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【発明の名称】 食用獣のブングを取り除くための方法及び装置とベントカッター
【発明者】 【氏名】バン オクテン サンダー アントニー

【氏名】ポスト ジェラルド ジャン

【要約】 【課題】胴体からブングを取り除くための方法および装置を得る。

【解決手段】この方法は、A)ブングを掘り出すステップと、B)掘り出したブングを胴体から引き出すステップと、C)胴体を、そして胴体から距離においてブングを誘導するステップとからなる。このとき、ブングは、肛門開口部近くにガイドに沿って運ばれる。この装置は、胴体のためのコンベヤーと、ブングを胴体からを切り離すためのベントカッターと、掘り出したブングを胴体から引き出すための抽出手段と、引き出したブングのためのガイド手段とからなる。この場合、ガイド手段は、コンベヤーによって運ばれる胴体の肛門開口部近くに位置するように、コンベヤーに対して配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】胴体からブングを取り除くための方法であって、A)前記ブングを掘り出すステップ、B)掘り出した前記ブングを前記胴体から引き出すステップ、そしてC)前記胴体を誘導し、そして前記胴体から距離をおいて前記ブングを誘導するステップからなり、前記ブングが肛門開口部近くでガイドに沿って運ばれることを特徴とする方法。
【請求項2】ステップB)で引き出した前記ブングを、ステップC)において、前記ブングが元の位置に戻らないように係止することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】ステップB)において、陰圧を用いて前記ブングを前記胴体から引き出すことを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の方法。
【請求項4】ステップB)において、ステップA)での前記ブングの掘り出しに用いた工具を使用することによって、前記ブングを前記胴体から引き出すことを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の方法。
【請求項5】ステップB)において前記ブングを前記胴体から引き出すときに、直腸と胴体との間の一つ以上の繋がりが同時に分断されることを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】ステップB)において、前記ブングを前記胴体から引き出す前に、直腸と胴体との間の一つ以上の繋がりが分断されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】ステップC)において、前記ブングをヘッドと前記胴体との間で係止することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】ステップC)において、前記ブングが、ガイドによって運ばれて誘導されることを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】掘り出された前記ブングが係止手段によって係止され、この係止手段が、ステップC)において、ガイドに沿って変位されることを特徴とする請求項2から請求項8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】処理すべき前記胴体の形状及び位置に応じて、ステップC)において、前記ブングが誘導されて位置決めされることを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】前記ステップA)からステップC)の前に、−恥骨を裂く、そして−開腹する処理を行うことを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項12】ステップC)における誘導中に、消毒剤あるいは蒸気等の洗浄剤でブングが洗浄されることを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項13】胴体からブングを取り除くための装置であって、−胴体のためのコンベヤーと、−胴体からブングを切り離すためのベントカッターと、−掘り出した前記ブングを前記胴体から引き出すための抽出手段と、−掘り出した前記ブングのためのガイド手段とからなり、前記ガイド手段が、前記コンベヤーに運ばれる前記胴体の肛門開口部近くに位置するように、前記コンベヤーに対して配置されることを特徴とする装置。
【請求項14】前記ガイド手段が前記コンベヤーにほぼ平行に配置されることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】前記ガイド手段には、前記ブングが元の位置に戻らないように、誘導中に前記ブングに係合する係止手段が設けられていることを特徴とする請求項13あるいは請求項14に記載の装置。
【請求項16】前記ガイド手段は、変位可能に取り付けられると共に、胴体の形状及び位置に応じて前記ガイド手段を位置決めするための制御手段が設けられていることを特徴とする請求項13から請求項15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】前記係止手段及び前記ガイド手段が、ブングを受けて誘導するためのガイド・スロットからなることを特徴とする請求項15あるいは請求項16に記載の装置。
【請求項18】前記ガイド・スロットを形成する要素が、相互に対向して、互いに向けて付勢されて配置されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】前記係止手段及び前記ガイド手段が、ガイド内で変位可能な少なくとも一つの係止部材からなることを特徴とする請求項15から請求項18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】前記ガイドがエンドレスであり、そして前記ガイドの一部が前記コンベヤーに対してほぼ平行であることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】ブングの誘導中にブングを洗浄する洗浄剤からなることを特徴とする請求項13から請求項20のいずれかに記載の装置。
【請求項22】前記係止手段及び前記ガイド手段が、前記コンベヤーに前記胴体を係止する吊り手段に結合されていることを特徴とする請求項13から請求項15のいずれかに記載の装置。
【請求項23】前記抽出手段が、掘り出した前記ブングに陰圧によって係合する請求項13から請求項22のいずれかに記載の装置。
【請求項24】前記抽出手段が前記ベントカッターに統合されている請求項13から請求項23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】前記ベントカッターが、ジャケットのようなナイフと肥厚外方端部を持つ中心コアとからなり、掘る前に肛門へ挿入された前記コアが、掘り出し後に前記ジャケットのようなナイフによって少なくとも部分的に包まれるように、前記コアが前記ジャケットのようなナイフに対して軸方向へ変位可能であり、これによって、前記肛門が前記ジャケットのようなナイフと前記コアの前記肥厚外方端部との間に囲まれることを特徴とする請求項24に記載の装置。
【請求項26】前記ベントカッターには、前記ベントカッターに対して所望の位置に前記中心コアを固定するための固定手段が設けられていることを特徴とする請求項25に記載の装置。
【請求項27】ブングを胴体から切り離すためのベントカッターであって、このベントカッターによって取り除くべきブングに係合させるための係止手段が設けられているベントカッター。
【請求項28】ジャケットのようなナイフと肥厚外方端部を持つ中心コアとからなり、掘る前に肛門へ挿入された前記コアが、掘り出し後に前記ジャケットのようなナイフによって少なくとも部分的に包まれるように、前記コアが前記ジャケットのようなナイフに対して軸方向へ変位可能であり、これによって、前記肛門が前記ジャケットのようなナイフと前記コアの前記肥厚外方端部との間に囲まれることを特徴とする請求項27に記載のベントカッター。
【請求項29】前記ベントカッターには、前記ベントカッターに対して所望の位置に前記中心コアを固定するための固定手段が設けられていることを特徴とする請求項27あるいは請求項28に記載のベントカッター。
【請求項30】前記ベントカッターには、前記コアと、係合した肛門との間に気流を発生させるための吹込手段が設けられている請求項27から請求項29のいずれかに記載のベントカッター。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食用獣の胴体のブングを取り除くための方法及び装置に関する。本発明は、また、本発明による装置に用いるためのベントカッターに関する。
【0002】
【従来の技術】家畜、特に豚等の大規模な食肉加工では、食用獣の胴体は、コンベヤーから吊られて複数の加工ステーションを通過する。このような加工処理の例としては、陰部の骨を裂くこと、腹部を開くこと、ブング(bung)を取り除くこと(ベントカッティングとも呼ぶ)、性器を切断すること、消化器官を除去すること等がある。食用獣の加工処理においては、食肉の品質が損なわれないことが非常に重要である。したがって、腸の中身、特に直腸と、肉との接触を最小限に抑えることが重要である。胴体から消化器官を除去する位置とは異なる位置においてブング(直腸の外方端部)を取り除くことが行われるため、切断したブングからの中身が胴体に接触しないように防ぐ処置をとることが望ましい。さらに、ブングの外部は切断によって汚染されるため、切断されたブングの外方端部も、胴体に接触しないように防ぐ必要がある。既存の処置としては、例えば、脂肪の栓を用いて肛門を閉じるというやり方がある。また、除いたブングを封入することが可能な装置も存在するが、ブングをさらに処理するためには、封入したものを除去しなくてはならない。このように既存の方法及び装置の衛生度は限られている。
【0003】国際特許出願WO92/13458には、屠殺した動物の肛門の切除を機械化するための方法及び装置が開示されている。この方法及び装置では、掘り出したブングを腹側へ水平に移動し、ブングを選別板に掛け、ブングの外方端部と胴体との間の接触が起こらないようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この方法及び装置は、胴体上でブングの掘り出しを行わなければならないし、しかも、装置を、胴体における脚の間の腹側へ移動させなくてはならないため、比較的に複雑である。ブング掘り出しのために装置を正しく位置決めできるように鏡が配置される。屠殺者は鏡から得た視覚的な情報を用いて装置の位置決めを行わなければならない。この仕事は、人間工学的に危険であると共に、複雑なために自動化が不可能である。それから、掘り出したブングを板に掛けるが、このことは、ブングの位置が完全には制御されないことを暗示している。したがって、ブングが選別板の縁から垂れ下がる。この方法及び装置には、腹腔へのアクセスが妨げられてしまうというもう一つの欠点がある。
【0005】本発明の目的は、胴体からブングを取り除くための改良された方法及び装置を提供することによって、自動化された衛生的な状態で食肉が加工できるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的のために、本発明は、次のステップからなる、胴体からブングを取り除くための方法を提供する。A)ブングを掘り出すステップ、B)掘り出したブングを胴体から引き出すステップ、そしてC)胴体を誘導し、そして胴体から離してブングを誘導するステップ。このとき、ブングを、肛門の開口部近くへガイドに沿って移動させて掘り出し、ブングを引き出してから、胴体から距離をとってブングを誘導する。このような方法によって、ブングが胴体に接触するのを防ぐことができる。ブングは、肛門の開口部近くへ、すなわち胴体の後側の直腸領域近くへ、別の言葉で言えば、骨盤腔から最短距離でガイドに沿って運ばれる。掘り出したブングは、直腸の除去部分とも呼ぶが、概して、長さが10から20センチあり、外側端部を、ガイドに接触させることができるほど長い。したがって、胴体の後側を介してブングを掘り出して、単純な方法で、このブングをガイドに付けることが可能である。この方法は、比較的に単純に行うことができ、人間工学的に従来の技術による方法よりも安全である。この単純な方法は、さらに加工処理を自動化することが可能である。本発明による方法によれば、掘り出されたブング、あるいは掘り出された肛門は、それをさらに閉鎖あるいは封入する必要がなく、また、腹腔の処理への障害にもならない。
【0007】ステップC)においては、ステップB)で引き出したブングを、ブングが元の位置に戻るのを阻止するように止めることが好ましい。ブングの止め方は、ブングの外側端部を握る、引っ掛ける、あるいは外側端部を完全に固定する。このようにすれば、除いたブングが、予期せずガイドから外れて胴体内へ戻るのを防ぐことができる。現在のやり方では、このように胴体内へ戻ってしまうことがよく起こり、胴体を汚染する原因となっている。さらに、ブングの位置制御を行うことは、次に続く処理を簡単にできるという利点がある。ブングの位置が固定されるので、次の工程では、ブングを置き直す必要がない。このため、処理を容易に機械化する、あるいは自動化することが可能である。ブングは胴体の肛門開口部近くにおいて係止するが、用いる係止部材に応じて、ガイドを、肛門開口部からより離れた位置に配置し、ガイドに連結した係止部材を、その距離だけ延ばすことができる。この場合は、ブングを肛門開口部近くからガイドするが、ガイド自体を遠隔に配置することによって、胴体及びブングの平行輸送を行うことも可能である。
【0008】好適実施例においては、ステップB)において、陰圧を用いてブングを胴体から引き出す。陰圧を用いることによって、例えば、排せつ物等の緩い部分を、ブングを捕らえると同時に抽出することができる。陰圧を用いるもう一つの利点は、種々の形状のブングを比較的に容易に捕らえることができることである。
【0009】この方法を単純化するため、ステップA)においてブングを掘り出した工具を用いて、ステップB)におけるブングの胴体からの引き抜きを行う。したがって、ブングの位置決め及びガイドに関するすべての利点を生かして、掘り出したブングを、胴体から、かなりの距離だけ移動することが可能である。工具を二つの目的に対して使用することで、ブングを引き出すために別個に位置決めする必要がない。また、かなり大きさに違いがある胴体の処理も、特に、ブングのガイドが一定の経路で行われる場合に、同一加工ラインで容易に加工することが可能である。ステップB)においてブングを引き出すとき、直腸と胴体との一つ以上の連結部分を同時に断つことができる。この場合、胴体からブングをさらに離すように移動することも、同時に、より完全に分離することも可能である。これは、胴体部をさらに加工する上で有利である。択一的に、ステップB)において胴体からブングを引き出す前に、直腸と胴体との一つ以上の連結部分を断つことも可能である。ここで、さらに、例えば、腸を手で切断してもよい。この場合の利点も、胴体からブングをさらに引き離すことができることである。
【0010】もう一つの好適実施例においては、引き出したブングを、ヘッドと胴体との間で係止する。掘り出したブングの外方端部には、尻の穴とも呼ばれるヘッドが備わっている。このヘッドは、直腸の他の分離部分よりも広く、そして余り弾性がない。このため、胴体とヘッドとの間でブングを係止すれば、この厚い部分によって、係止されたブングが外れることを阻止することが可能である。ブングはこの部分で圧縮されるように係止されることが好ましい。このようにすれば、ブングから直腸の内容物が出てしまう危険性がさらに減少する。
【0011】ステップC)において、ブングは、ガイドによって運ばれるように誘導されるが、このとき、ガイドに沿って変位する係止手段によってブングを係止することも可能である。このようにすれば、ステップC)において、ブングを、処理すべき胴体の形状及び位置に応じて誘導し配置することが可能である。したがって、連続的に運ばれてくる胴体の別個のブングを、例えば、強固なガイドに沿って変位可能で(胴体の大きさに応じて)種々の作用長を持つ係止部品を介して、ガイドから種々の距離において個々に係止することができる。このように、処理すべき胴体と誘導距離とを考慮して、最も適切な誘導方法を選択することができる。
【0012】ステップAからステップCを行うことによって胴体からブングを取り除く前に、恥骨を裂く、そして腹部を開く処理を行うことが好ましい。この工程順は、上記の方法とは独立して、本発明の適用の一部分を形成する。また、恥骨を裂くことと腹部を開くことの間に、ピズル(pizzle)、すなわち雄生殖器を取り除く処理を入れることも可能である。さらに、ブングを取り除く前に、腸と胴体との間のいくつかの繋がりを分断することも可能である。ブングを掘り出す前に、これらの処理を行うことによって、ブングを掘り出す位置に比較的に近い位置で消化器官の除去を行うことができる。このため、ブングを限られた距離だけ誘導すればよいという利点がある。
【0013】もう一つの望ましい方法としては、ステップC)による誘導中に、ブングを、例えば乳酸溶液あるいは蒸気等の消毒剤で洗浄する。ブングを洗浄することによって、ブングから生じる不純物を直接的に消滅させて、その後、洗浄剤を回収して排出させる。これによって食肉加工中の衛生度が向上する。
【0014】本発明は、また、胴体からブングを取り除くための装置を提供する。この装置は、胴体のためのコンベヤーと、ブングを胴体から切り離すためのベントカッターと、掘り出したブングを胴体から引き出すための抽出手段と、引き出したブングのためのガイド手段とからなり、ガイド手段は、コンベヤーによって運ばれる胴体の肛門開口部近くに位置するように、コンベヤーに対して配置される。このような装置は比較的に簡単に具体化することができる。例えば、胴体のためのコンベヤーを持つ既存のシステムと、そのタイプに応じて少なくとも一つのベントカッターとから、容易に本発明による装置へと変更することが可能である。装置は、掘り出したブングの外方端部を胴体から一定の距離をおいて保持する、そして、胴体の変位中に、ブングが胴体に対してほぼ同じ位置に留まるように胴体と共にブングを変位させることが可能な選択肢を提供する。したがって、この外方端部が誤って胴体に接触し、食肉が汚染されるようなことが起こることを防ぐことが可能である。装置は、操作者を必要としない、すなわち完全に自動的に作動するように構成し、食肉加工ラインに必要な人的資源を減らすことも可能である。これは、本発明による装置が、ブングの外方端部を、例えば袋に封入する装置の代わりに用いられれば特に効果がある。結局のところ、これまでの方法では、封入するための構成、そして封入した物の除去は、人的資源を必要とする。本発明による装置では、封入のための構成は不必要である。コンベヤーによって運ばれる胴体の肛門開口部近くにガイド手段を配置することによって、さらに、腹腔へのアクセスがガイド手段によって妨げられないという利点がある。また、このようにガイド手段を配置することによって、抽出手段を用い、ブングをガイド手段に単純な方法で接触させることが可能になる。
【0015】ガイド手段はコンベヤーにほぼ平行に配置されることが好ましい。胴体の変位中、掘り出され係止されたブングは、胴体と共に変位しなければならないため、コンベヤーとガイドとを相互に平行に配置することが好ましい。このように構成して、引き出されたブングへの負荷を最小とすることで、破損の機会が減少する。
【0016】装置の好適実施例においては、ガイド手段には、ブングが元の位置に戻るのを防ぐように誘導中にブングに係合する係止手段が設けられる。ブングへの係合(掴む、締める等)を介して、ブングの位置を完全に知ることが可能であり、胴体加工の次の処理を容易にする。さらに、掘り出されたブングがガイドから外れることはなく、例えば、胴体におけるブングの元の位置へ戻って不利益を生じることがない。
【0017】好適実施例においては、ガイド手段は胴体の後側へ位置するように配置される。直腸の掘り出された部分が延びる範囲は限られているため、ブングは、胴体の元の位置から比較的に短距離(5から25cm)において係止しなくてはならない。このため、係止手段は、肛門の元の位置から短距離に位置しなければならない。したがって、係止手段とガイド手段とを、直腸領域近くに、すなわち胴体の後側のもも側に位置する骨盤の溝近くに配置することが好ましい。
【0018】もう一つの好適実施例においては、ガイド手段は変位可能に取り付けられ、さらにガイド手段には、胴体の形状及び位置に応じてガイド手段を位置決めするための制御手段が設けられる。先に述べたように、直腸の掘り出された部分が延びる範囲は限られているため、係止手段及びガイド手段は、肛門の元の位置から比較的に短距離に位置しなくてはならない。種々の形状の胴体が加工可能な、柔軟な装置にするために、胴体の形状に応じて、ガイド手段そして/あるいは係止手段の位置が変えられることが好ましい。これは、例えば、フレーム内に旋回可能にガイド手段を取り付け、そして胴体に当接するストップをガイド手段に設けるという単純な方法で実現することができる。ガイド手段の位置は、胴体によってストップが配置される位置に応じて決定される。したがって、ガイド手段は、例えば、胴体の頂部上に位置するシャフトの周りを旋回するように取り付けることもできる。もちろん、センサ手段によって胴体の形状を検出し、その検出値に応じて係止手段そして/あるいはガイド手段の位置を制御することも可能である。装置のもう一つの変形型は、十分に大きな負荷が加えられたときに位置が変化するように、柔軟である、あるいは柔軟に吊られた係止手段そして/あるいはガイド手段から構成される。
【0019】好適実施例においては、係止手段及びガイド手段は、ブングを受けて誘導するガイド・スロットからなる。このようなガイド・スロットの相互に対向する要素には、互いの方向へ付勢力が付与される。このようなガイド・スロット内にブングを配置して、胴体が変位するときにガイド・スロットを通してブングを滑らせる。結局、ガイド・スロットはガイド手段及び係止手段の両方の機能を満たすことになる。このような係止手段及びガイド手段の構造は非常に単純である。十分に力強くブングに係合し、そしてガイド・スロットの相互に対向する要素の間でヘッドが滑らないように、これら相互に対向する要素に、互いへ向かう付勢力を与え、ブングに締付力を加えることもできる。もう一つの好適実施例においては、係止手段及びガイド手段は、ガイド内で変位可能な、少なくとも一つの係止部材からなる。このようなガイドはエンドレスの形態をとることができ、その一部をコンベヤーにほぼ平行配置することが好ましい。したがって、係止部材を、ブングを抑えるグリッパあるいはフォークとして具体化し、この係止部材を、ガイド内で変位可能なキャリッジ上に配置することが可能である。係止部材は、その機能を果たした後、後続のブングに係合できるように始動位置に戻る必要があるため、ガイドをエンドレスの形状にして、戻りの係止部材をブングに係合させないで始動位置に移動させるようにする。また、ブングに係合する係止部材が載るエンドレス・ガイドの経路は、係合したブングに大きな負荷を加えるのを防ぐために、コンベヤーにほぼ平行に位置する必要がある。
【0020】本発明のもう一つの装置においては、係止手段及びガイド手段は、胴体をコンベヤーに係合させる吊り手段と結合される。通常、胴体はフックに吊られ、そのフックに、掘り出したブングに係合する係止手段が設けられる。したがって、コンベヤーが、同時に係止手段を誘導するために用いられるので、この場合、別個のガイドは不必要である。この実施例では、コンベヤーがガイド手段として機能する。
【0021】さらにもう一つの好適実施例においては、装置には、掘り出したブングに陰圧によって係合する抽出手段が設けられる。この利点については既に先に説明している。
【0022】抽出手段がベントカッターに統合された場合、掘り出したブングは、位置決めを行うことなく引き出すことができる。このため、好適実施例においては、ベントカッターはジャケットのようなナイフと、肥厚外方端部を持つ中心コアとからなる。この場合、コアはジャケットのようなナイフに対して軸方向へ変位可能である。このため、掘る前に肛門へ挿入したコアが、掘り出し後にジャケットのようなナイフによって少なくとも部分的に包まれる。その結果、肛門が、ジャケットのようなナイフとコアの肥厚外方端部との間に囲まれる。掘り出し中にコアの肥厚外方端部を肛門内に位置させるように、変位可能なコアをベントカッターから充分な距離だけ突き出すことが可能でなくてはならない。そうすれば、この外方端部が掘り出しの妨げになることはない。掘り出し後、ベントカッターの方向へコアを引っ込めることによって、コアの肥厚外方端部を、掘り出したブングの縁に内部から係合させ、この外方端部をベントカッターに対して付勢させる。しばらくの間、掘り出したブングの外方端部を締めた状態に保つために、ベントカッターには、ベントカッターに対して所望の位置で中心コアを固定する固定手段をも設けることが好ましい。
【0023】最終的な好適実施例においては、装置は、誘導中にブングを洗浄するための洗浄手段からなる。掘り出したブングによって胴体が汚染される危険性を、例えば、消毒剤あるいは蒸気等でブングを洗浄することによって減少させることができる。
【0024】本発明は、さらに、胴体からブングを切り離すためのベントカッターを提供する。このベントカッターには、ベントカッターによって取り除くブングに係合する係止手段が設けられる。好適実施例においては、ベントカッターには、ジャケットのようなナイフと肥厚外方端部を持つ中心コアが設けられる。コアは、ジャケットのようなナイフに対して軸方向へ変位可能である。このため、掘る前に肛門へ挿入したコアが、掘り出し後にジャケットのようなナイフによって少なくとも部分的に包まれる。その結果、肛門が、ジャケットのようなナイフとコアの肥厚外方端部との間に囲まれる。このようなベントカッターは、胴体から肛門を取り除く既存の装置に比較的に容易に適合することができる。過剰な力を加えることなくヘッドをその形状に適合する状態で囲むため、この好適実施例は、肛門に損傷を与える危険がほとんどない状態で、肛門とベントカッターとを一体に結合する。
【0025】また、ベントカッターによる肛門への係合の後にこの係合を続けるために、ベントカッターには、ジャケットのようなナイフに対して所望の位置で中心コアを固定する固定手段を設けることが好ましい。係合された肛門をベントカッターから解放するには、まず、ジャケットとコアとの間の固定を外し、ヘッドを解放するように、ヘッドをその形状に合わせて囲んでいるジャケットとコアとを相互に変位させる。さらに、肛門の除去を容易にするために、ベントカッターには、係合した肛門とコアとの間に気流を発生させる吹込手段が設けられることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】次の図に示す実施例を通して、本発明をさらに説明する。図1は、吊した食用獣3の恥骨2をナイフ4によって裂く第一の処理1を示す。このとき、もも肉も二つの対称な部分に分割される。この処理を行うもう一つの利点は、雄性器の除去、そして開腹処理が単純化されることである。
【0027】この第一の処理1を行った後、ナイフ6を用いて手作業で雄性器7を取り除く第二の処理5を行う。この第二の処理5を行っている間に、胴体3を視覚的に調べると共に、近くで行われている自動処理の監視も行う。第三の処理8では、ナイフ9を用いて胴体3の腹部を開く。
【0028】次の第四の処理10では、ベントカッター11によって胴体3のブングを取り除くが、ここでは概略的に示し、この第四の処理10の続きを、図2aからa図2fを参照しながら説明する。
【0029】図2aは、掘り出されたブング12にベントカッター11を係合させるところを示す。この係合は、例えば陰圧等を用いて行う。この間、胴体3は、ガイド(図示せず)に沿って矢印P1の方向へ移動するフック13に吊されている。ブング12は、二つのガイド・ロッド15間を、楔形の外方端部14を通って移動する。
【0030】図2bは、ベントカッター11がブング12を解放したところを示す。胴体3から離れた側に、ヘッドとも呼ばれる肥厚部16を持つブング12が位置している。
【0031】図2cは、胴体3が矢印P1の方向へさらに移動されるところを示す。このとき、ブング12はガイド・ロッド15内を導かれる。同時に、ベントカッター11を、矢印P2で示す方向へ、後続の胴体を加工する位置へ移動してもよい。
【0032】図2dは、ガイド・ロッド15の外方端部にほぼ到達した位置ある胴体3を示す。次の処理を図2eに示す。ここで、屠殺者17がブング12を掴むため、ブングが胴体3の肉に接触することはない。さて、ブング12はガイド・ロッド15から解放される。
【0033】図2fは、最終的に、屠殺者17が、ナイフ18を用いて、胴体3から直腸とそれに連結する消化器官を切断して胴体3から分離するところを概略的に示す。
【0034】図3は、ガイド・ロッド15によって形成される図2aから図2fで用いたガイドを変形させたものを示す。この装置は、硬質のエンドレスガイド19からなり、このガイドに沿って係止部材20が変位可能である。この図に示す実施例においては、エンドレスガイドは二つの係止部材20を含むが、さらに多くの、あるいはより少ない係止部材20をガイド19上に取り付けることもできる。また、ガイド19は、ブング12に係合しない係止部材20を方向 P4 へ返すための装備が必要である。これは、ブング12によって前方へ移動される一方の係止部材20が、同時に他方の係止部材20を変位させるように、例えば、ケーブルによって係止部材20を相互に連結すればよい。しかしながら、個別の移動手段を配置してもよい。
【0035】図4に、もう一つの装置を示す。この装置では、ガイド・ロッド15がロッド21上に旋回可能に吊られており、コンベヤー22に沿ってフック13が変位可能である。コンベヤー22は、支持構造23から吊られている。この図では、支持構造の僅かに限られた部分だけが示されている。支持構造23には、ロッド21が係合する回転ポイント24が設けられている。ガイド・ロッド15は、重力の影響下で下方へ付勢され、ストップ・ブラケット28が胴体3に当接する。したがって、ガイド・ロッド15は、胴体3の形状に応じて、特に水平方向へ配置される。同様に、垂直方向補正手段を装置に設けることも可能であり、そのような手段を多様な方法で具現させることができる。
【0036】最後に、図5は、ブング12が引き出された胴体3の側面図を示す。ブング12には、僅かに強調させて表したヘッド25がある。ガイド・ロッド15は、ヘッド25と胴体3との間の位置でブング12に係合する。このため、ブング12がガイド・ロッド15から外れることはない。胴体3に対向するハウジング26の開口は、ガイド15の周囲に位置する。ハウジング26内には、洗浄剤で、ブング12の一部、特にヘッド25とヘッドのブング12に隣接する領域とを洗浄するために、清浄ノズル27が配置されている。この洗浄剤は、例えば乳酸溶液等の消毒剤からなることが好ましい。使用後の洗浄剤はハウジング26の底部に沿って排除される。
【0037】図6Aは、ジャケット30を持つ結合型切断抽出工具29を示す断面図である。ジャケットには、胴体へ向けられる側に刃先31がある。ジャケット30の軸方向には、コアあるいは心棒32が配置され、心棒の胴体へ向けられる側には、厚くほぼ球形の外方端部33が設けられている。心棒32はジャケット30に対して軸方向へ変位可能である。図に示す状態では、肥厚外方端部33が完全にジャケット30の外に位置するように心棒32がジャケット30から突き出る。この状態における工具は、刃先31が肛門34の周りの組織35に接触する前に、肥厚外方端部33を、(ヘッド38がある)肛門34内へ挿入することができる。
【0038】図6Bは、ジャケット30の刃先31によって切断処理を行った後の、図 6Aの切断抽出工具29を示す。切断処理によって、ブング36は周囲の組織から剥がされる。切断処理を行った後、心棒32をジャケット30内へ少し引っ込め、肥厚外方端部33を、ジャケット30における内環37で狭まった内側部分の近傍へ位置させる。これによって、内環37と肥厚外方端部33との間の自由空間を減少させ、ヘッド38がこの空間を通過できないようにする。ジャケット30及び心棒32のアセンブリを一体に、胴体から離れるように移動させることによって、このアセンブリと共にブング36を引き出す。ブングがアセンブリから外れることはない。したがって、比較的に大きい引張力をブング36に加えることができるため、ブングを胴体からかなりの距離だけ引き出し、胴体と直腸との間の膜連結を分断することができる。ジャケット30及び心棒32のアセンブリから、ブング36のヘッド38を放出のためには、心棒32を(部分的にジャケット30の外へ)幾分変位させる必要がある。
【0039】最後に、図7は、図 2c に示すものと相当な位置に胴体3を示すが、この場合は、ブング12が、ガイド・ロッド15に直接的に係合するのではなく、係止部材40に係止される。係止部材は、ガイド・ロッド15に沿って変位が可能であり、ガイド・ロッド15から遠方側に、ヘッド16を越えてブング12に係合するジョー41が設けられている。係止部材40には柔軟な中央部42が設けられているため、ジョー41とガイド・ロッド15との間の距離は、ブング12が及ぼす力に応じて可変である。したがって、ブング12のガイド経路は完全に固定されたものではなく、カバーされる経路は、例えば、胴体の大きさに応じて変化する。
【0040】少ない実施例を通して本発明を説明したが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。同業者は、本発明の範囲内において多くの変更及び変化を加えることが可能である。
【出願人】 【識別番号】500064476
【氏名又は名称】ストーク エムピーエス ビー.ブイ.
【出願日】 平成12年2月8日(2000.2.8)
【代理人】 【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
【公開番号】 特開2000−232846(P2000−232846A)
【公開日】 平成12年8月29日(2000.8.29)
【出願番号】 特願2000−30423(P2000−30423)