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【発明の名称】 水分の多い貯蔵安定性パスタ製品
【発明者】 【氏名】ポール フィリップ メイヤー

【氏名】ユージン スコビル

【氏名】ゴラン ジャエルミンガー

【要約】 【課題】本発明の課題は、消費者が容器から出した後に簡単に温めるか又は非常に短時間加熱した後消費する、すぐれた官能的品質の水分の多い貯蔵安定性パスタ製品を供すること、およびその製品を製造する方法を供することである。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 3.7 から 4.5の、好ましくは 3.8から 4.3の pH を有し、かつ 30 から 45 重量%の乾物含量、酸および油を有する加熱した又は予備加熱したパスタを含む、水分の多い貯蔵安定性パスタ製品。
【請求項2】 酸は食品級の酸、特に乳酸、リン酸、クエン酸又はグルコノ−デルタ−ラクトンである、請求項1に記載のパスタ製品。
【請求項3】 加熱した又は予備加熱したパスタに 0.5から 5重量%の油を含む、請求項1に記載のパスタ製品。
【請求項4】 油は植物油、特に落花生油、菜種油、ひまわり油、パーム油、とうもろこし油、パームオレイン又はそれらの混合物である、請求項1に記載のパスタ製品。
【請求項5】 60から75%の乾物含量を有し、穀物粉又はセモリナおよび添加した水を含む混合物を調製し、この混合物を押出し、押出されたパスタを切断し、配分し、ブランチングし、水で冷却し、酸性水に浸し、油で処理し、包装し、包装状態で殺菌することから成る、水分の多いの貯蔵安定性パスタ製品を製造する方法。
【請求項6】 ブランチング工程を95から 100℃で 1から10分間行ない、一方98から 100℃の蒸気で加熱し、つづいて95から98℃の湯を噴霧する、請求項5記載の方法。
【請求項7】 パスタを 0.5から 2.0%の酸、特に乳酸、リン酸、クエン酸又はグルコノ−デルタ−ラクトンを含む酸性水の中に、環境温度、特に18から35℃で 50 から250 秒間浸す、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は長い貯蔵期間を有する、加熱した又は予備加熱したパスタから成るパスタ製品に関する。
【0002】
【従来の技術】FR 第 2502907号明細書 (ブイトニイ)は、食品を酸性水の中で予備加熱し、酸性水にて冷却し、過剰の水を排出し、油で処理し、柔軟な容器に入れ、密閉した容器を加熱滅菌することによる、予備加熱した固形食品、特にパスタ製品および米の製造について開示している。
【0003】EP 第 0489811号明細書 (マ−ルス) は、2.0 から 4.0の pH を有し、食品として許容できるポリマー酸を含む酸水溶液又はサスペンションの中でパスタを加熱することを包含する、酸で安定化したパスタを製造する方法を開示している。
【0004】EP 第 0626137号明細書 (CPC)は、密閉した容器に包装した、殺菌した貯蔵安定性の加熱していない又は部分的に加熱した、水分のあるパスタ製品を開示しており、そのパスタは約 15 から約 38 %の水分含量および約 4.6未満のpHを有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1目的はすぐれた官能的品質をもつ水分の多い貯蔵安定性パスタ製品を供することであり、この製品は末端の消費者は実際に加熱処理をするものでなく、反対に包装を解いた後簡単に温めるか又は極く短時間加熱して消費するものである。本発明の第2の目的は、簡単に温めるか又は非常に短時間加熱した後消費する、すぐれた品質の水分の多い貯蔵安定性パスタ製品を製造する方法を供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による水分の多い貯蔵安定性パスタ製品は、3.7 から 4.5の、好ましくは 3.8から4.3 の pH を有し、かつ 30 から 45 重量%の乾物含量、酸および油を有する加熱した又は予備加熱したパスタから成る。本発明による水分の多い貯蔵安定性パスタ製品を製造する方法は、60から75%の乾物含量を有し、かつ穀物粉又はセモリナおよび添加した水を含む混合物を調製し、混合物を押出し、押出されたパスタを切断し、配分し、ブランチングし、水で冷却し、酸性水に浸し、油で処理し、包装し、そして包装状態で殺菌することから成る。
【0007】本明細書中で、用語「混合物を調製すること」は、「混合物を調製することおよび/又は混合物を捏和すること」を意味する。
【0008】本発明のパスタ製品において、加熱した又は予備加熱したパスタは、例えば穀物粉又はセモリナ、特にデュラム又は硬質小麦セモリナ、および小麦タンパク質、特にグリアジン強化小麦タンパク質、軟質小麦粉、卵材料、ベーキングパウダー、塩化ナトリウムおよび/又はスパイスのような適切な添加物を含む出発原料混合物で作ることができる。
【0009】酸は食品級の酸、特に、例えば乳酸、リン酸、クエン酸又はグルコノ−デルタ−ラクトンでよい。
【0010】油は、例えば、加熱した又は予備加熱したパスタの 0.5から 5重量%の量の植物油でよい。油は、例えば、特に落花生油、菜種油、ひまわり油、パーム油、とうもろこし油、パームオレインまたはそれらの混合物でよい。例えば、油の約 0.5から 2重量%の乳化剤、特にモノグリセリド又はモノグリセリドの混合物を、有利に油に加えることができる【0011】本方法を実行するために、例えば60から75%の乾物含量を有し、添加した水、穀物粉又はセモリナ、特にデュラム又は硬質小麦セモリナ、および小麦タンパク質、軟質小麦粉、卵材料、ベ−キングパウダ−、塩化ナトリウムおよび/又はスパイスを含む混合物を調製することができる。
【0012】小麦タンパク質、特にミッドウエスト グレイン プロダクッ社アチソン、カンサス州、米国により「Lavor Pro」の名称で市販されている製品のようなグリアジン強化小麦タンパク質を、混合物の約 1から 3重量%の量を使用して、加熱中および酸性化の間におきる粘着性やデンプンの損失を減ずることができる。例えば、軟質小麦粉を混合物に加えて、パスタ製品の弾性を増加することができる。
【0013】例えば、全卵粉、卵白粉又は液状全卵の形態の卵材料を混合物に加えて、パスタ製品の堅さを増加することができる。
【0014】例えば、ベーキングハウダー、特にグルコノ−デルタ−ラクトンおよび重炭酸ナトリウムの混合物を上記混合物に加えて、多孔性の製品を作ることができる。
【0015】混合物を調製し、次に例えば、周知のパスタ押出し法、特にパドルミキサ−、2 軸スクリュー混練機および1軸スクリュー押出機、又は2軸スクリューミキサ−・混練機および1軸スクリュー押出機、又は2軸スクリューミキサ−・混練機・押出機、又は押出し用のギア−ポンプにより補助された2軸スクリューミキサ−・混練機を含む装置により押し出すことができる。
【0016】混合物の温度は、混合および/又は捏和および押出しの間、55℃未満に保持されるように注意する必要がある。押出されたパスタは、長いスパゲッテイのような長いパスタ製品に切断することができるが、短いスパゲッテイ、例えばリングイーニ、エリーチェ又は中央ヨ−ロッパからのシュペツラのような地方特有の特産品、のような短いパスタ製品が好ましい。
【0017】配分の工程、すなわちパスタを次に個々に包装する小部分に配分するか又は分配する工程は、切断工程後および包装工程前のある段階で行う。押出されたパスタは、ブランチング前に形を固定しかつ噛むときにより堅い製品を得るように熱風で処理することができる。
【0018】押出されたパスタを、例えば、蒸気加熱又は蒸気加熱と熱湯の噴霧、好ましくは酸性の熱湯の噴霧によってブランチングすることができ、蒸気加熱の間の熱湯噴霧の目的はブランチングの間のデンプンの損失を最小限にするためである。ブランチング工程は、例えば 98 から 100℃の蒸気による蒸気加熱および 95から 98 ℃の熱湯、好ましくは 3.5から 5.0の pH を有する熱湯の噴霧の間に、95 から 100℃で1 から 10 分間行うことができる。ブランチング工程の間の水分の吸収は、例えばパスタが 35 から 52 %の、好ましくは 39 から 47 %の乾物含量を有するようにすることができる。
【0019】ブランチング工程後、パスタは、熱湯噴霧により有利にシャワーを浴びせることができる。換言すれば、パスタを熱湯、特に約 60 から 70 ℃の温度を有する湯のシャワーを通過させて、蒸気加熱後すこし粘着性になり得るストランドの粘着性を緩和することができる。
【0020】水冷は例えば環境温度、即ち約 18 から 35 ℃の温度の水槽で、約 30 秒から2分間行うことができる。水冷後、過剰の水を例えば 30 秒から 2分間排出する。水冷工程の間、ブランチング処理を完全に停止することができ、かつ水分の吸収を、例えばパスタが約 30 から 45 %の、好ましくは 33 から 42 %の乾物含量を有するように行うことができる。
【0021】水冷および多色過剰な水分を排出した後、パスタを酸性水に浸して 3.7から 4.5の最終の pH に酸性化する。この目的のため、パスタを 0.5から 2.0%の酸、特に乳酸、リン酸、クエン酸又はグルコノ−デルタ−ラクトンを含む、環境温度、特に 18 から 35 ℃の水に 50 から 250秒間浸すことができる。この酸性化工程の後、過剰の酸性水を、例えば約 30 秒から 2分間排出させることができる。酸性化工程の間に、それ以上の水の吸収は殆どない。パスタの酸性化は、主に浸透の平衡化の結果であると思われる。
【0022】油で処理する工程は、パスタの表面を例えばパスタの 0.5から 5重量%の量の油で被覆するように行うことができる。油がパスタの表面に非常に細かい粒子状に十分分配するために、例えば油の 0.5から 2重量%の乳化剤を油に加えることができる。油で処理する工程は、包装処理の前又は間に行うことができる。好ましくは、パスタはヘツドスペ−ス容量を制御した状態で柔軟な小袋の中に包装される。この目的のために、例えばパスタを底を閉じた後、垂直の小袋の中に投入し、つぎに袋の上部を密閉する前に油を袋の中に注入することができる。
【0023】結果として、包装されたパスタ製品は、イン・パック殺菌する。このイン・パック殺菌工程は、小袋の中心部の温度が 80 から 100℃の温度に達し、つぎにその温度に 1から 80 分間保持しながら蒸気媒体の中で、行うことができる。ついで小袋を、例えば殺菌剤を含む冷水中で 5から 15 分冷却するか、又は 5から 15 ℃の冷風により 30 から 60 分冷却することができる。
【0024】本方法は、例えばミキサ−、ニィ−ダ−、エクストル−ダ−、浸漬装置、蒸気/水噴霧用ブランチャー、水槽、シャワ−およびパスタ又は麺工業用の殺菌装置のような通常の装置により行うことができる。
【0025】本方法は、驚くべきことに、消費者のサイドで実際に再加熱することを意図せず、温めるだけか又は非常に短時間加熱する事実から見て、顕著な官能的特性、特に顕著なテクスチャ−を有するパスタ製品を供する。本発明のパスタを温めるか又は非常に短時間加熱するには、平鍋で、電子レンジで、又はその上に熱湯又は沸騰した湯を注ぐことにより、行うことができる。
【0026】本発明の方法によるパスタ製品およびその製造方法を、次例により具体的に説明する。例中でパーセントおよび部は、他の方法が示されない場合には重量による。
【0027】例1長い貯蔵期間を有する予備加熱したスパゲッテイ製品を、68.2%の乾物含量を有し、かつ 76 %のデュラム セモリナ、 2.35 %のFlavor Pro 6000および 21.65%の水道水を含む混合物から作った。デュラム セモリナおよびFlavor Pro 6000 を水で予備混合した。混合物を捏和してドウを作り、次にマピンピャンティ社製の普通のパスタ用エクストル−ダを使用して押出した。ダイ(die) の前方の圧力は、 40 から 42 ℃のドウ温度で100から 110バ−ルであった。ダイは直径 2.2 mm の円形の開放部を有した。新鮮な押出されたパスタを 25 から 26 cmの長さに切断し、104 g の部分に配分するか又は分配した。次にパスタを、トンネル型ブランチング装置を通して約 98 ℃で 200秒間ブランチングし蒸気噴射装置で 99 ℃の蒸気を噴射し熱湯噴射装置で 4.3のpHおよび96 から 97 ℃の酸性水を噴霧した。ブランチング工程中、水の吸収はパスタが 41 から 45 %の乾物含量を有するようなものであった。ブランチング工程の後、パスタは 60 から 70 ℃の温度を有する熱水の噴霧によりシャワーを浴びせ、ついで 20 から 25 ℃の水浴で 45 秒間水冷した。水冷工程中、水の吸収はパスタが 38 から 42 %の乾物含量を有するようなものであった。水冷の後、過剰な水を 60 秒間排出した。次に、パスタを 1.6%の乳酸を含み、2.2 から 2.3の pH を有する 30 ℃の水浴に150 秒間浸した。酸性化工程の間、水の吸収はパスタが 36 から 40 %の乾物含量を有するものであった。酸性化工程の後、過剰の酸性水を 60 秒間排出した。酸性化工程の後、パスタは 3.9から 4.0の pH を有した。次に、約 180g の重量のあるパスタの部分を、底部を閉じた垂直の小袋の中に入れ、ついで小袋の最上部を密閉する前に、1.8gのパームオレインを各小袋の中に注入した。パスタを97℃の蒸気でイン・パック殺菌し、袋の中心部の温度が 20 分後に 85 ℃に達し、この温度に 10 分間保持した。次ぎに小袋を、10℃の温度を有し、殺菌剤を含む水の中で 10 分間冷却した。続いて小袋を室温、即ち約 25 ℃で貯蔵した。パスタ製品を袋から出して温めることにより、消費のための準備をすることができた。パスタは互いに付着しなかった。パスタは顕著な官能的特性、特に新鮮な加熱したスパゲッティのテクスチャーに類似したテクスチャーを有した。
【0028】例2長い貯蔵期間を有する予備加熱した「シュペッツレ」の製品は、71.5%の乾物含量を有し、かつ次の%の組成:デュラム セモリナ 65軟質小麦粉 7.3液状全卵 10.8グルコノ デルタ ラクトン 3.251NaHC03 1.084スパイス 0.525水道水 12.04を有する混合物から作った。乾燥成分は液状全卵および水で予備混合した。その混合物を捏和してドウにし、トレサニィ社製の通常のパスタ−エクストル−ダを使用して押出した。ダイの前方の圧力は、 43 ℃のドウ温度において約 30 バ−ルであった。ダイは、約 2mm の幅と数 mm の長さの長円形の開口部を有した。新鮮な押出されたパスタを 4から 5 cm の長さに切断して、約 100 gの部分に配分するか又は分配した。次に配分されたパスタは、「シュペッツレ」パスタを 200秒の代わりに 450秒間ブランチングし、ついで酸を含む水浴に 150秒の代わりに 180秒間浸す以外は、例1に示したごとく、ブランチングし、シャワ−をかけ、水冷し、酸を含む水浴に浸し、油で処理し、包装し、イン・パックで殺菌した。このようにして得たイン・パック殺菌した水分の多い、貯蔵安定性「シュペッツレ」製品は、4.0 から 4.1の pH を有し、約 39 から 40 %の乾物含量を有した。パスタ製品は温めることによって、消費のための準備することができた。パスタは互いに付着しなかった。パスタは顕著な官能的特性、特に新鮮な加熱した「シュペッツレ」のテクスチャーに類似したテクスチャーを有した。
【出願人】 【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ デ プロデユイ ネツスル ソシエテ アノニム
【出願日】 平成11年3月19日(1999.3.19)
【代理人】 【識別番号】100066692
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓 (外3名)
【公開番号】 特開2000−60469(P2000−60469A)
【公開日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【出願番号】 特願平11−76249