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【発明の名称】 表皮削り取り装置
【発明者】 【氏名】渡井 敏

【氏名】石田 裕昭

【氏名】佐野 敏幸

【氏名】井出 貞行

【要約】 【課題】本発明は表皮削り取り装置に関し、手作業を要することなくかつ凹凸のある表面形状に係わらず表皮の削り取りを歩留まり高く行うことを目的とする。

【解決手段】一対のディスク42間に削り刃56を多数重ねて遊嵌した支持軸52を円周方向に間隔をおいて複数設けることにより回転刃組立体を構成する。削り刃56は円弧状の回転方向前縁に歯部62を有しており、回転刃組立体14の回転時、物品に対しその凹凸に応じた異なった角度で削り刃56は遠心力に抗して回転方向と反対方向に回動する。そのため、凹凸に係わらず歯部62は同一深さでパンに係合し、凹凸に関わらず一定の厚みで表皮を削り取ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転体に取り付けられる支持軸に薄い板状の削り刃を多数重ねて個別的に回動自在に嵌合してなる回転刃組立体を備え、削り刃はその前縁に沿って半径外方に延びる歯部を有しており、回転刃組立体の回転中において、削り刃はその歯部が物品の表面に係合することにより遠心力に抗し回転方向と反対方向に物品の凹凸に応じた角度個別的に回動することを特徴とする表皮削り取り装置。
【請求項2】 請求項1に記載の発明において、歯部を有した削り刃の前縁は回動中心から外側程回転方向と反対方向に後退する円弧状をなしていることを特徴とする表皮削り取り装置。
【請求項3】 請求項1に記載の発明において、前記回転刃組立体はディスク状の一対の回転体の間に削り刃を多数重ねて遊嵌した支持軸を円周方向に間隔をおいて複数設けることにより構成されることを特徴とする表皮削り取り装置。
【請求項4】 請求項1に記載の発明において、物品は略直方体状をなし、直方体の対向面を挟んで平行に離間した3対の回転刃組立体が具備され、該3組の回転刃組立体は物品の移送方向に順次設けられ、略直方体状の物品の対向面の表皮を順次削り取ることを特徴とする表皮削り取り装置。
【請求項5】 請求項1に記載の発明において、回転刃組立体に対する物品の移送方向は移送されてくる物品に対して削り刃が送り方向における背面側から物品に係合するように選定されることを特徴とする表皮削り取り装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はパン粉の製造においてパンの焦げている表皮を削り取るため等に使用することができる表皮削り取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パン粉の製造時、パンの表面に焦げた表皮が残留していると、製造されたパン粉はその外観が多少褐色がかってくるため、商品としての価値が下がり、2級品扱いとなる。そこで、完全に白いパン粉を製造するため、粉砕によってパン粉を製造する前工程としてパンの焦げた表皮を削り取るための工程を設けるのが普通である。パンの表皮を削り取るため従来は図1の()又は()に示すように表面に多数の突起を有した半球状又は楕円球状の金属製の削り取り具を使用していた。図2に示すように削り取り具は回転駆動部に取りつけられ、パンを手に持ったオペレータは回転駆動される削り取り具にパンを押し当て、パンの外形を倣うようにパンを動かすことによりパンの表皮は削り取られる。パンは凹凸のある形状をしているが、凹凸形状に係わらず表皮の削り取りを行うため、オペレータはパンが当たる削り取り具の位置を適宜に調節しながら作業を行う必要があった。例えば、比較的平坦な側面や底面の削り取りの場合はパンを削り取り具に正面で当てることにより削り取りを行えばよいが、パンの上面に形成される凹みの部分の削り取りの場合は削り取り具のエッジ又は先端の部分を利用して削り取り作業を行うことになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来方法はオペレータによる手持ちの操作であり、またパンは凹凸のある表面形状を持っているため、満遍なく表皮を削り取るためにはオペレータはパンがその凹凸形状に合った最適の位置で削り取り具に当たるようにパンを手で適宜動かしながら作業をする必要があり、そのため生産性はあまり高くできなかった。
【0004】また、オペレータはなるべく少量の削り取り量でパンの全面にわたり表皮の削り取りを行うように作業しているのであるが、手作業でありかつパン表面の複雑な凹凸形状故により削り量を一定とすることは困難であり、必要以上に削り取り量が多くなるため、歩留まりが悪化していた。
【0005】更に、回転する削り取り具に対して手に持ったパンを適宜動かしながら作業しているため、オペレータの手が回転する削り取り具に当たるおそれがあった。また、削り作業中にパンを保持する力が弱いと、パンが飛ばされたりするおそれがあった。
【0006】この発明は以上説明した問題点に鑑みてなされたものであり、パン等の物品において、手作業を要することなく、かつ凹凸のある表面形状に係わらず、表皮の削り取りを歩留まり高く行うことができる装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明になる表皮を削り取り装置においては、回転体に取り付けられる支持軸に薄い板状の削り刃を多数重ねて個別的に回動自在に嵌合してなる回転刃組立体を備え、削り刃はその前縁に沿って半径外方に延びる歯部を有しており、回転刃組立体の回転中において、削り刃はその歯部が物品の表面に係合することにより遠心力に抗し回転方向と反対方向に物品の凹凸に応じた角度個別的に回動することを特徴とする。
【0008】回転刃組立体の回転によって、削り刃はその回転方向前端縁に形成される歯部がワーク(表皮を削り取るべきパンなどの物品)に当たり、その表皮の削り取りが行われる。ワークの表皮の削り取りの際に、ワークが削り刃から遠くに位置しているときはワークは歯部の先端側に当たり(支持軸に対する削り刃の相対回転角度は大きくなり)、ワークが削り刃の近くに位置しているときはワークは歯部の根元側に当たる(支持軸に対する削り刃の相対回転角度は小さくなる)。支持軸に対する削り刃の相対回転角度の大小に関わらず歯部の係合度合いは均等化される。従って、ワークに凹凸にあっても実質的に均等な表皮の削り取りが実現される。
【0009】歯部を有した削り刃の前縁は回動中心から外側程回転方向と反対方向に後退する円弧状をなしているのが好ましい。この構成により、削り刃の回動角度に係わらず(物品の凹凸に係わらず)、物品に対する歯部の係合状態(噛合い深さ)はより一定化され、より均等な表皮削り取り作動を実現するこができる。
【0010】回転刃組立体はディスク状の一対の回転体の間に削り刃を多数重ねて遊嵌した支持軸を円周方向に間隔をおいて複数設けることにより構成することができる。この構成により削り取り作業の効率を高めることができる。
【0011】ワークとしての表皮の削り取りを受ける物品がパンのように略直方体状をなしている場合において、直方体の対向面を挟んで平行に離間した3対の回転刃組立体を具備せしめ、該3組の回転刃組立体は物品の移送方向に順次設け、略直方体状の物品の対向面の表皮を順次削り取るようにすることができる。この構成によれば、略直方体状のワークを一度通しだけで全面の表皮の削り取りを行うことができ、作業効率を高めることができる。
【0012】回転刃組立体に対する物品の移送方向は移送されてくる物品に対して削り刃が送り方向における背面側から物品に係合するような方向である。この構成により削り刃をカジリの発生なく安定に物品に係合させることができる効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下この発明の一実施形態であるパンの表皮削り取り装置について図面を参照しながら説明する。図3及び図4において、水平かつ平行に3本のワーク支持棒10、これに後続して3本のワーク支持棒10´が設けられ、かつワーク支持棒10´の端部に対して同一高さ位置でかつ直交して水平かつ平行に3本のワーク支持棒10"が設けられる。また、ワーク支持棒10, 10', 10"の各々に対して垂直上方に平行にワーク押さえ棒12, 12',12"が設けられる。ワーク支持棒10, 10', 10"とワーク押さえ棒12, 12',12"との間にワークであるパンPの搬送路Wが形成される。
【0014】搬送路Wを挟んで離間した回転刃組立体の対が14, 16, 18のように搬送路Wに沿って3対設けられている。最初の回転刃組立体14の対は垂直方向に離間して設置されているが、下流側の回転刃組立体の対16, 18は水平方向に離間して設置されている。これら3対の回転刃組立体14, 16, 18により搬送路Wに沿ったパンの移送中において略直方体状のワークであるパンの3つの対向面において表皮の削り取りを順次実施することができる。
【0015】搬送路Wに沿ってのパンPの移動は搬送路Wを挟むように配置されたベルトコンベヤの対20, 22, 24, 26によって行なわれる。各ベルトコンベヤのベルト面は垂直方向に延びており、パンPはその対向した垂直側面がベルトに挟まれることによって移送される。即ち、表皮を削り取るべきパンは入口より矢印aのようにワーク支持棒10とワーク押さえ棒12との間の搬送路Wに導入され、ベルトコンベヤ20により移送される間に第1の回転刃組立体14の対により垂直方向に離間した対向面においてパンの表皮の削り取りが行なわれ、次に、水平方向に離間した第2の対の回転刃組立体16によってパンの第2の対抗面において表皮の削り取りが行なわれる。その間において、パンの移送はベルトコンベヤ22に引き継がれ、矢印bのように移送される。パンの第2の対抗面の削り取り後、パンはベルトコンベヤ24の対によって早送りされ、P´にて示すように搬送路Wの最初の直線部分の端の位置まで来る。この位置の外側に移載シリンダ28が配置されており、通常は後退位置にあるそのピストンロッド28-1を伸張させることによりパンP´は最初の直線部分に対して直交した搬送路Wの下流側部分に送り込まれる。そして、第3のベルトコンベヤ26の対により出口に向け矢印cのように送られ、その移送の間において第3の対の回転刃組み立て体18によってパンの残りの対抗面において表皮の削り取りが行なわれる。このようにして全面において表皮を削り終わったパンPは送り出しローラ30によって出口より矢印dのように排出され、次ぎの工程(粉砕工程等)に送られる。
【0016】図4に示すように第1の対の回転刃組立体14及び第2の対の回転刃組立体16の下方に削り粉回収シュート32及び回収ボックス33が、そして第3の対の回転刃組立体18の下方に削り粉回収シュート34及び回収ボックス36が設けられる。回転刃組立体14, 16, 18による表皮削り取り作業中に生じた削り粉はシュート32, 34を介してボックス33, 36に回収される。
【0017】次ぎに、回転刃組立体14, 16, 18の構造について説明すると、回転刃組立体14, 16, 18はパンの3つの対向面の表皮の削り取りを一回の通過で行うため、搬送路Wに順次配置したものであり、長さ寸法の大小を除き、基本的には同一の構造のものである。図5, 6によってこれを説明すると、組立体の回転中心と同芯の円筒38の両端に蓋板40が溶接等によって一体に固定される。円筒38の両端にこの発明の回転体としてのディスク42が位置され、ディスク42は円周方向に等間隔に配置されるボルト44によって蓋板40に固定される。各ディスク42の外側にスタブ軸46が位置されている。スタブ軸46はその一端に直径拡大部46-1を有しており、この直径拡大部46-1に円周方向に等間隔に形成される孔にボルト48が挿通され、ディスク42に締結される。後述のように一方のスタブ軸46に回転駆動モータからの回転運動が伝達され、その結果、回転刃組立体14は中心線50の周りにおいて回転する。
【0018】組立体の両端におけるディスク42間に中心線50と平行に延びる支持軸52が円周方向に等間隔に複数(この実施形態では6本)配置されている。図6及び図8参照。図5に示すように支持軸52はその両端が径が幾分小さくなった部分を有し、この部分をディスク42に形成された孔に挿入することにより支持軸52はディスク42に固定されている。組立体の中心軸を構成する円筒38には軸方向に間隔をおいて適宜な数の支持板54が固定されており、支持板54は溶接によって円筒38と一体化されている。そして、支持軸52は軸方向中間部では支持板54に挿入されることによって、支持軸52は軸長にかかわらず撓むことなく支持されるようになっている。
【0019】削り刃56は薄い板材より形成され、多数が重ねてかつその間にスペーサ58を介在させて支持軸52に挿入されている。支持軸52を挿入するための削り刃56に形成される孔60(図7参照)の径は支持軸52に対し削り刃56はフリーに回転しえるが実質的にがたつきはないような寸法関係となっている。そして、重ねた状態でのスペーサ58を含めた上での全削り刃56の軸長はディスク42間に実質的に隙間なく、換言すれば、軸方向のガタが実質的になく、しかし個々の削り刃56の支持軸52の周りでのフリーな回転は許容するようにされている。削り刃56は支持軸52に対してフリーに回転しえるようになっているため、後述のようにパンの表皮の削り取り作業中に個々の削り刃56はそれに加わる遠心力とパン表皮の削り取り抵抗とがバランスするところまで支持軸52に対して回動する。そのため、パンの凹凸に係わらず、一定の削り力(=遠心力)で表皮の削り取りを行うことができる。また、削り刃56は支持軸52に対する挿入状態において実質的にガタがないため、作動中における振動及びそれに伴う騒音は殆ど発生しない。振動が小さいことから部品の寿命の延長を図ることができる。
【0020】図7は削り刃56の単品形状を示しており、略半月状の形態をなしており、一端に孔60を形成しており、図5に関して説明したようにこの孔60に支持軸52が嵌合されるが、その嵌合状態は削り刃56は軸52に対してフリーに回転できるが実質的にガタはないようなものである。略半月状の削り刃56の円弧状端縁には孔60に近い部位から孔60と反対側の端部に至るまで鋸刃状の歯部62が付されている。歯部62は半月形状の円弧Nに沿って形成されており、この円弧Nが延びる方向は削り刃56の回動中心Oから外側に位置するほど回転刃組立体の回転方向Fと反対方向に後退する方向である。そのため、回動中心Oからこの円弧状に位置する歯部62までの距離は回転方向Fと反対方向に最小値rから最大値rまで徐々に増大するようになっている。削り刃56のこのような形状故に、削り取り作業中に、要削り取り面に凹凸があった場合にも、削り刃56は凹凸に応じた角度個別的に回動し、表面の凹凸に関わらず一定量の削り取りを行うことができる。
【0021】図5において、支持板54の位置は円周方向に離間した支持軸52間で同一軸位置になくオフセットδがある。オフセットδを設けることにより、円周方向に離間した支持軸52間で削り刃56の軸上位置を少しづつずらすことができる。その結果、回転刃組立体14, 16, 18の回転中において、削り刃56のパンの表面に対する当たりを軸方向に沿って満遍なく(途切れることなく)惹起させることができ、削り残しがないようにすることができる。支持板54の位置をオフセットさせる代わりに削り刃56の厚みを変えたり、スペーサの厚みを変えたりすることも可能である。
【0022】図6は表皮の削り取りを行っていない状態において回転刃組立体を回転(回転方向は矢印F)させた場合における各削り刃56の状態を表している。削り刃56は支持軸52に対してフリーであるため、遠心力の下で、削り刃56は一律に直径方向を指向するべく拡開している。そして、組立体の状態では、鋸刃状の歯部62を形成した削り刃56の端縁は組立体の回転方向Fにおける前端縁となっており、後述のように、移送されてくるパンに、削り刃56の鋸刃状の歯部62を形成した前端縁が移送されるパンにその背面側より作用することにより、パンの表皮の削り取りが行われる。
【0023】図8は移送されてくる表皮を削り取るべきパンPと回転刃組立体14との位置関係を表す概略的斜視図である。削り刃56の端縁における歯部62は矢印Fで示す回転方向における前端側に位置している。従って、回転刃組立体14の回転中において、削り刃56の前縁に設けられる歯部62は移送されてくるパンP(移送方向をMで表す)にその背面側から作用し、パンの表皮に対し適宜の噛合いが得られる位置まで遠心力に抗して後方(矢印Fと反対方向)に回動し、表皮の削り取りが行われる。即ち、個々の削り刃56は歯部62による表皮削り取り時における回転方向の抵抗力が削り刃56の遠心力(=一定)に一致する位置まで後方に回動される。図9は回転刃組立体の回転中における削り刃56とパンPとの位置関係を示す。回転刃組立体の回転(その回転方向は矢印F)により歯部62は移送中(移送方向は矢印M)のパンPの上面に移送方向における背面側から接触を開始する。接触する前は削り刃56は図6に示すように遠心力により直径方向に延びた角度位置をとるが、パンPの上面に接触することにより遠心力に抗して後方(矢印Fと反対方向)に幾分回動され、歯部62がパンPに食い込むことにより表皮の削り取りが行われる。図9の()はパンPの凹部(高さ=h)対して削り刃56が表皮の削り取りを行っている状態を模式的に示している。即ち、この場合、支持軸52からパンの上面までは相対的に離れており、歯部62は支持軸52の中心から相対的に長い距離rの部位でパンと係合し、表皮の削り取りを行っている。一方、図9の()はパンPの凸部(高さ=h(>h))の部位に対して削り刃56が表皮の削り取りを行っている状態を模式的に示しており、歯部62は支持軸52の中心から相対的に短い距離r(<r)の部位でパンと係合し、表皮の削り取りを行っているいる。歯部62を円弧上に位置させた構成故に、図9の()、()のいずれにあってもパンPに対する歯部62の食い込み量t(=遠心力)は実質的に同一とすることができる。そのため、パンの凹凸に関わらず表皮の削り取り量を実質的に均一化することができる。パンの表面の高低差は図8のP0で示すパンの山の部分(図3及び4に示す実施形態では回転刃組立体18の対によりパンの山の部分での表皮の削り取りを行う)で最大となるが、削り刃56の刃部62はパンの山の部分における最大高低差に対応できるよう設計しておく必要があることはいうまでもない。
【0024】前述のように、この発明の実施形態では回転刃組立体の削り取り刃56は移送されてくるパンPにその背面側より係合される。即ち、図8に示すように、移送されるパンP(移送方向M)が向かうのは削り刃56がパンに向け移動=下降(回転方向F)される回転刃組立体18の側(図8の左側)である。従って、図9に示すように削り刃56がパンPの表面に接触する部位では歯部62の移動とパンPの移動とは同一方向(図9の右方向)である。この場合、パンPの表皮は歯部62の移動速度−パンの移動速度に応じた削り取り作用を受ける。従って、最適な削り取りが行われるように回転刃組立体18の回転数及びパンPの移送速度(移送コンベヤ20, 22, 26の回転速度)を設定する必要がある。
【0025】尚、パンPの移送方向を反対方向(図8の矢印Mと反対方向)とした場合、刃部62は移送されてくるパンに手前側から当たることになるが、この場合カジリが生じやすく、この発明の実施形態のように取り刃56が送り方向の背面側よりパンに当たるようにするのが好ましい。
【0026】次に、回転刃組立体14, 16, 18を回転駆動するための回転駆動機構について説明すると、この実施形態では回転駆動機構は各組立体毎に独立に設けられている。その構造は基本的には同一であるため、回転刃組立体14の駆動機構について主として説明する。図3において、回転駆動軸64はその両端をボール軸受66によって軸支されており、かつ電動モータ67の回転軸(図示しない)は回転駆動軸64に適宜の手段によって連結され、電動モータ67の回転軸の回転運動は回転駆動軸64に伝達される。一対のアーム68はその一端において回転駆動軸64に回転自在となっており、アーム68の他端に回転刃組立体14の両端のスタブ軸46が回転自在に軸支される。一対のアーム68の間に補強ロッド70が張り渡され、アーム68に剛性が付与される。その結果、回転駆動軸64の中心線を支点にアーム68は前端間に組立体14を取付けているにも関わらず撓むことなく回動することができる。
【0027】回転駆動軸64上にプーリ72が固定され、一方、回転刃組立体14の一端のスタブ軸46上にもプーリ74が固定され、これらのプーリ72, 74間にベルト76が巡らされる。そのため、電動モータ67の回転軸の回転運動はプーリ72、ベルト76及びプーリ74を介して回転刃組立体14に伝達され、搬送シュートを送られてくるパンの表皮の削り取りが行われる。
【0028】第2の回転刃組立体16についてはその回転中心は垂直である。そのため、組立体16を支持するアーム78は、その一端で、モータ80の回転駆動軸と同心な垂直中心線の周りを水平方向に回動自在に設けられている。回転刃組立体16はアーム78の他端に設けられている。この実施形態では第2の回転刃組立体16はパンPにおける薄い方の側面の削り取りを行うものであるため、第2の組立体16の軸長は第1の組立体14のそれと比較して短くすることができる。そのため、アーム78は組立体16の片側にのみ設けられ、組立体16は片持ち支持となっている(図4参照)。必要あれば、第1の回転刃組立体14と同様に第2の回転刃組立体についてもアーム78を両側に設け、両端支持とするようにしてもよい。更に、電動モータ80の回転駆動軸の回転運動を回転刃組立体16に伝達するため第1の回転刃組立体14のそれと同様なプーリ−ベルト駆動機構が設けられる。
【0029】第3の回転刃組立体18も第2の回転刃組立体16と同様その回転中心は垂直であり、駆動モータ82は垂直な回転駆動軸を有している。そして、第3の回転刃組立体18が受け持つパンの側面も薄いため、組立体18の軸長は短く、第3の回転刃組立体18は1本のアーム84によって片持ち支持するようにしている。第1、2の組立体14, 16と同様にプーリ−ベルト駆動機構により駆動モータ82の回転が回転刃組立体18に伝達されるようになっている。
【0030】表皮削り取り動作中に回転刃組立体14, 16, 18はパンの表面に対して適当な力で加圧されていることが安定したの削り取り作業の実現のため必要である。回動軸が水平である回転刃組立体14についてはアーム68の自由端側に適宜の重量のバランスウエイトを設け、回転刃組立体14の自重とバランスさせることにより適宜の加圧力をワークに加えることができる。また、ウエイトと自重をバランスさせるだけでは、表皮を削り取るべきパンの表面の凹凸により組立体14は上下し、その動きがあまり軽すぎるとパンの表面から組立体14が浮き上がり、表面の削り取りが行えない恐れがある。そこで、パンの表面の凹凸による組立体14の上下運動に制動を加える周知のダンパ機構を設けるようにしてもよい。
【0031】第2,3の回転刃組立体16, 18については回動軸が垂直であるため油圧又はスプリング式の加圧機構を設けることが好ましい。油圧又はスプリングによって回転刃組立体16, 18を最適圧力下でワークに押し付けるようにすることにより、安定な削り取り動作を確保することができる。
【0032】以上この発明の実施形態をパン粉製造のためのパンの焦げた表皮の削り取りに応用した場合を説明したが、これ以外にも、ジャガイモやごぼうなど野菜の皮むきや、魚の鱗取り、塗装剥がし、バリ取り等にもこの発明の装置は応用することが可能である。
【出願人】 【識別番号】000178804
【氏名又は名称】ユニプレス株式会社
【出願日】 平成11年3月1日(1999.3.1)
【代理人】 【識別番号】100088731
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 孝夫
【公開番号】 特開2000−245334(P2000−245334A)
【公開日】 平成12年9月12日(2000.9.12)
【出願番号】 特願平11−52059