| 【発明の名称】 |
大豆食品素材を用いたクッキー様食品 |
| 【発明者】 |
【氏名】長尾 恭江
【氏名】上杉 滋美
【氏名】広塚 元彦
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| 【要約】 |
【課題】洋菓子であるクッキー類の品質を、ソフトで歯切れの良い食感を有するクッキー様食品で提供することを課題とする。
【解決手段】個々に分離した、壊れていない細胞壁に囲まれた大豆食品素材である大豆の粒子を添加することにより、上記の課題を達成出来た。更に詳しくは、クッキー類の含水生地に対して、上記の大豆の粒子を1〜40乾燥重量%含有させることにより、ソフトで歯切れの良い食感が得られ、更には生地が焼きだれしない保形性や、表面の焼き色が良好になるという意外な効果までも発現したクッキー様食品が得られた。これにより、従来品に比べて、良好で新規な品質において、消費者ニーズや製菓業界の発展に貢献出来る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】個々に分離した、壊れていない細胞壁に囲まれた大豆食品素材である大豆の粒子を添加することを特徴とするクッキー様食品。 【請求項2】クッキーの含水生地に対して、大豆の粒子が1〜40乾燥重量%含有する、請求項1に記載のクッキー様食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、個々に分離した、壊れていない細胞壁に囲まれた大豆食品素材である大豆の粒子を使用するクッキー様食品に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、食品はソフトな食感が好まれる傾向にあり、クッキーにおいても、ソフトクッキーの需要が伸びつつある。通常、クッキーにソフトな食感を付与するには卵や白餡、各種の糖質等を添加する方法がある。これらの方法により実現されるクッキーのソフトさにはそれぞれ特徴があり、一概にどれが良いとは言えない。しかし一般的には湿ったクッキーを連想させる様な、ソフトではあるが歯切れの悪い食感は、嫌われる傾向が見られる。よって、ソフトではあるが歯切れの良い食感を示すソフトクッキーが求められていると言えるが、現状のソフトクッキーの多くはこのニーズを充分に満たしているとは言えず、改善の余地があった。 【0003】クッキーに関する特許公報等は、数多く公開されている。主要な先願として特開平8−28914号公報では、小麦粉と蛋白質と食物繊維とを含有する焼成食品であって、該油脂で被覆された蛋白質が、小麦粉生地中に分散してなる焼成食品をうたっている。これは、その生地が焼成時の火の通りがよく、サクサクとした食感が感じられるものであるが、油脂で被覆された蛋白質又は油脂で被覆された蛋白質・食物繊維による狙い・効果であろうと推察される。しかし、これらの従来技術は本発明に言う個々に分離した、壊れていない細胞壁に囲まれた大豆食品素材である大豆の粒子を添加することを特徴とするクッキー様食品、とは異なるものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、ソフトでありながら歯切れの良い食感を有するクッキー様食品に関する。 【0005】 【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題を解決するために種々の検討を行い、クッキー生地中に個々に分離した、壊れていない細胞壁に囲まれた大豆食品素材である大豆の粒子を添加することで、ソフトでありながら歯切れの良い食感を有するクッキーが得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。 【0006】 【発明の実施の形態】先ず、本発明の用語を説明する。個々に分離した、壊れていない細胞壁に囲まれた大豆食品素材である大豆の粒子とは、大豆を浸漬、加熱し、細胞壁が壊れない様に破砕することにより調製した粒子(これを、大豆の粒子(A)と略称する。以下、同様)を指し、その湿潤物、乾燥物、乾燥物の吸水物、のいずれであってもよい。その破砕方法は例えば石ロールなどで破砕する方法が望ましいがこの方法に限定されるものではない。 【0007】クッキー様食品とは、下記のクッキー類に上記の大豆の粒子(A)などを用いた物を指す。因みに、クッキー類は小麦粉、砂糖、バター、卵などを主材として調製した生地を薄く延ばして型抜きし(又は口金で絞り出し)焼いた菓子のことで、使用副材料及び製法などにより、また米国、英国、日本、などにより、分類・呼称が異なっている。本発明では、クッキー類をビスケット(狭義のクッキー。ソフトタイプ、ハードタイプ、ロータリータイプなど)、クラッカー(乾パン、プレッツエルを含む)、パイ、(以上の)加工品(クリーム、ジャム、マシュマロ、あん、などをはさんだもの、又は表・裏面にチョコレート、砂糖、卵白、しょうゆ、油脂などを塗布、もしくは被覆して味のコンビネーションを出したもの)、ウェファースなどを指すものである。乾燥重量%とは、一般の乾燥減量法(105℃で4時間)による乾燥固形分の重量%である。 【0008】本発明に使用する、個々に分離した、壊れていない細胞壁に囲まれた大豆食品素材である大豆の粒子(A)の調製方法の代表例は特開平10−99037に開示してあるが、この方法に限定されるものではない。大豆の粒子(A)の使用方法としては、クッキー生地へ単純に添加するか、特定の素材と置換することになるが、クッキーの含水生地に対して大豆の粒子(A)の含有量が1〜40乾燥重量%、より望ましくは2〜20%、最も望ましくは2〜10%である。 【0009】大豆の粒子(A)をクッキー生地へ単純に添加する場合は、上記の含有量を参考に添加すればいいが、生地の特定素材と置換する場合は置換対象となる素材の水分量を測定し、計算により上記の大豆の粒子(A)の含有量になるように置換する量を計算する必要がある。置換する対象素材は特に限定されないが、卵を一切使用しないクッキーにおいては大豆の粒子(A)を添加することで卵の代替的な作用をし、他の成分からも動物由来のものを除去し純植物性のクッキーを作ることも可能である。また大豆の粒子(A)を添加することで、焼き色が良好になる、生地が焼きだれしない(保形性がある)等の効果もある。 【0010】 【実施例】以下に実施例および比較例を例示して本発明の効果をより一層明確にするが、これらは例示であってこの発明の精神がかかる例示によって限定されるものでないことは言うまでもない。 【0011】 【実施例1】大豆の粒子(A)62.5gにマーガリン125gを添加し、撹拌した後、上白糖110gを添加する。更に撹拌した後、卵黄20gを添加し撹拌し、バニラエッセンスを少々(約1g)添加し、薄力粉180gを加えて軽く混ぜる。その状態で生地をまとめ、冷蔵庫で1時間程度休ませた後、成形し、180℃のオーブンで12分間焼くことで、ソフトでありながら歯切れのいい食感を示すクッキー様食品が得られた。なお、使用した大豆の粒子(A)の乾燥重量%は、40%(以下、同様)であり、成形前の含水生地に対して大豆の粒子(A)は5乾燥重量%含有であった。 【0012】 【比較例1】実施例1で大豆の粒子(A)を除く以外、同様の操作を行った。得られたクッキー様食品はじゃりじゃりした食感を示し、風味は大豆の粒子(A)を添加した場合よりも劣っていた。また、焼成の際に生地がだれてしまい、変形した。 【0013】 【実施例2】大豆の粒子(A)45gにマーガリン125gを添加し、撹拌した後、上白糖110gを添加する。撹拌した後、バニラエッセンスを少々(約1g)添加し、薄力粉162gを加え軽く混ぜる。その状態で生地をまとめ、冷蔵庫で1時間程度休ませた後、成形し、180℃のオーブンで14分間焼くことで、卵黄を使っていない純植物性でありながら、ソフトでこくのあるクッキー様食品が得られた。なお、成形前の含水生地に対して大豆の粒子(A)は4.1乾燥重量%含有のものであった。 【0014】 【比較例2】実施例1で大豆の粒子(A)を除く以外、同様の操作を行った。得られたクッキー様食品はじゃりじゃりした食感を示し、風味は大豆の粒子(A)を添加した場合よりもひどく劣っていた。また、焼成の際に生地がだれてしまい、変形した。 【0015】実施例、比較例の各配合と官能評価結果乾燥重量は、乾燥減量機(105℃で4時間)による測定又は「日本食品標準成分表・四訂(科学技術庁編)」によった。官能評価(ソフトさ、歯切れ、保形性、風味は、熟練したパネラー5名により5点評価法(5点:良い、4点:やや良い、3点:普通、2点:やや悪い、1点:悪い)で行った。4点以上が商品価値がある。これらの結果を次の表1、表2に示した。 【表1】 ───────────────────────────────── 実施例 比較例 実施例 比較例 1 1 2 2 ─────────────────────────────────配合 乾燥 配合 乾物 配合 乾物 配合 乾物 配合 乾物 重量% g g g g g g g g─────────────────────────────────大豆の粒子(A) 40 62.5 25 0 0 45 18 0 0 上白糖 99.2 110 − 110 − 110 − 110 − マーガリン 85 125 − 125 − 125 − 125 − 卵黄 49 20 − 20 − 0 − 0 − 薄力粉 86 180 − 180 − 162 − 162 − バニラ エッセンス 80 1 − 1 − 1 − 1 − ─────────────────────────────────合計 g(%) 498.5 − 436 − 443 − 398 − ─────────────────────────────────【表2】 ───────────────────────────────── 実施例 比較例 実施例 比較例 1 1 2 2 ─────────────────────────────────官能評価 点 点 点 点 ソフトさ食感 5 2 5 2 歯切れの食感 5 3 5 3 保形性 5 2 5 2 風味 5 3 5 1 総合評価 5 2.5 5 2 ─────────────────────────────────【0016】実施例1〜2、比較例1〜2及び表1、表2からの総合評価。総合評価として、良かった順位は実施例1に僅差で実施例2であった。比較例1〜2はいずれも、本発明の課題から観て好ましく無かった。比較例1は、歯切れの食感と風味は3点(普通)であったが、ソフトさ、保形性共に2点(やや悪い)であった。比較例2も、比較例1と同様で、特に風味は実施例2に比べて相当に劣っていて1点(悪い)であった。 【0017】 【発明の効果】本発明により、個々に分離した、壊れていない細胞壁に囲まれた大豆食品素材である大豆の粒子(A)を添加することにより、ソフトでありながら歯切れの良い食感を有するクッキー様食品が得られた。これにより、クッキー類の多様化と一般的に好まれる新規な食感で、製菓業界の活性化に寄与出来る。更には、以上の効果が和菓子においても期待し得るので、今後の課題であろう。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000236768 【氏名又は名称】不二製油株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月17日(1998.7.17) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−32903(P2000−32903A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月2日(2000.2.2) |
| 【出願番号】 |
特願平10−203072 |
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