| 【発明の名称】 |
香気成分が保持された練り芥子 |
| 【発明者】 |
【氏名】衛藤 英男
【氏名】本間 一男
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| 【要約】 |
【課題】香気成分が安定に保持された練り芥子を提供する。
【解決手段】ペースト状のからし又はわさびにカテキン類が添加されている練り芥子。ペースト状のからし又はわさびにエピガロカテキンガレートとグルコースオキシダーゼが添加されている練り芥子。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ペースト状のからし又はわさびにカテキン類が添加されていることを特徴とする香気成分が保持された練り芥子。 【請求項2】 カテキン類としてエピガロカテキンガレートが添加されている請求項1記載の香気成分が保持された練り芥子。 【請求項3】 ペースト状のからし又はわさびにエピガロカテキンガレートとグルコースオキシダーゼが添加されていることを特徴とする香気成分が保持された練り芥子。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、香気成分が保持された練り芥子に関する。 【0002】 【従来の技術】古来より香辛料として用いられてきた白カラシや沢わさび等をペースト化した練り芥子(マスタードや練りわさび)が呈する香気成分は、芥子油(イソチオシアネート)類であることが明らかとなっている。これらの芥子油類は酵素と反応後、放置しておくと容易に揮散して辛味が消失するばかりでなく、不安定なためにポリサルファイドに変化し、ニンニク臭を与える。 【0003】そのため、ペースト状に仕上げた練り芥子をチューブ等の容器に詰め市販する場合にその保存性が問題となっており、ビタミンC等の各種添加物を加えることが提案されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来法では、練り芥子の香気成分の安定効果が少ないため、より好ましい製品の開発が望まれている。 【0005】そこで、本発明は、香気成分が安定に保持された練り芥子を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】この目的は(1) ペースト状のからし又はわさびにカテキン類が添加されていることを特徴とする香気成分が保持された練り芥子、(2) カテキン類としてエピガロカテキンガレートが添加されている請求項1記載の香気成分が保持された練り芥子、(3) ペースト状のからし又はわさびにエピガロカテキンガレートとグルコースオキシダーゼが添加されていることを特徴とする香気成分が保持された練り芥子、によって達成される。 【0007】 【発明の実施の形態】以下本発明を説明する。なお、本発明において「%」は「重量%」であり、「部」は「重量部」をいう。本発明で練り芥子とは、原料のからし又はわさびに、好みにより糖類、食塩等を加えて常法により混練りして泥化してペーストにしたものであり、からしを原料としたものは「マスタード」、「練りからし」等の商品名で、わさびを原料としたものは、「練りわさび」の商品名で市販されているものをいう。ここで「マスタード」とは「マスタード(ホット)」、「マスタード(マイルド)」、「あらびきマスタード」等の商品を含むものである。 【0008】また、カテキン類とはお茶の葉より抽出される水溶性の成分であり、一般には茶抽出物という名称で市販されているので、これを用いればよい。また、エピガロカテキンガレートとはカテキン類から分画される物質であり、カテキンガレートの異性体の一つであり、茶葉タンニン中に最も多く含まれるカテキンをいう。また、グルコースオキシダーゼとは、Aspergillus niger やPenicillium notatum から分離・精製して得られる分子量15万〜19万の糖タンパク質からなる酵素をいう。 【0009】本発明の練り芥子を製造するには、カテキン類、エピガロカテキンガレート及びグルコースオキシダーゼという添加剤を用いる他は、通常のマスタードや練りわさびの製法によればよい。 【0010】その一例としては、からし粉やわさび根茎等の原料を用いて常法により泥化したペースト状のからし又はわさびにカテキン類を添加混合すれば、本発明の練り芥子を得ることができる。カテキン類は練り芥子に対して乾物換算で0.5〜20%添加するのが実用的である。尚、カテキン類に代えてエピガロカテキンガレートを添加してもよい。この場合、エピガロカテキンガレートを練りわさびに対して乾物換算で0.3〜15%添加するのが実用的である。 【0011】また、添加剤としてエピガロカテキンガレートとグルコースオキシダーゼを併用するとより好ましい効果が期待できる。この場合、練り芥子に対してエピガロカテキンガレートを乾物換算で0.2〜12%、グルコースオキシダーゼ100units/ml水溶液を5〜15%添加するのが実用的である。 【0012】 【作用】カテキン類がエピガロカテキンガレートは、酸化を促進する物質であって、それ自身が先に酸化されて練り芥子の香気成分であるアリルイソチオシアネートや6−メチルチオヘキシル芥子油の酸化が抑制されるものと推察される。またエピガロカテキンガレートとグルコースオキシダーゼと併用すれば、練り芥子の香気成分の酸化がさらに抑制されるものと推察される。 【0013】 【実施例】実施例1沢わさび根茎をすりおろしたペースト100部に対して、糖アルコール2部、卵黄レシチン1部及びエピガロカテキンガレート(市販品の粉末)10部を加えて混練し、この混練物をポリプロプレン製容器に100gずつ充填・密封し、商品「練りわさび」とした。 【0014】実施例2脱脂黒芥子粉末1部に対して約3倍の清水を加えて混練した後約1時間放置して辛味が発現した芥子ペーストを得た。この芥子ペースト100部に対して、糖アルコール2部、卵黄レシチン1部、エピガロカテキンガレート(市販品の粉末)10部を加えて混練し、この混練物をポリプロピレン製容器に100gずつ充填・密封し、商品「マスタード」とした。 【0015】 【試験例】試験例1次の三つのサンプルを用意した。 テスト区1:実施例1の容器詰め練りわさびテスト区2:沢わさび根茎をすりおろしたペースト100部に対して、糖アルコール2部、卵黄レシチン1部、エピガロカテキンガレート(市販品の粉末)8部及びAspergillus niger 由来のグルコースオキシダーゼ100units/ml水溶液10部を加えて混練し、混練物をポリプロピレン製容器に100gずつ充填・密封したもの。 対照区1:沢わさび根茎をすりおろしたペースト100部に対して、糖アルコール2部と卵黄レシチン1部を加えて混練し、この混練物をポリプロピレン製容器に100gずつ充填・密封したもの。 対照区2:沢わさび根茎をすりおろしたペースト100部に対して、糖アルコール2部、卵黄レシチン1部及びビタミンC(市販の粉末)1部を加えて混練し、この混練物をポリプロピレン製容器に100gずつ充填・密封したもの。 【0016】上記各サンプルを30℃恒温器に3日間保管した後取り出し、容器を開封して練りわさびの芥子油類の残存量を測定すると共に、その風味について官能テストをしたところ表1の結果が得られた。 【0017】 【表1】
【0018】注1)表中の数値は、テスト区1のサンプルの試作直後の芥子残存量(100mg/サンプル100g)を100としたときの換算値である。 注2)表中の芥子油類とは、アリルイソチオシアネートのことであり、その残存量を、次のように測定した。 (1)辛味成分の採取サンプル1gに水20mlを加え、エーテル抽出(30,30,20ml)し、内部標準物質(ウンデカン酸エチルエステルのメタノール溶液(3mg/ml)を30ul添加した。ウイッドマー蒸留塔で常温常圧蒸留し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。 (2)辛味成分の分析■ガスクロマトグラフィー日立263-30型ガスクロマトグラフまたは日立G3500型ガスクロマトグラフにフューズドシリカキャピラリーカラム(0.25mm×30m)液相TC−1を装着し、カラム温度60〜270℃(最初の30分間60℃保温、以降3℃/minの昇温)、インジェクターおよびディテクターの温度は230℃で行った。なお、スプリット比は100:1でキャリアーガスは窒素;1.0ml/minとした。 ■ガスクロマトグラフィー質量分析計日本電子(株)製JEOL JMS-DX302型質量分析計を用いた。カラムはGC分析と同じとし、分析温度は60〜270℃(3℃/minの昇温)、キャリアーガスはHe;1.0ml/min、イオン化電圧は70eVにて分析した。 【0019】注3)風味はよく訓練したパネル5名の平均値であり、−:作りたてのわさびと同じ味、香り、辛味がする。 ±:わずかに変化を感じるが、実用上問題がない+:はっきりとした劣化を感じることを示す。 【0020】表1より、エピガロカテキンガレートを添加すると練り芥子の香気成分が安定化することが理解できる。またエピガロカテキンガレートとグルコースオキシダーゼを併用するとより安定化する傾向にあることが理解できる。 【0021】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば香気成分が安定に保持された練り芥子を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001421 【氏名又は名称】キユーピー株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年8月24日(1998.8.24) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−60477(P2000−60477A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月29日(2000.2.29) |
| 【出願番号】 |
特願平10−237674 |
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