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【発明の名称】 お好み焼きの製造方法
【発明者】 【氏名】古瀬 俊雄

【氏名】甲斐 達男

【氏名】山本 征児

【要約】 【課題】冷凍後、または、冷蔵後、あるいは常温に置いた後に電子レンジ、オーブン等で再加熱しても、食感、風味共に良好なお好み焼きを得る。

【解決手段】お好み焼き生地を油ちょう処理すること、または、スチームをかけた後に油ちょう処理することを特徴とする製造方法を用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】お好み焼き生地を油ちょう処理することを特徴とするお好み焼きの製造方法。
【請求項2】お好み焼き生地をスチーム処理後、油ちょう処理することを特徴とする請求項1記載のお好み焼きの製造方法。
【請求項3】油ちょう処理を160〜185℃で行なうことを特徴とする請求項1記載のお好み焼きの製造方法。
【請求項4】スチーム処理を70〜100℃、油ちょう処理を160〜185℃で行なうことを特徴とする請求項2記載のお好み焼きの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、お好み焼き生地を油ちょう処理すること、または、スチーム処理後、油ちょう処理することを特徴とするお好み焼きの製造方法に関する。すなわち、小麦粉、食塩、調味料等またはこれらのプレミックスと卵、水を混合したバッターに野菜類、畜肉類、魚介類、揚げ玉等の具材を混合して調製したお好み焼き生地を、油ちょう処理すること、または、スチーム処理後、油ちょう処理することを特徴としたお好み焼きの製造方法に関する。さらに、油ちょう後の製品を冷凍、または、冷蔵あるいは常温に置いたものを再加熱する際に、電子レンジ、オーブンなどの加熱手段を利用しても良好な食感と風香味を有するお好み焼きの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、消費者の簡便志向、本物志向により、調理済の冷凍品、または冷蔵品、あるいは、常温保管品を電子レンジ等で再加熱して簡単に食べられ、しかも、食感、風味共に優れているお好み焼きが求められるようになってきた。一般に、お好み焼きは、小麦粉、食塩、調味料、卵、水等と、野菜類、畜肉類、魚介類、揚げ玉等の具材からなり、加熱処理方法としては、従来から、フライパンやホットプレート或いは鉄板を用いて加熱焼成されて来た。このようにして製造されたお好み焼きは冷凍後、または、冷蔵後、あるいは常温に置いた後、電子レンジ、オーブン等の加熱手段を利用して再加熱した場合、食感がべとつく、芳ばしい香りが減少する、新鮮な味わいが減少する、傾向にあり、消費者のニーズには未だ十分応えられていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、冷凍後、または、冷蔵後、あるいは常温に置いた後に電子レンジ、オーブン等で再加熱しても、食感、風味共に良好なお好み焼きを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するためにお好み焼きの製造方法に着目し、鋭意研究した結果、本発明を完成した。即ち本発明は、小麦粉、食塩、調味料等またはこれらのプレミックスと卵、及び、水を混合したバッターに、野菜類、畜肉類、魚介類、揚げ玉等の具材を混合して調製したお好み焼き生地を、油ちょう処理すること、または、スチームをかけた後に油ちょう処理することで、冷凍後、または、冷蔵後、あるいは常温に置いた後に電子レンジ等で再加熱する際の前項記載の諸問題を解決出来、良好なお好み焼きが製造出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明においてお好み焼きとは、小麦粉、食塩、調味料等またはこれらのプレミックスと卵、及び、水を混合し調製したバッターに野菜類、畜肉類、魚介類、揚げ玉等の具材を混合してお好み焼き生地を調製し、加熱焼成したもの、あるいは油ちょう処理したものを言う。
【0006】本発明における小麦粉は、お好み焼きに通常用いられているものであればいずれでもよい。薄力粉、中力粉が特に良いが、他の強力粉が一部入ってもよい。
【0007】調味料についても、一般にお好み焼きに用いられている調味料であるならば、種類を問わず利用可能である。例えばかつお節、コンブ、煮干し等の天然調味料がある。エキス、粉末など形態を問わず使用出来る。また、グルタミン酸ソーダ、イノシン酸ソーダ等の化学調味料ももちろん使用出来る。
【0008】具材としては、野菜類、畜肉類、魚介類、揚げ玉等が挙げられるが、揚げ玉についても、一般に揚げ玉といっている、てんぷらの揚げかすであれば、種類、形状を問わず利用可能である。
【009】お好み焼き生地とは、通常、お好み焼きの材料として使用される、小麦粉、食塩、調味料等またはこれらのプレミックスと卵、及び、水を混合したバッターに野菜類、畜肉類、魚介類、揚げ玉等の具材を混合して調製したものを言う。添加の順番、混合方法は問わない。必要に応じて、膨張剤、澱粉類、砂糖などの糖類、香辛料、山芋類、油脂類、増粘剤、乳化剤等を使用しても何ら効果に支障を来たさない。
【0010】また、ここでいうプレミックスとは、小麦粉、食塩、調味料、その他必要に応じて膨張剤、澱粉類、砂糖などの糖類、香辛料、山芋類、油脂類、増粘剤、乳化剤等があらかじめ混合調製されたものをいう。これらプレミックスを一部、あるいは全面的に使用しても全く構わない。
【0011】必要に応じて用いる膨張剤は、一般にお好み焼きに用いられている膨張剤であるならば、種類を問わず利用可能である。更に、澱粉類としては、澱粉であれば種類を問わず使用出来、また、加工の形態は、未処理、α化処理、その他の化学的、物理的処理を問わず使用出来る。
【0012】以下に、本発明の製造方法について説明する。まず、小麦粉、食塩、調味料、卵、水等を混合する。混合機への原料の投入の順序などは特に問わない。混合機としては、例えば製パン製菓用の竪型ミキサー(ホイッパー、ビーター等の歯型を使用)、ハンドミキサー、バッターミキサー等が挙げられる。均一に混合出来れば、混合機の種類は問わない。調製したバッターに、野菜類、畜肉類、魚介類、揚げ玉等の具材を混合し、お好み焼き生地を得る。
【0013】次に、油ちょう処理を行なう。油ちょう装置についても特に問わない。また、油ちょう迄の生産には特殊な専用ラインは必要なく、既存のかき揚げの製造ラインで製造出来る。油ちょうする生地の重量が20〜200g、好ましくは50〜150gである時、油ちょうの時間は1〜3分間でよい。油ちょう後、必要に応じて冷凍、冷蔵、常温に保管する。
【0014】また、油ちょう前に、生地にスチームをかけると、電子レンジで再加熱後の食感が、鉄板焼き直後のものにより近くなる。スチーム処理条件は、一般に使われているスチームを使えば、70〜100℃で3〜40分間、好ましくは、80〜90℃で15〜25分間でよい。スチーム処理した際の油ちょうの条件は、160〜185℃で20秒〜3分間、好ましい条件は170〜180℃で40〜80秒間である。
【0015】以上の工程を経て得られたお好み焼きを、冷凍後、または、冷蔵後、あるいは常温に置いた後に電子レンジ、オーブン等で再加熱しても、通常の製造方法、即ち鉄板焼したものを再加熱した場合に比べて、食感がべとつかず、香りが芳ばしい、新鮮な味わいのものが得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。
【0017】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【0018】実施例1重量部で小麦粉100に対し、膨張剤1、食塩1.5、かつお節粉末1、コンブ粉末0.5、卵50、水100を加えて、竪型混合機で均一になるまで混合する。これに、キャベツ120、ネギ15、紅ショウガ6、豚肉25、イカゲソ20、むきエビ20の具材を添加混合した。得られた生地100gをかき揚げ用の枠型に投入し円盤状に成型した。これを175℃に加熱したサラダ油に入れ、2分間、油ちょうした。次に、−20度で7日間冷凍保存後、600W出力の電子レンジで、1枚当り3分間の再加熱処理をした。
【0019】比較例1実施例1の製造工程に沿って円盤状に成型後、175℃に加熱した鉄板で7分間焼成後、反転して、更に4分間焼成した。次に、−20℃で7日間冷凍保存後、600W出力の電子レンジで、1枚当り3分間の再加熱処理をした。
【0020】実施例2重量部で、市販のお好み焼き用プレミックス(鳥越製粉(株)製 G−13)100に対し、卵50、水100を加えて、竪型混合機で均一になるまで混合した。以下、野菜、畜肉、魚介類を加える以降は、実施例1と同様にして行なった。但し、油ちょう後は5℃で2日間冷蔵保存の後、600W出力の電子レンジで、1枚当り2分30秒間の再加熱処理をした。
【0021】比較例2油ちょう処理の温度が150℃である以外は、実施例2と同様な方法で製造した。
【0022】上記実施例1、2、比較例1、2の各お好み焼き製品を、10名の専門パネラーが評価した。尚、お好み焼き製品のボリューム、食感、味、香りの評価は、表1〜4に示した基準に従って、10名の専門パネラーにより点数評価し、その平均値を採った。評価結果は、表5に示す。
【0023】
【表1】

【0024】
【表2】

【0025】
【表3】

【0026】
【表4】

【0027】
【表5】

【0028】表5の結果から、実施例1、2は、いずれも比較例1、2よりも食感がべとつかないことが分かる。また、実施例1、2は、いずれも比較例1、2に比べて、香りが芳ばしく、新鮮な味わいがあり、香り、味ともに優れていた。また、製品ボリュームも大きかった。
【0029】実施例3油ちょう処理の前に90℃のスチームで15分間処理する以外は、実施例1と同様な方法で製造した。
【0030】比較例3175℃に加熱した鉄板による処理の前に90℃のスチームで15分間処理する以外は、比較例1と同様な方法で製造した。
【0031】実施例4油ちょう処理の前に80℃のスチームで25分間処理する以外は、実施例2と同様な方法で製造した。
【0032】比較例4油ちょう処理の前に80℃のスチームで25分間処理する以外は、比較例2と同様な方法で製造した。
【0033】実施例3、4、比較例3、4の各お好み焼き製品を評価した結果を、表6に示す。
【0034】
【表6】

【0035】表5、6の結果から実施例1〜4は、比較例1〜4に対して、いずれも製品の食感が良く、製品の香り、味ともに優れていることが分かる。また、製品のボリュームも、同等以上であった。
【0036】
【発明の効果】本発明のお好み焼きの製造方法を用いることで、従来の技術では困難とされていた、冷凍、または、冷蔵あるいは常温に置いたものを再加熱する際に、電子レンジ、オーブンなどの加熱手段を利用しても良好な食感と風香味を有するお好み焼きを製造することが可能となった。すなわち、これによって、「調理済の冷凍品、または、冷蔵品、あるいは、常温保管品を電子レンジ等で再加熱して簡単に食べられ、しかも、食感、風味共に優れているお好み焼きを食べたい」と言う消費者のニーズに十分に応えることが出来るようになった。
【出願人】 【識別番号】592019947
【氏名又は名称】鳥越製粉株式会社
【出願日】 平成10年8月25日(1998.8.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−60504(P2000−60504A)
【公開日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【出願番号】 特願平10−280441