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【発明の名称】 製麺用生地の袋内間接的混捏方法
【発明者】 【氏名】戸倉 公介

【要約】 【課題】従来の機械設備による量産と比べ、手打ちの品質上優れた点は麺のこしを決める必要最小限の加水量、素材の風味を損なわないよう摩擦熱等の熱の発生を押さえられること及びムラなくしかも十分にグルテンの網目構造を形成出来ることである。

【解決手段】直接混捏でなくCIP(冷間等方圧加圧装置)でプラスチック フィルム製の袋に入れた生地原料に袋毎1000気圧以上の高圧を加えることで間接混捏する。CIPで間接的(機械設備との摩擦熱なし)に高圧(高い親水性及び混捏効果で必要最小限の加水量でも十分な網目構造の形成)の等方圧(ムラなし)をかけることで量産と品質上の課題とを同時に解決する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プラスチック フィルム製の袋に入った生地原料を減圧密閉後、CIP(冷間等方圧加圧装置)を使って加圧することにより袋毎間接的に混捏する方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は製麺用生地原料の混捏方法に関する。 【0002】
【従来の技術】主原料である混合粉体に副原料である水分を加えて混合し、十分に混捏してグルテンの網目構造を形成させることによって生地に粘りが生ずることを期待している。
【0003】この混捏状態の良否が製品としての品質を決める重要な要素の一つである。手打ち蕎麦又はうどんでは熟練した職人が人力のみを使用し、蕎麦又はうどんの風味を損なわないよう混捏で発生する熱を最小限に抑え、しかも最適の加水量で十分に混捏して品質を保っているが、何分熟練した職人による手作業一回当たりの量が少なく、連続生産に適さず、コスト高及び人材難となってしまい、仲々普及していない。人力による混捏エネルギーを必要としない連続的な混捏設備にて手打ち蕎麦又はうどんに準じた高度な混捏状態で安定的に量産できることが要望されている。普及品の量産用設備としては連続押し出しスクリュー式叉は容器内で回転する混捏子が生地原料を直接混捏するミキサーが単独若しくは複合で使用されているが、摩擦熱による発熱と直接混捏に不可避のムラを最小限に抑えるる為に十分な混捏効果を施すことが許されない。機械化が完全ではない現在でも前後の工程が手作業なら、混捏工程のみを機械化しても手打ちとして商品を流通させることが認められているが、商品価値を犠牲にしてまでも混捏し易い加水量オーバー状態の機械化による量産では、熟練した手作業に及ばないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】混捏工程は製麺の中間工程であるので最良の混捏状態を維持したまま次工程で必要時に大量供給する必要がある。従来の混捏設備の混捏子は直接原料または生地を捏ねるので混捏子と設備の容器の内壁との空間の抵抗の少ない箇所に逃げて辺ばりつく生地の一部が混捏不足となり、ムラが解消しにくい。生地に粘りが出た部分が重点的に混捏子叉は容器の内壁にて捏ねられるので、更に混捏抵抗が増してしまう。混捏不足の部分が無くなるまで設備を稼働させると発生熱も抵抗と時間とに比例して増加してしまい素材の風味を致命的に損なう。生地の原料は天然素材でありしかも保管状態により性質が大きく異なるので混捏直前の原料に最適な混捏条件を設定する必要がある。連続生産に適したスクリューによる押し出し装置は時間当たりの回転数以外の条件変更が利かない。混捏子が回転するミキサーは構造的に上記のムラの発生が必然であり、発生を抑制したり減少させたりの改善対策も使用条件が限られ、しかも原料投入、混捏、排出及び洗浄の4つの熟練を要するサイクルが避けられず、大型化する程ムラが発生し易いので自動化及び量産化がしづらい。
【0005】
【課題を解決するための手段】上質な生地を一層普及させるため熟練した技術と多大な人力がなくても機械設備による安定的な量産が可能となるよう上記のような不具合を解消することを目的とする。
【0006】直接混捏は全く行わずCIP(冷間等方圧加圧装置)で袋毎高圧を加えることで間接混捏する。
【0007】袋に接するCIP容器内部の加圧媒体である水は高圧で加圧されても縮みが極めて少なく、断熱圧縮による温度上昇も低いので袋内の生地は熱の影響による風味劣化はしないし、容器内の圧力は完全な等方向なので袋の形状や大きさに関わらず袋内均一に圧力がかかり、必要最小限の加水量で全くムラ無く混捏出来る。
【0008】
【発明の実施の形態】プラスチック フィルム製の袋の容器に予め十分混合済みの主原料である製麺用生地粉体を入れてから粉体量に見合った量の副原料である水分を加えて袋内を強制減圧後完全に密封する。
【0009】減圧密封された原料を袋毎CIPにて加圧することで間接的に混捏し、混捏修了後生地はCIPから袋毎取り出し適温にて適当時間袋の中で養生させる。
【0010】
【実施例】蕎麦用生地の混捏の場合【0011】予め十分に混合された蕎麦粉と小麦粉との粉体を確保(重量比率:7対3)し、バッチ形式真空包装機にて食品用のPEフィルム製の袋に粉体を入れてから水分を加え(重量比率:10 対 2.5)、 ヒートシールにより完全密封する(最高真空度:350−450mmHg)。
【0012】粉体と水分との生地原料を完全密閉包装した袋をCIPで一定時間加圧後大気圧に戻す(平均有効圧力:2000−4000重量キログラム毎平方センチメートルで5分間)。
【0013】CIPから袋を取り出し養生及び保管場所のパレットに移す。(養生時間:30分以上)
【0014】原料密封から養生終了までの間一定温度(25一30℃)に保つ。
【0015】
【発明の効果】袋内減圧と袋毎加圧を連続工程とすることで粉体の親水効果が混捏に有効に作用し時間とエネルギーを節約出来る。
【0016】混捏圧力にムラが無いから、CIPの圧力容器の容量が大きい程混捏処理量を増やせる。
【0017】混捏効果をもたらす減圧及び高圧加圧条件は幅広く調整可能である。
【0018】消耗品である袋の素材は食品用であれば安価な常温用の汎用品で十分である。
【0019】混捏状態がムラが無く極めて良いので伸展性も十分で次工程である成形加工が容易である。
【0020】十分に温度管理出来るので、蕎麦の場合蕎麦本来の風味を損なわない。
【0021】最適な加水量で麺の醍醐味であるこしを調整出来る。
【0022】袋内に生地を入れたまま保管と養生が出来るので安定生産に必須の生地の造り貯めが可能となる。
【0023】超高圧により袋内の細菌の細胞膜が破壊され死滅しており、袋内の生地は密閉されているので適温保管中の酸化が進みにくく、保管時間も大幅に延ばせる。
【0024】生地の入った袋はパレット積みが可能である。
【0025】生地が混捏設備に直接接触しないので、混捏工程でのサイクル毎の洗浄は不要である。
【0026】CIP内部の加圧媒体である水による超高圧は爆発事故の原因となる高圧ガスを伴わないので、保安用の特別の付帯設備叉は工事は不要で工場内の他の一般の加工機械と並べて設置できる。
【出願人】 【識別番号】398055060
【氏名又は名称】戸倉 公介
【出願日】 平成10年8月17日(1998.8.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−60415(P2000−60415A)
【公開日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【出願番号】 特願平10−246563