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【発明の名称】 魚体切断刃および魚体裁割装置
【発明者】 【氏名】吉田 昌徳

【要約】 【課題】生あるいは解凍された状態の魚体を背骨に沿って適正にかつ効率よく裁割することのできる魚体切断刃およびこの魚体切断刃を用いて魚体を自動的に短時間で効率よく裁割することのできる生産性に優れた魚体裁割装置を提供することを目的とする。

【解決手段】無端ベルト状に形成された基部2の少なくとも一端に刃部3を設けることにより魚体切断刃1を形成し、この魚体切断刃1を切断刃駆動手段41により走行可能に配設したことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 無端ベルト状に形成された基部の少なくとも一端に刃部を設けたことを特徴とする魚体切断刃。
【請求項2】 前記刃部が両刃であることを特徴とする請求項1に記載の魚体切断刃。
【請求項3】 魚体を裁割する魚体裁割手段を有する魚体裁割装置において、前記魚体裁割手段は、走行可能に配設される請求項1あるいは請求項2に記載の魚体切断刃と、この魚体切断刃を駆動する切断刃駆動手段とを有していることを特徴とする魚体裁割装置。
【請求項4】 2つの前記魚体切断刃を間隔をおいて相互に対向するようにして走行可能に配設したことを特徴とする請求項3に記載の魚体裁割装置。
【請求項5】 魚体を前記魚体切断刃に向かって搬送する魚体搬送手段を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の魚体裁割装置。
【請求項6】 前記魚体搬送手段は、魚体の体側を両側から挟持して所定の搬送経路を搬送するため間隔をおいて相互に対向するようにして走行可能に配設される1対の無端ベルト状の搬送ベルトと、前記各搬送ベルトを駆動するベルト駆動手段と、前記各搬送ベルトの走行経路を規制するため前記各搬送ベルトを介して魚体の搬送経路に臨むようにして回転可能に整列配置されるとともに、魚体が通過する際に前記各搬送ベルトを介して魚体に当接される魚体押さえを兼ねた複数のガイドローラと、を有していることを特徴とする請求項5に記載の魚体裁割装置。
【請求項7】 前記各搬送ベルトは、魚体に対する所定の当接力を保持した状態で相互間の間隔が拡縮可能に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の魚体裁割装置。
【請求項8】 前記各搬送ベルトは、魚体の前記魚体切断刃の走行方向の下流側の部位を挟持するように配設されていることを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載の魚体裁割装置。
【請求項9】 前記魚体切断刃の幅方向と魚体の搬送方向とのなす角度が30度以下に形成されていることを特徴とする請求項5乃至請求項8の何れか1項に記載の魚体裁割装置。
【請求項10】 前記魚体切断刃を魚体の背骨に接する方向に移動する切断刃移動手段を設けたことを特徴とする請求項5乃至請求項8の何れか1項に記載の魚体裁割装置。
【請求項11】 前記切断刃移動手段は、前記魚体切断刃の少なくとも魚体に接触している部位を魚体の背骨に接する方向に移動する際に、前記魚体切断刃の幅方向と前記魚体搬送手段により搬送される魚体の搬送方向とのなす角度を30度以下に規制する切断刃角度規制手段を有していることを特徴とする請求項10に記載の魚体裁割装置。
【請求項12】 魚体の腹を魚体の裁割位置の手前側で挟持する魚体腹押さえ手段を設けたことを特徴とする請求項5乃至請求項11の何れか1項に記載の魚体裁割装置。
【請求項13】 前記魚体搬送手段によって搬送する魚体の搬送経路および姿勢を制御する魚体制御手段を設けたことを特徴とする請求項5乃至請求項12の何れか1項に記載の魚体裁割装置。
【請求項14】 前記魚体切断刃の刃部を研磨する研磨手段を設けたことを特徴とする請求項3乃至請求項13の何れか1項に記載の魚体裁割装置。
【請求項15】 前記魚体切断刃の表面を清掃するスクレーパを設けたことを特徴とする請求項3乃至請求項14の何れか1項に記載の魚体裁割装置。
【請求項16】 前記魚体切断刃を液分により洗浄する洗浄手段を設けたことを特徴とする請求項3乃至請求項15の何れか1項に記載の魚体裁割装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚体を裁割する魚体切断刃および魚体裁割装置に係り、特に頭を切り落として内臓を摘出した状態の生あるいは解凍した状態の魚体を効率よく裁割すことのできる魚体切断刃および魚体裁割装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鮭、鱈、鰹、鯖、鰤などの各種の魚類から魚の切り身などを形成する場合などにおいて、頭および尻鰭を切り落とすとともに腹を切り裂いて内臓を摘出した状態の魚体を背骨に沿って切断することにより2枚おろしあるいは3枚おろしと称される裁割が行われている。また、近年におては、裁割した状態の魚体が物量の主流となっている。
【0003】そこで、従来から魚体を自動的に効率よく裁割するために各種の提案がなされている。
【0004】これらの従来例としては、例えば、魚体切断刃として帯鋸を用いて魚体を裁割する帯鋸盤のような魚体裁割装置が提案されている。
【0005】ところが、このような帯鋸を用いた魚体の裁割では、魚体が冷凍状態の場合には、帯鋸を用いて効率よく切断して裁割することはできるものの、魚体を背骨に沿って裁割することができないという問題点があった。
【0006】また、帯鋸を用いた魚体の裁割では、魚体が生あるいは解凍された状態の場合には魚体を適正に裁割することができない、すなわち、裁割した身の裁割面が凸凹になったり、裁割した身の裁割面に身割れが生じて外見品質が低下して商品価値の無いものが生じてしまう場合が多いという問題点があった。
【0007】このような問題点に対処するため、魚体を裁割するための魚体切断刃として丸刃を用いるとともに、魚体の搬送方向に沿って複数の丸刃を整列配置した魚体裁割装置が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述した従来の魚体切断刃として丸刃を用いて魚体を裁割する魚体裁割装置においては、丸刃により魚体を裁割した後の身の裁割面の外観品質を適正に保持することはできるものの、魚体を背骨に沿って裁割することができず、背骨に多くの身が残ってしまい裁割された身の歩留まりがよくないという問題点があった。
【0009】また、従来の丸刃を用いて魚体を裁割する魚体裁割装置においては、魚体切断刃が丸刃であることと、魚体の搬送方向に沿って複数の丸刃を整列配置すること、特に、3枚おろしと称される魚体を背骨を中心として両側の身を切り裂いて3枚に裁割する場合にはより多くの丸歯を必要とするなどの理由により魚体の搬送方向の長さが長くなってしまコンパクトな構成とすることができないという問題点もあった。
【0010】そこで、生あるいは解凍された状態の魚体を背骨に沿って効率よく裁割することのできる魚体切断刃およびこの魚体切断刃を用いて魚体を自動的に短時間で効率よく裁割することのできる生産性に優れた魚体裁割装置が望まれていた。
【0011】本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、生あるいは解凍された状態の魚体を背骨に沿って適正にかつ効率よく裁割することのできる魚体切断刃およびこの魚体切断刃を用いて魚体を自動的に短時間で効率よく裁割することのできる生産性に優れた魚体裁割装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するため特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明の魚体切断刃の特徴は、無端ベルト状に形成された基部の少なくとも一端に刃部を設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、魚体切断刃を走行しつつ魚体切断刃の刃部と魚体とを接触することで、魚体切断刃は、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を容易に切断して裁割することができるとともに、魚体の身の裁割面を平滑で身割れの少ない状態とすることができるので、外見品質が優れた商品価値の高い魚体の身を容易に得ることができる。
【0013】また、請求項2に記載の本発明の魚体切断刃の特徴は、請求項1において、刃部が両刃である点にある。そして、このような構成を採用したことにより、両刃の刃部は、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を切断して裁割する際に、刃部に沿って魚体の背骨を移動させることができるので、魚体を背骨に沿って容易に裁割することができ、その結果、裁割した魚体の身の歩留まりの向上を容易に図ることができる。すなわち、走行状態の魚体切断刃の刃部によって魚体を背骨に沿って切断する際に、刃部を片刃とした場合には刃先が魚体の切断の進行にともなって切断方向と直交する方向、詳しくは片刃の刃先が背骨に向かって移動して背骨にくい込んだり、あるいは、片刃の刃先が背骨から離間する方向に移動してしまい、その結果、魚体を背骨に沿って切断して裁割することができないが、刃部を両刃とした場合には刃先が移動しないので魚体を背骨に沿って容易に切断して裁割することができる。
【0014】また、請求項3に記載の本発明の魚体裁割装置の特徴は、魚体を裁割する魚体裁割手段を有する魚体裁割装置において、魚体裁割手段は、走行可能に配設される請求項1あるいは請求項2に記載の魚体切断刃と、この魚体切断刃を駆動する切断刃駆動手段とを有している点にある。そして、このような構成を採用したことにより、切断刃駆動手段により魚体切断刃を走行しつつ魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を魚体切断刃の刃部に接触することにより、魚体を容易に切断して2枚に裁割することができるとともに、魚体の身の裁割面を平滑で身割れの少ない状態とすることができるので、外見品質が優れた商品価値の高い魚体の身を容易に得ることができる。さらに、1つの魚体切断刃で魚体を容易に裁割することができるので、魚体の搬送方向の長さを短くすることができ、設置面積の小さなコンパクトな構成とすることができるとともに、コストを安価にすることができる。さらにまた、請求項2に記載の魚体切断刃を用いた場合には、魚体を背骨に沿って容易に切断して裁割することができるので、裁割した魚体の身の歩留まりの向上を容易に図ることができる。
【0015】また、特許請求の範囲の請求項4に記載の本発明の魚体裁割装置の特徴は、請求項3において、2つの前記魚体切断刃を間隔をおいて相互に対向するようにして走行可能に配設した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、切断刃駆動手段により2つの魚体切断刃を走行しつつ魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を2つの魚体切断刃の刃部に接触することにより、魚体を容易に同時に3枚に切断して裁割することができるとともに、魚体の身の裁割面を平滑で身割れの少ない状態とすることができるので、外見品質が優れた商品価値の高い魚体の身を容易に得ることができる。さらに、2つの魚体切断刃を間隔をおいて相互に対向するように配設しているので、魚体の搬送方向の長さを短くすることができ、設置面積の小さなコンパクトな構成とすることができるとともに、コストを安価にすることができる。
【0016】また、特許請求の範囲の請求項5に記載の本発明の魚体裁割装置の特徴は、請求項3または請求項4において、魚体を前記魚体切断刃に向かって搬送する魚体搬送手段を有する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、魚体搬送手段は魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を魚体切断刃に向かって効率的に搬送することができるので、魚体の加工を効率よく行うことができる。
【0017】また、特許請求の範囲の請求項6に記載の本発明の魚体裁割装置の特徴は、請求項5において、魚体搬送手段は、魚体の体側を両側から挟持して所定の搬送経路を搬送するため間隔をおいて相互に対向するようにして走行可能に配設される1対の無端ベルト状の搬送ベルトと、各搬送ベルトを駆動するベルト駆動手段と、各搬送ベルトの走行経路を規制するため各搬送ベルトを介して魚体の搬送経路に臨むようにして回転可能に整列配置されるとともに、魚体が通過する際に各搬送ベルトを介して魚体に当接される魚体押さえを兼ねた複数のガイドローラとを有している点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ガイドローラにより搬送ベルトの位置を制御しつつベルト駆動手段により搬送ベルトを駆動することにより、搬送ベルトで魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体の体側を両側から挟持して所定の搬送経路に沿って自動的に搬送することができ、魚体を手で移動させる必要がないので、魚体の加工をより効率よく行うことができる。
【0018】また、特許請求の範囲の請求項7に記載の本発明の魚体裁割装置の特徴は、請求項6において、各搬送ベルトは、魚体に対する所定の当接力を保持した状態で相互間の間隔が拡縮可能に形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体の大きさや厚さにかかわらず、魚体の体側を両側から一定の力で各搬送ベルトの間に挟持して魚体を容易かつ適正に搬送することができる。
【0019】また、特許請求の範囲の請求項8に記載の本発明の魚体裁割装置の特徴は、請求項5乃至請求項7の何れか1項において、各搬送ベルトは、魚体の魚体切断刃の走行方向の下流側の部位を挟持するように配設されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を裁割する際の魚体切断刃の負荷により魚体が搬送ベルトから脱落するのを容易に防止することができる。
【0020】また、特許請求の範囲の請求項9に記載の本発明の魚体裁割装置の特徴は、請求項5乃至請求項8の何れか1項において、魚体切断刃の幅方向と魚体の搬送方向とのなす角度が30度以下に形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、魚体切断刃は、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を裁割する際に、魚体を背骨に沿ってより容易に切断して裁割することができるので、背骨に残る身を低減することができ、その結果、裁割された身の歩留まりの向上を容易に図ることができる。
【0021】また、特許請求の範囲の請求項10に記載の本発明の魚体裁割装置の特徴は、請求項5乃至請求項8の何れか1項において、魚体切断刃を魚体の背骨に接する方向に移動する切断刃移動手段を設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、切断刃移動手段は、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を切断して裁割する際に、魚体切断刃の刃部を魚体の背骨に沿わせることができるので、魚体を背骨に沿ってより容易に裁割することができ、背骨に残る身を低減することができ、その結果、裁割された身の歩留まりの向上を容易に図ることができる。
【0022】また、特許請求の範囲の請求項11に記載の本発明の魚体裁割装置の特徴は、請求項10において、切断刃移動手段は、魚体切断刃を魚体の背骨に接する方向に移動する際に、魚体切断刃の幅方向と魚体搬送手段により搬送される魚体の搬送方向とのなす角度を30度以下に規制する切断刃角度規制手段を有している点にある。そして、このような構成を採用したことにより、切断刃角度規制手段は、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を裁割する際に、魚体を背骨に沿ってより容易に切断して裁割することができるので、背骨に残る身を低減することができ、その結果、裁割された身の歩留まりの向上を容易に図ることができる。
【0023】また、特許請求の範囲の請求項12に記載の本発明の魚体裁割装置の特徴は、請求項5乃至請求項11の何れか1項において、魚体の腹を魚体の裁割位置の手前側で挟持する魚体腹押さえ手段を設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、魚体腹押さえ手段により魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体の腹を押さえることにより、腹須骨を背骨に付けた状態で魚体を背骨に沿って容易に切断して裁割することができる。
【0024】また、特許請求の範囲の請求項13に記載の本発明の魚体裁割装置の特徴は、請求項5乃至請求項12の何れか1項において、魚体搬送手段によって搬送する魚体の搬送経路および姿勢を制御する魚体制御手段を設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、魚体搬送手段により搬送する魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体の搬送経路および姿勢を一定の状態に制御することができるので、魚体切断刃により裁割する際の魚体の位置および姿勢を常に一定にすることができ、その結果、魚体を安定して適正に裁割することができる。
【0025】また、特許請求の範囲の請求項14に記載の本発明の魚体裁割装置の特徴は、請求項3乃至請求項13の何れか1項において、魚体切断刃の刃部を研磨する研磨手段を設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、研磨手段は、魚体切断刃の刃部の切れ味を常に適正な状態に保持することができるので、裁割した身の外観品質を高品質の安定した状態に保持することができる。
【0026】また、特許請求の範囲の請求項15に記載の本発明の魚体裁割装置の特徴は、請求項3乃至請求項14の何れか1項において、魚体切断刃の表面を清掃するスクレーパを設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、スクレーパは、魚体切断刃に付着する魚脂、切りくずおよび異物などの除去を確実に行うことができるので、魚体切断刃を常に適正な状態に保持することができ、裁割した身の品質をより高品質の安定した状態に保持することができる。
【0027】また、特許請求の範囲の請求項16に記載の本発明の魚体裁割装置の特徴は、請求項3乃至請求項15の何れか1項において、魚体切断刃を液分により洗浄する洗浄手段を設けた点にある。ここでいう洗浄手段とは、具体的には、ノズルから液分、詳しくは飲料水である水道水をシャワー状にして魚体切断刃にかけることをいう。そして、このような構成を採用したことにより、魚体切断刃に付着する切りくずおよび異物などの除去を確実に行うことができるので、魚体切断刃を常に適正な状態に保持することができ、裁割した身の品質をより高品質の安定した状態に保持することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0029】まず、本発明に係る魚体切断刃の実施形態について説明する。
【0030】図1および図2は本発明に係る魚体切断刃の実施形態を示すものであり、図1は斜視図、図2は図1の刃部の拡大断面図である。
【0031】本実施形態の魚体切断刃1は、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を切断して裁割するためのものであり、図1および図2に示すように、無端ベルト状に形成された基部2の一端に両刃の刃部3が設けられている。この魚体切断刃1は、食品衛生上安全な素材、例えば、ステンレスにより、厚さTが0.55mm程度、幅Wが16mm程度、長さが3300mm程度に形成されている。なお、設計コンセプトなどの必要に応じて基部2の両端に両刃の刃部3を設ける構成としてもよい。
【0032】このような構成の本実施形態の魚体切断刃1によれば、魚体切断刃1を走行しつつ魚体切断刃1の刃部3と魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体とを接触することで、魚体切断刃1は、魚体を容易に切断して裁割することができるとともに、魚体の身の裁割面を平滑で身割れの少ない状態とすることができるので、外見品質が優れた商品価値の高い魚体の身を容易に得ることができる。
【0033】また、魚体切断刃1の両刃の刃部3は、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を切断して裁割する際に、魚体を背骨に沿って容易に裁割することができ、その結果、裁割した魚体の身の歩留まりの向上を容易に図ることができる。
【0034】すなわち、走行状態の魚体切断刃1の刃部3によって魚体を背骨に沿って切断する際に、刃部3を片刃とした場合には刃先が魚体の切断の進行にともなって切断方向と直交する方向、詳しくは片刃の刃先が背骨に向かって移動して背骨にくい込んだり、あるいは、片刃の刃先が背骨から離間する方向に移動してしまい、その結果、魚体を背骨に沿って切断して裁割することができないが、刃部を両刃とした場合には刃先が移動しないので魚体の背骨に沿って容易に切断して裁割することができる。
【0035】つぎに、本発明に係る魚体切断刃を用いた本発明に係る魚体裁割装置の実施形態について説明する。
【0036】図3から図9は本発明に係る魚体切断刃を用いた本発明に係る魚体裁割装置の実施形態の要部を示すものであり、図3は一部を省いて示す全体の要部の正面図、図4は図3の要部の右側面図、図5は図3の要部の左側面図、図6は図3の要部の平面図、図7はベース板に対する従動プーリの回転軸の取り付け状態の要部を示す一部切断断面図、図8は図7を前側から見て示す要部の正面図、図9は図8の9−9線に沿った横移動ガイドと固定ガイドとの取付状態の要部を示す横断面図である。
【0037】本実施形態の魚体裁割装置10は、魚体F、詳しくは、頭(頭部)および尻鰭を切り落とすとともに腹を切り裂いて内臓を摘出した生あるいは解凍された状態の魚体F(図3、図5参照)を背骨に沿って切断することにより3枚おろしと称される、背骨の付いた部位と、背骨の両側の右半身および左半身の2枚の身との総計3枚に同時に裁割するようにしたものである。
【0038】図3から図6に示すように、本実施形態の魚体裁割装置10は、剛性のある素材により正面ほぼ倒立T字状(図3)で、側面および平面がほぼ縦長四角形状(図4から図6)に形成されたフレーム本体11を有している。そして、フレーム本体11の図3右方に示す右側が魚体裁割装置10へ魚体Fを人手あるいはロボットなどにより供給する操作側たる前側FSとされ、図3左方に示す左側が魚体裁割装置10から裁割された魚体Fが排出される排出側たる後側BSとされている。すなわち、本実施形態においては、図3に矢印Aにて示すように、図3右方から図3左方に向かうように前側FSから後側BSに向かって魚体Fが搬送されるようになされている。
【0039】前記フレーム本体11の下部は、平面ほぼ四角形状の基台部12とされており、この基台部12の下部には、魚体裁割装置10のレベル調節および振動吸収を兼ねたレベリングマウント13および魚体裁割装置10を移動自在とする車輪14などが四隅に配設されている。また、フレーム本体11の前側FSの所望の位置には、各種の操作スイッチなどを有する制御パネル(図示せず)が配設されている。
【0040】前記フレーム本体11は、フレーム本体11を前後に分けるようにして立設されたほぼ平板状のベース板16を有しており、このベース板16の上端縁および側端縁には、ベース板16の前後に板厚方向に延出された天板17aおよび2つの側板17b,17bなどからなるカバーと補強とを兼ねたカバー板17が配設されている。そして、ベース板16の後側BSの下部には、基台部12の一部を兼ねるようにして上部が開口とされた液受け18(図3、図5)が配設されている。この液受け18は、図5に示すように、後側BSから見て中央部が低い底面18aを有しており、この最も低い部位の下面には、ドレン19が配設されている。
【0041】前記ベース板16の後側BSには、図5に示すように、魚体Fを切断して裁割するため走行可能とされた図5において左右に示す1対の前述した実施形態の魚体切断刃1(図1、図2参照)が配設されており、図5に左方に示す一方は、魚体Fの一方の身(片身)を得るため魚体Fの背骨の一側を裁割する左魚体切断刃1Lとされ、図5右方に示す他方は、魚体Fの他方の身(片身)を得るため魚体Fの背骨の他側を裁割する右魚体切断刃1Rとされている。そして、左魚体切断刃1Lは、図5に示すように、ベース板16の後側BSの左側の上下に間隔をおいて配設された図5において上下に示す上下1対の左プーリ21L,21Lに掛けわされており、右魚体切断刃1Rは、ベース板16の後側BSの右側の上下に間隔をおいて配設された図5において上下に示す上下1対の右プーリ21R,21Rに掛けわされている。すなわち、2つの魚体切断刃1が間隔をおいて相互に対向するように配設されている。そして、左魚体切断刃1Lと右魚体切断刃1Rとの間の間隔WA、詳しくは、図5において中央部側に位置する左魚体切断刃1Lと右魚体切断刃1Rとの間の間隔WAは、魚体Fの背骨の太さより若干大きなサイズ、例えば20mm程度とされており、この間隔WAは、上下方向に、例えば、350mm程度の範囲に亘って保持されている。
【0042】前記上下1対とされた左プーリ21L,21および右プーリ21R,21Rのうち図5下方に示す一方はそれぞれ駆動プーリ22L,22Rとされており、それぞれの中心部には駆動軸23L,23Rの後端部が取着されている。これらの駆動軸23L,23Rは、図3および図4に示すように、ベース板16および基台部12の内部の前側FSに立設された支持部材24に取着された2つの軸受25(図3)によってそれぞれ回転自在に支持されており、各駆動軸23L,23Rの前側FSに位置する先端部には、従動用歯付きベルトプーリ26がそれぞれ取着されている。これらの従動用歯付きベルトプーリ26は、基台部12の内部の前側FSの下部に配設された切断刃駆動モータ27L,27Rの出力軸27La,27Raに取着された駆動用歯付きベルトプーリ28とそれぞれ対をなすものであり、従動用歯付きベルトプーリ26と駆動用歯付きベルトプーリ28との間に掛けわたされたタイミングベルトと称される歯付きベルト29によって、駆動モータ27L,27Rの駆動力が各駆動軸23L,23Rにそれぞれ伝達され、これにより、各駆動プーリ22L,22Rがそれぞれ回転駆動可能とされている。また、本実施形態の切断刃駆動モータ27Lは、駆動プーリ22Lを図5において反時計方向に回転駆動し、その結果、左魚体切断刃1Lを図5において矢印Bにて示すように反時計方向へ走行するように形成されている。また、切断刃駆動モータ27Rは、駆動プーリ22Rを図5において時計方向に回転駆動し、その結果、右魚体切断刃1Rを図5において矢印Cにて示す時計方向に走行するように形成されている。
【0043】したがって、本実施形態における左魚体切断刃1Lと右魚体切断刃1Rとは、間隔WAの部位において下から上に向かって走行するようになっている。
【0044】前記上下1対とされた左プーリ21L,21Lおよび右プーリ21R,21Rのうち図5上方に示す他方はそれぞれ従動プーリ30L,30Rとされており、それぞれの中心部には、図7に示すように、回転軸31の後側BSに位置する後端部が軸受32を介して回転自在に取着されている。これらの回転軸31の軸方向のほぼ中央部は、図7に示すように、ベース板16にその長手方向が上下方向に延在するようにして形成された長孔33に少なくとも上下方向へ移動自在にして挿通されており、回転軸31の前側FSには、図7および図8に示すように、回転軸取付部材34が取着されている。この回転軸取付部材34の後側BSに位置する後面には、図4、図7および図8に示すように、ほぼ縦長四角形状の移動ガイド35が取着されている。この移動ガイド35は、図4および図8に示すように、ベース板16の前側FSに位置する前面にその長手方向が上下方向に延在するようにして適宜な間隔をおいて相互に対向するようにして取着された左右1対の固定ガイド36によって、上下方向に移動可能とされている。詳しくは、図9に示すように、各固定ガイド36の相互に対向する対向面には、平面ほぼコ字形状のガイド溝37がそれぞれ形成されており、これらの各ガイド溝37に前記移動ガイド35の左右両端部を嵌合させることにより、移動ガイド35が固定ガイド36のガイド溝37に沿って上下方向に移動することができるようになされている。
【0045】また、移動ガイド35の前面の上部には、図4,図7および図8に示すように、ガイドロッド38の下端部が取着されている。このガイドロッド38の上端部は、図3および図4に示すように、ベース板16の上端縁に配設された天板17aの前側FSを貫通して天板17aの上方に突出されている。そして、天板17aの上方に突出したガイドロッド38の上部には、圧縮コイルばね39が外挿されており、この圧縮コイルばね39の下端面を天板17aの上面に当接させ、圧縮コイルばね39の上端面をガイドロッド38の上端部に取着した止め輪40の下面に当接させることにより、ガイドロッド38を上方に向かって常に付勢するようになされている。
【0046】すなわち、ガイドロッド38は上方に向かって常に付勢されており、移動ガイド35が固定ガイド36のガイド溝37に沿って上方へ付勢され、移動ガイド35の前面に取着された回転軸取付部材34に取着された回転軸31が上方へ常時付勢され、その結果、各従動プーリ30L,30Rが上下移動可能な状態で圧縮コイルばね39の付勢力をもって上方へ移動するように付勢されるようになっており、各魚体切断刃1に対して所定のテンションを付与することができるようになっている。
【0047】したがって、図示しない適宜な作業具をもってガイドロッド38の上端部を下方に移動させることにより、従動プーリ30L,30Rが下方に移動し、その結果、各魚体切断刃1をたるませて魚体切断刃1を従動プーリ30L,30Rに対して容易に着脱することができるようになっている。
【0048】前記各駆動プーリ22L,22R、各従動プーリ30L,30Rおよび切断刃駆動モータ27L,27Rにより、本実施形態の切断刃駆動手段41が構成されている。
【0049】なお、本実施形態の切断刃駆動手段41は、各駆動プーリ22L,22Rをぞれそれ独立した2つの切断刃駆動モータ27L,27Rにより回転駆動する構成としたが、切断刃駆動手段41の構成としては、各駆動プーリ22L,22Rを1つの切断刃駆動モータによって回転駆動させる構成としてもよく、特に本実施形態の構成に限定されるものではない。
【0050】また、各魚体切断刃1の走行方向は、魚体Fの姿勢、詳しくは魚体Fの腹を上にして搬送する場合には、本実施形態とは逆方向へ走行させるとよい。
【0051】図4および図5に示すように、前記ベース板16のほぼ中央部には、板厚方向に貫通するほぼ四角形の魚体通過孔45が形成されており、この魚体通過孔45を前側FSから後側BSに向かって通過するようにして魚体Fを搬送する魚体搬送手段50(図3、図6)が配設されている。この魚体搬送手段50の前側FSには、図3に示すように、魚体制御手段51が配設されており、魚体搬送手段50の下部には、魚体腹押さえ手段52が配設されている。そして、図3右方に示す魚体制御手段51の前側FSが魚体裁割装置10へ魚体Fを人手あるいはロボットなどにより供給する供給位置SPとされ、図3左方に示す魚体搬送手段50の後側BSが魚体裁割装置10によって裁割された魚体Fが排出される排出位置OPとされている。また、図3に示すように、前記魚体切断刃1と魚体搬送手段50の交叉する位置が、魚体搬送手段51によって前側FSから後側BSに向かって搬送される魚体Fを魚体切断刃1をもって裁割する裁割位置(切断位置)CPとされている。
【0052】図5に示すように、前記ベース板16の後側BSに位置する後面の魚体通過孔45の形成位置の上部および下部の中央部分には、上下および左右それぞれ1対の切断刃移動手段53(図5には左方のみ図示)がそれぞれ配設されている。また、ベース板16の後側BSに位置する後面の上部および下部のほぼ中央部分部には、上下1対の洗浄手段53が配設されている。また、ベース板16の後側BSに位置する後面には、各魚体切断刃1の走行経路に臨むようにして研磨手段55およびスクレーパ56がそれぞれ配設されている。
【0053】また、供給位置SPには、図3に想像線にて示すように複数の魚体Fを載置するための魚体載置テーブル58が配設されており、排出位置OPには、図3に想像線にて示すように魚体Fを排出するための排出シュート59が配設されている。これらの魚体載置テーブル58および排出シュート59は、設計コンセプトなどの必要に応じて設ければよい。さらに、排出シュート59のかわりに図示しない公知の排出コンベアを設けてもよい前記魚体搬送手段50について図3、図6、図10から図16によりさらに説明する。
【0054】図10は本発明に係る魚体切断刃を用いた本発明に係る魚体裁割装置の実施形態の魚体搬送手段の要部を示す拡大平面図、図11は図10の11−11線に沿った要部を示す縦断面図、図12は図10の底面図、図13は魚体搬送手段の駆動プーリ近傍の要部を示す図10と同様の図、図14は図13の14−14線に沿った要部を示す縦断面図、図15はベルト駆動モータの取付状態の要部を示す図14と同様の図、図16は魚体搬送手段の従動ベルトプーリ近傍の要部を示す図10と同様の図である。
【0055】本実施形態の魚体搬送手段50は、魚体Fの背側を上にした状態で魚体Fの体側を両側から挟持して所定の搬送経路ML(図10)を図3および図10に矢印Aにて示す右方から左方に向かう搬送方向に搬送するためのものであり、図10に示すように、図10において上下に示す左右1対の無端環状に形成された搬送ベルト60L,60Rを有している。これらの搬送ベルト60L,60Rは、前記魚体通過孔45の内部の上部を前側FSから後側BSに向かって通過するように配設されている。そして、各搬送ベルト60L,60Rは、図10に示すように、それぞれの外周面が適宜な間隔WB、例えば30mm程度の間隔WBをおいて相互に対向するように配設されており、この各搬送ベルト60L,60Rの間隔WBの中心部が搬送経路MLとされている。また、各搬送ベルト60L,60Rは、図10に示すように、後側BSに配置された駆動ベルトプーリ61L,61Rと、前側FSに配設された従動ベルトプーリ62L,62Rとの外周面に接触するようにしてそれぞれ巻回されている。これらの駆動ベルトプーリ61L,61Rおよび従動ベルトプーリ62L,62Rの各外周面は、各搬送ベルト60L,60Rを円滑に駆動させるため弾性を有する摩擦係数の高いゴムなどにより覆われている。また、各駆動ベルトプーリ61L,61Rと各従動ベルトプーリ62L,62Rとは、例えば、1000mm程度の間をおいて配設されている。
【0056】前記各駆動ベルトプーリ61L,61Rは、図13において上下に示す左右1対のベルト駆動モータ63L,63Rの下方に向けて配設された出力軸63La,63Ra(図14、図15)にそれぞれ取着されており、図10上方に示す一方の駆動ベルトプーリ61Lは、ベルト駆動モータ63Lによって図10に矢印Dにて示すように上方から見て時計方向に走行され、図10下方に示す他方の駆動ベルトプーリ61Rは、ベルト駆動モータ63Rによって図10に矢印Eにて示すように上方から見て反時計方向に走行され、その結果、各搬送ベルト60L,60Rの相互間に魚体Fの体側を両側から挟持して前側FSから後側BSに向かう図10において一点鎖線にて示す搬送経路MLを図10に矢印Aにて示す搬送方向へ搬送することができるようになっている。
【0057】前記各ベルト駆動モータ63L,63Rは、図13および図14に示すように、ほぼ平板状に形成された図13において上下に示す左右1対のモータ可動板65L,65Rの後側BSに位置する上面にそれぞれ取着されている。これらのモータ可動板65L,65Rは、図13において上下に示す左右1対の可動板支軸72L,72Rの上部に回転自在にしてそれぞれ取着されている。これらの可動板支軸72L,72Rは、図15に示すように、上部が小径の段付軸とされており、その上端が固定ねじ71により、図13において上下に示す左右1対の上補助フレーム68L,68Rの下面にそれぞれ取着されている。そして、各上補助フレーム68L,68Rは、フレーム本体11に対して前記魚体通過孔45の前後に突出するようにしてフレーム本体11の高さ方向に対して直交する水平方向に取着された搬送手段取付フレーム本体66の上フレーム67の上方に配設されており、前記各可動板支軸72L,72Rの段部が、上フレーム67の下面に当接するようにされている。また、前記各モータ可動板65L,65Rの前側FSに位置する基端部の下面と上フレーム67の上面とのとの間には、図示しないスラスト軸受が介装されている。さらに、各可動板支軸72L,72Rの下部には、リンク板73(図15に一方のみ図示))の前側FSに位置する一端部側が図示しないスラストワッシャを介して回転自在に取着されており、このリンク板73の後側BSに位置する他端部側は、前記各ベルト駆動モータ63L,63Rの出力軸63La,63Raの先端部に取着されている。
【0058】すなわち、各ベルト駆動モータ63L,63Rの出力軸63La,63Raに取着された各駆動ベルトプーリ61L,61Rは、可動板支軸72L,72Rを中心としてそれぞれ回転可能に形成されている。また、各上補助フレーム68L,68Rの上面には、図13に示すように、ばね係止部材74がそれぞれ立設されており、これらのばね係止部材74に上下2段に水平配置される2つの可動板付勢ばね75の両端を係止させることにより、各モータ可動板65L,65Rが可動板支軸72L,72Rを中心として所定の付勢力をもって相互に接近する方向に移動するように付勢されている。さらに、各モータ可動板65L,65Rの相互に接近する方向への移動は、上フレーム67の上面の搬送経路ML側に上方に向けて立設させた1対の最小間隔規制部材76L,76R(図13)に各モータ可動板65L,65Rの搬送経路ML側の端面を当接することにより、各駆動ベルトプーリ61L,61Rの配設位置における各搬送ベルト60L,60Rの相互間の間隔WBが、例えば30mm程度となるように制御されている。すなわち、各駆動ベルトプーリ61L,61Rの配設位置近傍における各搬送ベルト60L,60Rの間には、可動板付勢ばね75の付勢力をもって魚体Fを挟持することができるようになっているとともに、魚体Fの厚さが30mmを越える場合には、可動板付勢ばね75の付勢力に抗して各駆動ベルトプーリ61L,61Rの相互間の間隔が拡がるようになされている。
【0059】したがって、各駆動ベルトプーリ61L,61Rの配設位置近傍における各搬送ベルト60L,60Rの相互間の間隔WBを魚体Fの通過にともなって拡縮することができるようになっている。
【0060】前記各従動ベルトプーリ62L,62Rは、図11および図16に示すように、図16において上下に示す左右1対の従動プーリ可動板80L,80Rの下面の前側FSに先端を下方に向けて立設されたプーリ支持軸81L,81Rにそれぞれ回転自在に取着されている。これらの従動プーリ可動板80L,80Rの上面の後側BSには、基軸82L,82Rが先端を上方に向けてそれぞれ取着されており、これらの基軸82L,82Rは、ベース板16の前側FSに位置する前面に取着された取付フレーム83(図3)の前側FSに両端を上下に向けて固着された図16において上下に示す左右1対のほぼ円筒形状のスリーブ84L,84Rによってそれぞれ回転自在に支持されている。また、各基軸82L,82Rの上端部は、各スリーブ84L,84Rの上方にそれぞれ突出されており、これらのスリーブ84L,84Rの上方に突出された各基軸82L,82Rの先端部の外周面には、図16において上下に示す左右1対のテンションアーム85L,85Rの基端部が固定されている。そして、各テンションアーム85L,85Rの先端部には、図16において上下に示す左右1対の引張ばね86L,86Rの搬送経路ML側に位置する一端がそれぞれ係止されている。この引張ばね86L,86Rの図16において上下に示す他端は、取付フレーム83に係止されている。
【0061】すなわち、各従動ベルトプーリ62L,62Rは、引張りばね86L,86Rの付勢力をもって各基軸82L,82Rを中心として相互に接近する方向に移動するように付勢されている。
【0062】さらに、各従動ベルトプーリ62L,62Rの相互に接近する方向への移動は、取付フレーム83に配設された図16において上下に示す左右1対の前位置最小間隔規制部材87L,87Rに各テンションアーム85L,85Rの搬送経路MLから離間した端面を当接することにより、各従動ベルトプーリ62L,62Rの配設位置における各搬送ベルト60L,60Rの相互間の間隔WBが、例えば45mm程度となるように制御されている。
【0063】すなわち、各従動ベルトプーリ62L,62Rの配設位置近傍における各搬送ベルト60L,60Rの間には、各引張りばね86L,86Rの付勢力をもって魚体Fを挟持することができるようになっているとともに、魚体Fの厚さが45mmを越える場合には、各引張りばね86L,86Rの付勢力に抗して各従動ベルトプーリ62L,62Rの相互間の間隔が拡がるようになされている。
【0064】したがって、各従動ベルトプーリ62L,62Rの配設位置近傍における各搬送ベルト60L,60Rの相互間の間隔を魚体Fの通過にともなって拡縮することができるようになっている。
【0065】前記各駆動ベルトプーリ61L,61R、各従動ベルトプーリ62L,62Rおよび各ベルト駆動モータ63L,63Rにより、本実施形態の各搬送ベルト60L,60Rを走行するベルト駆動手段78が構成されている。
【0066】前記各従動ベルトプーリ62L,62Rと各駆動ベルトプーリ61L,61Rとの間には、図10および図11に示すように、各搬送ベルト60L,60Rの走行経路を規制するため前記各搬送ベルト60L,60Rを介して魚体Fの搬送経路MLに臨むようにして回転可能に整列配置されるとともに、魚体Fが通過する際に各搬送ベルト60L,60Rを介して魚体Fに当接される魚体押さえを兼ねた複数、本実施形態においては図10において上方に示す搬送ベルト60Lに対して4つのガイドローラ90La,90Lb,90Lc,90Ldが配設され、図10において下方に示す搬送ベルト60Rに対して4つのガイドローラ90Ra,90Rb,90Rc,90Rdが配設されている。そして、図10において上下に示す4つのガイドローラ90La,90Lb,90Lc,90Ldと、4つのガイドローラ90Ra,90Rb,90Rc,90Rdとはそれぞれ相互に対向するようにして、詳しくは搬送経路MLを中心として対称に配設されている。
【0067】図10および図11に示すように、最も前側FSに位置する1対のガイドローラ90La,90Raは、上下方向に延在する第1ガイドローラ支持軸91L,91Rに回転自在にしてそれぞれ取着されており、これらの第1ガイドローラ支持軸91L,91Rは、水平配置されたほぼ平板状の第1ガイドローラ可動板92L,92Rの上面の後側BSに先端を上方に向けて取着されている。そして、第1ガイドローラ可動板92L,92Rの下面の前側FSには、第1ガイドローラ基軸93L,93Rが先端を下方に向けてそれぞれ取着されており、これらの第1ガイドローラ基軸93L,93Rは、搬送手段取付フレーム本体66の下部ベース体69の上面に立設されたほぼ円筒形状の第1スリーブ94L,94Rによってそれぞれ回転自在に支持されている。
【0068】また、各第1ガイドローラ基軸93L,93Rの先端部は、下部ベース体69の上面を板厚方向に貫通するようにして下部ベース体69の下面側にそれぞれ突出されており、各第1ガイドローラ基軸93L,93Rの先端部には、図11および図12に示すように、第1テンションアーム95L,95Rの前側FSに位置する一端部がそれぞれ固定されている。さらにまた、各第1テンションアーム95L,95Rの下面の後側BSに位置する他端部側には、図11および図12に示すように、第1引張ばね係止部材96L,96Rが先端を下方に向けてそれぞれ立設されており、これらの第1引張ばね係止部材96L,96Rに第1引張ばね97(図12)の両端を係止させることにより、各ガイドローラ90La,90Raが各第1ガイドローラ基軸93L,93Rを中心として所定の付勢力をもって相互に接近する方向に移動するように付勢されている。
【0069】さらに、各ガイドローラ90La,90Raの相互に接近する方向への移動は、下部ベース体69の下面の搬送経路ML側に下方に向けて立設させた1対の第1ガイドローラ最小間隔規制部材98L,98Rに各第1テンションアーム95L,95Rの搬送経路ML側の端面を当接することにより、各ガイドローラ90La,90Raの配設位置における各搬送ベルト60L,60Rの相互間の間隔WBが、例えば30mm程度となるように制御されている。
【0070】すなわち、各ガイドローラ90La,90Raの配設位置近傍における各搬送ベルト60L,60Rの間には、第1引張ばね97の付勢力をもって魚体Fを挟持することができるようになっているとともに、魚体Fの厚さが30mmを越える場合には、第1引張ばね97の付勢力に抗して各ガイドローラ90La,90Raの相互間の間隔が拡がるようになされている。
【0071】したがって、各ガイドローラ90La,90Raの配設位置近傍における各搬送ベルト60L,60Rの相互間の間隔WBを魚体Fの通過にともなって拡縮することができるようになっている。
【0072】図10および図11に示すように、最も前側FSに位置する1対のガイドローラ90La,90Raの左方(魚体Fの搬送方向の下流側)に位置する1対のガイドローラ90Lb,90Rbは、図11および図16に示すように、上下方向に延在する第2ガイドローラ支持軸101L,101Rに回転自在にしてそれぞれ取着されており、これらの第2ガイドローラ支持軸101L,101Rは、水平配置されたほぼ平板状の第2ガイドローラ可動板102L,102Rの下面の後側BSに先端を上方に向けて取着されている。そして、第2ガイドローラ可動板102L,102Rの下面の前側FSには、第2ガイドローラ基軸103L,103Rが先端を上方に向けてそれぞれ取着されており、これらの第2ガイドローラ基軸103L,103Rは、取付フレーム83の前側FSに両端を上下に向けて固着された図16において上下に示す左右1対のほぼ円筒形状の第2スリーブ104L,104Rによってそれぞれ回転自在に支持されている。また、各第2ガイドローラ基軸103L,103Rの上端部は、各第2スリーブ104L,104Rの上方にそれぞれ突出されており、これらの第2スリーブ104L,104Rの上方に突出された各第2ガイドローラ基軸103L,103Rの先端部の外周面には、図16において上下に示す左右1対の第2テンションアーム105L,105Rの基端部が固定されている。そして、各第2テンションアーム105L,105Rの先端部には、前記引張ばね86L,86Rの搬送経路ML側に位置する一端がそれぞれ係止されている。
【0073】すなわち、各ガイドローラ90Lb,90Rbは、引張りばね86L,86Rの付勢力をもって各第1ガイドローラ基軸103L,103Rを中心として相互に接近する方向に移動するように付勢されている。さらに、各ガイドローラ90Lb,90Rbの相互に接近する方向への移動は、前記前位置最小間隔規制部材87L,87Rに各第2ガイドローラ可動板102L,102Rの前側FSに位置する搬送経路MLから離間した端面を当接することにより、各ガイドローラ90Lb,90Rbの配設位置における各搬送ベルト60L,60Rの相互間の間隔が、例えば30mm程度となるように制御されている。すなわち、各ガイドローラ90Lb,90Rbの配設位置近傍における各搬送ベルト60L,60Rの間には、各引張りばね86L,86Rの付勢力によって魚体Fを挟持することができるようになっているとともに、魚体Fの厚さが30mmを越える場合には、各引張りばね86L,86Rの付勢力に抗して各ガイドローラ90Lb,90Rbの相互間の間隔が拡がるようになされている。
【0074】したがって、各ガイドローラ90Lb,90Rbの配設位置近傍における各搬送ベルト60L,60Rの相互間の間隔WBを魚体Fの通過にともなって拡縮することができるようになっている。
【0075】図10に示すように、前記1対のガイドローラ90Lb,90Rbの左方(魚体Fの搬送方向の下流側)に位置する4つのガイドローラ90Lc,90Rc,90Ld,90Rdは、下部ベース体69の中央部よりやや左側に板厚方向に貫通するようにして形成された平面四角形状の切断刃通過孔107の形成位置の後側BSの上部に配設されている。この切断刃通過孔107の内部には、前記左魚体切断刃1Lおよび右魚体切断刃1Rの両者が配置されるようになっており、切断刃通過孔107の後端面のほぼ中央部には、下部ベース体69の後端面に接続するスリット108が魚体Fの搬送経路MLに沿うようにして形成されている。そして、左魚体切断刃1Lおよび右魚体切断刃1Rの着脱は、左魚体切断刃1Lおよび右魚体切断刃1Rをスリット108を通過させることにより行われるようになっている。
【0076】図10および図11に示すように、4つのガイドローラ90Lc,90Rc,90Ld,90Rdのうち切断刃通過孔107に近い1対のガイドローラ90Lc,90Rcは、上下方向に延在する第3ガイドローラ支持軸111L,111Rに回転自在にしてそれぞれ取着されており、最も後側BSに位置する1対のガイドローラ90Ld,90Rdは、第4ガイドローラ支持軸112L,112Rに回転自在にしてそれぞれ取着されている。そして、一方の第3ガイドローラ支持軸111Lは、図10上方に示す水平配置されたほぼ平板状の左後ガイドローラ可動板113Lの上面の前側FSに先端を上方に向けて取着されており、一方の第4ガイドローラ支持軸112Lは、左後ガイドローラ可動板113Lの上面の後側BSに先端を上方に向けて取着されている。また、他方の第3ガイドローラ支持軸111Rは、図10下方に示す水平配置されたほぼ平板状の右後ガイドローラ可動板113Rの上面の前側FSに先端を上方に向けて取着されており、他方の第4ガイドローラ支持軸112Rは、右後ガイドローラ可動板113Rの上面の後側BSに先端を上方に向けて取着されている。そして、左後ガイドローラ可動板113Lおよび右後ガイドローラ可動板113Rの長手方向のほぼ中央部には、左後ガイドローラ可動板113Lおよび右後ガイドローラ可動板113Rを回転自在に支持するガイドローラ可動板支持軸114L,114Rがその先端を上方に向けて左後ガイドローラ可動板113Lおよび右後ガイドローラ可動板113Rを板厚方向に貫通するようにしてそれぞれ取着されている。これらのガイドローラ可動板支持軸114L,114Rは、図10に上下に示す左右1対の水平配置されたほぼ平板状の支持部材115L,115Rの上面の後側BSに先端を上方に向けて取着されている。
【0077】すなわち、本実施形態の2つのガイドローラ90Lc,90Ldは図10上方において魚体Fの搬送経路MLに臨むように配設されており、2つのガイドローラ90Rc,90Rdは、図10下方において魚体Fの搬送経路MLに臨むようにして2つのガイドローラ90Lc,90Ldと相互に対向するようにして、詳しくは搬送経路MLを中心として対称に配設されている。
【0078】また、各ガイドローラ90Lc,90Ldと、各ガイドローラ90Rc,90Rdとは、それぞれ2個1組みとされて魚体Fの搬送経路MLに臨むように配設されており、2つのガイドローラ90Lc,90Ldは、ガイドローラ可動板支持軸114Lを中心として回動可能とされており、2つのガイドローラ90Rc,90Rdは、ガイドローラ可動板支持軸114Rを中心として回動可能とされている。
【0079】前記支持部材115L,115Rの下面の前側FSには、回転基軸116L,116Rが先端を下方に向けてそれぞれ取着されており、これらの回転基軸116L,116Rは、搬送手段取付フレーム本体66の下部ベース体69の上面に立設されたほぼ円筒形状の後スリーブ117L,117Rによってそれぞれ回転自在に支持されている。また、各回転基軸116L,116Rの先端部は、下部ベース体69の上面を板厚方向に貫通するようにして下部ベース体69の下面側にそれぞれ突出されており、各回転基軸116L,116Rの先端部は、図11および図12に示すように、後テンションアーム118L,118Rの前側FSに位置する一端部がそれぞれ固定されている。さらにまた、各後テンションアーム118L,118Rの下面の後側BSに位置する他端部側には、図11および図12に示すように、後引張ばね係止部材119L,119Rが先端を下方に向けてそれぞれ立設されており、これらの後引張ばね係止部材119L,119Rに後引張ばね120(図12)の両端を係止させることにより、左後ガイドローラ可動板113Lおよび右後ガイドローラ可動板113Rが各回転基軸116L,116Rを中心として所定の付勢力をもって相互に接近する方向に移動するように付勢されている。さらに、左後ガイドローラ可動板113Lおよび右後ガイドローラ可動板113Rの相互に接近する方向への移動は、下部ベース体69の下面の搬送経路ML側に下方に向けて立設させた1対の後ガイドローラ最小間隔規制部材121L,121Rに左後ガイドローラ可動板113Lおよび右後ガイドローラ可動板113Rの搬送経路ML側の端面を当接することにより、各ガイドローラ90Lc,90Rc,90Ld,90Rdの配設位置における各搬送ベルト60L,60Rの相互間の間隔WBが、例えば30mm程度となるように制御されている。
【0080】すなわち、各ガイドローラ90Lc,90Rc,90Ld,90Rdの配設位置近傍における各搬送ベルト60L,60Rの間には、後引張ばね120の付勢力によって魚体Fを挟持することができるようになっているとともに、魚体Fの厚さが30mmを越える場合には、後引張ばね120の付勢力に抗して各ガイドローラ90Lc,90Rc,90Ld,90Rd、詳しくはガイドローラ90Lcとガイドローラ90Rcとの間、および、ガイドローラ90Ldとガイドローラ90Rdとの間の相互間の間隔が拡がるようになされている。
【0081】したがって、各ガイドローラ90Lc,90Rc,90Ld,90Rdの配設位置近傍における各搬送ベルト60L,60Rの相互間の間隔WBを魚体Fの通過にともなって拡縮することができるようになっている。
【0082】すなわち、本実施形態の魚体搬送手段50の各搬送ベルト60L,60Rは、魚体Fの体側を両側から挟持して所定の搬送経路MLを搬送することができるとともに、魚体Fの通過に伴って魚体Fの大きさ、詳しくは魚体Fの厚さに応じて魚体Fに対する所定の当接力を保持した状態で相互間の間隔WBが拡縮するように形成されている。
【0083】また、図13に詳示するように、最も後側BSに位置する2つのガイドローラ90Ld,90Rdの搬送経路MLと直交する方向の図13上下に示す両外側には、各搬送ベルト60L,60Rに対してテンショナばね123の付勢力をもって張力を付与する2個1組とされた従動回転自在なテンショナ124を具備するベルト張力付与手段125がそれぞれ配設されている。
【0084】さらにまた、本実施形態の魚体搬送手段50の各搬送ベルト60L,60Rは、図5に示すように、魚体Fの背側、つまり魚体Fの上部、さらに詳しくは、図5上方に示す魚体切断刃1の走行方向の下流側の部位を挟持して搬送することができるようになっている。
【0085】前記魚体制御手段51について図3、図10、図11、図17および図18によりさらに説明する。
【0086】図17は魚体背押さえ手段の要部を示す拡大正面図、図18は図17の18−18線に沿った側面図である。
【0087】本実施形態の魚体制御手段51は、前記魚体搬送手段50、詳しくは各搬送ベルト60L,60Rの間を搬送される魚体Fの姿勢を制御するとともに、供給位置SPから裁割位置CPへ至る搬送経路MLを規制するためのものであり、図3、図10および図11に示すように、魚体Fの背骨を下方から支持する正面ほぼ平板状の魚体支持板134を有している。この魚体支持板134は、例えば、2mm程度の厚さに形成されており、図10および図11に示すように、前側FSに位置する先端は、搬送手段取付フレーム本体66の下部ベース体69の前端より前側FSに突出されており、後側BSに位置する後端は、下部ベース体69に形成された切断刃通過孔107の前側FSの端面とほぼ同一位置となるようにして搬送手段取付フレーム本体66の下部ベース体69の上面に立設されている。そして、魚体支持板134は、前記各従動ベルトプーリ62L,62Rおよびガイドローラ90La,90Ra,90Lb,90Rbの下端面とほぼ同一高さ位置に上端縁が位置する本体部134Aと、この本体部134Aの前側FSに位置する高さの低い凹部138を備えた中間部134Bと、中間部134Bよりは高さが高く本体部134Aよりは高さの低い最も前側FSに位置する前端部134Cとを有している。
【0088】前記本体部134Aの上端面は、魚体Fが各搬送ベルト60L,60Rによって搬送される際に、魚体Fの背骨の下部が当接しながら移動されるようになっており、各搬送ベルト60L,60Rによって搬送される魚体Fの供給位置SPから裁割位置CPへ至る搬送経路MLおよび姿勢をともに制御することができる搬送時魚体制御面137とされている。
【0089】前記中間部134Bの凹部138の上部には、腹切断用刃物139がその刃部139aを上方に向けて配設されている。この腹切断用刃物139は、魚体Fが通過する際に、魚体Fの尻鰭側に位置する腹の切り裂かれていない部位の腹を切り裂くためのものであり、腹切断用刃物139は、図11に示すように、正面ほぼ横向きT字形状に形成された1対の腹切断用刃物支持部材140の間に取着されており、この腹切断用刃物支持部材140は、回転支軸141を中心として回動自在にして魚体支持板134の両側に配設されている。この回転支軸141は、魚体支持板134に魚体支持板134の板厚方向に立設されている。また、腹切断用刃物支持部材140の図11右下に示す部位は駆動腕140aとされており、この駆動腕140aは、搬送手段取付フレーム本体66の下部ベース体69の前端近傍に形成された開口142を介して下部ベース体69の内部下方に配置されている。そして、駆動腕140aの先端部には、図11および図12に示すように、下部ベース体69の下面に取着された腹切断用刃物位置決め用駆動シリンダ143の出力軸143aに接続されており、腹切断用刃物位置決め用駆動シリンダ143を駆動することにより、魚体Fの大きさなどに応じて腹切断用刃物139の位置を変更することができるようになっている。また、腹切断用刃物位置決め用駆動シリンダ143は、図示しない制御手段に電気的に接続されており、図示しない制御パネルに配設された操作スイッチから送出される制御指令に基づいて駆動されるようにされている。すなわち、魚体Fは、凹部138の上部に配設された腹切断用刃物139の刃部139aを前側FSから後側BSに向かって斜め上方に移動するようにされている。
【0090】また、図3に示すように、腹切断用刃物139の上方には、魚体背押さえ手段145が配設されている。この魚体背押さえ手段145は、腹切断用刃物139によって魚体Fの尻鰭側に位置する腹の切り裂かれていない部位の腹を切り裂く際に、魚体Fが刃部139aから離間する上方へ移動するのを防止して腹切断用刃物139の刃部139aによる魚体Fの腹の切断を確実に行うためのものであり、図17に示すように、正面ほぼ下に凸の円弧状で、図18に示すように、下部が扇状に切り取られた断面形状に形成された背押さえ146を有しており、図18に示すように、魚体Fの背に当接可能とされている。この背押さえ146は、図17に示すように、背押さえ支持フレーム147の前側FSに配設された支持ピン148によって回転自在に支持されている。そして、背押さえ146の前端部上面には、ばね係止体149が配設されており、このばね係止体149の上部には、背押さえ付勢ばね150の一端が接続されている。また、背押さえ付勢ばね150の他端は、背押さえ支持フレーム147に取着されたばね係止部材151に係止されており、前記背押さえ146を支持ピン148を中心として図17において反時計方向へ付勢しているとともに、魚体Fの大きさかかわらず、背押さえ146を背押さえ付勢ばね150の付勢力をもって魚体Fの背に当接させることができるようになっている。
【0091】前記前端部134Cの両側面には、図10および図11に示すように、樹脂などにより厚さが例えば10mm程度とされた左右1対の補強ガイド135L,135Rがその上端面を前端部134Cの上端面とほぼ同一高さ位置となるようにして取着されており、魚体支持板134の前端部134Cは、魚体裁割装置10へ魚体Fを人手あるいはロボットなどにより供給する供給位置SPとされている。
【0092】前記魚体腹押さえ手段52について図3および図19から図24によりさらに説明する。
【0093】図19は魚体腹押さえ手段の要部を示す平面図、図20は図19の20−20線に沿った要部の正面図、図21は一方の腹押さえ本体の要部を示す拡大平面図、図22は図21の22−22線に沿った正面図、図23は図21の23−23線に沿った正面図、図24は魚体腹押さえ手段の駆動タイミングを制御する魚体検知手段の配設状態を示す平面図である。
【0094】本実施形態の魚体腹押さえ手段52は、魚体搬送手段50、詳しくは各搬送ベルト60L,60Rによって挟持されて搬送される魚体Fの各搬送ベルト60L,60Rによって挟持されていない腹を魚体Fの裁割位置CPの手前側で挟持することにより、腹須骨を背骨に残した状態で魚体Fを背骨に沿って裁割するためのものであり、図19に示すように、図19において上下に示す搬送経路MLを中心として対称となるように相互に対向するように配設された左右1対の腹押さえ本体160L,160Rを有している。なお、各腹押さえ本体160L,160Rは、搬送経路MLを中心として対称となるように相互に対向するように配設されており、図19において下方に示す一方の腹押さえ本体160Rについてのみ説明し、他方の腹押さえ本体160Rについての説明は省略する。
【0095】前記腹押さえ本体160Rは、図21に示すように、搬送経路MLに最も接近した際に図21に2点鎖線にて示す右魚体切断刃1Rの前側FS近傍に先端部が位置する腹押さえプレート161を有している。この腹押さえプレート161の前側FSに位置する基端部は、図21および図22に示すように、プレート支軸162に回転自在にして取着されている。また、腹押さえプレート161の先端部の搬送経路MLと対向していない裏面側には、プレート駆動シリンダ163の出力軸163aが連結されており、プレート駆動シリンダ163の基端部は、プレート駆動シリンダ取付軸165に設けられた取付座166に回転自在に取着されている。
【0096】すなわち、プレート駆動シリンダ163の出力軸163aを伸張するように前進させることにより、腹押さえプレート161の先端部を搬送経路MLに接近するように移動させて、搬送経路ML上を前側FSから後側BSに向かう矢印Aにて示す搬送方向へ搬送される魚体Fの腹、詳しくは各搬送ベルト60L,60Rによって挟持されて搬送される魚体Fの各搬送ベルト60L,60Rによって挟持されていない腹の下部に当接させることができるようになっている。
【0097】また、プレート駆動シリンダ163の出力軸163aを縮小するように後退させることにより、腹押さえプレート161の先端部を搬送経路MLから離間する方向に移動することができるように構成されている。
【0098】前記プレート支軸162およびプレート駆動シリンダ取付軸165の下部は、腹押さえ下部ベース板168にそれぞれ取着されており、プレート支軸162およびプレート駆動シリンダ取付軸165の上部は、腹押さえ上部ベース169にそれぞれ取着されている。
【0099】前記腹押さえプレート161の前側FSには、図21および図23に示すように、3つの腹押さえローラ171が配設されている。これらの腹押さえローラ171は、平面ほぼベルクランク状に形成されたローラ支持部材172の図21において上方に示す作動腕172aの先端部分にそれぞれの外周面が搬送経路MLと対向するようにして回転自在に取着されている。そして、ローラ支持部材172の長手方向のほぼ中央部分は、腹押さえ下部ベース板168に立設されたローラ支持部材用支軸173の上部に回転自在に取着されている。また、ローラ支持部材172の図21において下方に示す駆動腕172bの先端部分には、ローラ移動駆動シリンダ174の出力軸174aが連結されており、ローラ移動駆動シリンダ174の基端部は、ローラ移動駆動シリンダ取付軸175(図21)に回転自在に取着されている。
【0100】すなわち、ローラ移動駆動シリンダ174の出力軸174aを縮小するように後退させることにより、腹押さえローラ171を搬送経路MLに接近するように移動させて、搬送経路ML上を前側FSから後側BSに向かう矢印Aにて示す搬送方向へ搬送される魚体Fの腹、詳しくは各搬送ベルト60L,60Rによって挟持されて搬送される魚体Fの各搬送ベルト60L,60Rによって挟持されていない腹の下部に当接させることができるようになっている。また、ローラ移動駆動シリンダ174の出力軸174aを伸張するように前進させることにより、腹押さえローラ171を搬送経路MLから離間する方向に移動することができるように構成されている。
【0101】前記プレート駆動シリンダ163およびローラ移動駆動シリンダ174はともに図示しない制御手段に電気的に接続されており、腹押さえプレート161および腹押さえローラ171を、常には、搬送経路MLから離間する方向に移動させた待機位置に位置させるようになっている。また、魚体Fの腹を押さえる場合には、図24に破線にて示す魚体検知センサ180が魚体Fと当接して魚体Fを検出すると、腹押さえプレート161および腹押さえローラ171が搬送経路MLに接近するようにプレート駆動シリンダ163およびローラ移動駆動シリンダ174を駆動することができるようになっている。この魚体検知センサ180は、図示しない制御手段に電気的に接続されており、魚体検知センサ180から送出される検出信号に基づいてプレート駆動シリンダ163およびローラ移動駆動シリンダ174の駆動を制御することができるように構成されている。
【0102】なお、腹押さえプレート161および腹押さえローラ171が搬送経路MLに接近するようにプレート駆動シリンダ163およびローラ移動駆動シリンダ174を駆動する際には、魚体Fが通過した後に腹押さえプレート161および腹押さえローラ171を待機位置に復帰させるように構成されている。この腹押さえプレート161および腹押さえローラ171を待機位置に復帰させるようにプレート駆動シリンダ163およびローラ移動駆動シリンダ174を駆動するタイミングは、魚体検知センサ180が魚体Fを検出した検出信号を送出したあとの魚体Fの通過による非検出信号の送出とほぼ同時のタイミングでおこなうことが好ましい。
【0103】また、本実施形態においては、図示しない制御パネルに配設された腹押さえ動作選択スイッチの選択により、腹押さえプレート161および腹押さえローラ171の駆動の有無を選択することができるようになっている。
【0104】前記切断刃移動手段について図5、図25および図26によりさらに説明する。
【0105】図25は本発明に係る魚体裁割装置の実施形態の切断刃移動手段近傍の要部を搬送方向下流側から見て示す正面図、図26は切断刃移動手段の切断刃当接部材に形成された切断刃角度規制手段により角度規制された魚体切断刃を誇張して示す説明図である。
【0106】本実施形態の切断刃移動手段53は、各魚体切断刃1を魚体Fの背骨に接する方向に移動、詳しくは、ほぼ魚体通過孔45の形成部位に位置する各魚体切断刃1の相互間の間隔WAを狭くするように接近させるように付勢するためのものであり、図5(一部のみ図示)に示すように、フレーム本体11のベース板16の後側BSに位置する後面の魚体通過孔45が形成された部位に配設されている。この切断刃移動手段53は、図25に示すように、ベース板16の後側BSに位置する後面の魚体通過孔45が形成された部位の上部および下部に上下対称に配設されるとともに、上部および下部においてそれぞれ左右対称に配設された総計4つの切断刃当接部材190UL,190UR,190DL,190DRを有している。これらの切断刃当接部材190UL,190UR,190DL,190DRのうちの図25上方に示す2つの切断刃当接部材190UL,190URは、図25上方に示す魚体Fの背側の上方で各魚体切断刃1の相互間の間隔を狭くするように各魚体切断刃1の基部2の内周面に当接可能とされており、図25下方に示す2つの切断刃当接部材190DL,190DRは、図25下方に示す魚体Fの腹側の下方で各魚体切断刃1の間隔を狭くするように各魚体切断刃1の基部2の内周面に当接可能とされている。また、各切断刃当接部材190UL,190UR,190DL,190DRのうちの図25左方に示す2つの切断刃当接部材190UL,190DLは、図25左方に示す左魚体切断刃1Lを図25左方から右方に移動できるように付勢すべく左魚体切断刃1Lの基部2の内周面に当接可能とされており、図25右方に示す2つの切断刃当接部材190UR,190DRは、図25右方に示す右魚体切断刃1Rを図25右方から左方に移動できるように付勢すべく右魚体切断刃1Rの基部2の内周面に当接可能とされている。さらに、各切断刃当接部材190UL,190UR,190DL,190DRは、切断刃当接部材駆動シリンダ191の出力軸191aにそれぞれ接続されており、各切断刃当接部材駆動シリンダ191を駆動することにより、各魚体切断刃1を魚体Fの背骨に接する方向に移動、詳しくは、ほぼ魚体通過孔45の形成部位に位置する各魚体切断刃1の相互間の間隔WAを狭くするように接近させるように移動するようにされている。この各切断刃当接部材駆動シリンダ191は、図示しない制御手段に電気的に接続されており、制御手段から送出される制御指令に基づいて所定のタイミング、例えば、前記魚体検知センサ180が魚体Fを検出した検出信号に連動して切断刃当接部材駆動シリンダ191の出力軸191aを前進させ、前記魚体検知センサ180が魚体Fを検出した検出信号の後の魚体Fの非検出信号に連動して切断刃当接部材駆動シリンダ191の出力軸191aを後退させるように構成されている。
【0107】したがって、各切断刃当接部材駆動シリンダ191を駆動することにより、各魚体切断刃1が魚体Fの背骨に接する方向に付勢できるようにされており、その結果、魚体Fの背骨の太さや形状などの変化に応じて魚体切断刃1の位置が自動的に制御されるようになされている。
【0108】また、前記各切断刃当接部材190UL,190UR,190DL,190DRの各魚体切断刃1と当接する当接面192は、図26に誇張して示すように、各魚体切断刃1の幅方向(図2参照)と魚体Fの図26において矢印Aにて示す搬送方向、つまり、搬送経路MLとのなす角度θが30度以下、好ましくは0.5度から20度の範囲、最も好ましくは0.5度から10度の範囲とすることが魚体Fを背骨に沿って裁割するうえで好ましい。また、角度θがこの範囲を超えた場合、および、角度θがこの範囲より小さい、すなわち、当接面192と魚体Fの搬送方向とが平行の場合には、各魚体切断刃1の刃部3によって魚体Fを背骨に沿ってより裁割することが困難となる傾向がある。
【0109】したがって、前記当接面192は、本実施形態の魚体切断刃1の幅方向と魚体搬送手段50により搬送される魚体Fの搬送方向とのなす角度θを30度以下に規制する切断刃角度規制手段193としての機能を有している。
【0110】前記洗浄手段53について図5によりさらに説明する。
【0111】本実施形態の洗浄手段53は、前記各魚体切断刃1を液分により洗浄するためのものであり、図5に示すように、液分、詳しくは、水道水を各魚体切断刃1に向かって噴射する上下1対の噴射ノズル195を有している。これらの噴射ノズル195は、フレーム本体11のベース板16の後側BSに位置する後面の図5左右方向のほぼ中央部の上部および下部に上下対称に配設されており、その基端部は、図示しない洗浄液供給パイプに接続されている。そして、洗浄液供給パイプには、図示しない制御バルブ(図示せず)を介して所定圧力の水道水が所定時間だけ図示しないポンプによって供給されるようになっている。また、これらの噴射ノズル195から噴射されて各魚体切断刃1を洗浄した後の水道水は、フレーム本体11のベース板16の後側BSを液受け18の底面18aに流下してドレン19に接続された図示しない排水ホースなどを介して排水されるようになっている。
【0112】前記研磨手段55について図5によりさらに説明する。
【0113】本実施形態の研磨手段55は、前記各魚体切断刃1の刃部3を研磨するためのものであり、図5に示すように、左魚体切断刃1Lの刃部3を研磨するため左魚体切断刃1Lの走行経路に臨むようにして図5左方に左魚体切断刃1Lを間に挟むようにして配設された2個1組みの砥石197と、右魚体切断刃1Lの刃部3を研磨するため右魚体切断刃1Rの走行経路に臨むようにして図5右方に右魚体切断刃1Rを間に挟むようにして配設された2個1組みの砥石197との総計4つの砥石197を有している。これらの砥石197はそれぞれ回転自在にして配設されるとともに、各魚体切断刃1に対して接離可能とされている。そして、これらの砥石197は、常には各魚体切断刃1から離間した待機位置に位置しており、魚体Fの裁割数などの必要に応じて各砥石197と各魚体切断刃1の刃部3とを当接させたうえで各魚体切断刃1を駆動させることにより刃部3の研磨が行われるようになっている。なお、各砥石197の配設位置は、魚体Fの裁割に影響を与えない位置であればよい。
【0114】前記スクレーパ56について図5によりさらに説明する。
【0115】本実施形態のスクレーパ56は、魚体切断刃1の表面を清掃するためのものであり、図5に示すように、左魚体切断刃1Lの表面を清掃するため左魚体切断刃1Lの走行経路に臨むようにして図5左方に左魚体切断刃1Lを間に挟むようにして配設された2個1組みのブレード板198と、右魚体切断刃1Lを清掃するため右魚体切断刃1Rの走行経路に臨むようにして図5右方に右魚体切断刃1Rを間に挟むようにして配設された2個1組みのブレード板198との総計4つのブレード板198を有している。これらのブレード板198はその先端部を各魚体切断刃1の走行方向に対して対向するようにして配設されている。
【0116】なお、本実施形態における魚体裁割装置10の少なくとも魚体Fと接触する部分には、食品衛生上安全なステンレスや樹脂などの素材を用いるとよい。さらに、フレーム本体11の前側FSおよび後側BSなどの必要な部分は、所望のカバー(図示せず)により覆い、作業者に対する安全性を確保することがより好ましい。
【0117】つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0118】本実施形態の魚体裁割装置10においては、魚体載置テーブル58の上面に魚体F、詳しくは、頭(頭部)および尻鰭を切り落とすとともに腹を切り裂いて内臓を摘出した生あるいは解凍された状態の魚体Fを載置することにより準備を行う。
【0119】ついで、制御パネルに配設された各種の操作スイッチ(共に図示せず)を人手をもって操作することにより各部が駆動し、魚体裁割装置10に魚体Fの供給が可能な初期状態となる。
【0120】すなわち、魚体裁割装置10に魚体Fを供給可能な初期状態においては、魚体裁割装置10の切断刃駆動モータ27L,27Rが駆動され、各魚体切断刃1を図5に示すように裁割位置CPにおいて下方から上方へ向かうように走行を開始する。また、魚体裁割装置10のベルト駆動モータ63L,63Rが駆動され、各搬送ベルト60L,60Rが魚体Fを搬送経路MLに沿って前側FSから後側BSに向かう図3および図6に矢印Aにて示す搬送方向へ搬送できるように走行を開始する。さらに、図示しないポンプが駆動され、各噴射ノズル195から水道水を各魚体切断刃1に向かって噴射する。
【0121】ついで、この初期状態において、供給位置SPで魚体制御手段51の魚体支持板134の最も前側FSに位置する前端部134Cに対する魚体Fのセッティング(供給)を人手などを用いて行う。この魚体Fのセッティングは、魚体支持板134の前端部134Cに対して、魚体Fの頭側に位置する腹の切り裂かれた開口部を上方から落とし込んだり、前側FSから奥側BSに向かうように差し込むことなどにより、馬の鞍に跨る如く、魚体Fの頭側の切り裂かれた腹の内部に位置する背骨が魚体支持板134の前端部134Cの上面によって下方から支持されて終了する。この時、魚体Fの姿勢が鞍に跨るような状態に容易に制御される。なお、魚体Fのセッティングは、魚体Fの頭側を後側BSに向かうようにすることが肝要である。
【0122】したがって、本実施形態における魚体裁割装置10に対する魚体Fのセッティングを容易に行うことができるので、魚体Fのセッティングを人手によって行う場合には、労力を確実に低減することができ、また、人手による魚体Fのセッティングをロボットなどに容易に置き換えることができる。
【0123】ついで、魚体支持板134の前端部134Cにセッティングされた魚体を、人手あるいはロボットなどにより前側FSから後側BSに向かって移動する。この時、魚体Fは、背骨が下方から支持された状態で移動されるとともに、魚体Fが魚体支持板134の中間部134Bを斜め上方へ通過する際に、腹切断用刃物139によって魚体Fの尻鰭側に位置する腹の切り裂かれていない部位の腹が切り裂かれる。この時、魚体Fの背側は、魚体背押さえ手段145の背押さえ146によって上方から所定の付勢力をもって当接されるので、魚体Fが上方へ移動するのを防止することができるとともに、魚体Fの姿勢を一定の状態に保持することができる。
【0124】そして、魚体Fの頭側が魚体Fの姿勢を一定の状態に保持した状態で各搬送ベルト60L,60Rの間に到達すると、各搬送ベルト60L,60Rの前側FSに位置する各搬送ベルト60L,60Rの間に魚体Fの上部側が両側から挟持され、各搬送ベルト60L,60Rは、図3、図6および図10に示すように、魚体F側側、詳しくは魚体の上部(図5参照)を両側から挟持して所定の搬送経路MLを矢印Aにて示す前側から後側に向かって搬送する。この時、魚体搬送手段50の各搬送ベルト60L,60Rは、魚体Fの通過に伴って魚体Fの大きさ、詳しくは魚体Fの厚さに応じて魚体Fに対する所定の当接力を保持した状態で相互間の間隔が拡縮するように形成されているので、魚体Fの体側を両側から一定の力で各搬送ベルト60L,60Rの間に挟持して魚体Fを容易かつ適正に搬送することができる。そして、魚体検知センサ180が、搬送経路MLを移動する途中の裁割位置CPの手前において各搬送ベルト60L,60Rによって搬送経路MLを移動する魚体Fを検出すると、切断刃当接部材駆動シリンダ191を駆動して、各魚体切断刃1を魚体Fの背骨に接する方向に移動するとともに、プレート駆動シリンダ163およびローラ移動駆動シリンダ174を駆動して、腹押さえプレート161および腹押さえローラ171を魚体Fの腹、詳しくは各搬送ベルト60L,60Rによって挟持されて搬送される魚体Fの各搬送ベルト60L,60Rによって挟持されていない腹の下部に両側から当接する。
【0125】ついで、裁割位置CPの手前において腹の下部の両側を腹押さえプレート161および腹押さえローラ171により挟持された魚体Fは、裁割位置CPにおいて、各魚体切断刃1の刃部3に沿うように魚体Fの背骨の両側が通過するので、魚体Fの背骨に沿って魚体Fを容易に裁割することができる。この時、魚体腹押さえ手段52が魚体Fの腹を押さえることにより、腹須骨を背骨に付けた状態で魚体Fを背骨に沿って容易に切断して3枚に裁割して、排出位置OPから排出することができる。この腹須骨を背骨に付けた状態を図27に示す。
【0126】なお、腹須骨を背骨に残さない、つまり、腹須骨を身に付ける場合には、魚体腹押さえ手段52を駆動させないことにより容易に行うことができる。すなわち、本実施形態の魚体裁割装置10は、魚体腹押さえ手段52のプレート駆動シリンダ163およびローラ移動駆動シリンダ174の駆動の有無を選択することにより、背骨あるいは身のどちら側に腹須骨を付けるかの選択を容易に行うことができる。この腹須骨を背骨に残さない状態を図28に示すまた、裁割位置CPにおいて、各搬送ベルト60L,60Rは、図5に示すように、各魚体切断刃1の走行方向の下流側の部位、詳しくは背側を挟持するように配設されているので、魚体Fを裁割する際の各魚体切断刃1の負荷により魚体Fが各搬送ベルト60L,60Rから脱落するのを容易に防止することができる。
【0127】また、各魚体切断刃1は、洗浄手段54およびスクレーパ56によって魚脂、切りくずおよび異物などの除去を確実に行うことができるので、各魚体切断刃1を常に適正な状態に保持することができ、裁割した身の品質をより高品質の安定した状態に保持することができる。
【0128】以下同様に、供給位置SPにおいてつぎの裁割に用いる魚体Fの供給を順次行って前述した動作を順に繰り返すことにより、魚体Fの背骨に沿った裁割が順次行われる。
【0129】なお、本実施形態においては、魚体F、詳しくは、頭(頭部)および尻鰭を切り落とすとともに腹を切り裂いて内臓を摘出した生あるいは解凍された状態の魚体Fを背骨に沿って切断することにより3枚おろしと称される、背骨の付いた部位と、背骨の両側の右半身および左半身の2枚の身との総計3枚に同時に裁割する3枚裁割を容易に行うことができるが、各魚体切断刃1のうちの何れか一方のみを用いることにより、背骨を何れか一方の身につけた2枚裁割を容易に行うこともできる。
【0130】また、各魚体切断刃1は、研磨手段55により、各魚体切断刃1の刃部3の切れ味を常に適正な状態に保持することができるので、裁割した身の外観品質を高品質の安定した状態に保持することができる。
【0131】このように、本実施形態の魚体裁割装置10によれば、切断刃駆動手段41により2つの魚体切断刃1を走行しつつ魚体F、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体Fを2つの魚体切断刃1の刃部3に接触することにより、魚体Fを容易に同時に3枚に切断して裁割することができるので、魚体Fを自動的に効率よく裁割することができるとともに、魚体Fの身の裁割面を平滑で身割れの少ない状態とすることができるので、外見品質が優れた商品価値の高い魚体Fの身を容易に得ることができる。さらに、2つの魚体切断刃1を間隔をおいて相互に対向するように配設しているので、魚体Fの搬送方向の長さを短くすることができ、設置面積の小さなコンパクトな構成とすることができるとともに、コストを安価にすることができる。
【0132】また、本実施形態の魚体裁割装置10の魚体搬送手段50によれば、魚体F、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体Fを各魚体切断刃1に向かって効率的に搬送することができるので、魚体Fの加工を効率よく行うことができる。
【0133】また、本実施形態の魚体裁割装置10の魚体搬送手段50によれば、各ガイドローラ90La,90Lb,90Lc,90Ldにより各搬送ベルト60L,60Rの位置を制御しつつベルト駆動手段としての各ベルト駆動モータ63L,63Rにより各搬送ベルト60L,60Rを駆動することにより、各搬送ベルト60L,60Rで魚体F、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体Fの体側を両側から挟持して所定の搬送経路MLに沿って自動的に搬送することができ、魚体Fを手で移動させる必要がないので、魚体Fの加工をより効率よく行うことができる。
【0134】また、本実施形態の魚体裁割装置10の魚体搬送手段50によれば、各搬送ベルト60L,60Rは、魚体Fに対する所定の当接力を保持した状態で相互間の間隔WABが拡縮可能に形成されているので、魚体F、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体Fの大きさや厚さにかかわらず、魚体Fの体側を両側から一定の力で各搬送ベルト60L,60Rはの間に挟持して魚体を容易かつ適正に搬送することができる。
【0135】また、本実施形態の魚体裁割装置10の魚体搬送手段50によれば、各搬送ベルト60L,60Rは、魚体Fの魚体切断刃1の走行方向の下流側の部位を挟持するように配設されているので、魚体F、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体Fを裁割する際の魚体切断刃1の負荷により魚体Fが各搬送ベルト60L,60Rの間から脱落するのを容易に防止することができる。
【0136】また、本実施形態の魚体裁割装置10の切断刃移動手段53によれば、魚体F、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体Fを切断して裁割する際に、魚体切断刃1の刃部を魚体Fの背骨に沿わせることができるので、魚体Fを背骨に沿ってより容易に裁割することができ、背骨に残る身を低減することができ、その結果、裁割された身の歩留まりの向上を容易に図ることができる。さらに、切断刃角度規制手段193は、魚体切断刃1の幅方向と魚体Fの搬送方向とのなす角度θが30度以下に規制することができるので、魚体切断刃1は、魚体F、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を裁割する際に、魚体Fを背骨に沿ってより容易に切断して裁割することができるので、背骨に残る身を低減することができ、その結果、裁割された身の歩留まりの向上を容易に図ることができる。
【0137】また、本実施形態の魚体裁割装置10の魚体腹押さえ手段52によれば、腹須骨を背骨に付けた状態で魚体Fを背骨に沿って容易に切断して裁割することができる。
【0138】また、本実施形態の魚体裁割装置10の魚体制御手段51によれば、魚体搬送手段50により搬送する魚体F、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体Fの搬送経路MLおよび姿勢を一定の状態に制御することができるので、魚体切断刃1により裁割する際の魚体Fの位置および姿勢を常に一定にすることができ、その結果、魚体Fを安定して適正に裁割することができる。
【0139】また、本実施形態の魚体裁割装置10の洗浄手段54によれば、魚体切断刃1に付着する切りくずおよび異物などの除去を確実に行うことができるので、魚体切断刃を常に適正な状態に保持することができ、裁割した身の品質をより高品質の安定した状態に保持することができる。
【0140】また、本実施形態の魚体裁割装置10の研磨手段55によれば、魚体切断刃1の刃部3の切れ味を常に適正な状態に保持することができるので、裁割した身の外観品質を高品質の安定した状態に保持することができる。
【0141】また、本実施形態の魚体裁割装置10のスクレーパ56によれば、魚体切断刃1に付着する魚脂、切りくずおよび異物などの除去を確実に行うことができるので、魚体切断刃1を常に適正な状態に保持することができ、裁割した身の品質をより高品質の安定した状態に保持することができる。
【0142】さらにまた、本実施形態の魚体裁割装置10は、鮭、鯛、鱈、鰹、鯖、鰤などの各種の魚類の裁割に用いることができる。
【0143】なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することができる。
【0144】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の本発明の魚体切断刃によれば、魚体切断刃を走行しつつ魚体切断刃の刃部と魚体とを接触することで、魚体切断刃は、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を容易に切断して裁割することができるとともに、魚体の身の裁割面を平滑で身割れの少ない状態とすることができるので、外見品質が優れた商品価値の高い魚体の身を容易に得ることができるなどの優れた効果を奏する。
【0145】また、請求項2に記載の本発明の魚体切断刃によれば、両刃の刃部は、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を切断して裁割する際に、刃部に沿って魚体の背骨を移動させることができるので、魚体を背骨に沿って容易に裁割することができ、その結果、裁割した魚体の身の歩留まりの向上を容易に図ることができるなどの優れた効果を奏する。すなわち、走行状態の魚体切断刃の刃部によって魚体を背骨に沿って切断する際に、刃部を片刃とした場合には刃先が魚体の切断の進行にともなって切断方向と直交する方向、詳しくは片刃の刃先が背骨に向かって移動して背骨にくい込んだり、あるいは、片刃の刃先が背骨から離間する方向に移動してしまい、その結果、魚体を背骨に沿って切断して裁割することができないが、刃部を両刃とした場合には刃先が移動しないので魚体を背骨に沿って容易に切断して裁割することができるなどの優れた効果を奏する。
【0146】また、請求項3に記載の本発明の魚体裁割装置によれば、切断刃駆動手段により魚体切断刃を走行しつつ魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を魚体切断刃の刃部に接触することにより、魚体を容易に切断して2枚に裁割することができるとともに、魚体の身の裁割面を平滑で身割れの少ない状態とすることができるので、外見品質が優れた商品価値の高い魚体の身を容易に得ることができるなどの優れた効果を奏する。さらに、1つの魚体切断刃で魚体を容易に裁割することができるので、魚体の搬送方向の長さを短くすることができ、設置面積の小さなコンパクトな構成とすることができるとともに、コストを安価にすることができるなどの優れた効果を奏する。さらにまた、請求項2に記載の魚体切断刃を用いた場合には、魚体を背骨に沿って容易に切断して裁割することができるので、裁割した魚体の身の歩留まりの向上を容易に図ることができるなどの優れた効果を奏する。
【0147】また、請求項4に記載の本発明の魚体裁割装置によれば、切断刃駆動手段により2つの魚体切断刃を走行しつつ魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を2つの魚体切断刃の刃部に接触することにより、魚体を容易に同時に3枚に切断して裁割することができるとともに、魚体の身の裁割面を平滑で身割れの少ない状態とすることができるので、外見品質が優れた商品価値の高い魚体の身を容易に得ることができるなどの優れた効果を奏する。さらに、2つの魚体切断刃を間隔をおいて相互に対向するように配設しているので、魚体の搬送方向の長さを短くすることができ、設置面積の小さなコンパクトな構成とすることができるとともに、コストを安価にすることができるなどの優れた効果を奏する。
【0148】また、請求項5に記載の本発明の魚体裁割装置によれば、魚体搬送手段は魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を魚体切断刃に向かって効率的に搬送することができるので、魚体の加工を効率よく行うことができる。
【0149】また、請求項6に記載の本発明の魚体裁割装置によれば、ガイドローラにより搬送ベルトの位置を制御しつつベルト駆動手段により搬送ベルトを駆動することにより、搬送ベルトで魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体の体側を両側から挟持して所定の搬送経路に沿って自動的に搬送することができ、魚体を手で移動させる必要がないので、魚体の加工をより効率よく行うことができるなどの優れた効果を奏する。
【0150】また、請求項7に記載の本発明の魚体裁割装置によれば、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体の大きさや厚さにかかわらず、魚体の体側を両側から一定の力で各搬送ベルトの間に挟持して魚体を容易かつ適正に搬送することができるなどの優れた効果を奏する。
【0151】また、請求項8に記載の本発明の魚体裁割装置によれば、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を裁割する際の魚体切断刃の負荷により魚体が搬送ベルトから脱落するのを容易に防止することができるなどの優れた効果を奏する。
【0152】また、請求項9に記載の本発明の魚体裁割装置によれば、魚体切断刃は、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を裁割する際に、魚体を背骨に沿ってより容易に切断して裁割することができるので、背骨に残る身を低減することができ、その結果、裁割された身の歩留まりの向上を容易に図ることができるなどの優れた効果を奏する。
【0153】また、請求項10に記載の本発明の魚体裁割装置によれば、切断刃移動手段は、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を切断して裁割する際に、魚体切断刃の刃部を魚体の背骨に沿わせることができるので、魚体を背骨に沿ってより容易に裁割することができ、背骨に残る身を低減することができ、その結果、裁割された身の歩留まりの向上を容易に図ることができるなどの優れた効果を奏する。
【0154】また、請求項11記載の本発明の魚体裁割装置によれば、切断刃角度規制手段は、魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体を裁割する際に、魚体を背骨に沿ってより容易に切断して裁割することができるので、背骨に残る身を低減することができ、その結果、裁割された身の歩留まりの向上を容易に図ることができるなどの優れた効果を奏する。
【0155】また、請求項12に記載の本発明の魚体裁割装置によれば、魚体腹押さえ手段により魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体の腹を押さえることにより、腹須骨を背骨に付けた状態で魚体を背骨に沿って容易に切断して裁割することができるなどの優れた効果を奏する。
【0156】また、請求項13に記載の本発明の魚体裁割装置によれば、魚体搬送手段により搬送する魚体、詳しくは生あるいは解凍された状態の魚体の搬送経路および姿勢を一定の状態に制御することができるので、魚体切断刃により裁割する際の魚体の位置および姿勢を常に一定にすることができ、その結果、魚体を安定して適正に裁割することができるなどの優れた効果を奏する。
【0157】また、請求項14に記載の本発明の魚体裁割装置によれば、研磨手段は、魚体切断刃の刃部の切れ味を常に適正な状態に保持することができるので、裁割した身の外観品質を高品質の安定した状態に保持することができるなどの優れた効果を奏する。
【0158】また、請求項15に記載の本発明の魚体裁割装置によれば、スクレーパは、魚体切断刃に付着する魚脂、切りくずおよび異物などの除去を確実に行うことができるので、魚体切断刃を常に適正な状態に保持することができ、裁割した身の品質をより高品質の安定した状態に保持することができるなどの優れた効果を奏する。
【0159】また、請求項16に記載の本発明の魚体裁割装置によれば、魚体切断刃に付着する切りくずおよび異物などの除去を確実に行うことができるので、魚体切断刃を常に適正な状態に保持することができ、裁割した身の品質をより高品質の安定した状態に保持することができるどの優れた効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】395014563
【氏名又は名称】佐藤 厚
【出願日】 平成10年8月31日(1998.8.31)
【代理人】 【識別番号】100081282
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 俊輔 (外2名)
【公開番号】 特開2000−69902(P2000−69902A)
【公開日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【出願番号】 特願平10−246379