| 【発明の名称】 |
微粒子化された3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートのブロッキング性改良を目的としたホワイトカーボンの使用 |
| 【発明者】 |
【氏名】大西 敏聖
【氏名】東条 環
【氏名】藤井 史敏
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| 【要約】 |
【課題】微粒子化された3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートのブロッキング性を改善するための、ホワイトカーボンの新規使用を提供すること。
【解決手段】ホワイトカーボンの、微粒子化された3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートのブロッキング性を改良するための使用。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ホワイトカーボンの、微粒子化された3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートのブロッキング性を改良するための使用。 【請求項2】 前記ホワイトカーボンが、前記3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート1重量部に対して0.1重量部〜1重量部添加される、請求項1に記載の使用。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ホワイトカーボンの新規使用に関し、より詳細には、微粒子化された3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(IPBC)のブロッキング性(凝集性)改良による、粉体特性の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】ホワイトカーボンは、例えば、ケイ酸ソーダを塩酸で分解することにより生成する超微粉の酸化ケイ素である。その使用形態としては、例えば、園芸用殺菌組成物の添加剤(特公昭61−7162号公報、特公平1−27041号公報)、消臭剤の担体(特開平3−32672号公報)、眼鏡フレームの抗菌加工(特開平7−80957号公報)、樹脂添加剤(特開平8−295768号公報)などが挙げられる。 【0003】3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(IPBC)は、一般に細菌などに対して強い抗菌作用を示し、かつ安全性が高いため、木材、塗料、プラスチックなどの各種工業分野において有効な防カビ剤として使用されている。IPBCの使用形態としては、例えば、塩化ビニルの防カビ成分(特開平9−169608号公報)、木材保存用防カビ成分(特開平5−261706号公報)、水系エマルジョン用防カビ成分(特開昭57−82005号公報)、各種工業原料の抗菌成分(特開平8−325396号公報、特開平5−163108号公報、特開平6−40819号公報、特開平10−158110号公報)などが挙げられる。通常、IPBCは、結晶として、または有機溶剤による希釈品として流通している。しかし、IPBCの結晶は、ブロッキング性(凝集性)を有しているため、長期保管により全体または一部が固化し、粒子径の増大や流動性の悪化等、粉体特性を著しく損なう場合があった。そのため、安全性の高い防黴原体でありながら、適用し得る技術分野が限定されていた。例えば、水性のりを使用するフィルムや壁紙の接着用途、または建材用のコーキングやシーリング剤用途など、施工後の防カビ性の付与を目的として、施工現場で防カビ性を付与しようとする剤へ、粉体防カビ成分を使用直前に添加して調製する使用形態を取る技術分野では、粉体特性の悪化は作業性を悪化させるだけでなく、仕上がり後の外観を悪くする等の不利益を与えることがある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、微粒子化された3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートのブロッキング性を改良するための、ホワイトカーボンの新規使用を提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、ホワイトカーボンを微粒子化した3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートに添加し、混合することにより、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートのブロッキング性が改良され得ることを予期せず見出し、本発明を完成するに至った。 【0006】第1の局面において、本発明は、ホワイトカーボンの、微粒子化された3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートのブロッキング性を改良するための使用に関する。そのことにより上記目的が達成される。 【0007】好適な実施態様において、上記ホワイトカーボンは、上記3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート1重量部に対して0.1重量部〜1重量部添加される。 【0008】 【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。 【0009】本発明は、ホワイトカーボンの、微粒子化された3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートのブロッキング性を改良するための使用に関する。 【0010】3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートは、市販されており(例えば、アーチ・ケミカルズ・インコーポレーション製、商品名オマサイドIPBC100)、あるいは特公昭57−36882号公報に記載の方法により合成され得る。 【0011】ホワイトカーボンは、市販されており(例えば、塩野義製薬工業株式会社製、商品名カープレックス)、あるいは特公平1−27041号公報に記載の方法により製造され得る。 【0012】3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートは、通常、粉砕機等の機器による、せん断、すりつぶし、物理的な衝撃や破砕により微粒子化される。粒子径は、適用される技術分野に応じて選択され得るが、好ましくは1μm〜1,000μm、より好ましくは20μm〜60μmの平均粒径に微粒子化される。3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートの微粒子化方法としては、好ましくは乾式粉砕であり、上記粉砕に使用され得る粉砕装置としては、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、ハンマーミル、カッターミル、回転式ミル、振動式ミルがあり、さらに粉砕した後に篩による分級を組合わせる方法でもよい。より好ましくは、回転式ミルによる粉砕および回転式ミルにより粉砕した後にさらに篩により分級する方法がある。 【0013】本発明においては、通常、微粒子化された3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートにホワイトカーボンを添加し、混合する。また、その逆でも良い。 【0014】本発明において使用されるホワイトカーボンの粒径は、好ましくは1μm〜100μm、より好ましくは10μm〜60μmの平均粒子径であり、市販品として入手可能なもので十分である。ホワイトカーボンの比表面積は、好ましくは80m2/g〜450m2/g、より好ましくは150m2/g〜200m2/gである。 【0015】ホワイトカーボンの添加量は、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートの用途などに応じて適切に選択され、通常、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート1重量部に対して0.1重量部〜100重量部、好ましくは0.1重量部〜1重量部である。ホワイトカーボンの添加量が上記範囲外であると、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートのブロッキング性が改良されない場合がある。 【0016】ホワイトカーボンと3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートとの混合方法としては、好ましくは3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートにホワイトカーボンを添加しても、その逆でも良いが、遠心力による方法、振動による方法、機械的に強制混合する方法があり、より好ましくは機械的に強制混合する方法がある。上記混合に使用され得る混合装置としては、ニーダー、リボンミキサー、ナウターミキサー、ドラムミキサー、V字形混合機が挙げられ、ニーダー、リボンミキサーがより好ましい。 【0017】本発明のホワイトカーボンの使用によりブロッキング性を改良された微粒子化された3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートは、好ましくは、施工後の防カビ性の付与を目的として、施工時に剤の調製を行う様な技術分野、例えば、水性のりを用いるフィルムや壁紙接着あるいは建材用のコーキングやシーリング等の技術分野といった、粉剤としての形態が好まれる技術分野で使用され得る。しかしながら、適用され得る技術分野は、これに限られるものではない。このような粉剤は、単に微粒子化された3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートとホワイトカーボンとの混合物であってもよく、また必要に応じて固体担体などが添加され得る。 【0018】上記固体担体としては、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートのブロッキングに影響を与えない任意の担体、例えば、クレー類(例えば、カオリン、ベントナイト、酸性白土など)、タルク類(例えば、滑石粉、ロウ石粉など)、シリカ類(例えば、珪藻土、無水ケイ酸、雲母粉など)、アルミナ、硫黄粉末、活性炭などが挙げられる。これらの担体は、単独であるいは2種類以上を組合わせて用いられ得る。 【0019】 【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。 【0020】(実施例1)3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートは予め乳鉢で粉砕し、次いでメッシュ(目開き0.85mm)をパスさせた。この微粉末化された3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート90gとホワイトカーボン10gを、ガラスビーカー中でプレ混合し、さらにニーダー(ベンチ・ニーダー:入江商会製、型式:PNV−1)を使用し、室温で30分間混合した。得られたサンプルを以下に示す凝集性試験に供し、次いで、以下に示すようにメッシュパス率およびIPBC残存率を決定した。得られた結果を表1に示す。 【0021】(実施例2〜4)表1に示す量の3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートおよびホワイトカーボンを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製し、メッシュパス率およびIPBC残存率を決定した。得られた結果を表1に示す。 【0022】(実施例5、6)実施例1でメッシュパスした3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートの粉砕品を更に、メッシュ(目開き0.2mm)でパスさせたものを使用する以外は、表1に示す混合比で実施例1と同様の方法によりサンプルを調製し、メッシュパス率、およびIPBC残存率を決定した。 【0023】(比較例1)3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(メッシュパス品)100gのみを以下に示す凝集性試験に供し、メッシュパス率およびIPBC残存率を決定した。得られた結果を表1に示す。 【0024】(比較例2)3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート95gおよびホワイトカーボン5gを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製し、メッシュパス率およびIPBC残存率を決定した。得られた結果を表1に示す。 【0025】(比較例3)3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(メッシュパス品)100gのみを、以下に示す凝集性試験(ただし、放置温度を室温とした)に供し、メッシュパス率およびIPBC残存率を決定した。得られた結果を表1に示す。 【0026】(比較例4)ホワイトカーボン100gのみを以下に示す凝集性試験に供し、メッシュパス率を決定した。得られた結果を表1に示す。 【0027】(IPBC平均粒子径)粉砕し、メッシュをパスしたIPBCは、堀場製作所製LA−910を使用し、イオン交換水を分散媒として、平均粒子径を測定した。 【0028】(凝集性試験)上記サンプル各95gを500mlガラス製ビーカー(直径10.5cm)に移し、ガラス製シャーレ(直径10.0cm、66g)を上向きにして置き、さらに分銅50gを置いた。この状態で50℃で4週間放置した。 【0029】(メッシュパス率の決定)凝集性試験終了後のサンプルを取り出し、刷毛を用いてメッシュ(目開き0.85mm)をパスさせた。メッシュをパスしたサンプルの重量を測定してサンプル全量に対する割合を計算し、この割合をメッシュパス率とした。 【0030】(IPBC残存率の決定)高速液体クロマトグラフにより、凝集性試験の開始時のIPBC含有率を100%として、IPBC残存率を決定した。 【0031】 【表1】
【0032】表1から、実施例1〜4で得られらサンプルは、高いメッシュパス率を有していた(すなわち、IPBCの凝集が抑制されていた)ことが分かる。 【0033】 【発明の効果】本発明によれば、ホワイトカーボンが、微粒子化された3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートのブロッキング性を改良するために使用される。微粒子化された3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートは、ホワイトカーボンの添加によりブロッキング性を改善された結果、粉体特性が著しく向上する。従って、施工後の防カビ性の付与を目的として、施工現場で使用直前に殺菌成分の添加を行う壁紙の接着やコーキング、シーリング等の技術分野等の粉剤としての使用形態が好まれる新たな分野への3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートの用途展開が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000110491 【氏名又は名称】ナガセ化成工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月19日(1999.3.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078282 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 秀策
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| 【公開番号】 |
特開2000−273008(P2000−273008A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月3日(2000.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−76891 |
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