して抗疲労性において有意な差が認められた。殊に、中華人民共和国産であって、採乳後 1 時間以内に冷凍保存したローヤルゼリーである試料 A 及び B を投与した被験群は、それぞれ 48.2 分及び 35.7 分の長い極限水泳時間を示し、著明な抗疲労性を呈することが明らかになった。一方、台湾産のローヤルゼリーである試料 D を投与した被験群及び中華人民共和国産であるが、採乳後に高温(40℃) の条件下で比較的長期 (10 日間) にわたり放置した後に冷凍保存したローヤルゼリーである試料 C を投与した被験群は抗疲労性を示さなかった。 【0021】 【表3】
【0022】(2) 脳組織の抗酸化性評価試験に関して :(A) 体重変化試験の前後における各被験群ラットの平均体重と体重変化率は下記の表 4 に示される通りであり、各群において 50% 程度体重が増加したが、各群間に有意の差は認められなかった。 【0023】 【表4】
【0024】(B) 間脳中のマロンジアルデヒド含有量近年癌、糖尿病、血管障害 (脳卒中、心筋梗塞等)、老年性痴呆等の種々の成人病には体内に蓄積した過剰量の活性酸素が関与しているとの報告がなされている。即ち、活性酸素は体内の脂質と反応して過酸化脂質を形成し、これが種々の成人病を惹起する要因の 1 つと考えられるようになっているのである。尚、動物の老化は生命の維持の観点において脳全体から判断しても最も重要な部分である間脳の老化で始まるとも称されており、この老化は間脳細胞の酸化状態で示すことができる。脂肪が酸化される場合の最終生成物の 1 つはマロンジアルデヒドであり、従って既述の脳組織の抗酸化性評価試験は、ローヤルゼリーの投与により間脳中のマロンジアルデヒドの生成を抑制し得るか否か、更には一般的な老化を抑制し得るか否かを調べるために行われたものである。 【0025】各被験群ラットの間脳中におけるマロンジアルデヒド含有量の平均値は下記の表 5 に示されている通りであり、ローヤルゼリー投与群間に産地別、採乳時期別及び保存方法の差に起因して有意な差が認められた。殊に、中華人民共和国産であって、採乳後 1 時間以内に冷凍保存したローヤルゼリーである試料 A 及びB を投与したラットに関する値は、対照群の約 1/10 であり、著明な抗酸化性効果を示した。一方、台湾産の生ローヤルゼリーである試料 D 及び中華人民共和国産であるが、採乳後に高温 (40℃) の条件下で比較的長期 (10 日間) にわたり放置した後に冷凍保存したローヤルゼリーである試料 C は抗酸化作用を示さず、これらの結果は水泳試験により抗疲労作用を調べた結果 (極限体力評価試験結果) と一致している。 【0026】 【表5】
【0027】 【発明の効果】女王蜂幼虫が王台に移虫してから 68 - 72 時間で王台がローヤルゼリーで満たされるので、従来はこの時期に採乳が行われてきた。本発明においては、この採乳を移虫から約 48 時間後に行う。採乳時期が 48 時間後であるローヤルゼリーを投与したラットは、72 時間後に採乳したローヤルゼリーを投与したラットよりも抗疲労性及び脳組織の抗酸化性において優れている。従って、本発明は従来のものよりも生理作用において更に優れたローヤルゼリーを提供すると云う効果を有している。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000155506 【氏名又は名称】株式会社セラリカ野田
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| 【出願日】 |
平成10年9月1日(1998.9.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100063174 【弁理士】 【氏名又は名称】佐々木 功 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−69920(P2000−69920A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月7日(2000.3.7) |
| 【出願番号】 |
特願平10−247188 |
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