| 【発明の名称】 |
魚等の鮮度保持方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】和田 悦子
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| 【要約】 |
【課題】安価な魚等の鮮度保持方法を提供すること。
【解決手段】食塩水からなる氷を用いることにより、魚等の味を損なうことなく鮮度が保持できる方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 塩化ナトリウム濃度が0.1〜10重量%の食塩水からなる氷を鮮魚等と直接接触する状態で共存させることを特徴とする魚等の鮮度保持方法。 【請求項2】 請求項1記載の食塩水に食塩以外にミネラル類を溶解した氷を用いることを特徴とする請求項1記載の魚等の鮮度保持方法。 【請求項3】 請求項1,2記載の氷に抗酸化成分を含むことを特徴とする請求項1,2記載の魚等の鮮度保持方法。 【請求項4】 請求項1〜3記載の鮮魚が甲殻類である魚の鮮度保持方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は魚等の鮮度保持方法に関する。 【0002】 【従来技術】 【0003】従来、魚等の鮮度保持方法として、漁獲した魚をすぐ船上で凍結する方法、魚をそのまま冷凍保存する方法、魚と氷を共存させる方法等の鮮度保持方法が用いられていた。 【0004】また、魚の量によっては木箱や発泡スチロールの箱に魚を入れ、冷蔵保存する方法、箱の中に氷と魚を共存する方法などが用いられていた。 【0005】特に、安価な魚の鮮度保持方法として用いられる魚と氷を直接接触できる状態で共存させる方法では氷の融解した水に魚の旨み成分が溶出するとともに、魚に水が吸われ、見た目の魚の鮮度はある程度保持されているが魚本来の味を保持することができないなどの問題があり、特に魚体の大きい魚では顕著であり、著しく魚の価値を低下させるなどの問題があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従来の安価な魚の鮮度保持方法として用いられる魚と氷とを直接接触できる状態で共存させる魚の鮮度保持方法では十分な魚の鮮度を保持することができなかった。そこで、同様な安価な魚の鮮度保持方法で、より鮮度を保持できる方法を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、食塩水からなる氷を用いることにより、魚が持つ浸透圧との差を少なくすると共に、氷の溶解温度を魚の氷温温度に近づけることで、魚の味を損なうこと無く鮮度保持ができることを見出だし、本発明に達した。 【0008】すなわち、塩化ナトリウム濃度が0.1から10重量%の食塩水からなる氷を鮮魚と直接接触する状態で共存させることを特徴とする魚の鮮度保持方法を提供する。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明で用いる食塩の純度には限定されない。例えば、塩化ナトリウム含有量が99.0重量%以上の通常食塩として上市されているもの、塩化ナトリウム含有量88重量%以上を含む天然塩、同85重量%以上を含む調整塩などを挙げることができる。好ましくは、ミネラル成分が比較的多くある天然塩である。 【0010】また、食塩を溶解させる水又は塩水は飲んで人体に害を与えないものであればよく、その種類には限定されない。たとえば、水道水、地下水、ミネラル水、海水、深層水等を挙げることができる。好ましくは、安値で入手が簡単な水道水である。 【0011】本発明で用いる氷の製氷方法は限定されない。たとえば塩水溶液を容器に溜め外部より冷却する製氷方法、塩水溶液を直接冷却板に接触させ製氷する方法、塩水を入れた容器を真空に引き自己凍結させる製氷方法などを挙げることができる。好ましくは、塩水を容器に入れ、外部より冷却する方法である。 【0012】本発明で用いる氷の大きさは限定されない。例えば、20〜50Kgの角型ブロック、各ブロックを砕いた数十g〜数百g、各ブロック又は製氷機でかき氷状にしたものなどを挙げることができる。好ましくは、後者の二つの大きさのものである。 【0013】本発明で用いる塩水氷の塩化ナトリウム含有量は0.1〜10重量%の範囲のものであればよい。好ましくは、氷の溶解温度を低下させ、魚との浸透圧差を低減できる1〜5重量%の範囲の食塩濃度である。 【0014】本発明では食塩以外に酢酸、乳酸、林檎酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、フイチン酸、リン酸、塩酸、硫酸、炭酸等のナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどの塩類の1種以上を組み合わせたものを用いることができる。 【0015】また、上記塩類以外にアスコルビン酸、ビタミンE、ローズマリー抽出物、カテキン類、ルチン、クエルセチン、麹酸、フェルラ酸等の天然抗酸化物質の1種以上を含有させることが可能である。 【0016】本発明の鮮度維持方法において、塩水氷と魚とが直接接触するような状態とは、魚と破砕した氷とがそのまま容器に混在する状態又は氷のブロックの上に布を敷き、その上に魚を載せた状態、氷を布又は穴の開いた樹脂制の袋に入れ、魚と混在させた状態などをいう。すなわち、塩水氷の溶解した塩水溶液が直接魚に触れるような混在状態をいう。 【0017】また、塩水氷と魚の混在状態において、その規模については限定されない。例えば、漁船の船倉、1〜5トンの樹脂容器、トロ箱、発泡樹脂容器などを挙げることができる。 【0018】 【実施例】以下に実施例および比較例を示す。また、特に説明のない限り%は重量基準である。 【0019】実施例1 比較例1水道水1トンに20Kgの食塩(塩化ナトリウム99.0%以上)を溶融したのち、50Kg容量の直方体の容器に入れ、−40℃のブライン槽に漬け、塩水氷を得た。(実施例1)また、塩水を含まない氷を同様に得た。(比較例1) 【0020】これらの氷を砕氷機に掛け30〜100gの砕氷氷を得た。 これらの砕氷氷8Kgを近海でとれた鯵10Kgとを発泡スチロールのトロ箱に入れ蓋をし、常温で2日間放置したのち、これらの鯵を取り出し、鯵のたたきを作り10人のパネラーで匂い味に関して評価を行った。 【0021】評価の結果、比較例1のものは10人中8人が味気無さを感じ、さらにその中の5人が生臭さを感じたと評価したのに対し、実施例1のものは10人全員が、生臭さはなく、美味しさのあるものであると評価した。 【0022】実施例2 比較例2水道水1トンに30Kgの食塩(塩化ナトリウム99.0%以上)を溶融したのち、50Kg容量の直方体の容器に入れ、−40℃のブライン槽に漬け、塩水氷を得た。(実施例2)また、食塩を含まない氷を同様に得た。(比較例2)さらにこれらの氷を砕氷機に掛け5〜10gの砕氷氷を得た。 【0023】これらの砕氷氷5Kgを用いて、2〜3Kgのハマチを全体が氷のなかに埋まるようにして、発泡スチロール製の箱に入れ、常温で2日間放置したのち、実施例1と同様に、10人のパネラーで、ハマチの刺身を評価した。 【0024】その結果、比較例2のものは10人中8人が水っぽさを感じたのに対し、実施例2のものは10人中10人が水っぽさを感じないと共に、美味しいものであると評価した。 【0025】実施例3 比較例3水道水1トンに30Kgの天然塩(塩化ナトリウム88.0%以上)、緑茶カテキン(伊藤園製)500gを溶融したのち、50Kg容量の直方体の容器に入れ、−40℃のブライン槽に漬け、塩水氷を得た。(実施例3)また、食塩を含まない氷を同様に得た。(比較例3)さらにこれらの氷を砕氷機に掛け20〜50gの砕氷氷を得た。 【0026】これらの砕氷氷を用いて、近海でとれた鯖5Kgと砕氷氷5Kgを発泡スチロール製のトロ箱の入れ、蓋をしたのち、2日間放置し、魚の仲買人5人に評価を行ってもらった。 【0027】その結果、実施例3は鮮度のよいものであると判断されたのに対し、比較例3は鯖特有の皮の表面の艶と色が落ち、商品価値のないものであると評価された。 【0028】実施例4 比較例4水道水1トンに20Kgの食塩(塩化ナトリウム99.0%以上)、緑茶カテキン(伊藤園製)500g、水溶性ルチン(東洋製糖製)500g、硫酸マグネシウム50g、塩化カリウム1Kgを溶解したのち、50Kg容量の直方体の容器に入れ、−40℃のブライン槽に漬け、塩水氷を得た。(実施例4)また、食塩を含まない氷を同様に得た。(比較例4)さらにこれらの氷を砕氷機に掛け20〜50gの砕氷氷を得た。 【0029】これらの砕氷氷を用いて、近海で取れた鰯10Kgと砕氷氷8Kgを発泡スチロール製のトロ箱に入れ、蓋をしたものをそれぞれ10箱作り、2日間放置したのち、水産市場に出し、出荷状況を確認した。 【0030】その結果、実施例4はすべて出荷したのに対し、比較例4はすべて出荷できなかった。 【0031】実施例5 比較例5水道水1トンに20Kgの食塩(塩化ナトリウム99.0%以上)、麹酸(関西ペイント製)500g、亜硫酸ナトリウム100gを溶解したのち、50Kg容量の直方体の容器に入れ、−40℃のブライン槽に漬け、塩水氷を得た。(実施例5)また、食塩を含まない氷を同様に得た。(比較例5)さらにこれらの氷を砕氷機に掛け20〜50gの砕氷氷を得た。 【0032】これらの氷を漁船に積み、甘海老を漁獲したのちただちに甘海老10Kgと砕氷氷8Kgを発泡スチロール製のトロ箱に入れ蓋をして、漁獲2日後その状態と味を評価した。 【0033】評価の結果、比較例はすべて黒変し味の劣るものであったが、実施例は黒変もなく味もよいものであった。 【0034】 【発明の効果】本発明によれば、従来にはない、魚体の大きさに関係せずに魚の味を損なうこと無く、安価で簡単に魚の鮮度を保持する事が可能になった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599099102 【氏名又は名称】サン・シーリング有限会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月14日(1999.6.14) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−354454(P2000−354454A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月26日(2000.12.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−202098 |
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