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【発明の名称】 マンノース含有コプラミール組成物
【発明者】 【氏名】横溝 太

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】コプラミールにキシラナーゼおよびβ−ガラクトマンナナーゼの2種類の酵素を作用させて得られるマンノース含有コプラミール組成物。
【請求項2】コプラミールにキシラナーゼおよびβ−ガラクトマンナナーゼの2種類の酵素を作用させ、マンノース含有コプラミール組成物を製造する方法。
【請求項3】キシラナーゼのβ−ガラクトマンナナーゼに対する酵素活性比が0.2〜12である請求項1記載の組成物。
【請求項4】キシラナーゼのβ−ガラクトマンナナーゼに対する酵素活性比が0.2〜12である請求項2記載の方法。
【請求項5】コプラミールにキシラナーゼを作用させ、次いでβ−ガラクトマンナナーゼを作用させてマンノース含有コプラミール組成物を製造する方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飼料添加用として特にサルモネラ菌排菌効果の期待されるマンノースを含有するコプラミール組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、飼料にマンノース類を添加することによりサルモネラ菌の排菌効果が期待されることが知られている(Poultly Science 1989 68 1357)。また、ヤシ油を搾った粕として産出されるコプラミールにマンナンが豊富に含有されることも従来より知られており、コプラミールなどガラクトマンナン類を含む原料に酵素を作用させて得られるマンノース多糖体を家畜用飼料に配合することにより、サルモネラ汚染防止に効果があるとの報告もなされている(特開平8-173055号)。しかし、これらは、使用する酵素がβ−マンノシダーゼあるいはガラクトマンナナーゼ単体もしくはα−ガラクトシダーゼとの組み合わせであり、目的成分もマンノースのオリゴ糖ないしは多糖類であってマンノースではない。マンノース類は、単糖とオリゴ糖、多糖類では効能に差があり、単糖のマンノースがサルモネラ菌に対して最も有用に働くとの報告もあるが、マンノースは高価であり飼料への添加は養鶏業界にとっては経済的負担となる。このような事情から、効果と製造コストの面を考慮した上でさらに安価な飼料添加用のマンノースを提供することが市場から求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】既述のように、単糖のマンノースは有害細菌の排除効果が認められており、飼料に添加することが求められているが、非常に高価であり殆ど実用されていない。また、オリゴマンノースが開発されているがサルモネラに対する排菌効果はあまり期待できない(鶏病研究報告1995 31 113)。
【0004】
【課題を解決するための手段】コプラミールはヤシ油を搾った粕として産出され、それ自体が動物の飼料として利用されている。しかし、その中に30〜36%含まれるコプラマンナンは難消化性である上、サルモネラ菌の排除効果もあまり無く、有効に利用されているとは言い難い。本発明者はβ−ガラクトマンナナーゼおよびキシラナーゼを組み合わせてコプラミールに作用させると、1種の酵素のみによる場合よりも多量に単糖のマンノースが遊離することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、コプラミールにキシラナーゼおよびβ−ガラクトマンナナーゼの2種類の酵素を作用させて得られるマンノース含有コプラミール組成物、およびその製造方法を骨子とする。
【0005】使用するβ−ガラクトマンナナーゼは、市販されているもの(例えばヘミセルラーゼGM「アマノ」/天野製薬株式会社、スミチームACH/新日本化学工業株式会社)で良く、キシラナーゼについても市販品でよい(例えばヘミセルラーゼ「アマノ」90/アマノ製薬株式会社等)。尚、これら市販品で入手可能なもののほとんどはいずれも Aspergillus niger由来である。
【0006】使用する酵素量は、コプラミール10gに対して、キシラナーゼ及びβ−ガラクトマンナナーゼ活性の合計値として1000u〜5000u(ユニット)を目安とし、キシラナーゼのβ−ガラクトマンナナーゼに対する酵素活性比が0.2〜12、好ましくは、0.5〜8、より好ましくは、1.3〜3とするのが良い。キシラナーゼ活性が小さすぎたり、β−ガラクトマンナナーゼ活性が小さすぎると効率的な反応が困難となる。
【0007】これら酵素をコプラミールに作用させる。コプラミールはヤシ油を搾った粕として産出するものが使用でき、通常その中にマンナンを30〜36重量%程度含有するものである。酵素はコプラミールと均一に混合すればよいが、コプラミールは非常に吸水性が高いため、均一混合に必要な反応系の水分量はかなり必要である。しかし、マンノースの精製工程などで水分を除去する必要から必要最小限にとどめるべきであり、適する水分量は、反応系中50〜70重量%、好ましくは58〜62重量%である。キシラナーゼ、β−ガラクトマンナナーゼは、別々に添加することもできるが、上記反応系の水分量となるような量の水に両酵素を溶解した水溶液を用意し、コプラミールに添加して混合するのが簡便である。
【0008】次に、酵素反応に移行するが、本発明における酵素反応の形式は2段階になっており、まずキシラナーゼを作用させあらかじめマンナンを大まかに分解し、後にβ−ガラクトマンナナーゼを作用させてマンノースを得るのが効率的である。このために、先ず、キシラナーゼの作用する至適温度に一定期間保持し、その後、β−ガラクトマンナナーゼの指摘温度で反応を進めるとよい。β−ガラクトマンナナーゼの至適温度の方が、キシラナーゼの至適温度よりも高温であるため、最初から両酵素を添加しておいても至適温度の低い酵素に失活などのダメージが少なく、至適温度を変化させるのに反応系を冷却する必要もなく好都合である。
【0009】本法により処理したコプラミールは遊離の単糖のマンノースを含んでおり、そのままあるいは適宜乾燥させて飼料に配合するか、もしくは水溶性画分を抽出して飼料に添加することにより、特にサルモネラ菌の排除効果を発揮することが出来る。
【0010】例えば、本発明によるとコプラミール100gから10〜15gのマンノースが生じ、これは全体の4〜7.5%程度に当たるためこの反応処理後のコプラミールをそのまま乾燥した飼料等に配合することもできる。その配合量を0.25〜1%程度とすれば配合飼料でのマンノースの含量は0.01〜0.075%となりサルモネラ菌など有害細菌の排除効果が得られるのである。
【0011】以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。
【0012】
【実施例】圧搾コプラミール10gに対し、キシラナーゼおよびβ−ガラクトマンナナーゼの合計重量を1/30g一定とし、両酵素の配合率を、0:100〜100:0まで種々変化させて調製した酵素液15gを混合して反応を行った(表1)。反応は、混合物を密閉容器に入れ、50℃24時間インキュベーターに静置保管した後、60℃48時間インキュベーターに静置保管反応させて行った。尚、キシラナーゼは、ヘミセルラーゼ「アマノ」90(アマノ製薬株式会社製 商品名、キシラナーゼ活性90000u/g以上)。β−ガラクトマンナナーゼは、ヘミセルラーゼGM「アマノ」(天野製薬株式会社製 商品名、β−ガラクトマンナナーゼ活性45000u/g以上)を使用した。
【0013】表1に示す結果から、β−ガラクトマンナナーゼとキシラナーゼを組み合わせたものは各酵素を単体で使用した場合より、マンノースの生成量が多くなっることがわかる。尚、生じたマンノースの定量は次のように行った。酵素処理コプラミールに50gの水を加え沸騰浴中にて10分間保持し、酵素を失活させると同時に水溶性成分を水層に溶解させた後、全体を100mlに定容し、ろ過して水溶液を得た。この溶液を除たん白するなど適宜前処理し、高速液体クロマトグラフィーを使用してマンノース量を調べた。
【0014】
(表1)
β−ガラクトマンナナーゼ対キシラナーゼ重量比 0:100 10:90 20:80 30:70 40:60 50:50−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−β−ガラクトマンナナーゼ活性 0u 150u 300u 450u 600u 750uキシラナーゼ活性 3000u 2700u 2400u 2100u 1800u 1500uマンノース生成量(mg) 406 775 1144 1154 1163 1202−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− β−ガラクトマンナナーゼ対キシラナーゼ重量比 60:40 70:30 80:20 90:10 100:0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−β−ガラクトマンナナーゼ活性 900u 1050u 1200u 1350u 1500uキシラナーゼ活性 1200u 900u 600u 300u 0uマンノース生成量(mg) 1241 1195 1149 974 799−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−【0015】
【図1】

【0016】
【図の説明】図1は、表1に示すマンノース生成量をグラフ化したものである。
【発明の効果】2種の酵素を組み合わせることにより効率的かつ経済的にマンノースを遊離させることが出来、本発明のマンノース含有コプラミール組成物あるいは、当該組成物から抽出して得られるマンノース類を、飼料に添加することにより、経済的なコストでサルモネラ菌の排菌効果が期待できる。
【出願人】 【識別番号】000236768
【氏名又は名称】不二製油株式会社
【出願日】 平成11年2月26日(1999.2.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−245356(P2000−245356A)
【公開日】 平成12年9月12日(2000.9.12)
【出願番号】 特願平11−52035