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【発明の名称】 抗菌剤
【発明者】 【氏名】大志万 浩一

【氏名】曽田 良

【氏名】松村 吉信

【氏名】土戸 哲明

【要約】 【課題】植物抽出物を有効成分とする抗菌剤を提供することを目的とする。

【解決手段】インドネシアで通常、民間伝承薬として食されている植物からの溶媒抽出物は、食中毒細菌等に対して優れた抗菌活性を有し、従ってこれらの抽出物は抗菌剤、特に食品用保存剤として有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 学名:Adenostemma lavenia (L.) O.K.インドネシア名(Legetan warak)
学名:Andrographis paniculata Nees.インドネシア名(Sambi boto)
学名:Artocarpus heterophyllusインドネシア名(Daun sukun)
学名:Averrhoa bilimbi L.インドネシア名(Belimbing wuluh)
学名:Borreria articularis (L.f.)F.N. Williamsインドネシア名(Gempur batu)
学名:Boswellia sp.インドネシア名(Menyan arab)
学名:Curcuma aeruginosa Roxb.インドネシア名(Temu item)
学名:Indigofera sp.インドネシア名(Nilo)
学名:Lantana camara Linn.インドネシア名(Tembelekan)
学名:Lippia triphylla Lインドネシア名(Cedron)
学名:Mesua ferreaインドネシア名(Sari kurung)
学名:Minthostachys setosaインドネシア名(Muna)
学名:Moringa oleifera Lamk.インドネシア名(Kelor)
学名:Parkia biglobosa Auct. non Bth.インドネシア名(Kedawung)
学名:Peunus boldusインドネシア名(Boldo)
学名:Piper angustifoliumインドネシア名(Matico)
学名:Schinus molleインドネシア名(Molle)
学名:Sericocalyx crispus Bremeh.インドネシア名(Keji beling)
学名:Tinospora crispa Miers.インドネシア名(Daun brotowali)
及び学名:Valeriana officinalisインドネシア名(Valeriana)
からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の植物の溶媒抽出物、あるいは炭酸ガスを使用する超臨界抽出法により抽出された抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗菌剤。
【請求項2】 学名:Adenostemma lavenia (L.) O.K.インドネシア名(Legetan warak)の全草学名:Andrographis paniculata Nees.インドネシア名(Sambi boto)の全草学名:Artocarpus heterophyllusインドネシア名(Daun sukun)の葉学名:Averrhoa bilimbi L.インドネシア名(Belimbing wuluh)の葉学名:Borreria articularis (L.f.)F.N. Williamsインドネシア名(Gempur batu)の葉学名:Boswellia sp.インドネシア名(Menyan arab)の樹液学名:Curcuma aeruginosa Roxb.インドネシア名(Temu item)の根茎学名:Indigofera sp.インドネシア名(Nilo)の葉学名:Lantana camara Linn.インドネシア名(Tembelekan)の葉学名:Lippia triphylla Lインドネシア名(Cedron)の枝学名:Mesua ferreaインドネシア名(Sari kurung)の花学名:Minthostachys setosaインドネシア名(Muna)の全草学名:Moringa oleifera Lamk.インドネシア名(Kelor)の茎・葉学名:Parkia biglobosa Auct. non Bth.インドネシア名(Kedawung)の種子学名:Peunus boldusインドネシア名(Boldo)の葉学名:Piper angustifoliumインドネシア名(Matico)の葉学名:Schinus molleインドネシア名(Molle)の葉学名:Sericocalyx crispus Bremeh.インドネシア名(Keji beling)の枝学名:Tinospora crispa Miers.インドネシア名(Daun brotowali)の葉及び学名:Valeriana officinalisインドネシア名(Valeriana)の根からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の植物体の溶媒抽出物あるいは超臨界抽出法による抽出物を有効成分として用いる、請求項1の抗菌剤。
【請求項3】 学名:Adenostemma lavenia (L.) O.K.インドネシア名(Legetan warak)
学名:Alpinia galanga (L.)Swartsインドネシア名(Lenkuas kering)
学名:Alstonia sp.インドネシア名(Dulang)
学名:Andrographis paniculata Nees.インドネシア名(Sambi boto)
学名:Artocarpus heterophyllusインドネシア名(Daun sukun)
学名:Averrhoa bilimbi L.インドネシア名(Belimbing wuluh)
学名:Baeckea frutescens Linn.インドネシア名(Jungrahab)
学名:Borreria articularis (L.f.)F.N. Williamsインドネシア名(Gempur batu)
学名:Boswellia sp.インドネシア名(Menyan arab)
学名:Carthamus tinctorius L.インドネシア名(Kembang pulu)
学名:Cinnamomum cassia Nees ex Bl.インドネシア名(Kembang lawang)
学名:Curcuma aeruginosa Roxb.インドネシア名(Temu item)
学名:Curcuma xanthorrhiza Roxb.インドネシア名(Lawak kering)
学名:Elephantops scaber L. (Elephantopi Foliun)インドネシア名(Tatub bumi)
学名:Equisetum debile Roxb.インドネシア名(Greges otot )
学名:Garcinia mangostana L.インドネシア名(Manggis)
学名:Glycyrrhiza glabra L.インドネシア名(Kayu legi)
学名:Gonystylus bancanus Baill.インドネシア名(Kayu garu)
学名:Graptophyllum pictum (L.) Griffインドネシア名(Daum wungu)
学名:Indigofera sp.インドネシア名(Nilo)
学名:Jatropa curcas L.インドネシア名(Daun jarak kosta)
学名:Lantana camara Linn.インドネシア名(Tembelekan)
学名:Lippia triphylla Lインドネシア名(Cedron)
学名:Melaleuca leucadendron L.インドネシア名(Merica bolong)
学名:Mesua ferreaインドネシア名(Sari kurung)
学名:Minthostachys setosaインドネシア名(Muna)
学名:Morinda citrifolia L.インドネシア名(Daun pace)
学名:Moringa oleifera Lamk.インドネシア名(Kelor)
学名:Myrtisica fragrans Houtt.インドネシア名(Gondopuro)
学名:Ocimum sanctum L.インドネシア名(Kemangi hutan)
学名:Orthosiphon aristatus (Bl.)Miq.インドネシア名(Kumis kucing)
学名:Parkia biglobosa Auct. non Bth.インドネシア名(Kedawung)
学名:Peunus boldusインドネシア名(Boldo)
学名:Phyllanthus niruri L.インドネシア名(Meniran)
学名:Piper angustifoliumインドネシア名(Matico)
学名:Pogostemon cablin(Blanco)Bth.インドネシア名(Dilem)
学名:Schinus molleインドネシア名(Molle)
学名:Sericocalyx crispus Bremeh.インドネシア名(Keji beling)
学名:Tinospora crispa Miers.インドネシア名(Daun brotowali)
学名:Toona (Cedrela) sureni (BL.)Merr.インドネシア名(Suren)
学名:Urena lobata L.インドネシア名(Pulutan)
学名:Usnea spp.インドネシア名(Akar angin)
学名:Usnea spp.インドネシア名(Kayu angin)
学名:Valeriana officinalisインドネシア名(Valeriana)
及び学名:Vitex trifolia L.インドネシア名(Legundi)
からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の植物の溶媒抽出物、あるいは炭酸ガスを使用する超臨界抽出法により抽出された抽出物を有効成分として含有し、食品汚染細菌であるEscherichia coli; 食品等の微生物災害を引き起こす耐熱性有芽胞細菌であるBacillus polymyxa, Bacillus subtilis, Bacillus licheniformis, Bacillus acidoterrestris, Bacillus coagulans, Bacillus megaterium,Sporolactobacillus inulinus, Sporosarcinaureae, Bacillus cycloheptanicus, Clostridium thermoaceticum, Clostridium thermosaccharolyticum; 食中毒細菌であるブドウ球菌(Staphylococcus aureus), ウエルシュ菌(Clostridiumperfringens), セレウス菌(Bacillus cereus), リステリア菌(Listeria monocytogenes),ボツリヌス菌(Clostridium botulinum); 食品・化粧品・医薬部外品などにおける変敗菌であるLeuconostoc mesenteroides, Desulfotomaculum nigrificans, Enterococcus faecalis; 医療現場における感染症起因菌である抗生物質耐性ブドウ球菌(MRSA), Clostridium difficile, Clostridium sporogens, Streptococcus pyogenes;あるいは植物病原性細菌であるClavibacter michiganensisに対して有効な抗菌剤。
【請求項4】 学名:Adenostemma lavenia (L.) O.K.インドネシア名(Legetan warak)の全草学名:Alpinia galanga (L.)Swartsインドネシア名(Lenkuas kering)の根茎学名:Alstonia sp.インドネシア名(Dulang)の葉学名:Andrographis paniculata Nees.インドネシア名(Sambi boto)の全草学名:Artocarpus heterophyllusインドネシア名(Daun sukun)の葉学名:Averrhoa bilimbi L.インドネシア名(Belimbing wuluh)の葉学名:Baeckea frutescens Linn.インドネシア名(Jungrahab)の葉学名:Borreria articularis (L.f.)F.N. Williamsインドネシア名(Gempur batu)の葉学名:Boswellia sp.インドネシア名(Menyan arab)の樹液学名:Carthamus tinctorius L.インドネシア名(Kembang pulu)の花学名:Cinnamomum cassia Nees ex Bl.インドネシア名(Kembang lawang)の実学名:Curcuma aeruginosa Roxb.インドネシア名(Temu item)の根茎学名:Curcuma xanthorrhiza Roxb.インドネシア名(Lawak kering)の根茎学名:Elephantops scaber L. (Elephantopi Foliun)インドネシア名(Tatub bumi)の葉学名:Equisetum debile Roxb.インドネシア名(Greges otot )の茎学名:Garcinia mangostana L.インドネシア名(Manggis)の果皮学名:Glycyrrhiza glabra L.インドネシア名(Kayu legi)の茎・根学名:Gonystylus bancanus Baill.インドネシア名(Kayu garu)の木部学名:Graptophyllum pictum (L.) Griffインドネシア名(Daum wungu)の全草学名:Indigofera sp.インドネシア名(Nilo)の葉学名:Jatropa curcas L.インドネシア名(Daun jarak kosta)の葉(全草)学名:Lantana camara Linn.インドネシア名(Tembelekan)の葉学名:Lippia triphylla Lインドネシア名(Cedron)の枝学名:Melaleuca leucadendron L.インドネシア名(Merica bolong)の実学名:Mesua ferreaインドネシア名(Sari kurung)の花学名:Minthostachys setosaインドネシア名(Muna)の全草学名:Morinda citrifolia L.インドネシア名(Daun pace)の葉学名:Moringa oleifera Lamk.インドネシア名(Kelor)の茎・葉学名:Myrtisica fragrans Houtt.インドネシア名(Gondopuro)の葉学名:Ocimum sanctum L.インドネシア名(Kemangi hutan)の全草学名:Orthosiphon aristatus (Bl.)Miq.インドネシア名(Kumis kucing)の全草学名:Parkia biglobosa Auct. non Bth.インドネシア名(Kedawung)の種子学名:Peunus boldusインドネシア名(Boldo)の葉学名:Phyllanthus niruri L.インドネシア名(Meniran)の全草学名:Piper angustifoliumインドネシア名(Matico)の葉学名:Pogostemon cablin(Blanco)Bth.インドネシア名(Dilem)の茎・葉学名:Schinus molleインドネシア名(Molle)の葉学名:Sericocalyx crispus Bremeh.インドネシア名(Keji beling)の枝学名:Tinospora crispa Miers.インドネシア名(Daun brotowali)の葉学名:Toona (Cedrela) sureni (BL.)Merr.インドネシア名(Suren)の葉学名:Urena lobata L.インドネシア名(Pulutan)の全草学名:Usnea spp.インドネシア名(Akar angin)の全草学名:Usnea spp.インドネシア名(Kayu angin)の全草学名:Valeriana officinalisインドネシア名(Valeriana)の根及び学名:Vitex trifolia L.インドネシア名(Legundi)の葉からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の植物体の溶媒抽出物あるいは超臨界抽出法による抽出物を有効成分として用いる、請求項3の抗菌剤。
【請求項5】 有効成分として植物あるいは植物体の溶媒抽出物を含有する、請求項1から4のいずれかの抗菌剤。
【請求項6】 溶媒が水、メタノール、エタノール、プロピレングリコール及び1, 3−ブチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1から5のいずれかの抗菌剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌剤に関し、更に詳しくは食中毒細菌、食品,化粧品,医薬部外品などにおける変敗菌、食品の微生物災害を引き起こす耐熱性細菌、あるいは医療現場における感染症起因菌、植物病原性細菌などの有害微生物を殺菌または増殖抑制するのに有効な抗菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】食品の流通過程、店頭または家庭における貯蔵・保存は、人間の歴史とともに常に解決を求められる課題としてあり、そのための対策として、あらゆる物理的あるいは化学的方法が提案されてきた。例えば、冷凍、冷蔵、乾燥、塩蔵、糖蔵、加熱減菌、加熱殺菌(壜、缶詰)、包装加熱、包装内部の気相置換、などのほかに酢漬け、乳酸醗酵、さらには安息香酸やソルビン酸などの化学的保存料の使用などがそれらの対応策として採られてきた。
【0003】食品の貯蔵や保存方法の開発は、古くより続けられたものとはいえ、食品自体に対する要求は、時代の流れに伴い変化する。安全性はいつの時代においても第一に要求されるが、近年特に、健康と食物に対する関心が深まり、それと共に、天然または自然に近い食品に対する関心が高まってきている。
【0004】このような近年の食品に対する指向は、食品の保存方法にも著しい影響を与えている。安全性指向からは食品にできるだけ合成保存料の添加を減らし、天然指向からは冷凍や冷蔵、乾燥や塩蔵などもあまり好まれず、グルメ指向からはできるだけ新鮮なものが求められ、健康指向からはできるだけ食塩濃度を減らしたいという様々な要求に対して、種々の方法の開発が行われてきている。
【0005】さらに現代の食品の抱える問題は、食品類の国境が無くなってきていることであり、世界中のあらゆる所から食品素材あるいは食品そのものが輸入されて来ていることである。このことは食品とともに、食品に付着ないし汚染している各種の微生物が広く食品市場に入ってきていることを意味し、多くの新しい食中毒菌例えば、Escherichia coli O-157:H7や、幾つかのサルモネラ菌、従来あまり日本では検出されなかったボツリヌスAあるいはB型菌などによる食中毒の危険性が指摘されるに到っている。
【0006】さらに最近の食品の問題は、調理済食品の増加で、例えば、サラダ類、サンドイッチ類、玉子焼き、カスタードクリーム、チキンナゲット、チキンバスケット、フライ類など、さらにそれらを組み合わせた、いわゆるおかずの類が、それなりに一定期間の微生物に対する安定性の保証を求められながら市販されるに至っていることである。
【0007】さらに食品の健康指向から、あらゆる保存性食品において食塩濃度を低下させることが行われており、たとえば、イカの塩辛の食塩濃度は10数%あったものが、4〜5%に低下され、漬物では12〜3%のものが4〜6%に、肉製品では2.5〜3%のものが1〜2%に、味噌では13%程度のものが4〜8%に、魚介類の干物では2〜3%のものが0.6〜1%に低下してきている。このことは食品類の微生物に対する安定性が著しく低下することになり、単に腐敗し易いのみならず、各種の食中毒菌に対する安全性も低下することになってきている。
【0008】このような食品類の貯蔵・保存策として、第一に食品類を製造する環境を清潔にし、生産と食品の包装工程において微生物の汚染をできるだけ少なくする、微生物の汚染度の出来るだけ少ない食品材料を使用する、製造工程から包装工程を出来るだけ低温に管理する、製品は低温に保存するなどの基本的な対策を行うのが通例である。しかしながら、食品原材料中の微生物の数を、完全にゼロにすることは極めて困難であり、通常生の肉や魚介類であれば、最低でも103cfu/g程度の微生物が存在するし、また製造工程中に60〜80℃程度の加熱殺菌工程があっても、耐熱性の細菌芽胞が残留することは避けられない。
【0009】さらに、食品を低温に置いた場合でも細菌類のなかには低温でよく発育するものがある。食中毒細菌のなかにも低温で発育するものがあり、Yersinia enterocolitica ,Listeria monocytogenes, Clostridium botulinum E型菌などは、5℃位の低温に保存しても次第に発育し、食中毒を起こすに足る菌量や毒素の産生を行うに到る。もちろん通常の低温細菌は、時間の経過とともに発育し食品を腐敗させる。食品の保存と微生物的な安全性の確保は、単に食品の製造者や流通業者の問題だけではなく、消費者の手元に移った後も温度と時間の経過によって左右される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような理由から、生産、流通過程において微生物的な管理を十分実施するとしても、なお食品それ自体に微生物に対する安定性ないしは抵抗性を持たせることが必要である。そのために所謂化学的保存料の利用がある。しかし合成保存料の安息香酸、ソルビン酸、プロピオン酸、パラベン類などの使用は、安全性に対する疑問を持つ消費者もあるため、天然に存在する酢酸や乳酸などの有機酸またはその塩類の利用、グリシンなどのアミノ酸の利用、魚の白子のタンパク質であるプロタミンの利用などが図られている。しかし、これらの天然系の物質は、安全性の利点はあるものの、食品保存の効果上からは、例えば抗菌スペクトルが狭い、大量に使用しなければならない、色や特有の匂いがつくなどの問題点があった。
【0011】微生物が生育する環境には栄養源となる物質が存在する一方で、微生物の生存や増殖に対して阻害作用を及ぼす物質も多い。ところで、食品製造の分野においては、有害微生物を短時間に死滅させる殺菌剤が食品衛生法で殺菌料(保存料)として許可されている。実際に、現在保存料として5種類、14品目が許可されているが、これらは化学合成品であり、その安全性への配慮から、食品衛生法により使用制限を受けている。また、化粧品や医療現場などの分野においても、抗菌剤は使用されているが、消費者の意識の高まりもあり、有害微生物に対し抗菌作用を有し、かつ人体に対して有害な副作用を持たず、安心して使用できる物質が強く求められていた。
【0012】これまでも化学的合成品でなく天然物、特に可食性天然物(食品)の中から抗菌性物質が検索されており、例えば、茶に含まれる渋みの本体であるポリフェノール類(カテキン類,テアフラビン類)が有害細菌に対し抗菌作用を有することが明らかにされている(特開平2-276562号公報)。しかしながら、茶ポリフェノールについては、効果を示す濃度域が高いこと、あるいは濃度が高くなればなるほど、それ自身が有する独特の渋味が増すなどの問題点が提起されている。
【0013】従って、安全性が高く、しかも食品の保存と微生物に対する安全性の向上を図ることのできる物質の探索が、鋭意実施されてきており、例えば、乳酸菌の生産するペプチドまたはタンパク質で、抗菌性を有しながら、しかも人間の消化酵素で分解消化されるバクテリオシンの利用が検討されている(例えば、Food Technology 164〜167,Jan.1989)。しかし、バクテリオシンは、一般的に抗菌スペクトルの範囲が狭く、それ単独で広い範囲の食品を保存することは困難であった。
【0014】そこで、本発明はより広範な食品の保存性を高めることができ、天然物に由来し、安全性の高い、しかも食品の品質を損うことのない食品用保存剤として特に有用な抗菌剤を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、抗菌作用を有する植物抽出成分を見出すべく鋭意検討を行った結果、特定のインドネシアで通常、民間伝承薬として食されている植物の抽出物に抗菌作用があることを見出し本発明を完成した。
【0016】すなわち本発明は、学名:Adenostemma lavenia (L.) O.K.インドネシア名(Legetan warak)
学名:Alpinia galanga (L.)Swartsインドネシア名(Lenkuas kering)
学名:Alstonia sp.インドネシア名(Dulang)
学名:Andrographis paniculata Nees.インドネシア名(Sambi boto)
学名:Artocarpus heterophyllusインドネシア名(Daun sukun)
学名:Averrhoa bilimbi L.インドネシア名(Belimbing wuluh)
学名:Baeckea frutescens Linn.インドネシア名(Jungrahab)
学名:Borreria articularis (L.f.)F.N. Williamsインドネシア名(Gempur batu)
学名:Boswellia sp.インドネシア名(Menyan arab)
学名:Carthamus tinctorius L.インドネシア名(Kembang pulu)
学名:Cinnamomum cassia Nees ex Bl.インドネシア名(Kembang lawang)
学名:Curcuma aeruginosa Roxb.インドネシア名(Temu item)
学名:Curcuma xanthorrhiza Roxb.インドネシア名(Lawak kering)
学名:Elephantops scaber L. (Elephantopi Foliun)インドネシア名(Tatub bumi)
学名:Equisetum debile Roxb.インドネシア名(Greges otot )
学名:Garcinia mangostana L.インドネシア名(Manggis)
学名:Glycyrrhiza glabra L.インドネシア名(Kayu legi)
学名:Gonystylus bancanus Baill.インドネシア名(Kayu garu)
学名:Graptophyllum pictum (L.) Griffインドネシア名(Daum wungu)
学名:Indigofera sp.インドネシア名(Nilo)
学名:Jatropa curcas L.インドネシア名(Daun jarak kosta)
学名:Lantana camara Linn.インドネシア名(Tembelekan)
学名:Lippia triphylla Lインドネシア名(Cedron)
学名:Melaleuca leucadendron L.インドネシア名(Merica bolong)
学名:Mesua ferreaインドネシア名(Sari kurung)
学名:Minthostachys setosaインドネシア名(Muna)
学名:Morinda citrifolia L.インドネシア名(Daun pace)
学名:Moringa oleifera Lamk.インドネシア名(Kelor)
学名:Myrtisica fragrans Houtt.インドネシア名(Gondopuro)
学名:Ocimum sanctum L.インドネシア名(Kemangi hutan)
学名:Orthosiphon aristatus (Bl.)Miq.インドネシア名(Kumis kucing)
学名:Parkia biglobosa Auct. non Bth.インドネシア名(Kedawung)
学名:Peunus boldusインドネシア名(Boldo)
学名:Phyllanthus niruri L.インドネシア名(Meniran)
学名:Piper angustifoliumインドネシア名(Matico)
学名:Pogostemon cablin(Blanco)Bth.インドネシア名(Dilem)
学名:Schinus molleインドネシア名(Molle)
学名:Sericocalyx crispus Bremeh.インドネシア名(Keji beling)
学名:Tinospora crispa Miers.インドネシア名(Daun brotowali)
学名:Toona (Cedrela) sureni (BL.)Merr.インドネシア名(Suren)
学名:Urena lobata L.インドネシア名(Pulutan)
学名:Usnea spp.インドネシア名(Akar angin)
学名:Usnea spp.インドネシア名(Kayu angin)
学名:Valeriana officinalisインドネシア名(Valeriana)
及び学名:Vitex trifolia L.インドネシア名(Legundi)
からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の植物の溶媒抽出物あるいは炭酸ガスを使用する超臨界抽出法により抽出された抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗菌剤である。
【0017】本発明はまた、学名:Adenostemma lavenia (L.) O.K.インドネシア名(Legetan warak)
学名:Alpinia galanga (L.)Swartsインドネシア名(Lenkuas kering)
学名:Alstonia sp.インドネシア名(Dulang)
学名:Andrographis paniculata Nees.インドネシア名(Sambi boto)
学名:Artocarpus heterophyllusインドネシア名(Daun sukun)
学名:Averrhoa bilimbi L.インドネシア名(Belimbing wuluh)
学名:Baeckea frutescens Linn.インドネシア名(Jungrahab)
学名:Borreria articularis (L.f.)F.N. Williamsインドネシア名(Gempur batu)
学名:Boswellia sp.インドネシア名(Menyan arab)
学名:Carthamus tinctorius L.インドネシア名(Kembang pulu)
学名:Cinnamomum cassia Nees ex Bl.インドネシア名(Kembang lawang)
学名:Curcuma aeruginosa Roxb.インドネシア名(Temu item)
学名:Curcuma xanthorrhiza Roxb.インドネシア名(Lawak kering)
学名:Elephantops scaber L. (Elephantopi Foliun)インドネシア名(Tatub bumi)
学名:Equisetum debile Roxb.インドネシア名(Greges otot )
学名:Garcinia mangostana L.インドネシア名(Manggis)
学名:Glycyrrhiza glabra L.インドネシア名(Kayu legi)
学名:Gonystylus bancanus Baill.インドネシア名(Kayu garu)
学名:Graptophyllum pictum (L.) Griffインドネシア名(Daum wungu)
学名:Indigofera sp.インドネシア名(Nilo)
学名:Jatropa curcas L.インドネシア名(Daun jarak kosta)
学名:Lantana camara Linn.インドネシア名(Tembelekan)
学名:Lippia triphylla Lインドネシア名(Cedron)
学名:Melaleuca leucadendron L.インドネシア名(Merica bolong)
学名:Mesua ferreaインドネシア名(Sari kurung)
学名:Minthostachys setosaインドネシア名(Muna)
学名:Morinda citrifolia L.インドネシア名(Daun pace)
学名:Moringa oleifera Lamk.インドネシア名(Kelor)
学名:Myrtisica fragrans Houtt.インドネシア名(Gondopuro)
学名:Ocimum sanctum L.インドネシア名(Kemangi hutan)
学名:Orthosiphon aristatus (Bl.)Miq.インドネシア名(Kumis kucing)
学名:Parkia biglobosa Auct. non Bth.インドネシア名(Kedawung)
学名:Peunus boldusインドネシア名(Boldo)
学名:Phyllanthus niruri L.インドネシア名(Meniran)
学名:Piper angustifoliumインドネシア名(Matico)
学名:Pogostemon cablin(Blanco)Bth.インドネシア名(Dilem)
学名:Schinus molleインドネシア名(Molle)
学名:Sericocalyx crispus Bremeh.インドネシア名(Keji beling)
学名:Tinospora crispa Miers.インドネシア名(Daun brotowali)
学名:Toona (Cedrela) sureni (BL.)Merr.インドネシア名(Suren)
学名:Urena lobata L.インドネシア名(Pulutan)
学名:Usnea spp.インドネシア名(Akar angin)
学名:Usnea spp.インドネシア名(Kayu angin)
学名:Valeriana officinalisインドネシア名(Valeriana)
及び学名:Vitex trifolia L.インドネシア名(Legundi)
からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の植物の溶媒抽出物、あるいは炭酸ガスを使用する超臨界抽出法により抽出された抽出物を有効成分として含有し、食品汚染細菌であるEscherichia coli; 食品等の微生物災害を引き起こす耐熱性有芽胞細菌であるBacillus polymyxa, Bacillus subtilis, Bacillus licheniformis, Bacillus acidoterrestris, Bacillus coagulans, Bacillus megaterium,Sporolactobacillus inulinus, Sporosarcinaureae, Bacillus cycloheptanicus, Clostridium thermoaceticum, Clostridium thermosaccharolyticum; 食中毒細菌であるブドウ球菌(Staphylococcus aureus), ウエルシュ菌(Clostridiumperfringens), セレウス菌(Bacillus cereus), リステリア菌(Listeria monocytogenes),ボツリヌス菌(Clostridium botulinum); 食品・化粧品・医薬部外品などにおける変敗菌であるLeuconostoc mesenteroides, Desulfotomaculum nigrificans, Enterococcus faecalis; 医療現場における感染症起因菌である抗生物質耐性ブドウ球菌(MRSA), Clostridium difficile, Clostridium sporogens, Streptococcus pyogenes;あるいは植物病原性細菌であるClavibacter michiganensisに対して有効な抗菌剤である。
【0018】本発明はさらに、上記溶媒がメタノール、エタノール、プロピレングリコール及び1,3−ブチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする抗菌剤である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明では、抗菌剤のスクリーニングには、新たに開発された細菌運動画像解析法(バイオサインスとインダストリー, 54 (4), p39,40)を用いた。本法では、細胞構造を変化させるものやATP合成を阻害する抗菌剤は全て検出できることが確認されており、さらに従来通常用いられてきた阻止円法に比較して、より揮発性が高い抽出物に対しても抗菌活性を測定することが可能な方法である。具体的には、食品汚染細菌(例えば、Escherichia coliなど)の運動速度および非運動細胞を、顕微鏡にCCDカメラを取り付け、その画像の変化を逐次取り込み、物体の移動を測定する。対数期まで増殖させた細菌に、抗菌活性の期待される植物の抽出物と接触させ、その直後の運動速度および非運動細胞を測定する。運動速度の低下要因としては、1)モーターであるべん毛の破壊(2)べん毛モーターの駆動力であるATP量の低下が考えられるが、方法では1)は検知することができないが、迅速に測定することができるので、細菌の死滅とは関係のない薬剤も検出が可能です。2)が一般に言う抗菌剤になると思われる。つまり、細胞の生育には必ずATPが必要であるからであるが、この2)については検出が可能である。また、非運動細胞で測定すると、細胞をガラスプレートに吸着させるものもあり、このような通常の抗菌剤とは違う薬剤も計測することができる。なお、運動速度の方がより低濃度で抗菌力評価ができる。
【0020】本発明により抗菌作用があることが示された上述のインドネシア由来の植物は、古くからの民間伝承薬として言い伝えられており、ジャムウ(中国で言う漢方の様なもの)の構成成分として用いられている。しかし、これらの植物およびその抽出物、また、それらを構成成分とするジャムウが、抗菌作用を有することは全く知られていなかったことである。また、本発明で用いる植物はジャムウの構成植物としてすでに長い歴史を有し、安全性が確認されたものであるので、安心して使用することができる。例えば、マウスおよびラットに対し、投与限界である15g/kgの経口投与で死亡例も異常所見も認められないことから明らかなように極めて安全性の高いものである。
【0021】本発明の抗菌剤は、特に食品汚染細菌であるEscherichia coliに効果的であって、さらに食品等の微生物災害を引き起こす耐熱性有芽胞細菌であるBacillus polymyxa, Bacillus subtilis, Bacillus licheniformis, Bacillus acidoterrestris, Bacillus coagulans, Bacillus megaterium, Sporolactobacillus inulinus, Sporosarcinaureae, Bacillus cycloheptanicus, Clostridium thermoaceticum, Clostridium thermosaccharolyticum, 食中毒細菌であるブドウ球菌(Staphylococcus aureus), ウエルシュ菌(Clostridium perfringens), セレウス菌(Bacillus cereus), リステリア菌(Listeria monocytogenes),ボツリヌス菌(Clostridium botulinum), 食品・化粧品・医薬部外品などにおける変敗菌であるLeuconostoc mesenteroides, Desulfotomaculum nigrificans, Enterococcus faecalis, 医療現場における感染症起因菌である抗生物質耐性ブドウ球菌(MRSA), Clostridium difficile, Clostridium sporogens, Streptococcus pyogenes,あるいは植物病原性細菌であるClavibacter michiganensisなどの様々な有害微生物を殺菌または増殖抑制するのに有効である。
【0022】本発明の抗菌剤を利用するには様々な形態が考えられるが、例えば清涼飲料,和菓子,洋菓子,漬物類,畜肉製品,魚肉製品,化粧品,うがい剤,手洗い用消毒剤などに混合すれば良い。その際の使用量は、抽出物の濃度として10〜2000ppmであれば良く、好ましくは100〜500ppmが適当である【0023】以下に本発明を更に詳細に説明する。
原材料本発明では、以下に示す植物体が抗菌剤の有効成分を得るための原材料として好ましい。
学名:Adenostemma lavenia (L.) O.K.インドネシア名(Legetan warak)の全草学名:Alpinia galanga (L.)Swartsインドネシア名(Lenkuas kering)の根茎学名:Alstonia sp.インドネシア名(Dulang)の葉学名:Andrographis paniculata Nees.インドネシア名(Sambi boto)の全草学名:Artocarpus heterophyllusインドネシア名(Daun sukun)の葉学名:Averrhoa bilimbi L.インドネシア名(Belimbing wuluh)の葉学名:Baeckea frutescens Linn.インドネシア名(Jungrahab)の葉学名:Borreria articularis (L.f.)F.N. Williamsインドネシア名(Gempur batu)の葉学名:Boswellia sp.インドネシア名(Menyan arab)の樹液学名:Carthamus tinctorius L.インドネシア名(Kembang pulu)の花学名:Cinnamomum cassia Nees ex Bl.インドネシア名(Kembang lawang)の実学名:Curcuma aeruginosa Roxb.インドネシア名(Temu item)の根茎学名:Curcuma xanthorrhiza Roxb.インドネシア名(Lawak kering)の根茎学名:Elephantops scaber L. (Elephantopi Foliun)インドネシア名(Tatub bumi)の葉学名:Equisetum debile Roxb.インドネシア名(Greges otot )の茎学名:Garcinia mangostana L.インドネシア名(Manggis)の果皮学名:Glycyrrhiza glabra L.インドネシア名(Kayu legi)の茎・根学名:Gonystylus bancanus Baill.インドネシア名(Kayu garu)の木部学名:Graptophyllum pictum (L.) Griffインドネシア名(Daum wungu)の全草学名:Indigofera sp.インドネシア名(Nilo)の葉学名:Jatropa curcas L.インドネシア名(Daun jarak kosta)の葉(全草)学名:Lantana camara Linn.インドネシア名(Tembelekan)の葉学名:Lippia triphylla Lインドネシア名(Cedron)の枝学名:Melaleuca leucadendron L.インドネシア名(Merica bolong)の実学名:Mesua ferreaインドネシア名(Sari kurung)の花学名:Minthostachys setosaインドネシア名(Muna)の全草学名:Morinda citrifolia L.インドネシア名(Daun pace)の葉学名:Moringa oleifera Lamk.インドネシア名(Kelor)の茎・葉学名:Myrtisica fragrans Houtt.インドネシア名(Gondopuro)の葉学名:Ocimum sanctum L.インドネシア名(Kemangi hutan)の全草学名:Orthosiphon aristatus (Bl.)Miq.インドネシア名(Kumis kucing)の全草学名:Parkia biglobosa Auct. non Bth.インドネシア名(Kedawung)の種子学名:Peunus boldusインドネシア名(Boldo)の葉学名:Phyllanthus niruri L.インドネシア名(Meniran)の全草学名:Piper angustifoliumインドネシア名(Matico)の葉学名:Pogostemon cablin(Blanco)Bth.インドネシア名(Dilem)の茎・葉学名:Schinus molleインドネシア名(Molle)の葉学名:Sericocalyx crispus Bremeh.インドネシア名(Keji beling)の枝学名:Tinospora crispa Miers.インドネシア名(Daun brotowali)の葉学名:Toona (Cedrela) sureni (BL.)Merr.インドネシア名(Suren)の葉学名:Urena lobata L.インドネシア名(Pulutan)の全草学名:Usnea spp.インドネシア名(Akar angin)の全草学名:Usnea spp.インドネシア名(Kayu angin)の全草学名:Valeriana officinalisインドネシア名(Valeriana)の根及び学名:Vitex trifolia L.インドネシア名(Legundi)の葉。
上記した植物体は、乾燥して用いるのが好ましく、乾燥したものは、インドネシアの市場をはじめ他国の市場でも入手できる。
【0024】有効成分の抽出植物をそのまま切裁せずに用いても良いが、抽出操作の前に切裁した植物を用いたほうが抽出時間を短縮できる点でより好ましい。上記原材料からの有効成分の抽出方法として公知の方法が採用でき、例えば炭酸ガスを使用する超臨界抽出法や溶媒による抽出法が挙げられる。溶媒による抽出法としては、例えば、原材料に溶媒を添加して溶媒の還流温度下で加熱処理する方法が挙げられる。この加熱処理は一般に80℃以下の温度で実施することが好ましく、公知の抽出装置を用いて還流下1〜6時間加熱処理することによって抽出液を得ることができる。また、溶媒中に前記原材料の乾燥粉末を温浸することによって抽出液を得ることもできる。超臨界流体は、その溶解力を圧力,温度により容易にしかも広範囲に渡って連続的に制御できるため、この性質を利用した超臨界抽出法は、新たな分離法として期待されている。特に超臨界二酸化炭素(SC−CO2)は、臨界点(臨界温度304.2K,臨界圧力72.8atm)が比較的低いため、熱的に不安定な物質にも適用可能である。超臨界抽出法と溶媒による抽出法を組み合わせて使用してもよい。これらの抽出操作は、1回目の抽出操作を終えた原料残留物で繰り返して実施することができる。抽出に使用する溶媒の量は、原材料100重量部当たり100〜10,000重量部が適当であり、さらに好ましくは300〜5,000重量部である。
【0025】本発明において使用できる抽出溶媒としては、水、低級アルコールであるメタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等、あるいはプロピレングリコール、1,3ブチレングリコール等の多価アルコール、アセトン、ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、ブチルメチルケトン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、キシレン、トリクロロエチレン、四塩化炭素、ベンゼン、クロロホルム及びトルエン等が挙げられる。特に、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールが好ましい。上記の溶媒を単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよく、水と有機溶媒を併用してもよい。上記の低級アルコール及び多価アルコールを含水アルコールとして使用する場合は、水分含量50%以下が好ましい。このようにして得られた抽出液を減圧濃縮して、次いで乾燥することによって抽出物を粉末として得ることができる。また、使用する溶媒によっては抽出液をそのまま抗菌剤の有効成分として使用することが可能であり、例えばエタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等による抽出液はそのまま溶媒を除去せずに使用してもよい。
【0026】超臨界抽出法は、食品、化学、医薬、化粧品工業など幅広い分野で注目を集めている抽出技術である。特に、抽剤として二酸化炭素を用いた場合は、その臨界点(75kg/cm2 、31℃)が比較的低く安全性が高いため、熱に対して不安定な成分や揮発性の高い成分等を効率よく抽出分離することができる。原料から目的の成分を抽出するためには、二酸化炭素の圧力・温度を臨界点以上に設定することにより達せられる。一般的には、同じ温度であれば圧力が高いほど超臨界二酸化炭素の溶解力は増す。本発明における超臨界二酸化炭素抽出は、自体公知の方法で行うことができる。例えば、超臨界抽出装置を用い、高圧セル部の温度33〜40℃、好ましくは35℃、圧力75〜300atm、好ましくは150atmとし、二酸化炭素の流量0.5〜5.0dm3/分、好ましくは4.0dm3/分の条件下で行うことができる。これにより、抗菌剤を含む抽出物が効率よく回収できる。
【0027】製品への応用本発明の抗菌剤は、食品、飼料等へ常法に従って添加することができ、その添加量は製品の種類に応じて適宜選択することができるが、通常、製品の全重量に対して、抽出物として0.001〜5重量%が適当であり、さらに0.005〜2重量%とすることが好ましい。本発明の抗菌剤に、有効成分である上記原材料の抽出物の他に、該抽出物に有害でなく且つ該抗菌剤を利用する製品に不適当でない限り、適宜添加剤を常法に従って配合することが可能である。配合可能な物質については、必ずしも一つだけではなく、幾つかのものを組み合わせて使用してもよい。対象となる食品の種類、組成、予想される汚染ないし変敗原因微生物、pH、水分活性、要求される保存温度、保存期間などに応じて、適宜二つないし三つの、時にはそれ以上の物質を組み合わせて使用することができる。例えば、本発明の抽出物とプロタミンを組み合わせ使用するときには、この他に酢酸もしくは乳酸、さらにはグリシンを配合すると、多くの肉製品、例えばソーセージ、ハムまたは蒲鉾類の保存期間を延長することができるととに、微生物的な安定性を向上させることができる。
【0028】本発明の抗菌剤の適用製品として、具体的には、食品包装材、食品保存容器、チューインガム、チューイングゼリー、コーヒー飲料等の食品、ドッグフード、キャットフード等の飼料が挙げられる。本発明の抽出物を食品に使用するに当たっては、食品中の食塩濃度と効果の関係に注意することが必要であり、食塩濃度が比較的高いと効果が大きい。このような場合、特に乳酸ナトリウムやリンゴ酸ナトリウムとの併用、ならびに数%以下(食品中)のアルコール類を組み合わせると、絶大な保存効果を得ることができる。このような時に、さらにリゾチームもしくはポリリジンの併用によりさらに効果を高めることができる。
【0029】本発明の抽出物は、一般に熱に対して極めて安定であり、食品を加熱することによって生存している菌数を減らし、さらに本発明の抽出物を含有する保存剤を使用することによって、効果的に保存性を高めることが出来る。このような保存剤としては、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、重合リン酸塩類、糖などを併用することが好ましい。
【0030】
【実施例】次に、実施例を挙げ本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【0031】実施例1抽出物の調製上記に記載したインドネシアの民間伝承薬として用いられている植物の実や葉などの粉砕物100gに対して50%エタノール水溶液1000mlに浸漬し、時折撹拌しながら7日間室温に放置した。濾過によって抽出液を採取し、この抽出液を減圧乾燥後、水に溶解し凍結乾燥した。この凍結乾燥標品を以下の実験に用いた。以下に示す表1に、抽出効率(%)、即ち、抽出に用いた植物の実や葉などの粉砕物の乾燥重量に対する、得られた凍結乾燥標品の重量割合いを示した。
【0032】実施例2抗菌活性の測定食品汚染細菌の一つであるEscherichia coli AB1157UV株を用いた細菌運動画像解析法(バイオサインスとインダストリー, 54 (4) p.39-40)により殺菌作用を調査した。LB培地でEscherichia coli AB1157UV株を培養し、細胞濃度が約OD650=0.3〜0.6程度の最も運動性の高い細胞を使用した。上記により調製した抽出物を50%エタノールに溶解し、上記の培養液に抽出物濃度が100μg/mlになるように添加した。このときの培養液中のエタノール濃度は0.5%であり、運動速度には影響のないことが確かめられている。これを軽く攪拌し、細胞の運動をCCDカメラにて観察しコンピューターにとりこみ画像解析装置において細胞の運動速度を計測した。抽出物を加えない対照の細胞の運動速度は38〜40μm/sであり、その運動性を半減させた薬剤を抗菌活性の高い薬剤であると判定した。なお、陽性コントロールとしては、よく使用される抗菌剤である安息香酸ナトリウム50μMを用いた。陰性コントロールとしては、培地のみを用いた。平均運動速度と非運動細胞率の結果を表1に示した。表1から明らかな如く、Adenostemma laveniaの全草抽出物をはじめ45種の抽出物にEscherichia coli菌に対する抗菌活性があることが明らかになった。
【0033】
表1────────────────────────────────────植物の学名 抽出部位 抽出効率 非運動細 (%) 細菌運動 胞率(%) 速度(um/s)────────────────────────────────────Adenostemma lavenia(L.)O.K. 全草 13 11.7 27.3Alpinia galanga (L.)Swarts 根茎 6 9.8 73.3Alstonia sp. 葉 7 22.8 22.6Andrographis paniculata Nees. 全草 8 18.2 39.0Artocarpus heterophyllus 葉 7 13.0 58.3Averrhoa bilimbi L. 葉 11 11.3 66.7Baeckea frutescens Linn. 葉 13 10.0 85.7Borreria articularis(L.f.)F.N.Williams葉 7 14.0 77.8Boswellia sp. 樹液 12 12.0 77.8Carthamus tinctorius L. 花 5 16.0 0.0Cinnamomum cassia Nees ex Bl. 実 9 16.0 0.0Curcuma aeruginosa Roxb. 根茎 6 15.4 60.0Curcuma xanthorrhiza Roxb. 根茎 7 9.0 90.0Elephantops scaber L. 葉 3 14.5 53.8Equisetum debile Roxb. 茎 7 17.7 33.3Garcinia mangostana L. 果皮 1 14.0 30.0Glycyrrhiza glabra L. 茎・根 20 18.6 0.0Gonystylus bancanus Baill. 木部 16 18.2 0.0Graptophyllum pictum (L.) Griff 全草 56 10.0 91.7Indigofera sp. 葉 5 11.0 55.6Jatropa curcas L. 葉(全草) 3 10.5 55.6Lantana camara Linn. 葉 6 11.0 60.0Lippia triphylla L. 枝 5 14.1 27.3Melaleuca leucadendron L. 実 4 11.0 92.9Mesua ferrea 花 16 9.0 88.9Minthostachys setosa 全草 13 10.0 70.0Morinda citrifolia L. 葉 5 11.2 44.4Moringa oleifera Lamk. 茎・葉 5 13.5 55.6Myrtisica fragrans Houtt. 葉 5 18.0 66.7Ocimum sanctum L. 全草 5 11.0 50.0Orthosiphon aristatus (Bl.)Miq. 全草 6 10.5 66.7Parkia biglobosa Auct. non Bth. 種子 4 19.5 0.0Peunus boldus 葉 20 10.0 66.7Phyllanthus niruri L. 全草 4 14.9 30.0Piper angustifolium 葉 13 11.8 45.5Pogostemon cablin(Blanco)Bth. 茎・葉 6 10.0 66.7Schinus molle 葉 9 12.0 55.6Sericocalyx crispus Bremeh. 枝 7 16.0 30.0Tinospora crispa Miers. 葉 9 15.5 80.0Toona (Cedrela) sureni(BL.)Merr. 葉 5 14.2 40.0Urena lobata L. 全草 5 7.5 70.0Usnea spp. 全草 13 11.0 87.5Usnea spp. 全草 7 10.5 60.0Valeriana officinalis 根 18 12.0 88.9Vitex trifolia L. 葉 9 12.0 40.0陽性コントロール(安息香酸ナトリウム) 16.6 6.0陰性コントロール(倍地のみ) 42.7 0.0────────────────────────────────────【0034】実施例3本発明の抗菌剤をハンバーグに配合した。その材料構成を表2に示す。
【0035】
表2────────────────────────── 材料配合量──────────────────────────たまねぎ(みじん切り) 200gバター 大さじ1杯食パン 1/2枚牛乳 大さじ1.5杯合びき肉 300g溶き卵 1/2個粉チーズ 大さじ1杯塩小さじ 2/3杯こしょう 少々サラダ油 大さじ1杯本発明の抽出物 0.2g──────────────────────────【0036】実施例4本発明の抗菌剤をカスタードクリームに配合した。その材料構成を第3表に示す。
【0037】
表3────────────────────────── 材料配合量──────────────────────────薄力粉 大さじ2杯コーンスターチ 大さじ2杯砂糖 100g牛乳 400ml卵黄 4個分ハ゛ター 大さじ4杯ハ゛ニラエッセンス 少々ラム酒 小さじ1杯本発明の抽出物 0.2g──────────────────────────【0038】実施例5本発明の抗菌剤を化粧品(乳液)に配合した。処方を表4に示す。
【0039】
表4───────────────────────────────── 材料配合量─────────────────────────────────ステアリン酸 1.5gセタノール 0.15gモノステアリン酸グリセリン 1gスクワラン 2gモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.2gモノステアリン酸ソルビタン 0.45g流動パラフィン 0.1g香料 0.05g1,3ブチレングリコール 2g精製水 89ml本発明の抽出物 0.02g─────────────────────────────────【0040】実施例6コーヒー飲料の製造:常法に従い、表5の配合により製造した。
【0041】
表5────────────────────────────────成分 分量(%)
────────────────────────────────インスタントコーヒー 1.7グラニュー糖 5.0本発明の抽出物 0.05水(又は湯) 適量────────────────────────────────合計 100.0────────────────────────────────【0042】実施例7チューインガムの製造:常法に従い、表6の配合により製造した。
【0043】
表6────────────────────────────────成分 分量(%)
────────────────────────────────ガムベース 31.6グラニュー糖 62.5グリセリン 0.8クエン酸 1.0ショ糖パルミテート 1.0リン酸3カルシウム 2.0本発明の抽出物 0.1香料 1.0────────────────────────────────合計 100.0────────────────────────────────【0044】実施例8ドッグフードの製造:常法に従い、表7の配合物100重量部に対し水40重量部を加え150℃、スクリュー圧縮比1:3でエクストルダーにより押し出し成形した。
【0045】
表7────────────────────────────────成分 分量(%)
────────────────────────────────小麦粉 30.0コーンフラワー 15.0大豆粉 15.0ミートミール 20.0砂糖 5.0牛脂 5.0食塩 1.0リン酸カルシウム 1.5ソルビン酸カリウム 0.3香料 0.6本発明の抽出物 0.1プロピレングリコール 6.5────────────────────────────────合計 100.0────────────────────────────────【0046】
【発明の効果】本発明により、広範な食品の保存性を高めることができ、天然物に由来し、安全性の高い、しかも食品の品質を損うことのない食品用保存剤として特に有用な抗菌剤が提供される。
【出願人】 【識別番号】000183428
【氏名又は名称】住友林業株式会社
【出願日】 平成11年2月10日(1999.2.10)
【代理人】 【識別番号】100066692
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓 (外3名)
【公開番号】 特開2000−229804(P2000−229804A)
【公開日】 平成12年8月22日(2000.8.22)
【出願番号】 特願平11−32873