| 【発明の名称】 |
トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロンと有機窒素化合物を含有する漁網防汚剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】嶋田 朗
【氏名】古原 正則
【氏名】吉丸 正哲
【氏名】渋谷 恵史
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| 【要約】 |
【課題】環境に与える影響も少なく、取り扱いも容易であり安全に使用でき、また低い使用濃度でもあっても長期にわたり優れた水棲生物付着を防止する効果を持続できる漁網防汚剤を提供する。
【解決手段】一般式(1)に示すビストリフェニル(アルキレンジアミン)ボロンと、2−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジンおよび/または4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンとを組み合わせて用いることにより、上記課題を解決できる水中防汚塗料を得ることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一般式(1) 【化1】
(式中、R1は炭素数3から30までのアルキル基を示す。)により表されるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物の1種または2種以上と、2−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジンおよび/または4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンとを含有することを特徴とする漁網防汚剤。 【請求項2】 一般式(1) 【化2】
(式中、R1は炭素数3から30までのアルキル基を示す。)により表されるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物の1種または2種以上と、2−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジンとを含有することを特徴とする漁網防汚剤。 【請求項3】 一般式(1) 【化3】
(式中、R1は炭素数3から30までのアルキル基を示す。)により表されるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物の1種または2種以上と、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンとを含有することを特徴とする漁網防汚剤。 【請求項4】 一般式(1) 【化4】
(式中、R1は炭素数3から30までのアルキル基を示す。)により表されるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物が、トリフェニル(n−オクタデシルアミン)ボロンであることを特徴とする請求項1ないし3に記載の漁網防汚剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は養殖用または定置用の漁網、あるいは、漁網に使用される浮き子とロープなどの資材などに対し使用することにより、腔腸動物、貝類、管棲多毛類、および、その他の海棲付着生物による汚損を防止し、さらに、有効成分が有機溶剤に可溶であるために、網染めの作業性などが大きく改善された漁網防汚剤に関する。 【0002】 【従来の技術】養殖用または定置用の漁網類は、海中に長期間保持されるため、ヒドロ虫などの腔腸動物、貝類、管棲多毛類、海藻類、コケムシ、軟体動物類などの海棲汚損生物が激しく付着する。汚損生物の付着は、漁網に大きな経済的損失を与えるため、多大の労力と費用をかけて、これら被汚損対象物の保守に努めているのが現状である。 【0003】これまで、付着生物への対策として種々の研究、提案がなされてきた。実用的には一連の有機錫化合物が有効であることが知られている。しかし、有機錫化合物は概して毒性が強く、これらを含有する商品を不用意に取り扱うと取扱者に障害を及ぼす恐れがあるうえに、環境に与える影響も懸念される。この様な理由から低公害性の水中防汚剤の出現が望まれるようになり、従来、各種の漁網防汚剤が開発され、また実用されている。 【0004】特開平8−295608号公報には、トリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物は、漁網防汚剤の水中防汚剤の有効成分であることが記載されている。 【0005】一般式(1)により表されるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物は水中に入れるとベンゼン、ホウ酸、オクタデシルアミンに分解され、しかもこれら分解生成物はいずれも生分解されることから、環境中で容易に分解する物質であり、漁網防汚剤の有効成分として有用なものであるが、さらに少量で効果が優れた漁網防汚剤が求められている。 【0006】また、「船底塗料の新規防汚剤に関する調査研究成果報告書」、(社団法人日本造船研究協会発行の第209研究部会資料、平成5年3月)には、2−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン(以下「化合物B」ともいう。)、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン(以下「化合物C」ともいう。)が記載されている。 【0007】一方、2−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン(化合物B)や4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オン(化合物C)を有効成分として含有する漁網防汚剤は、高濃度含有した場合は一応の効果が認められるものの、10重量%程度含有する場合には、実用性に乏しいほど効果が低いことが知られている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】環境に与える影響も少なく、取り扱いも容易であり安全に使用でき、また低い使用濃度でもあっても長期にわたり優れた水棲生物付着を防止する効果を持続できる漁網防汚剤が提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した要望に合致した新規な漁網防汚剤を開発すべく鋭意検討した結果、一般式(1) 【0010】 【化5】
【0011】(式中、R1は炭素数3から30までのアルキル基を示す。)により表されるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物の1種または2種以上と、2−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジンおよび/または4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンを併せて配合することにより、低い使用濃度であっても、長期にわたり優れた水棲生物付着を防止する効果を持続できる漁網防汚剤を見出した。 【0012】すなわち、[1]:一般式(1) 【0013】 【化6】
【0014】(式中、R1は炭素数3から30までのアルキル基を示す。)により表されるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物の1種または2種以上と、2−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジンおよび/または4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンとを含有することを特徴とする漁網防汚剤、【0015】[2]:一般式(1)により表されるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物の1種または2種以上と、2−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジンとを含有することを特徴とする漁網防汚剤、【0016】[3]: 一般式(1)により表されるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物の1種または2種以上と、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンとを含有することを特徴とする漁網防汚剤、【0017】[4]:一般式(1)により表されるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物が、トリフェニル(n−オクタデシルアミン)ボロンであることを特徴とする[1]、[2]、または[3]に記載の漁網防汚剤に関する。 【0018】 【発明の実施の形態】一般式(1)により表されるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物は、ベリッヒテ(Berichte)第57B巻 第813ページ(1924年)、米国特許第3211679号公報、ジャーナル・オブ・オーガニックメタル・ケミストリー(J.Organomet.Chem.)第8巻 第411ページ(1967年)、特開平8−295608号公報、特開平8−311074号、または特願平10−203612号になどに記載の方法に準じて合成することができる。 【0019】一般式(1)により表されるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物のR1は、炭素数3〜18の直鎖または分岐のアルキル基であれば特に限定されるものではないが、n−プロピル基、または炭素数が8から18のアルキル基(例えば、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、3−エチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシルなど)が好ましく、特に、n−プロピル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−ヘキサシル基、n−オクタデシル基などが好ましく、なかでもn−オクタデシル基が最も好ましい。 【0020】また、一般式(1)により表される化合物は、炭素数3から18までの2種以上のアルキルアミン化合物を含有したアルキルアミン組成物を用いて合成したトリフェニルボラン−アルキルアミン組成物であってもよい。 【0021】一般式(1)により表される化合物としては、トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロンが最も好ましい。 【0022】2−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジンは、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の商品名「イルガロール(Irgarol)−1051」)を用いることができる。 【0023】4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンは、ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製の商品名「シーナイン(Sea−Nine)」)を用いることができる。 【0024】一般式(1)により表されるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物の配合量は、漁網防汚剤の適用環境によって任意に変更できるが、通常1重量%から20重量%未満、好ましくは2重量%から15重量%未満である。特に好ましくは3重量%から8重量%未満である。 【0025】化合物Bの有効成分の配合量は、適用環境によって任意に変更できるが、漁網防汚剤の適用環境によって任意に変更できるが、通常0.1重量%から10重量%未満、好ましくは1重量%から5重量%未満であり、特に好ましくは2重量%から4重量%未満である。 【0026】化合物Cの有効成分の配合量は、適用環境によって任意に変更できるが、漁網防汚剤の適用環境によって任意に変更できるが、通常0.1重量%から10重量%未満、好ましくは1重量%から5重量%未満であり、特に好ましくは2重量%から4重量%未満である。 【0027】また、一般式(1)により表されるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物と、化合物Bの混合重量比は任意の割合とすることができるが、好ましくは1:0.1〜1:10の範囲であることができ、さらに好ましくは1:0.1〜1:2、特に、1:0.5〜1:2の範囲であることができる。 【0028】さらに必要に応じて、本発明の漁網防汚剤に以下の化合物を配合することもできる。 【0029】さらに必要に応じて、本発明の漁網防汚剤に配合することもできる化合物は、【0030】1,3−ジシアノテトラクロロベンゼン(以下、化合物(2)ともいう)、【0031】2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール(以下、化合物(3)ともいう)、【0032】一般式(2) 【0033】 【化7】
【0034】(式中、R2は、炭素数1〜4個のアルキル基を示す。)により表されるテトラアルキルチウラムジスルフィッド類(以下、化合物群(2)ともいう。)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物、【0035】一般式(3) 【0036】 【化8】
【0037】(式中、R3は水素原子、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基、ハロゲン置換フェニル基、ベンジル基、アルキル置換ベンジル基、ハロゲン置換ベンジル基を示す。)により表される2,3−ジクロロマレイミド類(以下、化合物群(3)ともいう)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物、【0038】一般式(4) 【0039】 【化9】
【0040】(式中、R4、R5、およびR6は、同一または異なってもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボニル基、アルケニル基、アラルキル基を示す。)により表されるフェノール類(以下、化合物群(4)ともいう。)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物、【0041】溶出調整剤として、一般式(5) 【0042】 【化10】
【0043】(式中、R7は炭素数1〜20個のアルキル基を示し、nは2〜10の整数を示す。)により表されるジアルキルポリスルフィッド類(以下、化合物群(5)ともいう)からなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物、【0044】平均分子量が200〜1000を有するポリブテン、【0045】パラフィン類、【0046】およびワセリンである。 【0047】化合物群(2)のR2は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基が挙げられる。 【0048】化合物群(2)の化合物としては、テトラメチルチウラムジスルフィッド、テトラエチルチウラムジスルフィッド、テトライソプロピルチウラムジスルフィッド、テトラ−n−ブチルチウラムジスルフィッドなどが挙げられる。 【0049】化合物群(3)のR3におけるアルキル基とはエチル基、イソプロピル基、ブチル基、第3級ブチル基、オクチル基などが、ハロゲン置換アルキル基とはジクロロメチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基などが、シクロアルキル基とはシクロヘキシル基などが、アルキル置換フェニル基とはジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、メチルエチルフェニル基などが、ハロゲン置換フェニル基とはジクロロフェニル基などが、アルキル置換ベンジル基とはメチルベンジル基、ジメチルベンジル基、ジエチルベンジル基、α−メチルベンジル基などが、ハロゲン置換ベンジル基とはクロロベンジル基、ジクロロベンジル基などが挙げられる。 【0050】化合物群(3)の化合物としては、2,3−ジクロロ−N−エチルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−イソプロピルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−n−ブチルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−第3級ブチルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−n−オクチルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−シクロヘキシルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−ベンジルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2−クロロベンジル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(4−クロロベンジル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2−メチルベンジル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2,4−ジメチルベンジル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(3,4−ジメチルベンジル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−α−メチルベンジルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2,4−ジクロロベンジル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2−エチル−6−メチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2,6−ジメチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2,4−ジエチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2,4,6−トリメチルフェニル)マレイミドなどまたはその混合物が挙げられる。 【0051】化合物群(4)のR4、R5、またはR6におけるアルキル基とはメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、第3級ブチル基、ノニル基などが、ハロゲン置換アルキル基とはジクロロメチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基などが、シクロアルキル基とはシクロヘキシル基などが、ハロゲン原子とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が、アルコキシ基とはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが、アルケニル基とはビニル基、アリル基、イソプロペニル基などが、アラルキル基とはクミル基などが挙げられる。 【0052】化合物群(4)の化合物としては、ノニルフェノール、クミルフェノール、4,6−ジ第3級ブチル−m−クレゾール、1−シクロヘキシル−5−メチルフェノール、2,6−ジ第3級ブチル−p−クレゾール、2−フェニルフェノール、2−ブチル−6−エチル−4−イソプロピルフェノール、2−ブロモ−6−クロロ−4−ジクロロメチルフェノール、2−フルオロ−4−ヨ−ド−3−トリクロロエチルフェノール、3−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸、4−エトキシ−2−ビニルフェノールなどが挙げられる。 【0053】溶出調整剤として使用される化合物群(5)のR7は、エチル基、プロピル基、第3級ブチル基、第3級アミル基、第3級ノニル基、第3級ドデシル基、ノナデシル基が好ましい。 【0054】溶出調整剤として使用される化合物群(5)としては、ジエチルペンタスルフィッド、ジプロピルテトラスルフィッド、ジ第3級ブチルジスルフィッド、ジ第3級ブチルテトラスルフィッド、ジ第3級アミルテトラスルフィッド、ジ第3級ノニルペンタスルフィッド、ジ第3級ドデシルペンタスルフィッド、ジノナデシルテトラスルフィッドなどが挙げられる。また、これらの混合物であってもよい。 【0055】溶出調整剤として使用される平均分子量が200〜1000を有するポリブテンとしては、例えば、日本石油(株)製のLV−5、LV−10、LV−25、LV−50、LV−100、HV−15、HV−35、HV−50、HV−100、HV−300などが挙げられ、これらの混合物であってもよい。 【0056】溶出調整剤として使用されるパラフィン類には、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、塩化パラフィンなどが挙げられ、これらの混合物であってもよい。 【0057】溶出調整剤として使用されるワセリンには、白色ワセリン、黄色ワセリンが挙げられる。 【0058】溶出調整剤として使用される化合物群(5)、ポリブテン、パラフィン類、およびワセリンから選ばれる化合物の配合量は、3〜20重量%、望ましくは5〜10重量%である。その各溶出調整剤の混合比は、使用条件により任意に変更できる。 【0059】本発明の漁網防汚剤は通常の方法で容易に製造できる。たとえば有効成分のトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物の1種または2種以上と、化合物B、化合物C、または化合物Bと化合物Cとに、溶出調整剤として選ばれる化合物群(5)、ポリブテン、パラフィン類およびワセリンの1種または2種以上、および樹脂、さらに必要に応じて化合物群(2)、化合物群(3)、化合物群(4)を加えて、有機溶剤で溶解させればよい。 【0060】ここで、使用される樹脂としては、基材表面に塗膜を形成するための塗膜形成性樹脂であって、従来の漁網防汚剤に通常用いられている樹脂と同様のものが使用できる。たとえば、ロジン樹脂、アクリル樹脂、ポリブテン樹脂、塩化ゴム樹脂、塩化ビニル樹脂、アルキッド樹脂、クマロン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の1種を使用することもできるし2種以上を併用することもできる。また、樹脂は特にこれらに限定されるものではない。特に、アクリル樹脂が好ましい樹脂である。 【0061】また、有機溶剤としては、本発明の有効成分であるトリフェニルボラン−アルキルアミン錯化合物、化合物Bおよび/または化合物Cと、1,3−ジシアノテトラクロロベンゼン、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、化合物群(2)、化合物群(3)、化合物群(4)、および化合物群(5)から選ばれる化合物を溶解させる溶剤を使用することができる、たとえば芳香族系炭化水素類であるベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、クメン、メチルナフタレン、プソイドクメン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、メシチレン、ソルベントナフサなど、或いは脂肪族炭化水素類であるブタノール、イソプロパノール、メチルイソブチルケトン、ヘキサンなどが挙げられる。また、これらの混合物であってもよい。 【0062】本発明の漁網防汚剤は、低毒性で安全性が高く、かつ、長期にわたってヒドロ虫などの腔腸動物、フジツボ、ムラサキイガイ、カキ、セルプラなどの貝類、カサネカンザシ、ヒトエカンザシ、ヤッコカンザシ、ウズマキゴカイなどの管棲多毛類、および、その他の生物の付着に対し優れた防汚効果を示す。また、有効成分が有機溶剤に溶解するため、均一な溶解型の漁網防汚剤が得られ、網染めの作業性などを一段と改善する。 【0063】ここで、使用される樹脂としては、たとえば、などがあげられる。これらの樹脂の1種を使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。また、樹脂は特にこれらに限定されるものではない。 【0064】 【実施例】以下に、実施例1、2によって本発明の漁網防汚剤をさらに具体的に説明する。これらの実施例において部はすべて重量部である。 【0065】実施例1トリフェニルボラン(オクタデシルアミン)ボロン(以下、化合物Aともいう。)を5重量部、2−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン(化合物B)を5重量部、ポリブテンLV−50(日本油脂株式会社製)を5重量部、黄色ワセリンを5重量部、アクリル系樹脂LR−155(三菱レイヨン株式会社製、50%キシレン溶液)を20重量部、キシレンを60重量部を混合して漁網防汚剤を調製した。 【0066】実施例1と同様の調製方法に従い表1に示す組成に従って配合成分を混合して本発明による実施例2、比較例1〜6ならびに対照例1の漁網防汚剤を調製した。 【0067】 【表1】
【0068】表1に記載した化合物Aはトリフェニル(オクタデシルアミン)ボロンを、化合物Bは2−第3級ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジンを、化合物Cは4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンを示す。 【0069】本発明の実施例1、実施例2、比較例1〜6、ならびに対照例1の漁網防汚剤をそれぞれ、ポリエチレン製無結節網(6節、400デニール/60本)に浸漬塗布して風乾した後に平成10年4月から6ヶ月間、高知県宿毛湾内の海面下約50cmに浸海保持した。 【0070】網の汚損状況を表2の基準により評価し、結果を表3にまとめた。 【0071】 【表2】
【0072】 【表3】
【0073】表3の結果から、本発明の水中防汚剤であるトリフェニル(オクタデシルアミン)ボロンと化合物Bを組み合せて各々5重量%配合した防汚剤(実施例1)を塗布した試験網(試験例1)やトリフェニル(オクタデシルアミン)ボロンと化合物Cを組み合せて各々5重量%配合した防汚剤(実施例2)を塗布した試験網(試験例2)は、浸漬6ヶ月目でも水棲付着生物はみられなかった。しかし、トリフェニル(オクタデシルアミン)ボロンのみを5重量%配合した防汚剤(比較例1)を塗布した試験網(比較試験例1)やトリフェニル(オクタデシルアミン)ボロンのみを10重量%配合した防汚剤(比較例4)を塗布した試験網(比較試験例4)は、浸漬4ヶ月目で極く僅か付着が認められ、浸漬6ヶ月目には僅かに付着し、組み合せて配合した試験例1、試験例2と比較して著しく優れた効果を示すことがわかった。 【0074】また、化合物Bのみを5重量%または10重量%配合した防汚剤(比較例2、5)を塗布した試験網(比較試験例2、5)や化合物Cのみを5重量%または10重量%配合した防汚剤(比較例3、6)を塗布した試験網(比較試験例3、6)は、浸漬4ヶ月目で付着物が多いか著しく多量の付着が認められ、浸漬6ヶ月目には著しく大量の付着あるいは試験に耐えない状態となり、組み合せて配合した試験例1、試験例2と比較して著しく優れた効果を示すことがわかった。 【0075】 【発明の効果】本発明の漁網防汚剤は、水棲生物のフジツボ、ホヤ、セルプラ、ムラサキガイ、カラスガイ、フサコケムシ、アオノリ、アオサなどの付着を長期間に亘って防止できて優れた水中防汚効果を発揮できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】396020464 【氏名又は名称】吉富ファインケミカル株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年4月26日(1999.4.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066304 【弁理士】 【氏名又は名称】高宮城 勝
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| 【公開番号】 |
特開2000−302614(P2000−302614A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月31日(2000.10.31) |
| 【出願番号】 |
特願平11−118852 |
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