| 【発明の名称】 |
ミネラル組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】杉野 美紀
【氏名】中村 武嗣
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| 【要約】 |
【課題】水相中での分散性が良好な水不溶性ミネラル組成物及びそれらを含有する 品、化粧品、工業製品を提供することを目的とする。
【解決手段】グリセリン有機酸脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルを用いて水不溶性ミネラル組成物を製造することで上記課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 グリセリン有機酸脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする水不溶性ミネラル組成物。 【請求項2】 グリセリン有機酸脂肪酸エステルがグリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の水不溶性ミネラル組成物。 【請求項3】 ソルビタン脂肪酸エステルがソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンセスキ脂肪酸エステル、ソルビタンジ脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の水不溶性ミネラル組成物。 【請求項4】 水不溶性ミネラルが25℃水中に於ける溶解度積1.0×10-7以下の金属塩類のコロイドである請求項1〜3いずれか1項に記載の水不溶性ミネラル組成物。 【請求項5】 請求項1〜3いずれか1項に記載のミネラル組成物を含有することを特徴とする食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、分散性、特に水相中での分散性が良好な水不溶性ミネラル組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】水不溶性のミネラルは、高比重(通常1.5以上)であるために沈殿しやすく、水中での安定分散を望む際には先ず微粒子化が必要となる。一般的に行われるボールミルやジェットミル等を用いた物理的破砕方法では数ミクロンオーダーの微粒子化が限界であり、充分な分散安定性を得られない。更に微細なサブミクロンオーダーの微粒子を得る方法として、中和造塩反応を利用した化学的製造方法も数多く報告されており、1/100ミクロン単位の超微粒子も生成することが可能であるが、生成後速やかに二次凝集が生じてミクロンオーダーの粗大粒子となる問題がある。 【0003】これを抑制する方法として、結晶セルロースや増粘多糖類を添加することでその高分子網目構造中に一次微粒子を吸着保持する方法(特開昭56−117753号、特公昭57−35945号)、又は油脂中に不溶性ミネラルを混合分散させ、その際の油脂配合量を30重量%以上に調整して比重軽減する方法(特開昭57−110167号)等が提案されているが、目的とする不溶性ミネラル以外の物質を多量に添加する必要が生じ、かつ分散溶質が希薄化すると共に分散効果が著しく低下するとの問題点がある。これを解決する方策として、不溶性ミネラルの微粒子表面を有機酸やアルカリ剤で処理する方法(特開昭61−15645号)及びショ糖エステル等の界面活性剤を用いる方法(特開昭63−173556号)、(特開平5−319817号)等が開発されたが、前者では不溶性ミネラルを構成する金属イオン等の水相への遊離が生じやすく、また後者では殺菌等の加熱処理を受けた際、微粒子表面に吸着した界面活性剤層が剥離したり、二次凝集を促進する等の問題が発生する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、不溶性ミネラルに結晶セルロースや油脂等の物質を多量添加することなく、必要最小限の処理によって加熱安定性が高く、分散性の良好な水不溶性ミネラル組成物を提供することを課題とする。以下、本発明を詳しく説明する。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、水不溶性ミネラル組成物の製造において、グリセリン有機酸脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルを用いることで分散性の良好な水不溶性ミネラル組成物が得られることを見いだし本発明を完成させるに至った。本発明の特徴は、25℃水中における溶解度積が1.0×10-7以下の金属塩類のコロイド粒子表面をグリセリン有機酸脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルによって吸着被覆処理することで水相における良好な分散性を有する水不溶性ミネラル組成物を製造することにある。 本発明で用いられるグリセリン有機酸脂肪酸エステルは、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上である。好ましくはグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルであり、より好ましくはグリセリンクエン酸脂肪酸エステルである。本発明で用いられるソルビタン脂肪酸エステルはソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンセスキ脂肪酸エステル、ソルビタンジ脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上である。好ましくはソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンセスキ脂肪酸エステルであり、より好ましくはソルビタンモノ脂肪酸エステルである。本発明で用いられるグリセリン有機酸脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルの脂肪酸は、動物油や植物油、水素添加された動物硬化油、植物硬化油、魚油硬化油を加水分解して得られる炭素数8から22の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸である。具体的にはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、リシノール酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、米油脂肪酸、牛脂脂肪酸などからなる1種又は2種以上の脂肪酸である。 【0006】 【発明の実施の形態】上記のグリセリン有機酸脂肪酸エステルは、界面活性を有し、その親水基部分に有機酸を有しており、ショ糖脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤と比較して水不溶性ミネラル表面の吸着被覆力が著しく強い性質を有している。またソルビタン脂肪酸エステルも界面活性を有し、その親水基部分にはソルビタン、ソルビットを有する非オイン性界面活性剤であるが、ショ糖脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤と比較して特異的に水不溶性ミネラル表面の吸着被覆力が著しく強い性質を有している。そのため、水不溶性ミネラルの微粒子表面に安定な吸着界面層が形成され、加熱処理を施した際にも剥離することなく、効果的に二次凝集を抑制することが可能となり、その結果として良好な分散性が得られる。本発明のグリセリン有機酸脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪酸をそれぞれ単独で使用することもでき、またグリセリン有機酸脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪酸を混合して使用することもできる。更にオレイン酸ナトリウムの様な金属石鹸類、アルキルエーテル系界面活性剤、Tween等のポリオキシエチレン付加型界面活性剤、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン等の食品用の乳化剤、キラヤやユッカフォーム起源のサポニン系化合物等の他の界面活性剤成分等と併用する場合には、より好ましい分散性の向上が認められる。なかでも、グリセリン重合度が2以上であり、好ましくは重合度3〜10のポリグリセリン、更に好ましくは重合度3〜5のポリグリセリンを親水基とするポリグリセリン脂肪酸エステルを併用する際には、極めて好適な分散性が得られる。ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸は炭素数8〜22であり、好ましくは8〜18、更に好ましは12〜14のものが用いられる。また、結晶セルロースやキサンタンガム等の増粘多糖類、ポリビニルアルコールや酢酸ビニル共重合体等の親水性合成高分子を併用することでも不溶性ミネラルの分散性を向上させることができるが、本発明によるグリセリン有機酸脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルの処理が事前に施されていなければ二次凝集を抑制して良好な分散性を得るに至らない。 【0007】本発明における不溶性ミネラルは、25℃水中における溶解度積が1.0×10-7以下の金属塩類のコロイドである。例えば、水不溶の金属塩類としては、塩化銀(AgCl:25℃水中の溶解度積;1.0×10-10 )、ピロリン酸銀(Ag4 P2 O7 :25℃水中の溶解度積;1.0×10-21 )、水酸化アルミニウム(Al(OH)52:25℃水中の溶解度積;2.0×10-32 )、リン酸アルミニウム(AlPO4 :25℃水中の溶解度積;5.8×10-19 )、硫酸バリウム(BaSO4 :25℃水中の溶解度積;1.0×10-10 )リン酸バリウム(Ba3(PO4)2 :25℃水中の溶解度積;6.0×10-39)、炭酸バリウム(BaCO3 :25℃水中の溶解度積;5.1×10-9)、ピロリン酸カルシウム(Ca2 P2 O7 :25℃水中の溶解度積;2.0×10-19 )、リン酸カルシウム(Ca3(PO4)2 :25℃水中の溶解度積;2.0×10-29)、リン酸マグネシウム(Mg3(PO4):25℃水中の溶解度積;2.0×10-27)、炭酸カルシウム(CaCO3 :25℃水中の溶解度積;4.7×10-9)、水酸化第1鉄(Fe(OH)2 :25℃水中の溶解度積;8.0×10-16)、リン酸第1鉄(Fe3 (PO4 )2:25℃水中の溶解度積;1.3×1022、ピロリン酸第2鉄(Fe4 (P2 O7)3 :25℃水中の溶解度積;2.0×10-13)、炭酸第1鉄(FeCO3 :25℃水中の溶解度積;3.5×10-11 )、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2:25℃水中の溶解度積;1.1×10-11 )、ピロリン酸マグネシウム(Mg2 P2 O7 :25℃水中の溶解度積;2.5×10-13 、塩化第1銅(CuCl:25℃水中の溶解度積;3.2×10-7)、炭酸第2銅(CuCO3 :25℃水中の溶解度積;2.5×10-10 )、水酸化マンガン(Mn(OH)2:25℃水中の溶解度積;1.6×10-13 、硫酸マンガン(MnSO4 :25℃水中の溶解度積;1.0×10-11 )、水酸化ニッケル(Ni(OH)2 :25℃水中の溶解度積;2.7×10-15 、リン酸ニッケル(Ni3 5( PO4)2 :25℃水中の溶解度積;4.5×10-10 、硫酸鉛(PbSO4 :25℃水中の溶解度積;1.7×10-8)、リン酸鉛(Pb3(PO4)2 :25℃水中の溶解度積;1.5×10-13、水酸化亜鉛(Zn(OH)2 :25℃水中の溶解度積;7.0×10-18 、ピロリン酸亜鉛(Zn2 P2 O7 :25℃水中の溶解度積;2.0×10-8)等が挙げられる。これらの不溶性ミネラルのうち、好ましくはリン酸塩、炭酸塩、鉄塩、カルシウム塩であり、より好ましくはピロリン酸塩であり、最も好ましくはピロリン酸第二鉄が望ましい。ここで溶解度積は塩類の飽和溶液中における陽イオンと陰イオンのモル濃度(モル/リットル)の積であり、一般的な溶解度とは下式の相関関係を持つ。 【0008】すなわち、金属塩類をMa ,Xb ,溶解度をSと仮定すると、溶解度積(Ksp)は下式で表される。 Ksp=〔M〕a 〔X〕b =(aS)a ×(bS)b =aa ×bb ×S(a+b)〔 〕はイオン濃度(モル/リットル) 炭酸カルシウム(CaCO3 )を例にとると、CaCO3 のKspは、4.7×10-9であり、式に当てはめると、〔Ca〕1 〔CO3 〕1 =S2 =4.7×10-9となりCaCO3 の溶解度Sは、約6.9×10-5モル/リットル(6.9ppm)となって、水不溶性と判断される。 【0009】このことから、溶解度積が1.0×10-7より大きい塩類の溶解度は、約3.2×10-3モル/リットルとなって、CaCO3 に比較して 100倍近いものとなり、厳密な意味で水不溶性とはいえず、水相の若干のpH変化によって不溶塩表面が不安定になりやすく、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルの吸着界面層の形成に障害を生じる。水不溶性ミネラルの形状は平均粒子径が10ミクロン程度のコロイド粒子以下であることが必要であり、混合分散法、物理的破砕法、中和造塩法等の何れの方法を用いたものでも良い。中和造塩法としては、リン酸三カルシウム(Ca3(PO4)2 )の様にリン酸(H3 PO4 )と水酸化カルシウム(Ca(OH)2 )の中和反応を用いるもの、リン酸三マグネシウム(Mg3(PO4)2 )の様にリン酸(H3 PO4 )と水酸化マグネシウム(Mg(OH)2 )の中和反応を用いるもの、炭酸カルシウム(CaCO3)の様に炭酸(H2 CO3 )と水酸化カルシウム(Ca(OH)2 )の中和反応を用いるもの、又はピロリン酸第二鉄(Fe4(P2 O7)3)の様に塩化第二鉄(FeCl3)とピロリン酸四ナトリウム(Na4(P2 O7)中和反応を用いるもの等が知られており、一次粒子としては0.01〜0.1μの超微粒子が生成されるものの、ただちに二次凝集を生じて、概ね0.2〜2μ程度の凝集体として回収されていた。本発明により、この二次凝集を効果的に抑制することで一次粒子の形態が保持され、安定な分散性が得られる。 【0010】本発明におけるグリセリン有機酸脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルの添加方法については、特に限定されるものではないが、金属塩水溶液にグリセリン有機酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルを溶解させる方法、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルの水溶液に金属塩を分散させる方法等が用いられる。本発明におけるミネラル組成物を含有する食品としては、クッキー、パン、麺類等に代表される小麦粉二次製品、おかゆ・炊き込み飯等の米加工品、畜肉・魚肉等の加工品及び清涼飲料、乳飲料、炭酸飲料、アルコール飲料等の飲料が挙げられ、これらに炭酸カルシウム組成物、リン酸三カルシウム組成物、リン酸三マグネシウム組成物、ピロリン酸第二鉄組成物等の水不溶性の塩類の添加を可能とすることで、不足しがちなカルシウム、マグネシウム、鉄分の栄養強化が容易に実施することが可能となる。特に飲料を中心とする液体食品においては、水不溶性の塩類の添加はミネラル成分の沈降性から応用範囲が非常に狭いものであったが、本発明によって風味上優れ、化学的にも安定な形態でミネラル強化を実施できる。例えば炭酸カルシウム組成物、リン酸三カルシウム組成物、リン酸三マグネシウム組成物、ピロリン酸第二鉄組成物を調製して牛乳、乳酸飲料、清涼飲料、炭酸飲料等の飲料に添加することで安定性の良いカルシウム、マグネシウム、鉄分強化飲料を製造することができる。 【0011】本発明におけるミネラル組成物を含有する化粧品としては、化粧水、乳液、浴剤、クレンジング剤等の洗浄剤、歯磨剤等が挙げられ、特に浴剤においては主剤となる炭酸カルシウム等塩類の沈殿を防止することで浴槽を傷めることを抑制できる。本発明におけるミネラル組成物を含有する工業製品としては、農業用フィルム、壁床用シート材、樹脂添加用防燃剤等が挙げられ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の不溶性ミネラルが使用される。これらのミネラルが、樹脂基剤中で安定分散することによって、成形加工後の物理強度、表面の平滑性、防燃性等の機能性を向上させることが可能である。以下に実施例を示して本発明とその効果を具体的に説明する。 【0012】 【実施例】実施例1一次粒子0.5μm以下の炭酸カルシウムの粉末20gを各種乳化剤1%水溶液200gに添加し、40℃、ホモミキサーで1000rpm、5分間攪拌して炭酸カルシウム分散液を調製した。各種乳化剤1%水溶液は、■クエン酸モノグリ(サンソフト#621B:太陽化学)、■ソルビタンモノステアリン酸エステル(サンソフト#61NN)、■クエン酸モノグリ(サンソフト#621B:太陽化学)+ペンタグリセリンモノラウリン酸エステル(サンソフトA−121E:太陽化学)、■ソルビタンモノステアリン酸エステル(サンソフト#61NN)+ペンタグリセリンモノミリスチン酸エステル(サンソフトA−14E:太陽化学)、■クエン酸モノグリ(サンソフト#621B:太陽化学)+ソルビタンモノステアリン酸エステル(サンソフト#61NN)+ペンタグリセリンモノラウリン酸エステル(サンソフトA−121E:太陽化学)を調製した。この炭酸カルシウム分散液を200mlのネスラー管に入れて、炭酸カルシウムの分散、沈澱状態を観察した。その結果を表1に示した。本発明の乳化剤が炭酸カルシウムを安定に分散させていることがわかる。 【0013】比較例1実施例1で使用した一次粒子0.5μm以下の炭酸カルシウムの粉末20gを、ショ糖脂肪酸エステル(リョートーシュガーエステルS−1570;三菱化学(株)製)、ペンタグリセリンモノミリスチン酸エステル(サンソフトA−14E:太陽化学)、ポリグリセリンモノラウリン酸エステル(サンソフトQ−12S:太陽化学)の1%水溶液200gにそれぞれ添加し、40℃、ホモミキサーで1000rpm、5分間攪拌して炭酸カルシウム分散液を調製した。またコントロールとして水溶液だけの炭酸カルシウム分散液を同様に調製した。この炭酸カルシウム分散液を200mlのネスラー管に入れて、炭酸カルシウムの分散、沈澱状態を観察した。その結果を表1に示した。いずれも分散が悪く、沈澱がはやく形成されることが分かる。 【0014】 【表1】
【0015】実施例2塩化カルシウム(2水和物)20kgとソルビタンモノステアリン酸エステル(サンソフト#61NN;太陽化学(株)製)1kgとペンタグリセリンモノラウリン酸エステル(サンソフトA−121E;太陽化学(株)製)1kgをイオン交換水120kgに溶解してカルシウム溶液を調製し、炭酸ナリトウム11kgとソルビタンモノステアリン酸エステル(サンソフト#61NN;太陽化学(株)製)1kgとペンタグリセリンモノラウリン酸エステル(サンソフトA−121E;太陽化学(株)製)1kgをイオン交換水260kgに溶解した溶解中に攪拌下徐々に添加して混合液のpHを9.0に調整する。中和反応による炭酸カルシウムの造塩反応が終了した後、遠心分離(3000×g、5分間)によって固−液分離を行って固相部の炭酸カルシウム10kg(乾燥重量換算)を回収し、ソルビタンモノステアリン酸エステル(サンソフト#61NN;太陽化学(株)製)0.5kgとペンタグリセリンモノラウリン酸エステル(サンソフトA−121E;太陽化学(株)製)0.5kgを溶解した水溶液に再懸濁して10%炭酸カルシウムスラリーの組成物を調製した。また、粒子形状は各試験液をレーザー回折粒度分布測定装置(SYMPATEC社製 HELOS)にて測定を行ったところ、0.01〜0.3μmであった。 【0016】比較例2塩化カルシウム(2水和物)20kgをイオン交換水120kgに溶解してカルシウム溶液を調製し、炭酸ナリトウム11kgをイオン交換水260kgに溶解した溶解中に攪拌下徐々に添加して混合液のpHを9.0に調整する。中和反応による炭酸カルシウムの造塩が終了した後、遠心分離(3000×g、5分間)によって固−液分離を行って固相部の炭酸カルシウム9kg(乾燥重量換算)を回収し、1%のショ糖脂肪酸エステル(リョートーシュガーエステルS−1570;三菱化学(株)製)水溶液に再懸濁して10%炭酸カルシウムスラリーを調製した。また、粒子形状は各試験液をレーザー回折粒度分布測定装置(SYMPATEC社製 HELOS)にて測定を行ったところ、0.1〜2.0μmであった。 【0017】実施例3実施例2、比較例2より得られた各10%炭酸カルシウムスラリー100gに市販牛乳900gを添加し、炭酸カルシウムの濃度を1%とした際の沈降性を経時的に調査した。その結果、比較例2の炭酸カルシウムは6時間後に約90%が沈降したが、実施例2の炭酸カルシウムは、300時間経過後も一切沈降を生じなかった。これによって、安定なカルシウム分散性を有するカルシウム強化牛乳が得られた。 【0018】実施例4炭酸ナトリウム10gと炭酸水素ナトリウム7g、食用黄色4号(三栄源エフ・エフ・アイ社製 化合物名:タートラジン)0.02gを40℃の温水100リットル中に溶解して浴用剤液を調製した。この液中に、実施例2及び比較例2の10%炭酸カルシウムスラリーの50mlを添加して、静値時の炭酸カルシウムの沈殿状態を観察した。その結果、比較例2の炭酸カルシウムは、約10時間分で全てが沈降したが、実施例2を用いたものでは100時間以上経過後も沈殿を生じなかった。 【0019】実施例5塩化第2鉄(6水和物)13kgとクエン酸モノグリセリド(サンソフト#621B:太陽化学(株)製)0.5kgとペンタグリセリンモノミリスチン酸エステル(サンソフトA−14E;太陽化学(株)製)0.5kgをイオン交換水に60kgに溶解して鉄溶液を調製し、ピロリン酸四ナトリウム(10水和物)20kgをイオン交換水500kgに溶解した溶液中に攪拌下徐々に添加して混合液のpHを3.0に調製する。ピロリン酸第2鉄の造塩が終了した後、遠心分離(3000×g、5分間)によって固−液分離を行って固相部のピロリン酸第2鉄8.5kg(乾燥重量換算)を回収し、クエン酸モノグリセリド(サンソフト#621B:太陽化学(株)製)0.5%とペンタグリセリンモノミリスチン酸エステル(サンソフトA−14E;太陽化学(株)製)0.5%の水溶液に再懸濁して10%ピロリン酸第2鉄スラリーを調製した。また、粒子形状は各試験液をレーザー回折粒度分布測定装置(SYMPATEC社製 HELOS)にて測定を行ったところ、0.02〜0.3μmであった。 【0020】比較例3塩化第2鉄(6水和物)13kgとポリグリセリンモノラウリン酸エステル(サンソフトQ−12S;太陽化学(株)製)0.5kgをイオン交換水に60kgに溶解して鉄溶液を調製し、ピロリン酸四ナトリウム(10水和物)20kgをイオン交換水500kgに溶解した溶液中に攪拌下徐々に添加して混合液のpHを3.0に調製する。ピロリン酸第2鉄の造塩が終了した後、遠心分離(3000×g、5分間)によって固−液分離を行って固相部のピロリン酸第2鉄8kg(乾燥重量換算)を回収し、ポリグリセリンモノラウリン酸エステル(サンソフトQ−12S;太陽化学(株)製)0.5%の水溶液に再懸濁して10%ピロリン酸第2鉄スラリーを調製した。また、粒子形状は各試験液をレーザー回折粒度分布測定装置(SYMPATEC社製 HELOS)にて測定を行ったところ、0.2〜3μmであった。 【0021】実施例6実施例5、比較例3より得られた各10%ピロリン酸第2鉄スラリー100gに市販牛乳900gを添加し、ピロリン酸第2鉄の濃度を1%とした際の沈降性を経時的に調査した。その結果、比較例3のピロリン酸第2鉄は6時間後に約90%が沈降したが、実施例5のピロリン酸第2鉄は、300時間経過後も一切沈降を生じなかった。これによって、安定な鉄分散性を有するカルシウム強化牛乳が得られた。 【0022】本発明の実施態様をあげれば以下の通りである。 (1)グリセリン有機酸脂肪酸エステル及び/又はソルビタン脂肪酸エステルを用いることを特徴とする水不溶性ミネラル組成物。 (2)グリセリン有機酸脂肪酸エステルがグリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上である前記(1)記載の水不溶性ミネラル組成物。 (3)グリセリン有機酸脂肪酸エステルが、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上である前記(1)又は(2)記載の水不溶性ミネラル組成物。 (4)グリセリン有機酸脂肪酸エステルが、グリセリンクエン酸脂肪酸エステルである前記(1)〜(3)記載の水不溶性ミネラル組成物。 (5)ソルビタン脂肪酸エステルがソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンセスキ脂肪酸エステル、ソルビタンジ脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上であることを特長とする水不溶性ミネラル組成物。 (6)ソルビタン脂肪酸エステルがソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンセスキ脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上である前記(5)記載の水不溶性ミネラル組成物。 (7)ソルビタン脂肪酸エステルがソルビタンモノ脂肪酸エステルである前記(5)又は(6)記載の水不溶性ミネラル組成物。 【0023】(8)水不溶性ミネラルが、塩化銀(AgCl)、ピロリン酸銀(Ag4 P2O7 )、水酸化アルミニウム(Al(OH)2 )、リン酸アルミニウム(AlPO4 )、硫酸バリウム(BaSO4 )、リン酸バリウム(Ba3(PO4)2)、炭酸バリウム(BaCO3 )、ピロリン酸カルシウム(Ca2 P2 O7 )、リン酸カルシウム(Ca3(PO4)2)、炭酸カルシウム(CaCO3 )、水酸化第1鉄(Fe(OH)2)、リン酸第1鉄(Fe3 (PO4)2)、ピロリン酸第2鉄(Fe4 (P2 O7)3)、炭酸第1鉄(FeCO3 )、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、ピロリン酸マグネシウム(Mg2 P2 O7 )、リン酸マグネシウム(Mg3(PO4)2)、塩化第1銅(CuCl)、炭酸第2銅(CuCO3 )、水酸化マンガン(Mn(OH)2) 、硫酸マンガン(MnSO4 )、水酸化ニッケル(Ni(OH)2) 、リン酸ニッケル(Ni3(PO4)2)、硫酸鉛(PbSO4 )、リン酸鉛(Pb3(PO4 )2) 、水酸化亜鉛(Zn(OH)2) 、ピロリン酸亜鉛(Zn2 P2 O7 )より選ばれる1種又は2種以上である前記(1)〜(4)いずれか記載の水不溶性ミネラル。 (9)水不溶性ミネラルが鉄塩又はカルシウム塩より選ばれることを特徴とする前記(1)〜(8)いずれか記載の水不溶性ミネラル。 (10)水不溶性ミネラルがリン酸塩である前記(1)〜(9)いずれか記載の水不溶性ミネラル。 (11)水不溶性ミネラルが炭酸塩である前記(1)〜(10)いずれか記載の水不溶性ミネラル。 【0024】(12)水不溶性ミネラルがピロリン酸塩である前記(1)〜(10)いずれか記載の水不溶性ミネラル。 (13)水不溶性ミネラルがピロリン酸鉄である前記(1)〜(10)及び(12)いずれか記載の水不溶性ミネラル。 (14)前記(1)〜(13)いずれか記載のミネラル組成物を含有することを特徴とする食品。 (15)前記(1)〜(13)いずれか記載のミネラル組成物を含有することを特徴とする飲料。 (16)飲料が乳飲料、清涼飲料、炭酸飲料より選ばれる(15)記載の飲料。 (17)飲料が乳酸飲料である前記(15)又は(16)記載の飲料。 【0025】(18)前記(1)〜(13)いずれか記載のミネラル組成物を含有することを特徴とする化粧品。 (19)化粧品が化粧水、乳液、浴剤、クレンジング剤、洗浄剤、歯磨剤より選ばれることを特徴とする(18)記載の化粧品。 (20)化粧品が浴剤である前記(18)又は(19)記載の化粧品。 (21)前記(1)〜(13)いずれか記載のミネラル組成物を含有することを特徴とする工業製品。 (22)工業製品が安定分散剤、物理強度向上剤、平滑剤、防燃剤より選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする(21)記載の工業製品。 (23)工業製品が安定分散剤であることを特徴とする(21)又は(22)記載の工業製品。 【0026】 【発明の効果】本発明の水不溶性ミネラル組成物は、安定分散製が向上しているため、食品、化粧品、工業用品等の幅広い分野に利用可能であり産業上有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000204181 【氏名又は名称】太陽化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年8月25日(1998.8.25) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−60488(P2000−60488A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月29日(2000.2.29) |
| 【出願番号】 |
特願平10−254519 |
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