トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 生海苔の異物分離除去・洗滌装置と、この装置の回転板
【発明者】 【氏名】新実 清

【要約】 【課題】従来の発明は、略面一の構成と、回転板の近傍に混合液流を形成しない構成である。従って、クリアランスが液面より露出することが発生し易くなり、このクリアランスからの空気の吸込みと、この吸込みによって生海苔中に空気が混入される弊害がある。またこの空気の混入は、本装置の能力低下、他の海苔機器の誤作動発生要因となる。

【解決手段】本発明は、生海苔混合液槽に設けた選別ケーシングと、この選別ケーシングの上方に設けた上下の水平面を有する回転板と、クリアランスとで構成される生海苔異物分離除去・洗滌装置であって、生海苔混合液槽の底面と選別ケーシングとの間に段差を設け、回転板の回転時に、段差と下の水平面との間に生海苔及び異物の攪拌混合液流を形成する構成である。回転板の回転時に、攪拌混合液流を形成し、かつ共回りする生海苔と異物の中から、生海苔をクリアランスに吸引できる。クリアランスからの空気の吸込み回避と、この吸込みによる弊害の回避が図れる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 生海苔の混合液が供給される生海苔混合液槽と、この生海苔混合液槽に設けた異物排出用のホース連結口と、前記生海苔混合液槽に設けた逆洗用及び吸込み用のホース連結口を備えた選別ケーシングと、この選別ケーシングの上方に設けた回転板と、この回転板と前記選別ケーシングで形成したクリアランスとで構成される生海苔の異物分離除去・洗滌装置であって、前記生海苔混合液槽の底面と選別ケーシングとの間に段差を設け、また前記回転板に上下の水平面を設け、この回転板の回転時に、前記段差とこの回転板の下の水平面との間に生海苔及び異物の攪拌混合液流を形成することを特徴とする生海苔の異物分離除去・洗滌装置。
【請求項2】 上記生海苔混合液槽にパンチングメタル、又は網体等でなる隔壁を設け、この隔壁内に回転板を設ける構成とした請求項1に記載の生海苔の異物分離除去・洗滌装置。
【請求項3】 上記攪拌混合液流の直交端面の形状を、略等辺三角形状とすることを特徴とする請求項1に記載の生海苔の異物分離除去・洗滌装置。
【請求項4】 生海苔の混合液が供給される生海苔混合液槽の選別ケーシング上方に設けた回転板であって、この回転板には上下の水平面が設けられていることを特徴とする生海苔の異物分離除去・洗滌装置の回転板。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生海苔・海水混合液(生海苔と海水が混合された液を云う。生海苔の混合液とする。)から異物(ゴミ、小エビ、小貝、アミ糸屑、その他夾雑物等を云う。)の分離除去と、生海苔の洗滌を目的とする生海苔の異物分離除去・洗滌装置及びこの装置の回転板に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の異物分離除去装置としては、特開平8-140637号の生海苔の異物分離除去装置(文献とする。)がある。この発明では、筒状混合液タンクの環状枠板部の内周縁内に回転板を略面一の状態で僅かなクリアランスを介して内嵌めし、この回転板を軸心を中心として適宜駆動手段によって回転可能とするとともに、筒状混合液タンクに異物排出口を設けた構成であって、この回転板の回転、及び略面一の状態で僅かなクリアランスを介して内嵌めしたことを特徴とする。この文献は、筒状混合液タンク内に少量の混合液を供給し、異物の効率的な分離作業を図りつつ、クリアランスへの過剰な生海苔の吸込みをなくすようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く、この種の異物分離除去装置は、筒状混合液タンク内に滞留する混合液は少量であるが故に、共回り現象(混合液が回転板の回転に伴って回る現象)が発生し難いなどの問題がある。また異物がクリアランスを越えて筒状混合液タンクの底隅部に至り、かつこの底隅部に集積すること(所謂、異物の効率的な分離を図ること)は困難視される。またこの種の異物分離除去装置は、クリアランスが混合液面より露出することが間々発生し、このクリアランスからの空気の吸込みがあることと、この吸込みで混合液中への空気混入による弊害がある。例えば、クリアランスから空気が吸込まれると、この吸込み量に略相当する量の吸込みが不可能となり、例えば、このクリアランスから吸込まれる生海苔の吸込み量が減少し、当該装置の吸込み能力の低下を招来すること(以下、本装置の能力低下とする。)、他の海苔機器の誤作動発生要因となること、等の課題がある。
【0004】また通常、この種の異物分離除去装置は、異物の分離除去が目的で、洗滌しないことから、生海苔に付着する異物を剥離できない。従って、小さい異物が良質タンクに持込まれること、又は大きい異物がクリアランスの目詰まり発生の要因となること、等の課題がある。
【0005】さらにこの種の異物分離除去装置は、単独の装置で、二つの目的を達成できず、結果として、生海苔製造過程の簡略化、又は効率化、省設備化等が図れない課題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、回転板の回転時に、底面と回転板の下の水平面との間に生海苔及び異物の攪拌混合液流を形成して共回り現象をつくり、かつクリアランスからの空気の吸込み防止と、この吸込みにより発生する弊害の回避を図りつつ、生海苔の洗滌と、この洗滌に基づく効果(洗滌効果)を達成すること、等を意図する。
【0007】請求項1は、生海苔の混合液が供給される生海苔混合液槽と、この生海苔混合液槽に設けた異物排出用のホース連結口と、前記生海苔混合液槽に設けた逆洗用及び吸込み用のホース連結口を備えた選別ケーシングと、この選別ケーシングの上方に設けた回転板と、この回転板と前記選別ケーシングで形成したクリアランスとで構成される生海苔の異物分離除去・洗滌装置であって、前記生海苔混合液槽の底面と選別ケーシングとの間に段差を設け、また前記回転板に上下の水平面を設け、この回転板の回転時に、前記段差とこの回転板の下の水平面との間に生海苔及び異物の攪拌混合液流を形成することを特徴とする生海苔の異物分離除去・洗滌装置である。
【0008】請求項2の発明は、生海苔混合液槽における洗滌効果を確保することにある。
【0009】請求項2は、生海苔混合液槽にパンチングメタル、又は網体等でなる隔壁を設け、この隔壁内に回転板を設ける構成の生海苔の異物分離除去・洗滌装置である。
【0010】請求項3の発明は、生海苔混合液槽に生海苔及び異物の攪拌混合液流を形成することにある。
【0011】請求項3は、攪拌混合液流の直交端面の形状を、略等辺三角形状とする生海苔の異物分離除去・洗滌装置である。
【0012】請求項4の発明は、回転板により、生海苔混合液槽に生海苔及び異物の攪拌混合液流を形成することにある。
【0013】請求項4は、生海苔の混合液が供給される生海苔混合液槽の選別ケーシング上方に設けた回転板であって、この回転板には上下の水平面が設けられていることを特徴とする生海苔の異物分離除去・洗滌装置の回転板である。
【0014】
【発明の実施の形態】生海苔タンクから順次生海苔混合液槽に導入された生海苔の混合液は、対の回転板の略中間部に流下された後、回転板の回転に誘引される。即ち、当該回転板の下の水平面及び円周垂直面に誘引されるようにして共に回る。所謂、回転板の円周垂直面との共回り現象が発生する。更にこの共回り現象を詳述すると、生海苔の混合液(生海苔と異物)は、下の水平面による僅かな遠心力作用と、円周垂直面による摩擦とにより、図3に矢示するような旋回流となり、かつ回転板の近傍にパンチングメタルでなる隔壁が設けられていることから、この隔壁による規制と、回転板の回転力等の作用により略等辺三角形状を呈する攪拌混合液流が形成される。この攪拌混合液流では、更に洗滌及び気泡除去が行われる。即ち、攪拌混合液流で攪拌されることにより、生海苔と異物の分離、及び前記パンチングメタルからの気泡の除去及び洗滌が図れる。
【0015】そして、本発明では、共回り現象を呈する生海苔と異物の中から、生海苔をクリアランスに吸引する。この生海苔の吸引は、選別ケーシングに作用する吸込み用のポンプの吸引力を利用する。このようにしてクリアランスに吸引された生海苔は、その後、このクリアランスを通過して選別ケーシングのケーシング内底面に達する。そして、吸込み用のホースを経由して良質タンクに導かれる。また分離処理された異物は、生海苔混合液槽の内底面に達した後、異物排出用のホースを経由して処理される。
【0016】尚、本発明では、回転板の回転中及び生海苔の吸込み中には、クリアランスは、常に攪拌混合液流の下方にあることから、空気を吸込む虞がなく、本装置の能力低下、又は他の海苔機器の誤作動発生、等の回避を図る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0018】1は異物分離部を備えた異物分離除去・洗滌装置で、この異物分離除去・洗滌装置1は、生海苔混合液をプールする生海苔混合液槽2と、この生海苔混合液槽2にそれぞれ設けた回転軸3及び異物排出用のホース連結口4並びに選別ケーシング5と、前記回転軸3に設けた回転板6と、前記選別ケーシング5とこの回転板6で形成する生海苔吸込用のクリアランス7とを主構成要素とし、他に洗滌装置が設けられる。
【0019】生海苔混合液槽2には、生海苔・海水を溜める生海苔タンク8と連通する生海苔供給管8aの開口部を設ける。この生海苔供給管8aに供給用のポンプ9を設ける。また生海苔混合液槽2には、分離処理された生海苔・海水をプールする良質タンク10を設ける。図中41は異物排出用のホース、11は生海苔等の吸込み用のホース、12は逆洗用のホース、13は洗滌部の排水口をそれぞれ示す。
【0020】選別ケーシング5は生海苔混合液槽2の底面2aに段差Aを形成するようにして設けられており、この選別ケーシング5にはクリアランス7を形成するようにして回転板6が設けられており、このクリアランス7から吸込み用のポンプ14で生海苔等を吸引する。また回転板6には上下の水平面6a、6b(水平面には、略水平面も含む。)が形成されており、前記段差Aと下の水平面6b並びに生海苔混合液槽2の隔壁2cとで略等辺三角形状を呈する攪拌混合液流Bが形成される。即ち、生海苔と異物は、下の水平面6bによる僅かな遠心力作用と、円周垂直面6c(垂直面には、略垂直面も含む。)による摩擦とにより、図3に矢示するような旋回流C1となり、かつ回転板6の近傍の隔壁2cによる規制と、回転板の回転力等の作用により攪拌混合液流Bが形成される。この攪拌混合液流Bでは共回り現象C2が形成される。またこの攪拌混合液流Bでは洗滌及び気泡除去が行われる。即ち、攪拌混合液流Bで攪拌されることにより、生海苔と異物の分離、及び前記隔壁2cからの気泡の除去が図られる。
【0021】
【発明の効果】請求項1の発明は、異物排出用のホース連結口を有する生海苔混合液槽に設けた選別ケーシングと、この選別ケーシングの上方に設けた上下の水平面を有する回転板と、クリアランスとで構成される生海苔の異物分離除去・洗滌装置であって、生海苔混合液槽の底面と選別ケーシングとの間に段差を設け、回転板の回転時に、段差と下の水平面との間に生海苔及び異物の攪拌混合液流を形成する構成である。従って、回転板の回転時に、前記攪拌混合液流を形成して共回り現象をつくり、かつこの共回り現象で回る生海苔と異物の中から、生海苔をクリアランスに吸引すること、及びクリアランスからの空気の吸込み回避と、この吸込みにより発生する弊害の回避に役立つこと、等の特徴がある。
【0022】請求項2の発明は、生海苔混合液槽にパンチングメタル、又は網体等でなる隔壁を設け、この隔壁内に回転板を設ける構成である。従って、生海苔混合液槽における攪拌及び洗滌が図れる特徴がある。
【0023】請求項3の発明は、攪拌混合液流の直交端面の形状を、略等辺三角形状とする構成である。従って、生海苔混合液槽に生海苔及び異物の攪拌混合液流を形成できる特徴がある。
【0024】請求項4の発明は、生海苔の混合液が供給される生海苔混合液槽の選別ケーシング上方に設けた回転板に上下の水平面を設ける構成である。従って、回転板により、生海苔混合液槽に生海苔及び異物の攪拌混合液流を形成できる特徴がある。
【出願人】 【識別番号】391008294
【氏名又は名称】フルタ電機株式会社
【出願日】 平成10年7月9日(1998.7.9)
【代理人】 【識別番号】100083068
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣
【公開番号】 特開2000−23643(P2000−23643A)
【公開日】 平成12年1月25日(2000.1.25)
【出願番号】 特願平10−194799