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【発明の名称】 食品材料の供給装置及び多重層食品の製造装置
【発明者】 【氏名】上村 一平

【要約】 【課題】食品材料を走行している移送面上に間隔をあけて供給する装置を提供する。

【解決手段】食品材料の供給装置は、食品材料を成形し供給するノズル(10)、搬送ローラ(3)、切断手段のピアノ線(7)、剥離手段(5)を備えている。ノズル(10)から供給される食品材料(1)は、搬送ローラ(3)に載置され、ノズル(10)の出口でピアノ線(7)で所定の長さに切断される。搬送ローラ(3)は矢印方向にV2の周速度で回転し、その周速度V2が、食品材料(1)の供給速度V1より速く設定しておくことにより、搬送ローラ(3)に載置されている食品材料(2)は、次ぎに供給され切断される板状食品材料(1)との間に間隔ができる。搬送ローラ(3)に間隔をあけて載置されている食品材料(2)は、剥離手段(5)で剥離され、矢印方向に走行しているベルトコンベヤ(6)に間隔をあけて供給される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 食品材料を供給する手段、搬送ローラ、切断手段、剥離手段とを備え、食品材料の供給速度より速い周速度で回転している搬送ローラに載置し、所定の長さに切断し、搬送ローラから剥離して移送面上に間隔をあけて供給することを特徴とする食品材料の供給装置。
【請求項2】 切断手段は、食品材料を切断した後に、食品材料の供給速度より速く、搬送ローラの周速度より遅い速度で搬送ローラの回転方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の食品材料の供給装置。
【請求項3】 切断手段は、その作動機構として食品材料の切断方向の駆動手段及び搬送ローラの回転方向に駆動させる手段とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の食品材料の供給装置。
【請求項4】 搬送ローラの回転方向の駆動手段が、緩衝機構を備えていることを特徴とする請求項3に記載の食品材料の供給装置。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の食品材料の供給装置を備え、移送面上に連続的に載置されている食品材料の上に所定の長さに切断した食品材料を間隔をあけて供給することを特徴とする多重層食品の製造装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品材料を移送面上に間隔をあけて供給する装置、及びこの供給装置を備えた多重層食品の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の食品材料を送面上に間隔をあけて供給する装置として、食品材料を板状に成形し供給するノズル、このノズルから供給される板状材料をを受け取る第1の搬送ローラ、カッター、剥離手段、及び第2の搬送ローラにより搬送面上に間隔をあけて供給するものが知られている(例えば、特公平6−14832公報、特開平9−285272公報参照)。
【0003】従来の板状食品材料の供給装置を図13(a)(b)、図14(c)(d)に示す。まず図13(a)に示すように、ノズル(31)で板状に成形された板状食品材料(30)は連続的に第1搬送ローラ(32)に供給され、第1の搬送ローラ(32)で回転搬送され、カッター(33)で一定の間隔に切断される。次いで図13(b)に示すように、板状食品材料(30)は第1搬送ローラ(32)の下方部でピアノ線(34)で剥離され、第2搬送ローラ(35)の凸部(36)の斜面(37)に渡される。次いで図14(c)に示すように、第2搬送ローラ(35)は回転し、切断された板状食品材料(30)は、切り離され第2搬送ローラ(35)の凸部(36)に移る。さらに図14(d)に示すように、第2搬送ローラ(35)は回転し、板状食品材料(30)は、剥離手段の細線(38)で凸部(36)から剥離され、矢印方向に走行しているコンベア(39)上に一定の間隔をあけて供給されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の送面上に食品材料を間隔をあけて供給する装置は、第1の搬送ローラ及び凸部を有する第2搬送ローラの2個の搬送ローラを備えているので、その構造が複雑であり、板状食品材料の受け渡しの際にトラブルが発生しやすいという問題があった。また、上記従来技術は、第2搬送ローラの凸部により板状食品材料を間隔をあけて供給するようにしているので、その供給間隔が比較的大きいものであり、その間隔を小さく調整することが困難であるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、食品材料を供給する手段、搬送ローラ、切断手段、剥離手段とを備え、食品材料の供給速度より速い周速度で回転している搬送ローラに載置し、所定の長さに切断し、搬送ローラから剥離して移送面上に間隔をあけて供給することを特徴とする食品材料の供給装置である。また本発明は、前記切断手段が食品材料を切断した後に、食品材料の供給速度より速く、搬送ローラの周速度より遅い速度で搬送ローラの回転方向に移動させることを特徴とするものである。
【0006】また本発明は、切断手段が、その作動機構として食品材料の切断方向の駆動手段及び搬送ローラの回転方向に駆動させる手段とを備えていることを特徴とするものである。また本発明は、搬送ローラの回転方向の駆動手段が、緩衝機構を備えていることを特徴とするものである。さらに本発明は、上記の食品材料の供給装置を備え、移送面上に連続的に載置されている食品材料の上に所定の長さに切断した食品材料を間隔をあけて供給することを特徴とする多重層食品の製造装置である。
【0007】
【作用】本発明においては、供給される食品材料の供給速度よりも搬送ローラの周速度が速くなるように回転し、搬送ローラに載置して切断し、この切断した食品材料を搬送ローラから剥離することにより移送面上に間隔をあけて供給するものである。また、供給される食品材料の供給速度と、搬送ローラの周速度を調整することにより、切断された食品材料の間隔を調整しすることができるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、食品材料を供給する手段としては、食品材料を加圧してノズルで成形し、供給するものであり、例えばギアポンプにより加圧して押し出されノズルで成形し、搬送ローラに供給するものである。また、予め成形した食品材料を搬送ローラに供給するものである。搬送ローラは、ほぼ水平に設ることが好ましく、供給手段、例えばノズルで板状に成形された食品材料を載置し、回転し移送面上に間隔をあけて供給するものである。搬送ローラの回転速度は、供給される板状食品材料の供給速度よりもその周速度が速くなるように設定するものであり、それらの速度の差を調整することにより間隔を調整するものである。
【0009】食品材料の切断手段は、ピアノ線、カッター等を用い、板状食品材料の切断方向に駆動させる手段、例えばシリンダーにより切断作動を行うものである。切断手段の位置は、例えば食品材料をノズルで成形し、供給する場合はノズルの出口の近傍に設けることが好ましい。食品材料の切断は、食品材料が薄い場合には、食品材料を切断した後、速やかに切断手段を戻すことにより、所定の長さに板状食品材料を切断することができるものである。
【0010】食品材料が厚い場合には、食品材料を切断した後に速やかに切断手段を戻しても、続いて供給される食品材料を切断手段を戻すときに傷を付けることになる。そこで、食品材料を切断した後に、供給される食品材料の供給速度より速く、搬送ローラの周速度より遅い速度で搬送ローラの回転方向に移動させるようにする。そのための、作動機構として食品材料の切断方向の駆動手段及び搬送ローラの回転方向に駆動させる手段とを備えているものである。この切断方向の駆動手段及び搬送ローラの回転方向に駆動させる手段としてはシリンダーを用いる。また、この作動機構には、シリンダの引くスピードを一定にコントロールすることが好ましい。そのために、緩衝手段を設けること、またはシリンダにその引くスピードを制御するスピードコントローラを設けることが好ましい。剥離手段は、搬送ローラに載置されている食品材料を剥離するもので、細線、例えばピアノ線、テグス糸を用いる。
【0011】本発明の供給装置は、半固形状材料、例えばチーズ、魚肉すり身の供給に用いられる。また本発明の多重層食品の製造装置は、魚肉すり身やチーズなどの複数の材料を重ねて多重層製品を作るものである。具体的には、走行している魚肉すり身の上に間隔をあけてチーズを供給し、さらにその上にすり身を重ね、チーズを挟んだ多重層練り製品であるはんぺんを製造するものである。
【0012】
【実施例1】本発明の第1の実施例を図1〜図3で説明する。図1は本発明の第1の実施例の食品材料の供給装置を示す斜視図であり、、図2、図3はその作動を説明する図である。図1に示す食品材料の供給装置は、食品材料を成形し供給するノズル(10)、搬送ローラ(3)、切断手段のピアノ線(7)、剥離手段(5)を備えている。
【0013】ノズル(10)で板状に成形され、供給される食品材料(1)は、その供給速度より速い周速度で回転している搬送ローラ(3)に載置され、ノズル(10)の出口でピアノ線(7)で所定の長さに切断される。ピアノ線(7)は、保持具(8)に設けられており、操作部(9)により作動する。ノズル(10)の出口にはガイド部(11)が設けらており、ピアノ線(7)はガイド部(11)に沿って動き、ノズル(10)の出口で食品材料(1)を切断するものである。
【0014】搬送ローラ(3)は、ノズル(10)からの食品材料(1)の供給速度V1より速い周速度V2で矢印方向に回転しているので、そこに載置されている食品材料(2)は、次ぎに供給され切断される食品材料(1)との間に間隔が開けられる。なお、食品材料(1)は、ノズル(10)からの供給速度V1より速い周速度V2で回転している搬送ローラ(3)に載置されるので、それが切断されるまでの間は引っ張られ延ばされることになる。搬送ローラ(3)に所定の間隔で載置されている食品材料(2)は、剥離手段(5)で搬送ローラ(3)から剥離され、矢印方向に走行しているベルトコンベヤ(6)に間隔をあけて供給される。
【0015】図2は切断手段の作動を説明する図で、食品材料が薄い場合の例である。食品材料(1)がノズル(10)から供給速度V1で供給され、搬送ローラ(3)に所定の長さ分が載置されたときに、ピアノ線(7)がa方向に作動して板状食品材料(1)を切断し、その後速やかにピアノ線(7)をc方向に戻す。搬送ローラ(3)は矢印方向にV2の周速度で回転し、その周速度V2が、食品材料(1)の供給速度V1より速く設定しておくことにより、搬送ローラ(3)に載置されている食品材料(2)は、次ぎに供給され切断される板状食品材料(1)との間に間隔ができる。
【0016】図3は、食品材料が厚い場合の切断手段の作動を説明する図である。板状食品材料(1)がノズル(10)から供給速度V1で供給され、搬送ローラ(3)に所定の長さ分が載置されたときに、ピアノ線(7)がa方向に作動して食品材料(1)を切断する。次いでピアノ線(7)をb方向に、食品材料の供給速度V1より速く、搬送ローラ(3)の周速度V2より遅い速度で移動させる。その後ピアノ線(7)をc方向に移動させ、さにらd方向に動し、切断開始位置に戻す。
【0017】搬送ローラ(3)の周速度V2が、食品材料(1)の供給速度V1より速く設定しておくことにより、搬送ローラ(3)に載置されている食品材料(2)は、次ぎに供給され切断される板状食品材料(1)との間に間隔ができる。また、切断具のピアノ線(7)をa→b→c→dと移動させることにより、続いて供給される食品材料に、切断手段を戻すときにで傷を付けることはない。なお、ピアノ線(7)の移動経路をa→b→cとして、c方向の移動で切断開始位置に戻してもよい。
【0018】
【実施例2】本発明の第2の実施例を図4〜図8に示す切断手段の作動で説明する。この実施例の切断手段は上述した図3に示すようにの作動するものである。図4〜図8に示す食品材料の供給装置は、食品材料を成形し供給するノズル(10)、搬送ローラ(3)、切断カッタ(4)、ガイド部(11)を備えている。搬送ローラ(3)の周速度V2は、板状食品材料(1)の供給速度V1より速く設定されている。
【0019】切断手段であるカッタ(4)の作動機構は、切断方向に駆動する手段であるシリンダ(13)、搬送ローラ(3)の回転方向(矢印方向)に駆動させる手段であるシリンダ(16)である。カッタ(4)の基部(12)には切断方向の駆動手段のシリンダ(13)のピストンロッドが連結されて、また回転方向に移動させるシリンダ(16)が、連結部(15)で回動可能に設けられている。また、バネ(17)は緩衝器であり、支持部(14)に支持され、一端(18)はカッタ(4)の基部(12)に対向しているが、これは固着されていない。シリンダ(16)を引くときに、基部(12)に押され、バネ(17)は緩衝器として作用するものである。
【0020】まず、図4に示すように、板状に成形された食品材料(1)は、ノズル(10)から供給速度V1で供給され、搬送ローラ(3)に載置される。次いで、所定の長さ分が供給されたとき、図5に示すように、シリンダ(13)を矢印方向に駆動し、カッタ(4)はガイド部(11)に沿って動き、ノズル(10)の出口で食品材料(1)を切断する。なお、図5では、緩衝器のバネ(17)の一端(18)と基部(12)は離れているが、バネ(17)と基部(12)の設置位置によっては、この段階でバネ(17)の一端(18)と基部(12)は接触するものである。
【0021】次いで、図6に示すように、シリンダ(16)を矢印方向に駆動し、カッタ(4)を搬送ローラ(3)の回転方向に移動させる。その移動速度は、食品材料(1)の供給速度V1より速く、搬送ローラ(3)の周速度V2より遅い速度である。緩衝器としてバネ(17)を設けることにより、シリンダ(16)の引くスピードを一定にコントロールするものである。次いで、カッタ(4)が板状食品材料(1)と切断された板状食品材料(2)との間に移動したとき、図7に示すように、シリンダ(13)を矢印方向に駆動し、上方に持ち上げ、次いで図8に示すように、シリンダ(16)を矢印方向に駆動し、カッタ(4)を切断開始位置に戻すものである。
【0022】上記図4〜図8では、緩衝器してバネを用いたものであるが、図9に示すように、エアーまたはオイルを封入したショックアブソーバ(19)を用いてもよい。このショックアブソーバ(19)は、支持部(14)にナット(20)で固定され、一端(18)はカッタ(4)の基部(12)に固着されておらず、シリンダ(16)を引ときに、基部(12)に押され、緩衝器として作用するものである。また、図10に示すものはシリンダ(16)にスピードコントローラを設けたものである。図4〜図9では緩衝器により、作動機構のシリンダ(16)の引くスピードを一定にコントロールしているが、図10に示すものではシリンダ(16)に設けられたスピードコントローラにより、その引くスピードを制御するものである。
【0023】
【実施例3】本発明の第3の実施例は、複数の板状に成形された食品材料を移送面上に間隔をあけて供給する装置であり図11に示す。図11に示す食品材料の供給装置は、食品材料を板状に成形し供給するノズル(10)は3個の成形口を有している。ノズル(10)の3個の成形口から供給される板状食品材料(1a)(1b)(1c)は、その供給速度より速い周速度で回転している搬送ローラ(3)に載置し、3個の成形口の出口でピアノ線(7)で所定の長さに切断される。ピアノ線(7)は、保持具(8)に設けられ、操作部(9)により作動するもので、ガイド部(11)に沿って動き、3個の板状食品材料(1a)(1b)(1c)を同時に切断する。
【0024】搬送ローラ(3)は、3個の板状食品材料(1a)(1b)(1c)の供給速度より速い周速度で矢印方向に回転しているので、載置されている食品材料(2a)(2b)(2c)は、次ぎに供給され切断される板状食品材料(1a)(1b)(1c)との間に間隔ができる。搬送ローラ(3)に所定の間隔で載置されている食品材料(2a)(2b)(2c)は、剥離手段(5)で搬送ローラ(3)から剥離され、矢印方向に走行しているベルトコンベヤ(6)に間隔をあけて供給されるものである。
【0025】
【実施例4】本発明の第4の実施例を図12を参照して説明する。図12は、食品材料の供給装置を用いた多重層製品の製造装置を示す図であり、食品材料としてチーズ等の半固形状材料を所定の長さに切断し、走行しているすり身の上に間隔をあけて供給し、チーズ等を挟みこんだ多重層練り製品であるはんぺんの製造装置である。
【0026】まず、ノズル(22)から製品の第1の層となる材料である魚肉すりみ(26)が連続的に供給されベルトコンベア(6)上に載置される。ベルトコンベア(1)は魚肉すりみ(26)を載置して連続的に移送される。次いで、走行している魚肉すりみ(26)の上に板状チーズ(2)が間隔をあけて供給される。その供給は、食品材料であるチーズ(1)はノズル(10)から供給され、搬送ローラ(3)に所定の長さ分が載置されたときに、ピアノ線(7)が矢印方向に作動して板状に成形されたチーズ(1)を切断する。搬送ローラ(3)は矢印方向に、チーズ(1)の供給速度より速い速度の周速度で回転しているので、切断されたチーズ(2)に所定の間隔があけられる。そして搬送ローラ(3)は回転し、チーズ(2)は剥離手段(5)で剥離され、走行している魚肉すりみ(26)の上にチーズ(2)が間隔をあけて供給される。
【0027】魚肉すりみ(26)層にチーズ(2)を一定の間隔で乗せた上に、さらに魚肉すりみ(25)をノズル(21)から連続的に供給し多重層を形成する。このように重ねられた多重層のものをカッタ(24)で切断する。切断位置は中間材料のチーズ(2)の入っていない部分を切断して内部に挟まれたチーズ(2)が露出しないようにする。そして、切断された多重層製品(27)はベルトコンベア(6)で移送され、湯槽(28)に供給し、加熱されて最終製品とするものである。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、供給される食品材料の供給速度よりも搬送ローラの周速度が速くなるように回転し、切断した食品材料を搬送ローラから剥離することにより、その供給間隔の調整がせ容易であり、またトラブルがなく移送面上に間隔をあけて供給することができるという効果をを奏するものである。
【出願人】 【識別番号】000141509
【氏名又は名称】株式会社紀文食品
【出願日】 平成10年8月24日(1998.8.24)
【代理人】 【識別番号】100102624
【弁理士】
【氏名又は名称】煤孫 耕郎
【公開番号】 特開2000−60499(P2000−60499A)
【公開日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【出願番号】 特願平10−237004