| 【発明の名称】 |
防汚剤組成物、それを含有する防汚塗料、防汚塗膜およびそれらを用いた防汚処理物ならびに防汚方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】政 岡 滋
【氏名】大多和 泰 雄
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】本発明の防汚剤組成物は、(a)溶解性銅ガラスと、(b)金属ピリチオン類とを含有することを特徴としている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】(a)溶解性銅ガラスと、(b)金属ピリチオン類とを含有することを特徴とする防汚剤組成物。 【請求項2】溶融性銅ガラス(a)100重量部に対して、金属ピリチオン類(b)を1〜200重量部で含む請求項1に記載の防汚剤組成物。 【請求項3】(a)溶解性銅ガラス、(b)金属ピリチオン類および(c)N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノSトリアジン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンおよび2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機防汚剤を含有することを特徴とする防汚剤組成物。 【請求項4】溶融性銅ガラス(a)100重量部に対して、金属ピリチオン類(b)を1〜200重量部および、有機防汚剤(c)を1〜200重量部それぞれ含む請求項3に記載の防汚剤組成物。 【請求項5】金属ピリチオン類(b)が、銅ピリチオン類である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の防汚剤組成物。 【請求項6】銅および/または無機銅化合物(d)をさらに含有する請求項1〜請求項5のいずれかに記載の防汚剤組成物。 【請求項7】アクリル系樹脂、ビニル樹脂、変性ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂およびポリシロキサン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂成分(e)をさらに含有する請求項1〜請求項6のいずれかに記載の防汚剤組成物。 【請求項8】ロジン、塩素化パラフィン、リン酸トリクレジル、ポリブテン、シリコーンオイル、パラフィンおよびワセリンからなる群から選ばれる少なくとも一種の溶出助剤(f)をさらに含有する請求項1〜請求項7のいずれかに記載の防汚剤組成物。 【請求項9】請求項1〜請求項8のいずれかに記載の防汚剤組成物を含有する防汚塗料。 【請求項10】請求項9に記載の防汚塗料から形成される防汚塗膜。 【請求項11】水中構造体、船舶、漁網または漁具を請求項9に記載の防汚塗料または請求項10に記載の防汚塗膜で、被覆または処理した防汚処理物。 【請求項12】海水または真水と接触する水中構造体、船舶、漁網または漁具の表面を、請求項9に記載の防汚塗料または請求項10に記載の防汚塗膜で、被覆または処理することを特徴とする防汚方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、水棲生物の付着を防止するのに有用な、防汚剤組成物、その防汚剤組成物を用いた防汚塗膜、防汚処理物ならびに防汚方法に関する。詳しくは、本発明は、フジツボ、イガイ、セルブラ、ホヤ、藻類およびヒドロ虫などの水棲生物が、船底および漁網などに付着するのを防止するのに有用な防汚剤組成物、その防汚剤組成物を用いた、防汚塗膜、防汚処理物ならびに防汚方法に関する。 【0002】 【発明の技術的背景】防汚処理を施さない船舶、水中構築物、漁網ならびに漁具などは、水中に長期間さらされることにより、フジツボ、イガイ、セルブラ、ホヤ、藻類およびヒドロ虫などの水棲生物が付着・繁殖して、外観が損なわれるほか、多くの問題を生じることがある。 【0003】たとえば、船舶の船底に水棲生物が付着した場合には、外観が損なわれるほか、船全体の表面粗度が増加して、船速の低下、燃費の拡大、操縦性の低下、船底表面部の破損をなどを招くことがある。また、付着した水棲生物を船底から取り除くには、多大な労力、作業時間が必要となる。またたとえば、腐食防止などの表面処理の施された水中構造物に水棲生物が付着・繁殖し、その腐食防止用の塗膜などを損傷すると、その水中構造物の強度や機能が低下し寿命が著しく低下する等の被害が生ずることがある。さらに、たとえば漁網に水棲生物が付着した場合には、網目が塞がり水の流出入を阻害し、引き上げなどの作業が困難になるほか、漁網が養殖用漁網である場合には、内部の養殖魚が酸素不足で死亡するなどの問題が生じることがある。 【0004】このため、従来から水棲生物の付着を防止する薬剤の使用が図られていた。従来、船底用防汚塗料に用いられる防汚剤としては、亜酸化銅、有機スズ化合物、チオカルバミン酸塩、ロダン化銅、酸化亜鉛、銅ピリチオン、ジンクピリチオン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン、2−メチルチオ−4−6−ブチルアミノSトリアジン、ピリジントリフェニルボロンなどが使用されてきた。また、漁網用の防汚剤としては、テトラエチルチウラムジスルフィド、ビスダイセン、銅粉、マレイミド類、ピリジントリフェニルボロン等が使用され、最近ではこれらに加えて、トリフェニルボロンアルキルアミン塩等が使用されている。 【0005】しかしながら、このような従来の防汚剤のうち、有機錫化合物には、毒性が強く、海洋汚染、奇形魚類や奇形貝類の発生、食物連鎖による生態系への悪影響などが懸念されている。また、亜酸化銅(Cu2O)は、低毒性であるため古くから用いられているが不安定な物質であって、海水中で酸化されて次第に二価の銅塩に変化し、防汚作用が徐々に低下するという問題があるほか、防汚剤として塗料中に含有させた状態で長期保存ができないという問題がある。 【0006】このような問題を解決した防汚剤として、一価の銅を含有する溶解性ガラスを用いた防汚剤(特開昭62−158202号公報)および防汚塗料(特開昭63−48366号公報)が提案されていた。これらの防汚剤および防汚塗料は、防汚作用に優れ、低毒性である一価の銅を安定化させ、長期にわたって防汚作用を有するものである。 【0007】しかしながらこれらの防汚剤は、単独で用いても、また併用して用いても、特定もしくは数種の海中生物の付着防止にしか効果がないなど、選択性があり、その他の水中生物には防汚効果を持たない場合がある。このため毒性が低く、長期にわたって防汚作用を有し、フジツボ、イガイ、セルブラ、ホヤ、藻類およびヒドロ虫などの主要な広範囲の水棲生物に対して防汚効果を有する防汚剤組成物の開発が求めらていた。 【0008】 【発明の目的】本発明は、毒性が低く、長期にわたって防汚作用を有し、フジツボ、イガイ、セルブラ、ホヤ、藻類およびヒドロ虫などの主要な水棲生物に対して防汚効果を有する防汚剤組成物、およびそれを用いた防汚塗膜、防汚処理物ならびに防汚方法を提供することを目的とする。 【0009】 【発明の概要】本発明の防汚剤組成物は、(a)溶解性銅ガラスと、(b)金属ピリチオン類とを含有することを特徴としている。 【0010】また本発明の別の防汚剤組成物は、(a)溶解性銅ガラス、(b)金属ピリチオン類および(c)N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノSトリアジン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンおよび2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機防汚剤を含有することを特徴としている。 【0011】本発明の防汚塗料は、上記のような防汚剤組成物を含有することを特徴としている。本発明の防汚塗膜は、上記のような防汚塗料から形成されることを特徴としている。本発明の防汚処理物は、水中構造体、船舶、漁網または漁具を上記のような防汚塗料または防汚塗膜で、被覆または処理したことを特徴としている。 【0012】またさらに、本発明の防汚方法は、海水または真水と接触する水中構造体、船舶、漁網または漁具を、上記のような防汚塗料または防汚塗膜で、被覆または処理することを特徴としている。 【0013】 【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説明する。本発明の防汚剤組成物は、(a)溶解性銅ガラスと、(b)金属ピリチオン類とを含有している。本発明において、溶解性銅ガラス(a)とは、一価の銅を含有する溶解性ガラスである。溶解性ガラスとは、ガラス成分が溶融しやすいガラスであり、SiO2、B2O3、およびP2O5から選ばれる一種以上の網目形成酸化物と、Na2O、K2O、CaO、MgO、BaO、Al2O3などの網目修飾酸化物とから形成され、これらの成分の組成比によって溶解度を制御することができるものである。この溶解性ガラス中において、一価の銅は、ガラスマトリクス成分または微結晶として、Cu+イオンまたはCu2O微粒子の形態で安定に存在し、ガラス成分の溶解に応じて徐々に表面から溶出する。 【0014】このような溶解性銅ガラス(a)は、長期にわたって防汚作用を有し、かつ防汚作用に有効な一価の銅を安定に保持し、また一価の銅の溶出量も制御することができる。上記溶解性銅ガラス(a)および金属ピリチオン類(b)を含む本発明の防汚剤組成物は、その組成を特に限定するものではないが、溶融性銅ガラス(a)100重量部に対して、金属ピリチオン類(b)を1〜200重量部、好ましくは5〜50重量部含有するのが好ましい。 【0015】また、本発明の別の防汚剤組成物は、上記溶解性銅ガラス(a)と、金属ピリチオン類(b)と、特定の有機防汚剤(c)とを含有している。このような特定の有機防汚剤(c)としては、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノSトリアジン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−イソチアゾリン−3−オンおよび2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルが挙げられ、これらより選ばれる1種以上をいずれも好ましく用いることができる。 【0016】本発明の防汚剤組成物が、上記溶解性銅ガラス(a)と、金属ピリチオン類(b)と、特定の有機防汚剤(c)とを含有する場合には、その組成を特に限定するものではないが、溶融性銅ガラス(a)100重量部に対して、金属ピリチオン類(b)を1〜200重量部、好ましくは5〜50重量部含有し、上記有機防汚剤(c)を1〜200重量部、好ましくは5〜50重量部含有するのが望ましい。 【0017】本発明において金属ピリチオン類(b)としては、銅ピリチオン、ジンクピリチオンなどが挙げられ、これらをいずれも好適に使用することができるが、銅ピリチオンを用いるのが特に好ましい。また、本発明の防汚剤組成物は、銅または無機銅化合物(d)を含有してもよい。無機銅化合物としては、亜酸化銅、ロダン化銅などが挙げられる。本発明の防汚剤組成物が、銅または無機銅化合物(d)を含有する場合の、銅または無機銅化合物(d)量は特に限定されるものではないが、溶融性銅ガラス(a)100重量部に対して、銅または無機銅化合物(d)を10〜1000重量部、好ましくは50〜500重量部含有するのが望ましい。 【0018】さらに本発明の防汚剤組成物は、樹脂成分(e)を含有してもよい。樹脂成分(e)としては、アクリル系樹脂、ビニル樹脂、変性ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂およびポリシロキサン系樹脂が挙げられ、これらより選ばれる1種以上をいずれも好ましく用いることができる。これらの樹脂は、樹脂構造内に金属を含有した金属含有樹脂であってもよい。 【0019】さらにまた、本発明の防汚剤組成物は、溶出助剤(f)を含有してもよい。溶出助剤(f)としては、ロジン、塩素化パラフィン、リン酸トリクレジル、ポリブテン、シリコーンオイル、パラフィンおよびワセリンが挙げられ、これらより選ばれる1種以上をいずれも好ましく用いることができる。このような構成による本発明の防汚剤組成物は、毒性が低く、また長期にわたって防汚作用を有し、さらにフジツボ、イガイ、セルブラ、ホヤ、藻類およびヒドロ虫などの主要な広範囲の水棲生物に対して高い防汚効果を有するものであって、水中での防汚性を要するものの表面に対して、防汚処理を施すために用いることができる。 【0020】本発明の防汚剤組成物は、液状、ペレット状、スラリー状、粉末状など、どのような形態であってもよく、防汚処理を施す対象により適宜選択して用いることができる。また、本発明の防汚剤組成物は、着色用の塗料など、防汚目的以外の各種表面処理剤と混合して用いてもよい。本発明では、このような防汚剤組成物を防汚塗料として用いるのが特に好ましい。防汚塗料は、塗布、浸漬、スプレーなどの処理を行うものであって、被処理物および用途などによって、適宜粘度などを調整したものが用いられる。たとえば、漁網を浸漬して処理する場合、スプレー塗布を行う場合などには、比較的低粘度の防汚塗料を用いることができる。 【0021】また、このような本発明の防汚剤組成物は、長期間水と接触するものに対して防汚処理を施す用途に有効に使用することができ、海水または真水と接触する船舶、水中構造体、漁網または漁具の表面を、上記のような防汚塗料で被覆または処理することにより、該表面に良好な防汚性を付与することができる。本発明の防汚方法は、海水または真水と接触する船舶、水中構造体、漁網または漁具などの被処理物の表面を本発明の防汚塗料で被覆または処理する方法であって、本発明の防汚塗料を用いて該表面に防汚性を与えることができる方法であれば特に限定されるものではなく、たとえば、塗布、接着、浸漬などの常法により行うことができる。 【0022】また本発明の防汚塗料は、上記のようなの防汚剤組成物を含有している。このような防汚塗料は、水中構造体、船舶、漁網あるいは漁具などの被処理物の表面に防汚性を付与する防汚処理に好適に用いることができる。本発明の防汚塗料は、上記のようなの防汚剤組成物の他に、所望に応じて適宜、溶剤、樹脂、顔料などを含有してもよく、たとえば船舶の船底処理に用いる場合には樹脂を多く含有させてもよく、また、漁網処理に用いる場合には、漁網を浸漬して処理することができるよう、溶剤を多く含有させてもよい。 【0023】本発明の防汚塗膜は、上記のようなの防汚塗料から形成されている。このような防汚塗膜は、海水または真水と接触する水中構造体、船舶、漁網あるいは漁具などの被処理物の表面に、上記のような防汚塗料を塗布し、適宜乾燥するなどの通常の方法によって形成することができる。また、本発明の防汚塗膜は、被処理物以外の物質の表面に上記のような防汚塗料を塗布し、乾燥後に剥離するなどの方法によって形成したフィルム状物であってもよく、布などの塗膜基材表面に上記のような防汚塗料を塗布、乾燥するなどの方法によって形成した塗膜構造物であってもよい。 【0024】本発明の防汚処理物は、上記のような防汚塗膜で水中構造体、船舶、漁網または漁具を被覆した防汚処理物である。この防汚処理物は、被処理物である船舶または水中構造体の一部または全体を、上記のような防汚塗膜で被覆したものであればよいが、上記のような防汚塗料を塗布して防汚塗膜を形成させるか、上記フィルム状に形成した防汚塗膜または塗膜構造物を接着するかの方法により形成することができる。 【0025】 【発明の効果】本発明によれば、毒性が低く、長期にわたって防汚作用を有し、フジツボ、イガイ、セルブラ、ホヤ、藻類およびヒドロ虫などの主要な水棲生物に対して防汚効果を有する防汚剤組成物を得ることができる。また、本発明の防汚剤組成物を含有する、良好な防汚性を示す防汚塗料、防汚塗膜および防汚処理物を提供することができ、さらに、効果的な防汚方法を提供することができる。 【0026】 【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0027】 【実施例1】SiO2:7.7重量部、Al2O3:0.1重量部、Na2O:5.9重量部、B2O3:28.8重量部、Cu2O:53.3重量部および、ZnO:4.2重量部の組成で、溶解性銅ガラスを調製した。この溶解性銅ガラスを用いて、表1に示す組成で原料を混合し、防汚塗料Aを調製した。得られた防汚塗料Aは保存安定性が良好であった。 【0028】次に、得られた防汚塗料Aを、100×300×3mmの寸法の塩化ビニル板に、乾燥膜厚が200±20μmとなるようにアプリケーターで塗布して乾燥させ、防汚塗膜を有する防汚処理物Aを調製した。この防汚処理物Aを、広島県宮島沖の海中の水深50cmに浸漬し、6ヶ月ごとに水棲生物の付着面積の割合を調査した。結果を表2に示す。 【0029】表2より、防汚処理物Aは、18ヶ月の長期間においても水棲生物の付着が見られず、長期にわたり良好な防汚性を有していることがわかる。このように、(a)溶解性銅ガラスと(b)金属ピリチオン類とを含有する本発明の防汚剤組成物を用いた防汚塗料Aからは、長期にわたり高い防汚効果を有する、防汚塗膜および防汚処理物が得られていることがわかる。 【0030】 【実施例2】実施例1で調製した溶解性銅ガラスを用い、表1に示す組成で原料を混合し、防汚塗料Bを調製した。得られた防汚塗料Bは保存安定性が良好であった。次に、防汚塗料Bを用いたことの他は、実施例1と同様にして防汚処理物Bを調製し、さらに実施例1と同様にして水棲生物の付着面積の割合を調査した。結果を表2に示す。 【0031】表2より、防汚処理物Bは、18ヶ月の長期間においても水棲生物の付着が見られず、長期にわたり良好な防汚性を有していることがわかる。このように、(a)溶解性銅ガラス、(b)金属ピリチオン類および(c)特定の有機防汚剤とを含有する本発明の防汚剤組成物を用いた防汚塗料Bからは、長期にわたり高い防汚効果を有する、防汚塗膜および防汚処理物が得られていることがわかる。 【0032】 【比較例1、2】表1に示す組成で原料を混合し、防汚塗料DおよびEをそれぞれ調製した。次に、調製した各防汚塗料を用いたことの他は、実施例1と同様にして防汚処理物DおよびEをそれぞれ調製し、さらに実施例1と同様にして水棲生物の付着面積の割合を調査した。結果を表2に示す。 【0033】表2より、防汚処理物DおよびEは、浸漬期間6ヶ月では良好な防汚性を示しているが、浸漬期間12ヶ月以上では水棲生物の付着が見られ、防汚性が低下していることがわかる。浸漬期間12ヶ月および18ヶ月において付着した水棲生物は、フジツボ、白うすボヤ、セハプラおよびノリであった。 【0034】 【表1】
【0035】 【表2】
【0036】 【実施例3】実施例1で調製した溶解性銅ガラスを用い、表3に示す組成で原料を混合し、漁網用防汚塗料Cを調製した。この防汚塗料Cは保存安定性が良好であった。次に、ポリエチレン製無結節網(7節、400デニール、50本)を、得られた防汚塗料Cに浸漬塗布して乾燥させ、防汚処理物Cを調製した。 【0037】この防汚処理物Cを、平成10年3月10日より10月10日までの6ヶ月間、高知県宿毛湾の水深2mに浸漬し、水棲生物の付着状況を調査した。結果を表4に示す。表4より、(a)溶解性銅ガラスと(b)金属ピリチオン類とを含む、本発明の防汚剤組成物を用いた漁網用防汚塗料Cで処理して得られた防汚処理物C(防汚処理漁網)には、フジツボ、ホヤ・セルブラ、ヒドラの、いずれの種の水棲生物についても付着が見られず、良好な防汚性を有する防汚処理物が得られていることがわかる。 【0038】 【比較例3〜5】表3に示す組成で原料を混合し、漁網用防汚塗料F、G、Hをそれぞれ調製した。次に、調製した各防汚塗料を用いたことの他は実施例3と同様にして、防汚処理物F、G、Hをそれぞれ調製した。さらに、得られた各防汚処理物について、実施例3と同様にして水棲生物の付着状況を調査した。結果を表4に示す。 【0039】表4より、比較例3および5では、調査した水棲生物全種の付着が見られ、防汚性に劣ることがわかる。また、比較例4では、ヒドラについては選択的に防汚性を示しているが、他の水棲生物に対しての防汚性は示しておらず、防汚効果に選択性があり、防汚性に劣ることがわかる。 【0040】 【表3】
【0041】 【表4】
【0042】以上の実施例および比較例に示されるように、(a)溶解性銅ガラスと(b)金属ピリチオン類とを含む本発明の防汚剤組成物、または(a)溶解性銅ガラス、(b)金属ピリチオン類および(c)有機防汚剤とを含む本発明の防汚剤組成物は、長期にわたって防汚作用を有し、フジツボ、イガイ、セルブラ、ホヤ、藻類およびヒドロ虫などの主要な水棲生物に対して防汚効果を有することがわかる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390033628 【氏名又は名称】中国塗料株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月16日(1999.3.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081994 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 俊一郎 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−264804(P2000−264804A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月26日(2000.9.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−69486 |
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