| 【発明の名称】 |
ゼリー状食品 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐々木 淳
【氏名】青木 美和
【氏名】塩谷 敏明
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】寒天及び結晶セルロースを配合し、好ましくはさらに適宜のキサンタンガムを加え、かつこれにローカストビーンガム又はグルコマンナンを配合し、加熱してゾル状物を形成した後、このゾル状物を冷却ゲル化し、凍結、解凍することによって得られる肉質緻密で石細胞状の組織を有するゼリー状食品。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 寒天及び結晶セルロースを配合し、加熱してゾル状物を形成した後、このゾル状物を冷却ゲル化し、凍結、解凍することを特徴とする肉質緻密で石細胞状の組織を有するゼリー状食品。 【請求項2】 寒天、結晶セルロース及びキサンタンガムに、さらにローカストビーンガム又はグルコマンナンを配合し、加熱してゾル状物を形成した後、このゾル状物を冷却ゲル化し、凍結、解凍することを特徴とする肉質緻密で石細胞状の組織を有するゼリー状食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、肉質緻密で石細胞状の組織を有し、リンゴや梨様の食感を呈する新規なゼリー状食品に関する。本発明のゼリー状食品は、極めてリンゴや梨と類似した風味と食感を有するので、これにより、季節や賞味期間を問わず、リンゴや梨様の風味と食感を味わうことができる。 【0002】 【従来の技術】果物の風味を付与して果肉に類似させたゼリー状食品は、果実と同様の風味を手軽に味わうことができるため、デザートとして広く用いられている。しかし、多くのゼリー状食品においては、単に果汁や香料等により果物の風味を付与したゲル化剤溶液を冷却することによってゲル化させたものに過ぎず、実際の果肉とはかけ離れた組織や食感を有するものが殆どである。そこで、果物の組織と食感にできるだけ類似させようとする工夫が種々試みられ、提案されている。例えば、果汁類、食用繊維物質及びゲル化剤を基質とする混合ゾル状物の凍結、解凍物から成る果肉状組織を有するゼリー状デザート食品(特開昭 57-189653号公報)や発酵乳、ゲル化剤及び2価金属塩のゾル状混合物を均質化した後、凍結、解凍することから成る果肉様テクスチャーを有するゼリー状食品の製造方法(特開昭 63-3768号公報)等である。これらのゼリー状食品は、滑らかで柔らかく多汁質であり、ピーチやブドウの食感に近いものである。 【0003】 【本発明が解決しようとする課題】このように、従来、ゼリー状食品における果肉状食感として、柔らかで滑らかなピーチやブドウ様のものは知られているが、リンゴや梨様のものを実現するに至っていない。リンゴや梨は肉質が緻密であることが特徴である。さらに、和梨は石細胞が多くざらざらした舌触りを、洋梨は石細胞が少なくねっとりとした舌触りを有している。梨の中でも、とりわけ洋梨は収穫期間も限定されており、また、収穫後7〜20日間の追熟も必要であり、店頭に並んでいるような追熟後の果実の賞味期間は非常に短い。このため、洋梨は高価な果物となっている。そこで、洋梨をはじめリンゴや梨様の食感を呈するゼリー状食品を提供することができるならば、いつでも手軽にリンゴや梨の風味と食感を味わうことができ、非常に付加価値が高いものとなる。本発明者らは、上記したように、肉質緻密で石細胞状の組織を有する新規なゼリー状食品を求めて鋭意研究を進めた結果、寒天及び結晶セルロースを配合し、加熱して形成させたゾル状物を冷却ゲル化した後、凍結、解凍することにより、肉質緻密で石細胞状の組織を有するゼリー状食品を得ることができることを見出した。また、寒天、結晶セルロース及びキサンタンガムにローカストビーンガム又はグルコマンナンを配合し、加熱して形成させたゾル状物を冷却ゲル化した後、凍結、解凍することにより、石細胞状の組織の形成がさらに顕著であるゼリー状食品を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。したがって、本発明は、寒天及び結晶セルロースを使用し、あるいは、寒天、結晶セルロース及びキサンタンガムにローカストビーンガム又はグルコマンナンを使用して、ゾル状物を形成させ、このゾル状物を冷却ゲル化した後、凍結、解凍するという技術を利用することにより、肉質緻密で石細胞状の組織を有し、リンゴや梨様の食感を呈するゼリー状食品を提供することを課題とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明では、肉質緻密で石細胞状の組織を有するゼリー状食品を得るために、寒天及び結晶セルロースを配合し、加熱して形成させたゾル状物を冷却ゲル化した後、凍結、解凍するという操作を行う。また、本発明では、石細胞状の組織の形成がさらに顕著であるゼリー状食品を得るために、寒天、結晶セルロース及びキサンタンガムにローカストビーンガム又はグルコマンナンを配合し、加熱して形成させたゾル状物を冷却ゲル化した後、凍結、解凍するという操作を行う。このようにして、肉質緻密で石細胞状の組織を有し、リンゴや梨様の食感を呈するゼリー状食品を提供することができ、ゼリー状食品における商品の多様化を図ることができる。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明の肉質緻密で石細胞状の組織を有するゼリー状食品は、以下のようにして製造することができる。まず、寒天及び結晶セルロースに水を加えて撹拌し、加熱溶解した後、均質化してゾル状物を調製する。本発明で使用する寒天は、オゴノリ (Gracilaria verrucosa)、マクサ (Gelidium amansil)、オバクサ(Pterocladia capillacea) 等を原料として製造されたものであれば、その化学的組成に関係無く、いずれの寒天でも使用することができる。寒天は、1,3位で結合したβ−D−ガラクトースピラノースと1,4位で結合した3,6−アンヒドロ−α−L−ガラクトースピラノースを繰り返し単位とするアガロース、及びアガロース以外のイオン性多糖類であるアガロペクチンからなる複合物質である。寒天の濃度は 0.5〜 2.0重量%程度が好ましい。寒天の濃度が 0.5重量%未満であると肉質の緻密感がなく、寒天の濃度が 2.0重量%を超えると肉質の緻密感が高くなり過ぎる。 【0006】本発明で使用する結晶セルロースは、植物のパルプ繊維を原料とし、そのセルロース結晶領域を取り出して精製したものである。結晶セルロースの濃度は 0.1〜 0.5重量%程度が好ましい。結晶セルロースの濃度が 0.1重量%未満であったり、 0.5重量%を超えたりすると石細胞状の組織は弱まる。また、結晶セルロースの平均粒子径は3〜10μm が好ましく、平均粒子径の大きい結晶セルロースを使用することにより、さらに石細胞状の組織の形成を顕著にすることができる。本発明では、このようにして調製したゾル状物に、果汁類や香料、あるいは、甘味料や酸味調整剤等の風味物質を配合し、ゼリー状食品の嗜好性の向上を図ることができる。本発明で使用する果汁類や香料としては、本発明のゼリー状食品の食感に相応しいリンゴや梨等の果汁や香料が好適である。なお、これらの果汁類や香料は、人工的に調製したものであっても良く、目的とする最終製品のゼリー状食品の嗜好性にあわせて適宜選択すれば良い。また、本発明で使用する酸味調整剤としては、クエン酸、乳酸、リンゴ酸等の有機酸が好適であるが、天然果汁を酸味調整剤として使用することもできる。これらの酸味調整剤により、ゾル状物のpHを 3.0〜 7.0の範囲に調整することが好ましい。さらに、蔗糖、果糖、水飴等の糖類、あるいは、人工甘味料等を配合して甘味を付与しても良いし、着色料を添加して色彩を強調し、果肉により近似させることもできる。 【0007】次に、調製したゾル状物を適当な容器に充填して冷却ゲル化させ、さらに、−10〜−40℃程度の温度、好ましくは、−15〜−25℃の温度で3時間以上凍結した後、0〜40℃の雰囲気下で解凍することにより、本発明の肉質緻密で石細胞状の組織を有するゼリー状食品を製造することができる。このとき、ゲル化物の凍結温度が−10℃より高いと、過冷却の状態となり、組織がすり下ろし状となって石細胞状の組織とはならなくなる。また、ゲル化物の凍結温度が−40℃より低くなると、組織が細かくなり過ぎて同様に石細胞状の組織とはならなくなるので、ゲル化物を凍結する際には十分な注意を要する。また、本発明では、寒天、結晶セルロース及びキサンタンガムに、ローカストビーンガム又はグルコマンナンを加えて調製したゾル状物について、上記したと同様にして、冷却ゲル化した後、凍結、解凍することにより、さらに石細胞状の組織の形成を顕著にすることができ、和梨により近い食感を呈するゼリー状食品を製造することができる。用いるキサンタンガム、ローカストビーンガム、グルコマンナンの濃度は、それぞれ0.05〜 0.2重量%程度が好ましく、0.05重量%未満では顕著な効果が得られず、 0.2重量%を超えると肉質の緻密感がなくなってしまう。次に、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。 【0008】 【実施例1】表1に示した組成の溶液 (比較品及び本発明品1〜5)を撹拌し、加熱して溶解した後、均質化してゾル状物を調製した。なお、結晶セルロースについては、平均粒子経10μm のものを使用した。 【0009】 【表1】 ──────────────────────────────────── 本発明品 比較品 ─────────────── 1 2 3 4 5──────────────────────────────────── 寒天 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 結晶セルロース 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 異性化糖 18.0 18.0 18.0 18.0 18.0 18.0 1/5濃縮リンゴ果汁 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0 クエン酸 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 リン酸水素2カリウム 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 水 75.7 75.6 75.5 75.4 75.3 75.2──────────────────────────────────── (単位:重量%) 【0010】次に、このゾル状物110gをカップ状容器に分注し、冷却ゲル化させ、−20℃で10時間凍結した後、室温下で解凍して、ゼリー状食品を製造した。得られた各ゼリー状食品の組織について、専門のパネラーによる官能評価を実施した。結果を表2に示す。 【0011】 【表2】
+は、石細胞状の組織の強弱を示しており、++++が最高の状態である。−は、石細胞状の組織が形成されていないことを示す。 【0012】表2によれば、結晶セルロースを配合することにより、石細胞状の組織が形成され、結晶セルロースの配合量が増加するに従って石細胞状の組織の形成が顕著となるが、結晶セルロースの配合量が 0.4重量%前後でピークとなり、それ以上の結晶セルロースの配合量になると石細胞状の組織の形成が弱まることが判った。石細胞状の組織が弱ければ、リンゴや洋梨様の食感で、石細胞状の組織が強ければ、和梨様の食感のゼリー状食品を得ることができた。 【0013】 【実施例2】平均粒子径が3μm の結晶セルロースを使用する以外は実施例1に示したのと同様にして、結晶セルロースの配合量が 0.4重量%のゼリー状食品を製造した。得られたゼリー状食品の石細胞状の組織の形成について、専門のパネラーによる官能評価を実施した。結果を表3に示す。 【0014】 【表3】 ─────────────────────────────── 石細胞状の組織─────────────────────────────── 平均粒子径3μm の結晶セルロースを使用 ++─────────────────────────────── +は、石細胞状の組織の強弱を示しており、++++が最高の状態である。表3の結果によれば、結晶セルロースの平均粒子径を選択することにより、石細胞状の組織の形成状態を調整できることが判った。 【0015】 【実施例3】表4に示した組成の溶液(本発明品6〜7)を調製し、実施例1に示したのと同様にして、ゼリー状食品を製造した。各ゼリー状食品の石細胞状の組織の形成について、専門のパネラーによる官能評価を実施した。結果を表5に示す。 【0016】 【表4】 ───────────────────────────── 本発明品6 本発明品7───────────────────────────── 寒天 0.8 0.8 結晶セルロース 0.4 0.4 キサンタンガム 0.15 0.15 ローカストビーンガム 0.15 − グルコマンナン − 0.15 異性化糖 17.7 17.7 1/5濃縮リンゴ果汁 5.0 5.0 クエン酸 0.3 0.3 リン酸水素2カリウム 0.2 0.2 水 75.6 75.6───────────────────────────── (単位:重量%) 【0017】 【表5】
+は、石細胞状の組織の強弱を示しており、++++が最高の状態である。 【0018】これによると、寒天及び結晶セルロースに加えて、キサンタンガム及びローカストビーンガム、あるいはキサンタンガム及びグルコマンナンを配合することにより、石細胞状の組織の形成が強まっており、より和梨に近い食感となることが判った。 【0019】 【発明の効果】寒天及び結晶セルロースを配合し、あるいは寒天、結晶セルロース及びキサンタンガムに加えてローカストビーンガム又はグルコマンナンを配合し、これを加熱溶解して調製したゾル状物を冷却ゲル化した後、凍結し、解凍することにより、肉質が緻密で石細胞状の組織を有するゼリー状食品を提供することができる。そして、このゼリー状食品は、石細胞状組織の強弱を調整することにより、リンゴもしくは梨様の風味と食感を有するようにすることができる。これにより、季節や賞味期間を問わず、リンゴや梨様の風味と食感を味わうことができるという利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006699 【氏名又は名称】雪印乳業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年8月31日(1998.8.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105061 【弁理士】 【氏名又は名称】児玉 喜博
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| 【公開番号】 |
特開2000−69917(P2000−69917A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月7日(2000.3.7) |
| 【出願番号】 |
特願平10−244799 |
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