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【発明の名称】 腸内環境改善経口組成物
【発明者】 【氏名】目黒 真一

【氏名】下豊留 玲

【氏名】鈴木 淳子

【氏名】福永 朋子

【氏名】長谷 正

【氏名】時光 一郎

【要約】 【課題】腸内環境を正常化し、排便回数、糞便含水率及び排便感等を改善する腸内環境改善経口組成物【解決手段】 酸性多糖類及び有胞子乳酸菌を含有する腸内環境改善経口組成物。

【解決手段】酸性多糖類及び有胞子乳酸菌を含有する腸内環境改善経口組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 酸性多糖類及び有胞子乳酸菌を含有する腸内環境改善経口組成物。
【請求項2】 酸性多糖類が、カラギーナン、コンドロイチン硫酸、アルギン酸またはその塩、及びペクチンからなる群より選ばれる1種以上である請求項1記載の腸内環境改善経口組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腸内環境を正常化し、排便回数、糞便含水率及び排便感等を改善できる腸内環境改善経口組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】糞便量、排便回数、排便感覚等の便性の改善には、ビフィズス菌、乳酸菌等の有用菌を腸内で増殖させたり、食物繊維を摂取して腸内環境を改善することが有効であるとされ、該有用菌、その増殖因子、または食物繊維等を1種以上配合した腸内環境改善経口組成物等が知られている(特開平3−151854号公報、特開平3−209331号公報、特開平5−238954号公報、特開平6−256180号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記技術では、便性の改善が必ずしも十分ではなく、さらに優れた腸内環境改善経口組成物が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸性多糖類が腸内の糞便表面粘液層及び腸管表面粘液量を増加させて腸内のpHを低下させることにより、有用菌である有胞子乳酸菌が腸内で効率よく増殖できることから、両者を併用することにより、腸内環境改善効果が相乗的に向上し、排便回数、糞便含水率、糞便中粘液量、糞便潤滑性、排便時の感覚等が改善されることを見出した。
【0005】すなわち本発明は、酸性多糖類及び有胞子乳酸菌を含有する腸内環境改善経口組成物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いる酸性多糖類は、カルボキシル基、硫酸基等の酸性を呈する基を有する多糖類であり、このうちカラギーナン、コンドロイチン硫酸、アルギン酸もしくはその塩、またはペクチンが好ましい。これらを1種以上用いることができる。アルギン酸の塩としてはナトリウム塩が好ましい。
【0007】有胞子乳酸菌とは、胞子形成能を有する乳酸菌であり、かつ胞子を形成しているものである。このうちバチルス コアギランス(Bacillus coa gulans)に属するものが好ましい。胞子を形成させるためには、環境を例えば貧栄養化、乾燥化、または高温化等すればよい。
【0008】成人1日当たり酸性多糖類の摂取量は0.1〜10gが好ましく、0.3〜5gが特に好ましい。また有胞子乳酸菌の摂取量は107〜1010個が好ましく、108〜109個が特に好ましい。これを1日に1〜数回に分けて摂取できる。本発明の腸内環境改善経口組成物(以下「組成物」という)中の酸性多糖類及び有胞子乳酸菌の含有量は、上記摂取量を満たすよう調整すればよい。得られた組成物は、単に経口摂取するだけで腸内環境を改善できる。
【0009】本発明の組成物は、上記酸性多糖類及び有胞子乳酸菌を適宜製剤化または食品の形態に加工して得られる。製剤は錠剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、ペースト状、水剤等の任意の形態にできる。また食品は液状、ペースト状、粉末状、固形状等の任意の形態にできる。本発明の組成物には、上記酸性多糖類、有胞子乳酸菌、及びこれらの形態とするために通常用いられる、ビタミン類、酸性多糖類以外の食物繊維、オリゴ糖、糖アルコール、有胞子乳酸菌以外の乳酸菌等を配合できる。
【0010】
【実施例】以下特記なき場合、%は重量%を示す。
【0011】試験例1SD系雄性ラットを、1群当たり5〜10匹の11群に分け、10群のラットに腸管運動抑制剤であるロベラミドを1日1匹当たり0.6mg皮下投与して実験的腸内環境悪化状態(便秘状態)とした。次いで該10群にそれぞれ、表1に示す蒸留水(対照群1)、酸性多糖類(1日1匹当たり5mg)、有胞子乳酸菌(三共株式会社製「ラクリス」、1日1匹当たり5×105 個)、または酸性多糖類及び有胞子乳酸菌の両者を3日間投与し、糞便量(g/日)、盲腸内pH、糞便含水率(%)、糞便表面粘液厚み(μm)、糞便表面粘液量(mg/腸管)及び糞便潤滑性を測定した。また残りの1群(対照群2)にはロベラミド、酸性多糖類、または有胞子乳酸菌の代わりに蒸留水を投与し、上記項目について同様に測定した。測定方法は以下の通りである。糞便量は1日当たりの糞便乾燥重量で示した。盲腸内pHは盲腸内にpHメーターを挿入し測定した。糞便含水率は、新鮮便の湿重量及び乾燥重量から算出した。糞便表面粘液厚みは、糞便入り腸管をカルノア−無水エタノール溶液で固定後、常法により切片を作成し、アルシアンブルー溶液(pH1.0)で染色し、測定した。腸管表面粘液量は、腸管(結腸〜肛門)を洗浄後、N−アセチルシステイン溶液で粘液を回収し、粘液量(酸性多糖量)を測定した。糞便潤滑性は、10名のパネラーに上記各群の糞便を指先で触り、すべり具合を以下の評価基準で評価してもらい、その平均値を算出した。結果を表1に示す。
◎評価基準4:滑る3:やや滑る2:やや滑らない1:滑らない【0012】
【表1】

【0013】実験的腸内環境悪化状態において、対照群1と比較して酸性多糖類または有胞子乳酸菌の投与により、糞便表面粘液厚み、腸管表面粘液量及び糞便潤滑性が向上して腸内環境が改善されたが、両者の併用投与により、その効果は相乗的に向上した。
【0014】試験例2排便回数が1週間に3回以下の健常人200人を10群に分け、9群に表1に示す、試験例1と同様の有胞子乳酸菌(108 個)、酸性多糖類(1g)、または有胞子乳酸菌及び酸性多糖類の両者を含有する飲料100mlを、1日1回1週間飲用してもらった。1週間後に糞便pH、排便回数(回/日)、糞便含水率(%)及び糞便中粘液量(mg/g)を測定し、さらに排便時の感覚について、飲用前より快適になった、やや快適になった、変わらない、やや不快になった、不快になったの5段階で評価してもらった。さらに残りの1群(対照群)に、有胞子乳酸菌及び酸性多糖類を含有しない飲料を同様に飲用してもらい、上記項目について同様に測定、評価した。測定方法は、糞便含水率は試験例1と同様であり、他は以下の通りである。糞便pHは糞便採取後2時間以内に測定した。排便回数は飲用終了後0〜7日の1日当たりの平均排便回数で示した。糞便中粘液量は、糞便からN−アセチルシステイン溶液で粘液を回収し、粘液量(酸性多糖量)を測定した。結果を表2に示す。
【0015】
【表2】

【0016】酸性多糖類または有胞子乳酸菌を摂取すれば、糞便pHが低下し、排便回数、糞便含水率、糞便中粘液量が増大して便性が改善されたが、両者の併用摂取により、その効果は相乗的に向上した。また排便時の感覚も、快適、やや快適の合計が、対照群の31%に対して併用摂取群は56〜63%であり、排便感覚も改善された。
【0017】実施例1〜4表3に示す配合で常法に従い飲料を製造した(実施例1)。また表4に示す配合で常法に従い打錠機にて錠剤を製造した(実施例2)。また表5に示す配合で調製した生地を25gずつに分け、160℃のオーブンで45〜50分間焼成してショートブレッドを製造した(実施例3)。さらに表6に示す配合で常法に従いグミを製造した(実施例4)。
【0018】
【表3】

【0019】
【表4】

【0020】
【表5】

【0021】
【表6】

【0022】実施例1〜4で得られた食品を1週間飲食したところ、飲食前と比較して糞便回数、糞便含水率、糞便中粘液量が有意に増大して便性が改善され、また排便時の感覚の改善が認められた。
【0023】
【発明の効果】本発明の腸内環境改善経口組成物を摂取すれば、酸性多糖類及び有胞子乳酸菌により腸内環境改善効果が相乗的に向上し、排便回数、糞便含水率、糞便中粘液量、排便時の感覚等が改善される。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成10年8月27日(1998.8.27)
【代理人】 【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸 (外4名)
【公開番号】 特開2000−60483(P2000−60483A)
【公開日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【出願番号】 特願平10−242032