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【発明の名称】 殺虫組成物
【発明者】 【氏名】浅野 昌司

【氏名】荻原 克俊

【氏名】堀 秀隆

【氏名】仲川 洋治

【氏名】渡邉 剛志

【要約】 【課題】Bacillus thuringiensis 由来δ−エンドトキシンの殺虫活性を増強する物質を発見して該δ−エンドトキシンに対して感受性が低いヤガ科昆虫に対しても有効な殺虫組成物を提供することを課題とする。

【解決手段】Bacillus thuringiensis由来δ−エンドトキシンCryICと、それ自体はハスモンヨトウに対して殺虫活性を示さない腸内細菌Serratia marcescensの生産する赤色色素プロディギオシンを併用することによって、CryICの殺虫活性が増強されることを見い出した。両者の併用により、該エンドトキシンの有効利用が可能となった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 Bacillus thuringiensis由来δ−エンドトキシンまたはその変異体を含有する殺虫組成物であって、さらにプロディギオシンまたはその誘導体を含有することを特徴とする殺虫組成物。
【請求項2】 ヤガ科昆虫の幼虫に有効である、請求項1に記載の殺虫組成物。
【請求項3】 ヤガ科昆虫がハスモンヨトウである、請求項2に記載の殺虫組成物。
【請求項4】 Bacillus thuringiensis由来δ−エンドトキシンがヤガ科昆虫の幼虫に有効なものである、請求項1に記載の殺虫組成物。
【請求項5】 Bacillus thuringiensis由来δ−エンドトキシンがCryICである、請求項1に記載の殺虫組成物。
【請求項6】 Bacillus thuringiensis由来δ−エンドトキシン1重量部に対して0.1〜10重量部のプロディギオシンを含有する請求項1に記載の殺虫組成物。
【請求項7】 プロディギオシンを含有する、Bacillus thuringiensis由来δ−エンドトキシンの殺虫活性増強剤。
【請求項8】 Bacillus thuringiensis由来δ−エンドトキシンを殺虫剤として適用するにあたって、プロディギオシンと共に適用することを特徴とする害虫を制御する方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Bacillus thuringiensis由来δ−エンドトキシンまたはその変異体を含有する殺虫組成物であって、さらにプロディギオシンを含有することを特徴とする殺虫組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】Bacillus thuringiensis由来δ−エンドトキシン(以下BTトキシンともいう)は、化学殺虫剤に比べ、人や動物に対する安全性が高く、天敵に対する影響が少なく、自然環境を汚染する可能性が少ないことから、近年、総合的害虫管理(IPM)の重要な手段の一つとして農業害虫および衛生害虫の防除に広く利用されている。種々のBacillus thuringiensis(以下、B.t.ともいう)菌株が同定され、それぞれの産生するδ-エンドトキシンタンパク質である結晶タンパク質(crystal proteins)の単離、活性の検定およびタンパク質をコードする遺伝子のクローニングが行われている。鱗翅目昆虫に特異的に殺虫活性を示すδ-エンドトキシンタンパク質はCryIとCryIIに分類され、公知の配列に対するホモロジーから、さらにサブクラスに分類されている(Hofte, H. and Whiteley, H.R., Microbiol. Rev. 53: 242-255 (1989))。CryICはB.t. subsp. aizawaiおよびB.t.subsp. entomocidusから単離され、種々のサブタイプが知られている(Honee, G.T. et al., Nucleic Acids Res.16: 6240 (1988) 、Sanchis, V.D. et al., Mol. Microbiol. 2: 393-404 (1988))。最近、N. CrickmoreらはBTトキシンの具体的な命名法を提案しており(Crickmore, N. et al., Microbiology and Molecular Biology Reviews 62: 807-813 (1988))、それに基づいて命名されたこれまでに報告されたBTトキシンのリストをそのデータベースへの登録番号とともにインターネットを通じて提供している(URL: http://epunix.biols.susx.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/toxins.html)。
【0003】B.t.由来のδ-エンドトキシンに対する昆虫の感受性は昆虫の種類によって大きく異なり、鱗翅目昆虫の中ではヤガ科の昆虫、特にヨトウムシ類は、一般にδ−エンドトキシンに対する感受性が低い昆虫とされている。このような昆虫に対するδ−エンドトキシンの殺虫活性を増強する方法として、δ−エンドトキシンと協力作用をする物質の検索が行われている。例えば、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)およびヨトウガ(Mamestra brassicae)に対して、B.t. kurstakiの菌株とその培養上清またはB.t. kurstakiの菌株とB. morrisoni san diegoおよびB.t. japonensis Buibuiの培養上清を併用することにより菌株のみの使用より殺虫活性が増進されたこと(Asano,S. et al., Appl. Entomol. Zool. 30: 153-158 (1995)、Asano, S. et al., Appl. Entomol. Zool. 30: 369-374 (1995)、 Hori, H. et al., Appl. Entomol.Zool. 31: 29-35 (1996))が報告されている。さらに、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)等に対する市販のBTトキシン(Dipel、Biobit, Cutlass, Javelin)とヨトウガの一種であるPseudaletia unipunctaの顆粒病ウイルスの生産するタンパク質、Enhancin、の協力作用(Corsaro, B.G. et al., Parasites and Pathogens of Insects, Academic Press, San Diego, 1993, pp. 127-145)、シンクイガの一種であるChoristoneura fumiferanaに対する市販のBTトキシン(Dipel)とキチナーゼの協力作用(Samirnoff, W.A. et al., Can. Entomol. 109: 351-358 (1977))、アフリカヨトウ(Spodoptera littoralis)に対するB.t. entomocidusとキチナーゼ、摂食刺激物、UV防止剤の協力作用(Smeh, B. et al.,Z. Angen. Entomol. 96: 77-83 (1983))およびアフリカヨトウに対するBTトキシン(CryIC)とSerratia marcescensのキチナーゼの協力作用(Regev, A. et al., Appl. Environ. Microbiol. 62: 3581-3586 (1996))が報告されている。しかしながら、本発明者らが追試したところ、ハスモンヨトウの幼虫に対しては、Serratia marcescensのキチナーゼがCryICの殺虫活性を増強する作用は見いだせなかった。
【0004】これらのBTトキシンと協力作用をする物質の殺虫活性の増強効果は、プレトキシンである各種BTトキシンの酵素的トキシン化や、活性化後の代謝分解を防止することによるものと推測されている。しかしながら、これら公知の増強物質のすべてについて、その機構が明らかにされてはおらず、上記の報告は、新たな増強物質についての示唆を与えるものではない。
【0005】一方、プロディギオシン(prodigiosin、2-メチル-3-アミル-6-メトキシプロディギオセン)は腸内細菌Serratia marcescensの生産する赤色色素であり、次の構造式をもつ。
【0006】
【化1】

この細菌がプロディギオシンを産生する理由は明らかにされていないが、プロディギオシンの生理活性としては、抗腫瘍活性(日本国特許第1369925号明細書)、抗潰瘍活性(特開平9-30967号公報)、免疫抑制(特開平10-120563号公報)等が報告されている。また、その製造方法についても、培養方法(日本国特許第1377921号明細書)、遺伝子工学的方法(特開昭60-12985号公報)等が報告されている。
【0007】しかしながら、BTトキシンとプロディギオシンの併用については、未だ報告されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Bacillus thuringiensis 由来のδ−エンドトキシンの害虫に対する殺虫活性を増強する物質を発見して、両者の併用により、Bacillus thuringiensis 由来のδ−エンドトキシンを有効に利用することを課題とする。より具体的には、従来のδ−エンドトキシンまたはδ−エンドトキシンと他の物質との組み合わせに対して感受性が低いハスモンヨトウのようなヤガ科昆虫に対しても、δ−エンドトキシンの殺虫活性を効果的に増強する物質を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、まず既知のBacillus thuringiensis δ−エンドトキシンの中から、ヤガ科昆虫、具体的には、ハスモンヨトウおよびヨトウガ幼虫に対して殺虫活性の高いものを室内試験で選抜した。その結果、CryICがハスモンヨトウおよびヨトウガ幼虫に対して最も殺虫活性が高いことがわかった。さらに、CryICのヨトウムシ類に対する殺虫活性を実用的なレベルにまで増強できるような物質を検索したところ、プロディギオシンとの併用によりCryICの殺虫活性が4倍以上上昇することを見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明は、(1)Bacillus thuringiensis由来のδ−エンドトキシンまたはその変異体を含有する殺虫組成物であって、さらにプロディギオシンを含有することを特徴とする殺虫組成物、(2) ヤガ科昆虫の幼虫に有効である、(1)に記載の殺虫組成物、(3) ヤガ科昆虫がハスモンヨトウである、(2)に記載の殺虫組成物、(4) Bacillus thuringiensis由来のδ−エンドトキシンがヤガ科昆虫の幼虫に有効なものである、(1)に記載の殺虫組成物、(5) Bacillus thuringiensis由来δ−エンドトキシンがCryICである、(1)に記載の殺虫組成物、(6) Bacillus thuringiensis由来のδ−エンドトキシン1重量部に対して0.1〜10重量部のプロディギオシンを含有する(1)に記載の殺虫組成物、(7) プロディギオシンを含有する、Bacillus thuringiensis由来のδ−エンドトキシンの殺虫活性増強剤、(8) Bacillus thuringiensis由来のδ−エンドトキシンを殺虫剤として適用するにあたって、プロディギオシンと共に適用することを特徴とする害虫を制御する方法、に関する。以下に本発明を詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で用いるBTトキシンとしては、殺虫活性を有するものであれば、特に限定されない。好ましくは、ヤガ科昆虫の幼虫、さらに好ましくはハスモンヨトウの幼虫に対して殺虫活性を有するBTトキシンが用いられる。特に、CryICが好ましく用いられる。CryICの具体例としては、cry1Ca1(X07518)、cry1Ca2(X13620)、 cry1Ca3(M73251)、 cry1Ca4(A27643)、cry1Ca5(X96682)、cry1Ca6(X96683)、cry1Ca7(X96684)およびcry1Cb1(M97880)が挙げられる。(括弧内の表示はデータベースへの登録番号を示す。)
【0011】CryICと同等の活性を有する限り、その変異体、誘導体または断片の使用も本発明に含まれる。また、BTトキシン生産菌もBacillus thuringiensis およびそれ以外のBTトキシン生産菌の組み換え体であってもよい。Bacillus thuringiensis 以外のBTトキシン生産菌としては、例えば、Pseudomonas fluorescensが挙げられる。 BTトキシンとして上記の生産菌そのものを生菌または乾燥菌体等の形態で用いることもできる。
【0012】種々のBTトキシンが入手可能であり、公知の方法によって製造することができる。例えば、BTトキシン生産菌を培養して、その培養液より単離精製する方法(Suzuki, N. et al., Biological Control 2: 138-142 (1992), Goodman, N.S. et al., J. Bacteriol. 94: 485 (1967))、BTトキシンcDNAを導入した形質転換体にBTトキシンを発現させる遺伝子工学的方法(Sanchis, V. et al., Mol. Microbiol. 2: 393-404 (1988))によって、製造することができる。
【0013】本発明に用いられるプロディギオシンとしては、BTトキシンの殺虫活性を増強できるものであれば、特に限定されず、下記構造式で示されるような合成前駆体も含まれる。
【0014】
【化2】

さらに、その同族体および誘導体も含む。 プロディギオシンは公知の方法によって、製造することができる。例えば、Serratia marcescensの培養物から単離精製することもできるし、培養物自体を用いてもよい。また、化学合成により製造されたものでもよい。例えば、プロディギオシン産生菌であるSerratia marcescens ATCC274株をPG寒天培地上で30℃、48時間培養し、集菌した培養菌体をエタノールで抽出し、抽出液をシリカゲル薄層クロマトグラフィーで分離し、得られた画分をアセトンで抽出して、精製プロディギオシンを得ることができる。
【0015】本発明の組成物におけるプロディギオシンのBTトキシンに対する混合比は、プロディギオシンの割合が多いほうが併用効果が高くなるが、プロディギオシンの量がBTトキシンの殺虫活性を増強するのに有効な量であればよい。実用的には、BTトキシン1重量部に対してプロディギオシン0.1〜10重量部が適当である。
【0016】本発明の組成物は、BTトキシンおよびプロディギオシンを一般に適当な担体、例えば、タルク、カオリン、ベントナイト、珪藻土等の固体担体または水等の液体担体と混合し、さらに、界面活性剤、安定化剤等を添加して、粉剤、水和剤、フロアブル剤、液剤等の任意の剤型として用いることができる。
【0017】本発明の害虫防除方法において、上記のようにして得られた殺虫製剤は、対象害虫、好ましくはヤガ科昆虫の幼虫の存在する環境、好ましくは作物に、噴霧、散布、スプリンクラー等により適用することができる。BTトキシンとプロディギオシンは別々の製剤として適用することもできる。その場合、BTトキシンとプロディギオシンは各々上記のような製剤に処方することができる。使用比も上記同様、プロディギオシンがBTトキシンの殺虫活性を増強するのに有効な割合で用いることができる。具体的には、BTトキシン1重量部に対してプロディギオシン0.1〜10重量部が用いられる。ヘクタール当たりBTトキシンの量にして約10〜100g適用される。また、BTトキシンを発現するよう形質転換された組換え植物に対して、プロディギオシンを適用することもできる。
【0018】以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】[参考例]1.プロディギオシンの調製 PG寒天培地(0.5%バクトペプトン、1.0%グリセロール、1.5%寒天)500mlをバットに流し込み、この寒天培地上でプロディギオシン産生菌である Serratia marcescens ATCC274株を30℃、48時間培養した。培地上の培養菌体に40mlの生理食塩水を加え集菌した。培養菌体を6,000rpmで15分間遠心分離した後、上清を捨て、エタノール30mlを加えて、マグネティックスターラーで攪拌抽出した。遠心分離後、抽出液を濃縮し、シリカゲル薄層クロマトグラフィーで分離した。得られた各画分をアセトンで抽出し、精製プロディギオシンとした。
【0019】2.CryIAb、CryIAc、CryICおよびCryIFのクローニング BTトキシン、CryICをV. Sanchisらの方法(Molecular Micrlbiology 2(3): 393-494 (1988))に従って、クローニングした。すなわち、上記文献に記載のBacillus thuringensisaizawai 7.29株およびBacillus thuringensis entomocidus 601株をLB培地またはLB寒天培地(1.8%寒天)において30℃で培養した。これらの菌株から総DNAをKlier ら(Eur. J. Biochem. 36: 317-327 (1973))の方法に従って精製した。Bacillus thuringiensis aizawai 7.29株より6.6kb PstI DNA断片(以下pHTA6と称する)を調製した。同様に、Bacillus thuringiensis entomocidas 601株由来の6.6kb PstI DNA断片(以下pHTE6と称する)を得た。pHTA6の3kb HindIII-PstI DNA断片をpUC9ベクターに連結して、pHT71を構築した。次に、pHTE6の1.1kb HindIII-HincII DNA断片とpHTA6由来の1.9kb HincII-PstI断片を融合して、上記同様の3kb HindIII-PstI DNA断片を有するpHT671を構築した。これらのベクターを用いて、大腸菌JM83株、JM109株およびHB101株を形質転換した。得られた形質転換体は、100μg/mlのアンピシリンと5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-D-ガラクトシド(X-gal)およびイソプロピル-β-D-チオガラクトシド(IPTG)を含むLB寒天培地上で、37℃において選抜した。AmpRプラスミドを保持する形質転換体は100μg/mlのアンピシリンを含むLB培地で37℃で培養した。プラスミドの抽出はBirnboim ら(Nucl. Acids Res. 7: 1513-1523 (1979))に記載のラピッドアルカリ変法によって行った。
【0020】上記と同様にして、CryIAb(Wabiko, H. et al., DNA 5: 305-314 (1986))、CryIAc(Adang, M.J. et al., Gene 36: 289-300 (1985))およびCryIF(Chambers, J.A. et al., J. Bacteriol. 173: 3966-3976 (1991))を得た。
【0021】[比較例1]参考例1で得られた4種類のBacillus thuringiensis δ−エンドトキシン、CryIAb、CryIAc、CryICおよびCryIFならびに4種類の市販のBTトキシン剤のハスモンヨトウおよびヨトウガ幼虫に対する殺虫活性を比較した。市販のBTトキシン剤としては、ダイボール(住友化学工業株式会社製)、バシレックス(塩野義製薬株式会社製)、トアロ−CT(東亞合成株式会社製)およびチューリサイド(株式会社エス・デー・エスバイオテック製)を用いた。
【0022】各検体の所定量を人工飼料(Asano, S. et al. Appl. Entomol. Zool. 28: 513-524 (1993))に混合して、各1令幼虫に与え、7日後の致死率からLC50を算定した。LC50は各検体を2回または3回試験した平均値より算定した。結果を表1に示す。
【0023】表1より、4種類のBTトキシンのハスモンヨトウに対する殺虫活性はCryIFとCryICで高かったが、ヨトウガに対してはCryICが最も高かった。また、4種類の市販のBT剤のハスモンヨトウに対する殺虫活性は、ダイボール、バシレックスおよびチューリサイドでほぼ同程度であった。ヨトウガに対してはバシレックスが他より高い傾向を示した。しかし、CryICの活性に比べると1/20から1/36と低かった。
【0024】
【表1】

【0025】[比較例2]プロディギオシンの0.5から0.8μg/g餌を比較例1で用いた人工飼料に混合して、ハスモンヨトウ、コナガおよびコカクモンハマキふ化幼虫に7日間与えた時の殺虫率を調べた。試験は1区50頭で2回行った。(計100頭を用いた。)結果を表2に示す。
【0026】2〜8μg/g餌のプロディギオシンはコナガに対して36〜90%の殺虫率を示したが、ハスモンヨトウおよびコカクモンハマキに対しては、最高濃度の8μg/g餌でもほとんど殺虫活性は認められなかった。
【0027】
【表2】

【0028】[実施例1]CryIC 0.75〜12μg/g餌にプロディギオシン1μg/g餌を混合してハスモンヨトウふ化幼虫に7日間与えた時の殺虫率を調べた。試験は1区50頭で3回行った。結果を表3に示す。
【0029】ハスモンヨトウに対する殺虫率はCryIC単独使用区に比べ、CryICにプロディギオシンを添加した区で明らかに高くなり、両者の混合に相乗効果があることが示された。なお、プロディギオシンの1μg/g餌の単独使用では殺虫活性はみとめられなかった。
【0030】
【表3】

【0031】[実施例2]CryIC 3, 6および12μg/g餌にプロディギオシン0.125, 0.25, 0.5, 1および2μg/g餌を混合して、ハスモンヨトウふ化幼虫に7日間与えた時の殺虫率を調べた。試験は1区50頭で2回行った。結果を表4に示す。
【0032】CryIC 3, 6および12μg/g餌の単用区における殺虫率はそれぞれ4, 14および50%であったが、CryICとプロディギオシンの量が増大するのに対応して著しく殺虫活性の増進することが示された。CryIC単独およびCryICとプロディギオシンの混合物のLC50をグラフ(対数−確率紙)から算定し、これをもとにCryIC単独に対する殺虫活性率をみると、プロディギオシンを2μg/g餌の割合で添加した場合の活性はCryIC単独の活性の3.7倍に高められることが示された。
【0033】
【表4】

【0034】
【発明の効果】本発明は、BTトキシンおよびプロディギオシンを含有する殺虫組成物を提供する。本発明の組成物は、BTトキシンに対する感受性が低いヨトウムシ類に有効である。プロディギオシンとの併用により、BTトキシンの殺虫活性が増強されるため、BTトキシンの使用量を抑えることができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年2月9日(1999.2.9)
【代理人】 【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志 (外1名)
【公開番号】 特開2000−229803(P2000−229803A)
【公開日】 平成12年8月22日(2000.8.22)
【出願番号】 特願平11−31180