| 【発明の名称】 |
添加用高濃度ミネラル溶液の組成及びその製法 |
| 【発明者】 |
【氏名】野呂 幾夫
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| 【要約】 |
【課題】大量の高度純水への適量ミネラルの瞬時添加が可能で、安全でおいしく健康に良い安定性に優れた飲料水用添加剤の開発。
【解決手段】食品添加物であるCa、Mg、Na、Kの塩化物を精製水等に特定割合で溶解、熟成あるいは調製処理後固形分を分離し、特定組成を有する高濃度ミネラル溶液の調製。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムを水に特定割合で溶解、熟成または天然鉱物や焼成セラミックスにより処理後、固形分を分離し製造(請求項2、3)され、組成がMg:Ca:Na:K=1:10〜25:1.0〜4.0:1.5〜3.0、Mg=600〜6000mg/lであり、かつ必須微量ミネラル(B、Si、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、S n、Iなど)を微量含有し、水に1/1000〜1/5000の割合で添加し使用することを特徴とする高濃度ミネラル溶液。 【請求項2】有害物質の含有率が極めて少なく高純度あるいは食品添加物である塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムを純度100%化合物に換算し MgCl2:CaCl2:NaCl:KCl=1:4〜10:0.3〜1.1:0.3〜0.6、MgCl2=30〜57g、H2O=1000mlの 割合で混合溶解すること特徴とする高濃度ミネラル原液の製法。 【請求項3】請求項2で調製された高濃度ミネラル原液を熟成あるいは吸着、ミネラル溶出特性を有する天然鉱物や焼成セラミックスで調整処理後固形分を分離し製造することを特徴とする製法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明に属する技術分野】本発明は飲料用だけでなく食品加工用、植物育成用、動物飼育用等にも使用可能な安全でおいしく健康に良い有用な水を調製するための添加用高濃度ミネラル溶液に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、ミネラルの添加は浄水機や整水機において水道水の活性炭、ゼオライトなどによる吸着やろ過処理後の低純度浄水へのミネラル補給を主目的としており、技術的には麦飯石、コーラルサンド等の天然鉱石や焼成セラミックスなど固形物からの溶出が主流であり、溶出を促進する方法として、電解後の酸性水を利用するもの、超音波照射によるもの、曝気によるもの、循環によるものなどがある(例えば特開平7ー265873、特開平8ー299969、特開平9ー29286、特開平9ー248574、特開平9ー271777など)が、固形物からのミネラルの溶出速度には限界があり大量の水処理ではミネラル含有率は低下せざるを得ない。 【0003】また、液状のミネラル添加剤には炊飯用などに適した低濃度のものがあり、公報にもわずかに低濃度ミネラル溶液およびその製法(特開平5ー192666、特開平7ー265860など)が見られるのみであり、飲料水調製用に適したものは存在しない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】近年日本においても水環境が激変し環境ホルモンやダイオキシンによる汚染(環境技術 VOL.26 NO.1 P25 ’97、環境技術 VOL.27NO.7 P29 ’98)が明らかになり、水質の悪化による人体への影響が危惧されている。また夏期渇水期の水不足時や地震などの災害による断水時などに貯留水の利用が考えられているが、いずれのケースにおいても分子あるいはイオンレベルでの分離が必要不可欠である。 【0005】分子あるいはイオンレベルでの高度な分離技術は活性炭、ゼオライト、イオン交換樹脂などによる吸着及び中空糸膜による逆浸透ろ過などの組み合わせによりほぼ完成されているが、これにより得られる高度純水にはミネラル含有率が極度に低く飲料用、動物飼育用、植物生育用として適さず、ミネラルの添加が重要な課題となる。 【0006】飲料水へのミネラルの添加については従来の技術において述べた様に浄化後の水道水への固形物)からの溶出が主流で、ミネラル補添が主目的で高度純水への利用には設備が大きくなり非常に費用が掛かり不適であり、また液状のミネラル添加剤においても同様適したものは無く、新規な添加剤が必要とされている。高度純水への添加剤に求められる性質は、瞬時に適量添加可能で大量の水処理が可能となり、更に調製された水がおいしく、健康によいものとなる。しかも安全性、安定性が高い。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は機能性、安全性、安定性に優れた新規なミネラル添加剤を提供しようとするものであり、瞬時に添加出来、大量の水処理を可能にするには液体でしかも5000倍程度に希釈出来る必要がある。又飲料用であるから、添加後の水がおいしく、必須ミネラルを適量含有し、有害元素の含有率が低く安全性が高く、そして長期間保存可能で特に温度変化に対し安定な物であることが必要となる。 【0008】おいしい水とは厚生省、おいしい水研究会(水の百科事典 高橋裕等 P140 ’97 丸善)によると硬度=10〜100mg/l、蒸発残留物=30〜200mg/l、残留塩素≦0.4mg/l 、おいしさ指標(O−index)=(Ca+K+SiO2)/Mg>2.0、健康指標(K−index)=(Ca−0.87Na)>5.0であり、天然水(市販のミネラルウォーター)の組成(表1)についてみるとO−indexは上記条件によく一致しており組成はおおむねMg:Ca:Na:K=1:7〜15:2.8〜20:0.8〜6、Mg=1.2〜2.8mg/lである。 【0009】 【表1】
【0010】しかし、ほとんどの天然水がK−indexについては満足しておらず、これはNaの組成比 が大きすぎるためであるが、日本人のミネラル摂取量(日本人の栄養所要量 厚生省保険医療局健康増進栄養課監修 P93 ’94 第一出版)はCa:摂取不足、Mg、K:適量摂取、Na:摂取過多であり、Caの組成比を上げ、Naの組成比は下げることが望ましい。Ca濃度はCaCl2の溶解度(34.8)を考慮し10mg/l以上 25m g/l以下とし、Na濃度はK−indexより算出すると5.5mg/l以下となる。また K濃度に関しては有効な指標は無いがNa:Kバランスを天然水の組成(表1)から見るとNa:K=1:0.31〜0.57であるから、おいしく健康によい水の組成はMg:Ca:Na:K=1:10〜25:2.8〜5.5:1.7〜3.1、Mg=1.2〜2.8mg/lとなる。 【0011】安全面から見れば食品添加物(第六版食品添加物公定書 谷村顕雄 ’92廣川書店)を原料とすべきであり、Mg、Ca、Na、Kの塩について調査した結果、塩化物が最適であることが明らかになった。上記組成におけるCl濃度は21.8〜59.7となり、水道法による水質基準では200mg/lであるが、おいしい水の指標では0.4mg/l以下であるから、Cl濃度を低減することが望ましくNa、K及びMg濃度を再補正し、おいしく健康によい水の組成はMg:Ca:Na:K=1:10〜25:1.0〜4.0:1.5〜3.0、Mg=0.6〜1.2mg/lとなる。 【0012】また、必須微量ミネラルは健康上重要な成分であり含有することが望ましく、食品添加物を原料として使用した場合、その純度はCaCl2で70%以上、MgCl2で95%以上であり、不純物が多く、この不純物中には必須ミネラルが含まれている。しかし高純度原料を使用する場合は必須ミネラルの添加が必要である。 【0013】したがって、例えば1/5000希釈可能なおいしく健康によい水を調整するための高濃度ミネラル溶液の組成はMg:Ca:Na:K=1:10〜25:1.0〜4.0:1.5〜3.0、Mg=3000〜6000mg/lであり、かつ必須微量ミネラル(B、Si、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Sn、Iなど)を微量含有する。好ましくは、Mg:Ca:Na:K=1:15〜25:2.0〜4.0:2.0、Mg=3000〜4000mg/lであり、かつ必須微量ミネラル(B、Si、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Sn、 Iなど)を微量含有することを見いだし請求項1の発明とした。尚、1/1000希釈の場合はMg=600〜800mg/lとなる。 【0014】請求項2、3の発明は高濃度ミネラル原液及び高濃度ミネラル溶液の製造に関するものである。例えば1/5000希釈可能な高濃度ミネラル溶液は原料塩化物(MgCl2、CaCl2、NaCl、KCl;結晶水は記載せず)及び水を純度100%化合物に換算しMgCl2:CaCl2:NaCl:KCl=1:4〜10:0.3〜1.1:0.3〜0.6、MgCl2=30〜57g、H2O=1000ml、好 ましくはMgCl2:CaCl2:NaCl:KCl=1:6〜10:0.6〜1.1:0.4、MgCl2=30〜38g、H2O=1000mlの割合で混合溶解し高濃度ミネラル原液を調製する。この原液を静置熟成(1日以上)又は吸着、ミネラル溶出性に優れた麦飯石、コーラルサンドなどのような天然鉱物あるいは焼成セラミックスによる調整処理後、固形物を分離し製造する。 【0015】原料塩化物は食品添加物が最適であるが、有害元素(Hg、As、Pb、Ce、Cd、Cr)の含有率が極めて低くかつ不純物の含有率が0.5%以下の高純度のものでも良く、水は精製水が最適であるが、水道水あるいは、飲料に適した地下水でも可である。 【0016】混合溶解は水に順次CaCl2、MgCl2、NaCl、KClを加え各々攪はん溶解するが、反応は発熱反応であるから、水などにより、冷却することが望ましい。又 熟成は連続あるいは間欠的にゆっくりと攪はん後24時間以上静置するか、1日以上静置後激しく攪はんし24時間以上静置する。天然鉱物あるいは 焼成セラミックスによる調整処理は有害元素、塩素及び必須微量ミネラルの含有量を調整することが目的であり、麦飯石、コーラルサンドなどの吸着又は、ミネラル溶出特性を有する天然鉱物や焼成セラミックスを単独か、混合して用い、その使用量は種類により異なるが10〜20%が適している。調整処理は塩化物を混合溶解した高濃度ミネラル原液を天然鉱物、焼成セラミックス中を循環するか、高濃度ミネラル原液中に天然鉱物、焼成セラミックスを浸漬し、1日以上ゆっくりカクハンする。 【0017】固形分の分離には ろ過や遠心分離(3000RPM.20分)あるいは連続遠心分離などの方法がある。ろ過は1μ〜0.5μのフィルターを用いた加圧ろ過が良く、沈降成分の成長を促すために数時間静置後ろ過するほうが望ましい。その他の方法として24時間以上静置し、上澄を分取することも可能である。 【0018】 【発明の実施形態】次に本発明の実施例をあげるが、本発明は下記の実施例に限定されるものでは無い。尚、以下の実施例において使用する塩化物の純度は食品添加物の場合CaCl2:74.8%、MgCl2:99.5%、NaCl:99.8%、KCl:99.8%、高純度塩化物の場合CaCl2:99.9%、MgCl2:99.9%、NaCl:99.9%、KCl:99.9%である。 【0019】又、以下の実施例において用いる試験方法は次に記すとおりである。a)官能試験:味覚試験は試験官9名が水道水(三重県多気郡明和町水道水)と比較し、非常においしい=5点、おいしい=4点、変わらない=3点、まずい=2点、非常にまずい=1点の5段階評価を行い、それぞれに点数を付与し、合計点数により判定、次のように表示した。◎;41点以上、○;36〜40点、□;31〜35点、△;26〜30点、×;25点以下。 【0020】また、嗅覚試験は試験官9名の合議により判定した。b)原子吸光:硝酸酸性(0.5M)下、フレーム法で外部標準により測定した。c)icp:Li、Y、Ce、Tlの10ppb標準液により補正し、半定量方式で測定した。c)その他試験:上水試験法(JISーK0101)により行った。 【0021】 【実施例1】食品添加物及び有害元素の含有率が極めて小さい高純度塩化物を様々な割合で精製水にCaCl2、MgCl2、NaCl、KClの順に各々攪はんしつつ混合溶解し、さらに1時間攪はん、24時間静置熟成、遠心分離(3000RPM、20分)後上澄を分取し高濃度ミネラル溶液を調製した。この溶液を1/5000に希釈し試料とした。 【0022】この試料についてPH、蒸発残留物、Mg、Ca、Na、K濃度(原子吸光)及び味・臭気(官能試験)について試験を行った。結果は表2、3に示すとおり、原料が食品添加物の場合は高純度塩化物に比べおいしさの領域が狭まるが、Mg:Ca:Na:K=1:10〜25:1.0〜4.0:1.5〜3.0、Mg=3000〜6000mg/l、好ましくはMg:Ca:Na:K=1:15〜25:2.0〜4.0:2.0、Mg=3000〜4000mg/lの組成の高濃度ミネラル溶液では水道水に比しおいしい水の調製が可能で あり、有用な飲料水用添加剤であることが確認された。 【0023】 【表2】
【0024】 【表3】
【0025】 【実施例2】食品添加物であるCaCl2(440g)、MgCl2(33g)、KCl(11g)を正確に秤量し、精製水(1000ml)に順次攪はんしつつ加え溶解後さらに1時間攪はんし、24時間静置熟成、遠心分離した後上澄みを分取、高濃度ミネラル溶液を調製した。この溶液を1/5000に希釈し試料とした。 【0026】この試料について水道法に定める基準項目の内重金属、無機物質、性状(上水試験法)及び必須微量ミネラル(icp)を測定した結果(表4)、基準項目は全て水質基準値を十分満たしており、必須微量ミネラル濃度は水道水のそれに比し48〜177%の割合で含有されており、おいしく健康に良い水であることが判明し、食品添加物を原料とした高濃度ミネラル溶液はおいしく健康に良い水の調製用添加剤として非常に有用であることが確認された。 【0027】また、性状の安定性試験を密封可能なガラス容器に高濃度ミネラル溶液を封入し5検体づつフリーザー(−20℃)及び恒温槽(+45℃)にて2週間保管後Ca、Mg、Na、K濃度、蒸発残留物、性状(氷結の有無、析出の有無、色・臭いの異常の有無)の測定試験により行ったところ濃度、蒸発残留物、性状の変化は認められず、高濃度ミネラル溶液は安定性に優れていることが確認された。 【0028】 【表4】
【0029】 【実施例3】食品添加物であるCaCl2(440g)、MgCl2(33g)、KCl(11g)を正確に秤量し、精製水(1000ml)に順次攪はんしつつ加え溶解後さらに1時間攪はんし、正確に500mlずつに分け比較例及び実施例とした。比較例は24時間静置熟成、遠心分離後上澄みを分取し、実施例は麦飯石(100g)を浸漬し24時間ゆっくりと攪はんした後、比較例と同様に熟成、遠心分離後上澄みを分取調製した。比較例、実施例とも1/5000に希釈後必須ミネラル、有害元素(icp)の調整処理による変化を測定した結果(表5)、比較例と比し増減に明確な有意差が認められる元素はPb(−95%)、Al(−93%)、Cu(−91%)、Na(+50%)、Ca(+47%)であり、有害とされるPbの含有率著しく低減しCa、Naのそれがやや増加し、食品添加物を原料とした高濃度ミネラル溶液の調製において麦飯石はその吸着特性が安全性を高める方向に作用している。麦飯石などの吸着、ミネラル溶出特性を有する天然鉱物、焼成セラミックスによる調製処理はより安全性の高いおいしく健康に良い添加用高濃度ミネラル溶液の製造上、非常に有益な製法であることが明らかである。 【0030】 【表5】
【0031】 【発明の効果】本発明の高濃度ミネラル溶液は高度純水をはじめ浄水へ瞬時に添加出来、大量の水処理を可能とし、調製された水は必須ミネラルを適量含有しおいしく健康によく、飲料水添加剤として機能性、安全性、安定性に優れており、安全でおいしい大量の飲料水の供給を可能にする。
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| 【出願人】 |
【識別番号】397059227 【氏名又は名称】荻原 文武 【識別番号】593183698 【氏名又は名称】株式会社西尾 【識別番号】597156409 【氏名又は名称】野呂 幾夫
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| 【出願日】 |
平成10年8月21日(1998.8.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−60506(P2000−60506A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月29日(2000.2.29) |
| 【出願番号】 |
特願平10−235752 |
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