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【発明の名称】 個食対応型電子レンジ専用具入り冷凍スープベース
【発明者】 【氏名】寿命 亜也子

【氏名】江原 司

【氏名】水谷 優

【要約】 【課題】1ステップ解凍可能な調理簡便性の優れた個食対応型電子レンジ専用具入り冷凍スープベースの提供。

【解決手段】製品中60%以上の固形具(具材)を含みかつ製品の濃縮度が3.5倍以上であることを特徴とする個食対応型電子レンジ専用具入り冷凍スープベース。
【特許請求の範囲】
【請求項1】製品中60%以上の固形具(具材)を含みかつ製品の濃縮度が3.5倍以上であることを特徴とする個食対応型電子レンジ専用具入り冷凍スープベース。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍スープベース、更に詳しくは、製品中60%以上の固形具(具材)を含みかつ製品の濃縮度が3.5倍以上であることを特徴とする個食対応型電子レンジ専用具入り冷凍スープベースに関する。
【0002】
【従来の技術】ハンバーガーショップ、喫茶店、和食弁当店などのファーストフードショップや単身者用等には、1食分(1人前)単位に個別包装された個食対応型スープベース(スープの素)が簡便で好まれる。
【0003】従来、このような個食対応型スープベースとしては、例えば、わかめ入りみそ(わかめ入りみそ汁(みそスープ)の素)のような湿潤タイプのもの、粉末調味料にきのこ、ねぎなどの乾燥野菜を加えたもの(吸い物の素)のような乾燥タイプのもの、等が知られているが、これらは具材に制限があり、また予め用意したお湯を加えて撹拌しなければならないとか、具材が戻るまで待たなければならない等の問題があり、調理簡便性の点で更なる改善が望まれる。洋風の、いわゆる“スープ”としては、レトルトパウチ入りのスープベースが知られているが、これはレトルト処理により具材の野菜が柔らかくなり過ぎるといった食感上の問題や保存中に食塩が具材にしみ込み過ぎるといった味覚上の問題がある。
【0004】上に説明した個食対応型スープベースの問題点を解消するものとして、電子レンジ専用具入り冷凍スープベースが提案されている。これによれば、具材の食感が維持され、食塩が具材に過度にしみ込むこともなく、また水を加えて電子レンジで加熱するだけで喫食することができる。
【0005】しかしながら、従来の個食対応型電子レンジ専用具入り冷凍スープベースは、その調理方法が、先ず、(1)カップに冷凍スープベースを入れてレンジ解凍し(予備加熱)、ついで、(2)これに水を加えて再度レンジにて加熱を行って喫食適温にする、という2ステップの加熱が必要で、調理簡便性の点で更なる改善が望まれる。2ステップ加熱が必要とされる理由は、1ステップ解凍を行うと、喫食適温(約70℃以上)に達する前に水が表層部分において突沸する危険があり、この危険を回避するために突沸前に加熱をやめると、極端な場合は冷凍スープベースが融け切っていないとか、あるいはカップの底部までは喫食適温に達していないとかの問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前項記載の従来技術の背景下に、本発明は、調理簡便性に優れた個食対応型電子レンジ専用具入り冷凍スープベースを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前項記載の課題を解決すべく鋭意検討の結果、冷凍スープベースにおける具材の量及びスープベースの濃縮度を調整することにより、従来品におけるような調理解凍時に水の突沸が発生するために2ステップの調理解凍を必要としていたのとは異なり、1ステップの調理解凍が可能となることを見出し、このような知見に基づいて本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、製品中60%以上の固形具(具材)を含みかつ製品の濃縮度が3.5倍以上であることを特徴とする個食対応型電子レンジ専用具入り冷凍スープベースに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の個食対応型電子レンジ専用具入り冷凍スープベースの具材としては、タマネギ、ニンジン、セロリ、豆などの野菜類、肉類及びパスタ類等を挙げることができ、一般的には液状以外の固形具を指す。具材は、必要により喫食に適するように炒め、茹で、ゆかし、蒸しなどにより加熱して置く。
【0011】スープベースの液状部分は、通常のスープと異なるところはなく、適当な粉末調味料、液体調味料、香辛料、水などを適宜使用して構成される。
【0012】これらの原材料を使用して冷凍スープベースを作成する方法自体には特別の制限はない。すなわち、例えば、スープベースの液状部分の原材料を混合して均一になるまで撹拌し、これに具材を加え、必要により(75℃前後まで)加熱して殺菌する。これを1食分の量に分けて冷凍処理に付する。
【0013】問題は、この際の、固形具の(使用)量と濃縮度であって、本発明の特徴は実にこれらにあるので、以下、これらについて詳述する。
【0014】本発明の個食対応型電子レンジ専用具入り冷凍スープベースの固形具(具材)の含有量は、製品中60%以上(すなわち、製品中に占める固形具の割合(重量比)が60%以上)である。
【0015】かつ、製品の濃縮度は、3.5倍以上である。ここに、濃縮度n倍は、(冷凍)スープベース1重量部に対し(n−1)重量部の水を加えて電子レンジ加熱すると、一般に好まれる塩加減のスープを与えるスープベースの濃度である。
【0016】なお、固形具の含有量および製品の濃縮度の上限は、前記の原材料を使用して冷凍スープベースを作成しようとした場合に、凍結がうまくいく限り、特別の制限はない。
【0017】上に説明した本発明の個食対応型電子レンジ専用具入り冷凍スープベースの固形具の含有量及び濃縮度は、いずれも、従来のもの(例えば、固形具の含有量50%以下、かつ、濃縮度2.3倍以下のものが知られている)に比較して大きい。両者をこのように調整することにより、先に説明したように、従来のものでは調理解凍時に水の突沸が発生するために2ステップの調理解凍が必要であったのに対し、本発明のものでは水の突沸の発生を伴わずに1ステップ解凍で喫食適温にすることが可能となった理由は、次のように推定される。すなわち、具材(固形具)の含有割合が大きいほど電子レンジ加熱したときに具材がバラケやすくなり、また、濃縮度が大きいほど(1食分当たりの)冷凍スープベースの水の量(氷結晶量)が少なく、延いては電子レンジ加熱による解凍時の温度低下が少なくなり、両者が相俟って解凍しやすくなることによるものと考えられる。
【0018】かくして、例えば、製品(50g/個(1食分)、径55mm、厚さ20mm)中の具材比率(タマネギ、ニンジン等)を約60%以上とすることにより、また、製品の濃縮度を3.5倍以上にすることにより、容易にレンジ解凍の出来る、解凍性の向上した喫食時に安全に適温(70℃)を付与することの出来る個食対応型電子レンジ専用具入り冷凍スープベースを容易に得ることが出来るのである。
【0019】先に説明したようにして得られた冷凍スープベースの塊(1食分)は、相互に融着しないような包装形態で冷凍流通に置くことのできることは、従来のものと同様である。
【0020】本発明の個食対応型電子レンジ専用具入り冷凍スープベースは、これを解凍するのに使用する電子レンジは、特に出力は限定されず、いかなるレンジでも時間の調整により突沸の発生なく、1ステップでの調理解凍が安全に出来る。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する。
【0022】実施例1加熱釜にてオリーブ油でタマネギおよびニンジンを15分間炒めた後、これに粉末調味料、液体調味料、香辛料、および水を加え、均一になるまで撹拌した。これに、下記第1表の配合に示す残りの原材料(具材)を投入し、75℃以上になるまで加熱して殺菌し、第1表に示す配合のスープベースを得た。このスープベースは、濃縮率を3.6倍にするとともに、具材比率を60%としたものである。
【0023】
【表1】

【0024】このスープベースを、プラスチックの円形のトレー(径55mm)に50g/個(1食分)になるように充填し、冷凍して製品を得た。
【0025】調理加熱時に、これからトレーを外した冷凍スープベース(径55mm、厚さ20mm)を、200mlの磁製カップに入れ、水130gを加えてから食品包装用ラップフィルムで開口部をラップし、業務用1600W電子レンジにて50秒調理解凍したところ、突沸の発生はなく、適温(70℃以上)のスープが簡単に得られた。
【0026】なお、1回に調理解凍する冷凍スープベースの数(カップ数)および電子レンジの出力を変えて調理解凍を行った結果を、上記の結果も含めて下記第2表に示す。
【0027】
【表2】

【0028】比較例1実施例1におけると同様にして、ただし濃縮度及び具材比率を変えて種々の冷凍スープベースを作成し、これらの業務用1600W電子レンジによる1回1カップの調理解凍性を比較した。結果を下記第3表に示す。試料(5)が実施例1の冷凍スープベースで、これと試料(4)の両試料が本発明のものである。
【0029】
【表3】

【0030】
【発明の効果】本発明によれば、解凍したときに具材の食感及び食味の良好な個食対応型電子レンジ専用具入り冷凍スープベースであって、水を加えて調理解凍するときに1ステップ解凍でも喫食温度に安全に達せしめることの可能な調理簡便性の高いものを容易に提供することが出来る。
【出願人】 【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
【出願日】 平成10年8月27日(1998.8.27)
【代理人】 【識別番号】100064687
【弁理士】
【氏名又は名称】霜越 正夫 (外1名)
【公開番号】 特開2000−60503(P2000−60503A)
【公開日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【出願番号】 特願平10−241722