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【発明の名称】 きのこ含有ソース
【発明者】 【氏名】追川 岳

【氏名】本橋 寿美

【氏名】平佐 建二

【氏名】加藤 久仁子

【要約】 【課題】きのこ類独特の食感および風味に優れるとともに、良好な微生物的長期保存安定性を有するきのこ含有ソースを提供する。

【解決手段】非乾燥きのこ類と、粒度1mm以下に粉砕された乾燥きのこ類を、重量比1:3〜20:1の割合で含み、かつ水分活性が0.94未満であることを特徴とするきのこ含有ソース。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 非乾燥きのこ類と、粒度1mm以下に粉砕された乾燥きのこ類を、重量比1:3〜20:1の割合で含み、かつ水分活性が0.94未満であることを特徴とするきのこ含有ソース。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はきのこ類を含有し、風味、食感に優れるとともに、良好な保存安定性を有するきのこ含有ソースに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、きのこ類を含有した調味料類は数多くの種類が存在する。例えば、特開昭62-29945号公報には、きのこの生臭みをおおい隠すために、ペースト状きのことペースト状海草類と植物油脂を混合し、pHを7以下に調整したペースト状きのこ含有食品が開示されている。特開昭63-12262号公報には、しめじ、まいたけの旨味を調味料として利用するために、乾燥させるとコスト的に採算が合わないので、食用油と一緒に加熱した後ペースト状にし、水分を78〜87.3%程度に調整することによって、旨味が増強され、調味料として好適なきのこペーストが得られることが記載されている。特開昭59120074号公報では、生きのこ、または乾燥および塩蔵きのこを水戻ししたものを具材として含有する和風または中華風味のパスタ用ソースが提案されている。ここでは120℃、25分間のレトルト殺菌処理が施されている。また特開昭51-61671号公報には、玄米、麦、トウモロコシなどの穀類を主成分とする培養基を用いてきのこの菌糸体を培養し、この菌糸体を培養基ごと乾燥粉砕してなる調味料が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来より、食品の微生物的長期保存安定性を維持するために、■レトルト殺菌処理、■pHを酸性に調整する処理、■水分活性(Aw)の抑制処理などが施されているが、きのこ類を含有する食品の場合、■レトルト殺菌処理を施すと、きのこ類の持つ独特の食感と香りと旨味がほとんど失われてしまい、■のpH調整処理の場合は、きのこ類が持つ独特な旨味を酸味により弱めてしまうという問題点があった。また■Aw抑制処理を施すと微生物的保存安定性は得られるが、Awを抑制するために添加する塩分等により、きのこ独自の香味が残されていないことが多いといった問題があった。このようにきのこ類を含有する食品にあっては、きのこ類が有する独特の食感、香り、旨味を損なうことなく、良好な長期保存安定性を得ることが非常に難しかった。
【0004】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、きのこ類独特の食感および風味に優れるとともに、良好な微生物的長期保存安定性を有するきのこ含有ソースを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題は、非乾燥きのこ類と、粒度1mm以下に粉砕された乾燥きのこ類を、重量比1:3〜20:1の割合で含み、かつ水分活性が0.94未満であることを特徴とするきのこ含有ソースによって解決できる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。本発明で用いられるきのこ類は、その種類、起源等を特に限定されるものではないが、乾燥きのこ類としては特に香りや旨味の強い物、例えばしいたけ、まつたけ、ポルチーニ等を乾燥したものが好ましく用いられる。本発明において乾燥きのこ類は、粒度が1mm以下に粉砕されて用いられる。乾燥きのこ類の粒度がこれより大きいと、乾燥きのこ類の香りと旨味がソース全体に行き渡りにくくなるので好ましくない。また本発明における非乾燥きのこ類とは、生またはブランチング処理されたきのこ類であり、ブランチングとは、煮沸や蒸気により加熱し、酵素を失活させる工程のことである。本発明では、非乾燥きのこ類としては食感の優れている物、例えばしめじ、まいたけ、エリンギ等が好ましく用いられ、適当な大きさにカットして使用される。
【0007】本発明において、非乾燥きのこ類と乾燥きのこ類は、重量比(非乾燥きのこ類:乾燥きのこ類)で1:3〜20:1、好ましくは2:1〜10:1、より好ましくは3:1〜7:1の割合で用いられる。乾燥きのこ類が多すぎると、ソースが粉っぽくなり、粘度が上昇し、また香りや旨味のみが強い不自然なきのこソースとなるので好ましくない。また非乾燥きのこが多すぎると、水分が多く持ち込まれるため、水分活性(Aw)を抑制するために多量な調味料が必要となり、それによって、きのこの香りや旨味が損なわれるおそれがあるので好ましくない。非乾燥きのこ類と乾燥きのこ類の合計量は特に限定されるものではないが、少なすぎると、きのこ類の風味、食感が不足するので、一般的にはソース全体に対して10重量%以上添加される。
【0008】本発明のきのこ含有ソースは、水分活性が0.94未満となるように調整される。水分活性は食品中の有効水分の含有量を示すもので、本発明のきのこ含有ソースにあってはこの水分活性が0.94以上になると微生物制御が難しくなる。水分活性は、後述する種々の食品素材及び食品添加物を添加することによって抑制することができる。また水分活性の下限は特に限定されないが、水分活性を抑制するために添加される食品素材及び食品添加物の量が多くなるとソースの風味が損なわれるおそれがあるので、一般的には0.8以上とするのが好ましい。水分活性を調整するため用いられる食品素材及び食品添加物としては、例えば、塩化ナトリウム・塩化マグネシウム・塩化カリウム・塩化カルシウム・塩化第二鉄等の塩化物及びその他の塩類、グルコース・ガラクトース・フルクトース等の単糖類、ラクトース・マルトース・イソマルトース・スクロース・トレハロース等の二糖類、ラフィノース・シクロデキストリン等のオリゴ糖、ソルビトール・マンニトール等の糖アルコール類、デキストリン・セルロース・アミロース・アミロペクチン・キチン・グリコーゲン・マンナン・プルラン等のホモ多糖類、ペクチン・キサンタンガム・ローカストビーンガム・カラギーナン等のヘテロ多糖類、種々のアミノ酸・ペプチド・タンパク質、醤油、核酸、グルタミン酸ナトリウム・コハク酸ナトリウム等の調味料、エタノール、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル・シュガーエステル等の乳化剤をあげることができる。これらは、1種または2種以上の組合せで使用できる。
【0009】本発明のきのこ含有ソースの性状は、液状または半液状であれば特に限定されるものではないが、製造性、使い勝手の点から、粘度が1、000〜50、000ミリ・パスカル・秒であることが好ましい。また、pHは4.7〜7.0の範囲内が好ましく、pHが4.7未満になると酸味が強くなり、きのこ特有の旨味がマスキングされる傾向にある。またpHが7.0を超えると、ぬるつきや、アルカリ特有の臭みが現れてくるため好ましくない。
【0010】本発明のきのこ含有ソースは、非乾燥きのこ類および乾燥きのこ類以外に、用途に応じて、各種の食品素材等を含むことができる。例えば醤油(粉末醤油を含む)、オイスターソース、味醂、酒、食用油脂、ビーフエキス、ポークエキス、チキンエキス、魚介エキス、野菜エキス、アミノ酸、増粘剤、着色料、香料、酸化防止剤、乳化剤、ブラックペパー、ホワイトペパー、レッドペパー、チリペパー、ターメリック、バジル、オレガノ、マジョラム、タイム、ローズマリー、コリアンダー、カルダモン、ナツメグ、クローブ、クミン、カレー粉、サフラン、ガーリック、パプリカ等の調味料、添加物、及び香辛料や、牛乳、チーズ、バター等の乳製品を含有してもよく、またネギ、ニンジン、ピーマン、コーン、グリーンピース、タマネギ等の野菜、エビ、イカ、タコ、貝、魚擂り身等の魚介類、ビーフ、ポーク、チキン、チャーシュー、ハム、ベーコン、ソーセージ等の肉、卵、などの具材(各種乾燥具材を含む)を含有しても良い。ただし、水分活性制御の点から、水分はなるべく添加しない方が好ましい。さらには、澱粉及び/またはその加工品を含有しても良い。ここで言う澱粉及びその加工品としては、デキストリン、α化澱粉、酸処理澱粉、アルカリ処理澱粉、熱処理澱粉、次亜塩素酸処理澱粉、漂白澱粉、油脂加工澱粉、リン酸澱粉、カルボキシメチル澱粉、さらにはアセチル澱粉・アジピン酸架橋アセチル澱粉・アミロース・アミロペクチン・リン酸架橋アセチル澱粉・ヒドロキシプロピル澱粉・リン酸架橋澱粉・リン酸架橋ヒドロキシプロピル澱粉等の化工澱粉を含む変性澱粉、さらにはアミロース、アミロペクチンもあげることができる。これら澱粉及びその加工品は、その由来を特に制限されず、コーンスターチを初めとして小麦粉澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉のいずれも使用できる。
【0011】本発明のきのこ含有ソースは、粉砕した乾燥きのこ類と、適当な大きさにカットした非乾燥きのこと、その他の成分材料を用意し、これらを混合、攪拌することによって得られる。得られたきのこ含有ソースは、必要に応じて容器に封入され、好ましくは殺菌処理が施される。乾燥きのこ類の粉砕には、任意の粉砕機を用いることができる。例えばピンミル等があげられる。ただし、乾燥きのこ類は吸湿しやすいため、湿度70%以下に調整された室内で粉砕を行い、得られた乾燥きのこ類の粉砕品はただちにソースの製造に使用するか、乾燥した室内に保存しておくことが好ましい。ソースの混合、攪拌には、任意の撹拌設備を用いることができる。例えばレオニーダー等があげられる。混合、撹拌の方法は特に制限されないが、粉末化された乾燥きのこ類は混合、攪拌時にダマになりやすいので、他の粉体原料とあらかじめ混合しておくことが好ましい。また、混合、攪拌時には、必要に応じて加熱してもよい。
【0012】本発明のきのこ含有ソースを容器に封入する場合、任意の容器を選定することができるが、保存性向上のために密閉系容器が好ましい。例えば、ガラス瓶、缶、プラスティックチューブ、ペットボトル、プラスティックフィルム袋、アルミ袋等をあげることができる。殺菌処理は、加熱殺菌処理、加熱加圧殺菌処理、高圧殺菌処理等、任意の方法で行うことができるが、本発明のきのこ含有ソースの水分活性値(Aw)は低く抑えられているので、100℃以下の加熱殺菌が最も好ましく、あるいは殺菌処理を施さなくてよい場合もある。本発明のきのこ含有ソースを密閉容器中に封入する場合は、水分活性領域から考えられる繁殖可能細菌として黄色ブドウ球菌が特にあげられるので、この細菌を対象にした殺菌を行えば、真菌も完全に死滅させることができる。したがって、100℃以下の殺菌であって黄色ブドウ球菌が死滅する殺菌条件を設定するのが好ましく、たとえば、60℃の殺菌であれば、30〜60分間の加熱で目的とする殺菌効果を得ることができる。上記条件より過酷な殺菌条件でも目的とするきのこ含有ソースを得ることはできるが、殺菌条件が過酷になるほど特にきのこの風味がより失われてしまうので好ましくない。
【0013】このようにして得られるきのこ含有ソースは、非乾燥きのこ類を含有するので、きのこ独特の食感、風味が得られるうえ、見た目にも具材としてきのこの存在が明らかであるので食品としての差別化を図るうえで好ましく、また贅沢感が得られる。また非乾燥きのこ類に加えて乾燥きのこ類を含有し、特に乾燥きのこ類として粒度1mm以下の粉砕体が用いられているので、きのこ類の香りと旨味が強められてソース全体に行き渡り、優れたきのこの風味が得られる。また乾燥きのこ類は、比較的入手が容易で価格も安定しており、保存性、運搬性も良好であるので、これを非乾燥きのこ類と組み合わせて用いることは、製造コストの低減化の点でも好ましい。さらに、非乾燥きのこ類と乾燥きのこ類との重量比を適切な範囲に調整することにより、良好な風味、食感、粘度が得られるうえに、水分活性を抑えることができるので、過剰な調味料の添加等によってソースの味、香り、食感を損なうことなく、適切な水分活性を得ることが可能である。
【0014】そして水分活性を低い値に調整することにより、過酷な条件で殺菌処理を施さなくても有効な微生物制御が可能となり、比較的緩和な条件での殺菌処理で、良好な長期保存安定性を達成することができる。よって殺菌処理によるソース中のきのこ類の香り、旨味、食感の損失が少ないので味覚的に優れており、かつ微生物的にも安定で長期保存安定性に優れたきのこ含有ソースが得られる。このような本発明のきのこ含有ソースは、種々の料理に香り、こく、食感、及び味付けを目的として用いることができる。例えば、ステーキソース、ピザソース、グラタンソース、パスタソース、ラーメン用ソースとして、さらには雑炊、スープ等に添加しても良く、対象料理は特に制限されない。
【0015】
【実施例】以下、具体的な実施例を示して本発明の効果を明らかにする。以下の説明において、部は重量部である。
(実施例1)下記表1に示した組成で、各原料を撹拌機で混合し、ソースを調製した。すなわち、非乾燥きのこ類として、マッシュルームおよびエリンギを沸騰水中で3分間ゆで、冷却後に1辺が5mm程度の大きさにカットしたものを用い、乾燥きのこ類として、粉砕用ミルを用いて粉砕後JIS標準篩32メッシュ(目開き0.5mm)の篩を用いて得た粒度0.5mm以下の乾燥ポルチーニパウダーを用いた。非乾燥きのこ類と乾燥きのこ類との含有量の比は約4.2:1とした。その他の成分の組成は表1に示す通りとし、水分活性値(Aw)は0.86に調整した。得られたソース30gをアルミ製パウチ袋に詰め密封後、これを80 ℃のお湯に10分間入れ、良くもんで殺菌した。このソースを35℃で1週間保存した後、下記の要領で風味評価、食感評価、および総合評価を行なった。評価結果を表1に示す。本実施例では風味、食感、総合評価のいずれも良好であった。また1週間保存した試料を開封し、腐敗の有無を外観、臭いで評価したところ、腐敗は認められなかった。
【0016】<風味・食感・総合の評価>ソース30gを乾麺にして100gの茹でたスパゲティにからめ、試食により官能評価を行った。官能評価パネラーは男女それぞれ5名ずつの専門パネラーを選定し、次の基準により5段階評価を行い平均点を求めた。
1点:かなり悪い2点:やや悪い3点:どちらとも言えない4点:やや良い5点:かなり良い【0017】(実施例2)下記表1に示すように組成を変更した他は実施例1と同様にしてソースを調製した。本実施例が上記実施例1と異なる点は、きのこ類、特に非乾燥きのこ類の割合を減らしてマッシュルーム2.0部、エリンギ1.0部、乾燥ポルチーニパウダー8.0部(非乾燥きのこ類:乾燥きのこ類=約1:2.7)とし、上水15.0部を新たに加え、オリーブ油を34.2部に増やした点である。水分活性値(Aw)は0.83とした。実施例1と同様にしてアルミ製パウチ袋に詰め、殺菌し、保存した後、官能評価を行なった。評価結果を表1に示す。本実施例では非乾燥きのこ類が少ないため、実施例1に比べるときのこ独特の食感がやや弱いものの、良好な評価結果が得られた。また1週間保存した試料を開封し、腐敗の有無を外観、臭いで評価したところ、腐敗は認められなかった。
【0018】(実施例3)下記表1に示すように組成を変更した他は実施例1と同様にしてソースを調製した。本実施例が上記実施例1と異なる点は、非乾燥きのこ類の割合を増やし、乾燥きのこ類の割合を減らして、マッシュルーム17.0部、エリンギ22.0部、乾燥ポルチーニパウダー2.0部(非乾燥きのこ類:乾燥きのこ類=19.5:1)とし、食塩を7.5部に、ソルビトールを15.0部に増やし、オリーブ油を13.7部に減らした点である。水分活性値(Aw)は0.91とした。実施例1と同様にしてアルミ製パウチ袋に詰め、殺菌し、保存した後、官能評価を行なった。評価結果を表1に示す。本実施例では乾燥きのこ類が少ないため、実施例1に比べると風味がやや弱いものの、良好な評価結果が得られた。また1週間保存した試料を開封し、腐敗の有無を外観、臭いで評価したところ、腐敗は認められなかった。
【0019】(実施例4)実施例1で用いた篩を20メッシュ(目開き0.85mm)の篩に置き換えて、乾燥ポルチーニパウダーの粒度を0.85mm以下とした以外は、実施例1と同様にして、ソースを調整し、アルミ製パウチ袋に詰め、殺菌し、保存した後、官能評価を行なった。評価結果を表1に示す。本実施例では乾燥きのこ類の粒度がやや粗いため、実施例1に比べると風味、食感がやや劣るものの、良好な評価結果が得られた。また1週間保存した試料を開封し、腐敗の有無を外観、臭いで評価したところ、腐敗は認められなかった。
【0020】(実施例5)下記表1に示すように組成を変更した他は実施例4と同様にしてソースを調製した。本実施例が上記実施例4と異なる点は、きのこ類、特に非乾燥きのこ類の割合を減らしてマッシュルーム10.0部、エリンギ6.0部、乾燥ポルチーニパウダー8.0部(非乾燥きのこ類:乾燥きのこ類=2:1)とし、上水2.0部を新たに加え、オリーブ油を34.2部に増やした点である。水分活性値(Aw)は0.84とした。実施例1と同様にしてアルミ製パウチ袋に詰め、殺菌し、保存した後、官能評価を行なった。評価結果を表1に示す。本実施例では非乾燥きのこ類が少なく、乾燥きのこ類の粒度がやや粗いため、実施例1に比べると風味、食感がやや劣るものの、良好な評価結果が得られた。また1週間保存した試料を開封し、腐敗の有無を外観、臭いで評価したところ、腐敗は認められなかった。
【0021】(実施例6)下記表1に示すように組成を変更した他は実施例4と同様にしてソースを調製した。本実施例が上記実施例4と異なる点は、非乾燥きのこ類の割合を増やし、乾燥きのこ類の割合を減らして、マッシュルーム17.0部、エリンギ22.0部、乾燥ポルチーニパウダー2.0部(非乾燥きのこ類:乾燥きのこ類=19.5:1)とし、食塩を7.5部に増やし、オリーブ油を18.7部に減らした点である。水分活性値(Aw)は0.91とした。実施例1と同様にしてアルミ製パウチ袋に詰め、殺菌し、保存した後、官能評価を行なった。評価結果を表1に示す。本実施例では乾燥きのこ類の粒度がやや粗く、量も少ないため、実施例1に比べると風味がやや劣るものの、良好な評価結果が得られた。また1週間保存した試料を開封し、腐敗の有無を外観、臭いで評価したところ、腐敗は認められなかった。
【0022】(実施例7)実施例2で用いた篩を20メッシュ(目開き0.85mm)の篩に置き換えて、乾燥ポルチーニパウダーの粒度を0.85mm以下とした以外は、実施例2と同様にして、ソースを調整し、アルミ製パウチ袋に詰め、殺菌し、保存した後、官能評価を行なった。評価結果を表1に示す。本実施例では乾燥きのこ類の粒度がやや粗く、量も少ないため、実施例1に比べると風味、食感がやや劣るものの、良好な評価結果が得られた。また1週間保存した試料を開封し、腐敗の有無を外観、臭いで評価したところ、腐敗は認められなかった。
【0023】
【表1】

【0024】(比較例1)下記表2に示した組成で、各原料を撹拌機で混合し、ソースを調製した。すなわち、実施例1で用いた篩を6メッシュ(目開き1.18mm)の篩に置き換えて、乾燥ポルチーニパウダーの粒度を1.18mm以下と大きくした以外は、実施例1と同様にしてソースを調整し、アルミ製パウチ袋に詰め、殺菌し、保存した後、官能評価を行なった。評価結果を表2に示す。本比較例では乾燥きのこ類の粒度が粗いため、風味、食感とも均一性に欠け、評価は良くなかった。また1週間保存した試料を開封し、腐敗の有無を外観、臭いで評価したところ、腐敗は認められなかった。
【0025】(比較例2)下記表2に示すように、上記実施例2において、乾燥ポルチーニパウダーの量を10.0部に増やして、非乾燥きのこ類と乾燥きのこ類との比を約1:3.3とし、オリーブ油の量を32.2部に減らした以外は、実施例2と同様にしてソースを調整し、アルミ製パウチ袋に詰め、殺菌し、保存した後、官能評価を行なった。評価結果を表2に示す。本比較例では乾燥きのこ類の割合が多過ぎるため、風味が強すぎる上に粘度が高すぎて食感も悪く、評価は良くなかった。また1週間保存した試料を開封し、腐敗の有無を外観、臭いで評価したところ、腐敗は認められなかった。
【0026】(比較例3)下記表2に示すように、上記実施例3において、マッシュルームの量を20.0部に増やして、非乾燥きのこ類と乾燥きのこ類との比を21:1とし、食塩を8.0部に増やし、オリーブ油を10.2部に減らした以外は、実施例3と同様にしてソースを調整した。水分活性値(Aw)は0.93とした。実施例3と同様に、得られたソースをアルミ製パウチ袋に詰め、殺菌し、保存した後、官能評価を行なった。評価結果を表2に示す。本比較例では乾燥きのこ類の割合が少なすぎるため、きのこの風味が弱く、評価は良くなかった。また1週間保存した試料を開封し、腐敗の有無を外観、臭いで評価したところ、腐敗は認められなかった。
【0027】(比較例4)下記表2に示すように、上記実施例4において、上水を25.0部加え、食塩を8.0部に増やし、オリーブ油を3.2部に減らした以外は、実施例4と同様にしてソースを調整した。水分活性値(Aw)は0.96とした。実施例4と同様に、得られたソースをアルミ製パウチ袋に詰め、殺菌し、1週間保存したところ、腐敗が認められた。水分活性が高すぎたためと考えられる。官能評価は行なわなかった。
【0028】
【表2】

【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明のきのこ含有ソースは、非乾燥きのこ類と、粒度1mm以下に粉砕された乾燥きのこ類を、重量比1:3〜20:1の割合で含み、かつ水分活性が0.94未満であることを特徴とするものであるので、きのこ類独特の香り、旨味、食感が得られるとともに、風味、食感を損なわずに良好な長期保存安定性が得られる。
【出願人】 【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
【出願日】 平成10年8月21日(1998.8.21)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外9名)
【公開番号】 特開2000−60476(P2000−60476A)
【公開日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【出願番号】 特願平10−236091