| 【発明の名称】 |
海藻加工食品とその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡江 保彦
|
| 【要約】 |
【課題】海藻のトゲキリンサイとパパイヤとを主原料とする海藻加工食品とその製造方法に関し、トゲキリンサイを主原料とし、しかも餡を使用せず、また砂糖の使用量の少ない健康指向の海藻加工食品とその製造方法を実現する。
【解決手段】少なくともパパイヤのペーストとトゲキリンサイの加熱溶解物とを攪拌混合し加熱してから冷却し、蒸した月桃の葉と前記の冷却後の海藻加工食品とを重ねた状態で包装してなる海藻加工食品とその製造方法である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくともパパイヤのペーストとトゲキリンサイの加熱溶解物とを攪拌混合し加熱してから冷却してなる海藻加工食品。 【請求項2】 蒸した月桃の葉と前記の冷却後の海藻加工食品とを重ねた状態で包装してなることを特徴とする請求項1記載の海藻加工食品。 【請求項3】 パパイヤを酒粕漬けにした後ペーストにし、一方トゲキリンサイの粉砕物を加熱溶解し、このトゲキリンサイの加熱溶解物と前記の方法で得たパパイヤのペーストとを攪拌混合しながら加熱し、調味料などを添加してから冷却することを特徴とする海藻加工食品の製造方法。 【請求項4】 前記のように冷却した後に、蒸した月桃の葉と重ねた状態で包装してから、熱湯中で殺菌処理することを特徴とする請求項3記載の海藻加工食品の製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、海藻のトゲキリンサイとパパイヤとを主原料とする海藻加工食品とその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】海藻は天然のミネラルを大量に含有しているので、健康食品として広く利用されている。特に、昆布やわかめ、ヒジキなどが大量に使用されているが、これらはそのまま食材として利用されることが多い。 【0003】これに対し、モズクなどを煮込んで、小豆などの餡と混ぜて海藻羊羹とすることなども提案されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような羊羹にすると、大量の餡を使用する。また、日持ちを良くするために、大量の砂糖を使用する。その結果、味覚が甘すぎて、消費者に敬遠されがちである。 【0005】一方、トゲキリンサイは、紅藻類の一種であり、台湾から沖縄、奄美地方にかけて天然に自生しているが、その食材としての利用は普及していない。 【0006】本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、トゲキリンサイを主原料とし、しかも餡を使用せず、また砂糖の使用量の少ない健康指向の海藻加工食品とその製造方法を実現することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、少なくともパパイヤのペーストとトゲキリンサイの加熱溶解物とを攪拌混合し加熱してから冷却してなる海藻加工食品である。 【0008】このように、パパイヤのペーストとトゲキリンサイの加熱溶解物とを攪拌混合し加熱して食品としたものであり、餡を使用しない。また、餡を使用しないため、砂糖の使用量も少なくなる。その結果、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを豊富に含んだ海藻と消化作用にすぐれたパパイヤを主原料とする、健康指向の加工食品となり、老若男女に愛用できる。また、プリプリとした歯ごたえで、味覚にすぐれている。 【0009】請求項2は、蒸した月桃の葉と請求項1記載の冷却後の海藻加工食品とを重ねた状態で包装してなる海藻加工食品である。前記のような、トゲキリンサイとパパイヤを主原料とする加工食品と蒸した月桃の葉とを重ねると、月桃の成分が海藻加工食品に移り、海藻の匂いが月桃の香りによって打ち消され、また月桃による防腐効果と相まって、商品価値が上がる。しかも、月桃の葉が下敷きになっているので、食する際に海藻加工食品を包丁で切り易くなる。 【0010】請求項3は、パパイヤを酒粕漬けにした後ペーストにし、一方トゲキリンサイの粉砕物を加熱溶解し、このトゲキリンサイの加熱溶解物と前記の方法で得たパパイヤのペーストとを攪拌混合しながら加熱し、調味料などを添加してから冷却することを特徴とする海藻加工食品の製造方法である。調味料としては、例えば黒糖などが適している。 【0011】このように、パパイヤを酒粕漬けにすると、硬いパパイヤ果肉が軟らかくなり、容易にペースト状にできる。また、トゲキリンサイも粉砕してから加熱溶解すると、ドロドロになる。そして、両者を攪拌混合しながら加熱すると、パパイヤとトゲキリンサイが均一に渾然一体となり、調味料などを添加してから冷却すると、前記のような健康指向の海藻加工食品が容易に得られる。 【0012】請求項4は、請求項3に記載のように冷却した後に、蒸した月桃の葉と重ねた状態で包装してから、熱湯中で殺菌処理することを特徴とする海藻加工食品の製造方法である。このように、蒸した月桃の葉を重ねた状態で包装してから、熱湯中で殺菌処理すると、月桃の防腐効果と相まって、腐敗菌の繁殖を抑制でき、常温でも防腐剤なしに長期間保存が可能となる。 【0013】 【発明の実施の形態】次に本発明による海藻加工食品とその製造方法が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1はトゲキリンサイの処理工程、図2はパパイヤの処理工程、図3はトゲキリンサイ溶解物とパパイヤペーストとの攪拌以降の工程である。 【0014】本発明の場合、原料としては、生のトゲキリンサイ、生の野菜用のパパイヤ、水、食塩、黒糖、液糖等を用いる。 【0015】図1に示すように、まず生のトゲキリンサイを粉砕したものを1重量、水を0.5重量、液糖を0.5重量用いる。 【0016】そして、ボイラー釜を用いて、2気圧前後において、105°C前後の温度で加熱しながら、約30分攪拌する。それによって溶解するので、溶解した状態でさらに約30分間加熱し、ドロドロの状態にする。 【0017】一方、図2のようにしてパパイヤのペーストを製造する。パパイヤには、完熟した状態で食する果物用と青い生の状態で野菜として用いるパパイヤとがある。本発明では、まず、野菜用の生のパパイヤを塩漬けして保存しておき、これを水洗いし、かつ脱水機などで水切りする。そして、約6か月間、酒粕に漬けると、硬かったパパイヤ果肉が軟らかくなる。 【0018】こうして軟化したパパイヤを、食塩とニガリを薄めた水に、2〜3日間、漬け込む。ついで洗浄して、酒粕の匂いを脱臭する。 【0019】次に、約70°Cの熱水で、約10分間洗浄した後、脱水機などで水切りした後、ミキサーなどで粉砕すると、パパイヤのペーストとなる。 【0020】こうして得たパパイヤペーストと前記のトゲキリンサイの溶解物とを、図3の方法で処理する。まず、前記の処理で得たトゲキリンサイの溶解物1重量に対し、パパイヤペーストを3重量混ぜて攪拌する。そして、約30分間加熱した後、黒糖1.45重量(トゲキリンサイの溶解物1重量に対し)を加えて攪拌し、次いで食塩を0.002重量(トゲキリンサイの溶解物1重量に対し)添加して攪拌し、容器に移して約30分間放置すると、仕上がる。 【0021】次に、冷蔵庫に一晩入れて冷却した後、所定のサイズに切断する。また、月桃の葉を蒸気で蒸して、その上に、前記の切断した海藻加工食品を乗せた状態で真空包装する。 【0022】最後に、90°Cの熱湯に約20分間浸漬して殺菌処理する。そして、自然冷却すると、製品が完成する。 【0023】この製品を、財団法人沖縄県環境科学センターに分析依頼したところ、エネルギー:169kcal/100g 、水分:53.1g/100g、たんぱく質:0.7g/100g、脂質:0.3g/100g、炭水化物:40.8g/100g、灰分:5.1g/100g、カルシウム:140.0g/100g、リン:11.0g/100g、鉄:1.0g/100g、という結果が得られた。 【0024】なお、試験方法は、四訂 食品成分表、加工食品中の栄養成分分析法、炎光光度法、吸光光度法による。 【0025】各材料の重量比は、トゲキリンサイおよびパパイヤとして、水分の多い生のまま用いた場合である。ちなみに、生のトゲキリンサイを粉砕した場合の水分含有量は87.5%であり、パパイヤペーストの水分含有量は91.1%であった。分析法は常圧加熱乾燥法(105℃、6時間)で行なった。 【0026】これに対し、トゲキリンサイとして、乾燥させたものを用いる場合は、87.5%相当の水分を更に追加して加熱溶解する。あるいは、生の粉砕したトゲキリンサイを加熱溶融した後に、乾燥し粉末化することもできる。この場合も、87.5%相当の水分を追加して、加熱溶融させる。 【0027】パパイヤペーストの場合は、図2の工程でパパイヤペーストを製造した後、水分を除去し、粉末乾燥することができる。この場合は、91.1%相当の水分を追加して、ペースト状に戻してから、図3の工程に用いる。 【0028】 【発明の効果】請求項1によると、パパイヤのペーストとトゲキリンサイの加熱溶解物とを攪拌混合し加熱して食品としたものであり、餡を使用しないため、砂糖の使用量も少なくなる。その結果、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを豊富に含んだ海藻と消化作用にすぐれたパパイヤを主原料とする、健康指向の加工食品となり、老若男女に愛用できる。また、トゲキリンサイによるプリプリとした歯ごたえが良く、味覚にすぐれている。 【0029】請求項2のように、海藻とパパイヤを主原料とする加工食品と、蒸した月桃の葉とを重ねると、月桃の成分が海藻加工食品に移り、海藻の匂いが月桃の香りによって打ち消され、また月桃による防腐効果と相まって、商品価値が高まる。しかも、月桃の葉が下敷きになっているので、食する際に海藻加工食品を包丁で切り易くなる。 【0030】請求項3のように、パパイヤを酒粕漬けにすると軟らかくなり、容易にペースト状にできる。また、トゲキリンサイも粉砕してから加熱溶解すると、ドロドロになる。そして、両者を攪拌混合しながら加熱すると、パパイヤとトゲキリンサイが均一に渾然一体となり、調味料などを添加してから冷却すると、前記のような健康指向の海藻加工食品が容易に得られる。 【0031】請求項4のように、蒸した月桃の葉を重ねた状態で包装してから、熱湯中で殺菌処理すると、月桃の葉による防腐効果と相まって、腐敗菌の繁殖を効果的に抑制でき、常温でも長期間保存が可能となる。したがって、防腐剤を一切使用する必要がない。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】598124858 【氏名又は名称】有限会社南洲物産
|
| 【出願日】 |
平成10年8月26日(1998.8.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076082 【弁理士】 【氏名又は名称】福島 康文
|
| 【公開番号】 |
特開2000−60501(P2000−60501A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月29日(2000.2.29) |
| 【出願番号】 |
特願平10−257532 |
|