| 【発明の名称】 |
抗菌性物品及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】金刺 隆伸
【氏名】佐藤 順一
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| 【要約】 |
【課題】抗菌材が拡散されにくい素材からなる物品の表面に十分な抗菌効果を持たせる。
【解決手段】チタン、チタン合金あるいは合成樹脂からなる物品本体1の表面に、透明な樹脂中に多数のガラス微粒子5を混入させてなるものを塗布し、次いで加熱処理を施すことにより、物品本体1の表面に、透明樹脂層3中にガラス微粒子5を分散させてなる被膜を形成する。次に、この被膜の表面に銀や銅等からなる抗菌材4を含む液体を塗布し、次いで加熱処理を施すことにより、ガラス微粒子5内に抗菌材4を拡散させ、抗菌性被膜2を形成する。ところで、チタン、チタン合金あるいは合成樹脂からなる物品本体1の場合には、その表層部内に抗菌材4を拡散させにくいが、ガラス微粒子5の場合には、その内部に抗菌材4を十分に拡散させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 抗菌材が拡散されにくい素材からなる物品本体の表面に、抗菌材の拡散された微粒子を含む抗菌性被膜が形成されていることを特徴とする抗菌性物品。 【請求項2】 請求項1記載の発明において、前記微粒子はガラス微粒子であることを特徴とする抗菌性物品。 【請求項3】 請求項1記載の発明において、前記微粒子は金属微粒子であることを特徴とする抗菌性物品。 【請求項4】 請求項1記載の発明において、前記微粒子はガラス微粒子及び金属微粒子であることを特徴とする抗菌性物品。 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載の発明において、前記微粒子は着色微粒子を含んでいることを特徴とする抗菌性物品。 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記抗菌性被膜の表面の一部に装飾層が設けられていることを特徴とする抗菌性物品。 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記物品本体と前記抗菌性被膜との間の少なくとも一部に装飾層が設けられていることを特徴とする抗菌性物品。 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記物品本体の素材はチタン、チタン合金あるいは合成樹脂であることを特徴とする抗菌性物品。 【請求項9】 ガラス微粒子とガラス繊維とのうち少なくとも一方が混入された合成樹脂によって物品本体が形成され、この物品本体の表層部内に分散された前記混入物内に抗菌材が拡散されていることを特徴とする抗菌性物品。 【請求項10】 抗菌材が拡散されにくい素材からなる物品本体の表面に、抗菌処理可能な微粒子を含む被膜を形成し、この被膜の表面に抗菌材を含む液体を塗布して加熱することにより、前記微粒子内に前記抗菌材を拡散させることを特徴とする抗菌性物品の製造方法。 【請求項11】 ガラス微粒子とガラス繊維とのうち少なくとも一方が混入された合成樹脂によって物品本体を形成し、この物品本体の表面に抗菌材を含む液体を塗布して加熱することにより、前記物品本体の表層部内に分散された前記混入物内に前記抗菌材を拡散させることを特徴とする抗菌性物品の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は抗菌性物品及びその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】最近では、ステンレスやアルミニウム等の金属、ガラスあるいはセラミックスからなる物品の表面に抗菌処理を施す方法が知られている(特開平10−15041号公報参照)。この抗菌処理方法では、銀や銅等からなる抗菌材を含む液体を物品の表面に塗布して加熱することにより、物品の表層部内に抗菌材を拡散させるようにしている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のこのような抗菌処理方法では、物品の金属素材がステンレスやアルミニウムである場合には、十分な抗菌効果を得ることができるが、チタンまたはチタン合金である場合には、物品の表層部内に抗菌材が拡散されにくく、十分な抗菌効果を得ることができないということが分かった。また、物品の素材が合成樹脂である場合も、同様である。この発明の課題は、抗菌材が拡散されにくい素材からなる物品の表面に十分な抗菌効果を持たせることである。 【0004】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係る抗菌性物品は、抗菌材が拡散されにくい素材からなる物品本体の表面に、抗菌材の拡散された微粒子を含む抗菌性被膜を形成したものである。請求項9記載の発明に係る抗菌性物品は、ガラス微粒子とガラス繊維とのうち少なくとも一方が混入された合成樹脂によって物品本体が形成され、この物品本体の表層部内に分散された前記混入物内に抗菌材が拡散されているものである。請求項10記載の発明に係る抗菌性物品の製造方法は、抗菌材が拡散されにくい素材からなる物品本体の表面に、抗菌処理可能な微粒子を含む被膜を形成し、この被膜の表面に抗菌材を含む液体を塗布して加熱することにより、前記微粒子内に前記抗菌材を拡散させるようにしたものである。請求項11記載の発明に係る抗菌性物品の製造方法は、ガラス微粒子とガラス繊維とのうち少なくとも一方が混入された合成樹脂によって物品本体を形成し、この物品本体の表面に抗菌材を含む液体を塗布して加熱することにより、前記物品本体の表層部内に分散された前記混入物内に前記抗菌材を拡散させるようにしたものである。そして、請求項1または10記載の発明によれば、抗菌材が拡散されにくい素材からなる物品本体の表面に、抗菌材の拡散された微粒子を含む抗菌性被膜を形成しているので、抗菌材が拡散されにくい素材からなる物品の表面に十分な抗菌効果を持たせることができる。また、請求項9または11記載の発明によれば、ガラス微粒子とガラス繊維とのうち少なくとも一方が混入された合成樹脂によって物品本体を形成し、この物品本体の表層部内に分散された前記混入物内に抗菌材を拡散させているので、合成樹脂からなる物品の表面に十分な抗菌効果を持たせることができる。 【0005】 【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1実施形態における抗菌性物品の一部の断面図を示したものである。この抗菌性物品は、チタン、チタン合金あるいは合成樹脂からなる物品本体1の表面に抗菌性被膜2が形成された構造となっている。抗菌性被膜2は、物品本体1の表面に形成された透明樹脂層3中に、内部に抗菌材4が拡散されたガラス微粒子5を分散させたものからなっている。この場合、ガラス微粒子5のほぼ半分は透明樹脂層3の表面から突出されている。抗菌材4は、銀、銅、銀−銅合金、有機銀化合物、有機銅化合物、塩化銀、硫化銀、酸化銀、硫酸銀、塩化第一銅、塩化第二銅、硫化第一銅、硫化第二銅、酸化第一銅、酸化第二銅、硫酸第一銅、硫酸第二銅のうちのいずれか1種または2種以上のものからなっている。 【0006】次に、この抗菌性物品の製造方法の一部について、つまり抗菌性被膜2の形成方法について説明する。まず、透明樹脂層3を形成するための透明な樹脂中に多数のガラス微粒子5を混入させたものを用意する。次に、この用意したものを物品本体1の表面にスプレー法やディップ法等により塗布し、次いで加熱処理を施すことにより、図2に示すように、物品本体1の表面に、透明樹脂層3中にガラス微粒子5を分散させてなる被膜2aを形成する。次に、図3に示すように、抗菌材4を含む液体6が収容された容器7を用意する。抗菌材4を含む液体6は、抗菌材4からなる微粒子を水や有機溶媒中に分散あるいは溶解させたものである。次に、容器7内の液体6中に、被膜2aを有する物品本体1を全体的に浸漬し、特に被膜2aの表面に抗菌材4を含む液体6を塗布する。次に、物品本体1を容器7内から取り出し、加熱処理を施すと、被膜2aの表面に塗布された液体6中の抗菌材4がガラス微粒子5内に拡散され、図1に示すように、抗菌性被膜2が形成される。次に、抗菌性被膜2の表面等を洗浄する。 【0007】ところで、ガラス微粒子5の場合には、その内部に抗菌材4を十分に拡散させることができる。したがって、チタン、チタン合金あるいは合成樹脂からなる物品本体1の表面に、透明樹脂層3中に抗菌材4の拡散されたガラス微粒子5を分散させてなる抗菌性被膜2を形成すると、チタン、チタン合金あるいは合成樹脂からなる物品本体1の表面に十分な抗菌効果を持たせることができる。 【0008】次に、図4はこの発明の第2実施形態における抗菌性物品の一部の断面図を示したものである。この抗菌性物品において、図1に示すものと異なる点は、透明樹脂層3中にガラス微粒子5及び抗菌処理可能な金属微粒子11を分散させ、これらの微粒子5、11内に抗菌材4を拡散させた点である。このようにすると、抗菌性被膜2に金属感を持たせることができ、物品本体1の素材が合成樹脂である場合に特に有効である。なお、金属微粒子11としては抗菌処理が困難なものであってもよい。また、透明樹脂層3中に抗菌処理可能な金属微粒子11のみを分散させるようにしてもよい。また、上記のいずれの場合においても、透明樹脂層3中にさらに顔料等からなる着色微粒子を分散させるようにしてもよい。 【0009】次に、図5はこの発明の第3実施形態における抗菌性物品の一部の断面図を示したものである。この抗菌性物品において、図1に示すものと異なる点は、抗菌性被膜2の表面の極一部に表面平坦化用の透明樹脂層12を形成し、この透明樹脂層12の表面に印刷により装飾層13を形成した点である。この場合、透明樹脂層12を抗菌性被膜2の表面の極一部に形成するのは、抗菌性被膜2の大部分を露出させるためである。 【0010】次に、図6はこの発明の第4実施形態における抗菌性物品の一部の断面図を示したものである。この抗菌性物品において、図5に示すものと異なる点は、透明樹脂層12(または透明樹脂層12及び3)に凹部を形成し、この凹部内に着色材14を埋め込むことにより、装飾層を形成した点である。 【0011】次に、図7はこの発明の第5実施形態における抗菌性物品の一部の断面図を示したものである。この抗菌性物品において、図1に示すものと異なる点は、物品本体1と抗菌性被膜2との間の極一部に装飾層15を設けた点である。この場合の装飾層15としては、印刷や塗装等によって形成された着色層であってもよく、またスパッタ、蒸着、イオンプレーティング、溶射等によって形成された金属層であってもよい。また、装飾層15を物品本体1と抗菌性被膜2との間の極一部に設けるのは、物品本体1の表面の大部分を透明な抗菌性被膜2を介して目視することができるようにするためである。なお、物品本体1の表面を目視できなくてもよい場合、或いは物品本体1の素材が合成樹脂である場合には、その表面全体に着色層または金属層からなる装飾層15を設けるようにしてもよい。 【0012】次に、図8はこの発明の第6実施形態における抗菌性物品の一部の断面図を示したものである。この抗菌性物品において、図1に示すものと異なる点は、物品本体1に、金属層17をスパッタ、蒸着、イオンプレーティング、溶射等によって形成するときに、金属材料の中に拡散抗菌処理可能な物質18を混入して、スパッタ、蒸着、イオンプレーティング、溶射等の際に、抗菌処理可能な物質18を物品本体表面に設けた点である。この場合、抗菌処理可能な物質としては、粒子状でなく、金属材料と溶融するような物質でもよい。 【0013】次に、図9はこの発明の第7実施形態における抗菌性物品の一部の断面図を示したものである。この抗菌性物品では、ガラス微粒子21が混入された合成樹脂によって物品本体22を形成し、この物品本体22の表面に抗菌材23を含む液体を塗布して加熱することにより、物品本体22の表層部内に分散されたガラス微粒子21内に抗菌材23を拡散させた構造となっている。この場合、物品本体22の表層部内に分散されたガラス微粒子21は露出している方が望ましい。なお、ガラス微粒子21の代わりにガラス繊維を用いてもよく、またガラス微粒子21及びガラス繊維の両者を用いてもよい。 【0014】次に、図10はこの発明を腕時計ケースに適用した場合の一例の要部の一部を拡大した断面図を示したものである。この腕時計ケース21は、チタンまたはチタン合金からなる腕時計ケース本体22の外面に、例えば図1に示す抗菌性被膜2が形成された構造となっている。なお、図7において符合23で示すものは時計ガラスであり、腕時計ケース21の上部にガラスパッキン24を介して取り付けられている。この場合、ガラス微粒子5を含む抗菌性被膜2は、抗菌効果を発揮するほかに、腕時計ケース本体21の外面に傷や指紋の油脂等が付着するのを防止する役目も持っている。 【0015】なお、この発明は腕時計ケースに限らず、時計バンド、ベゼル等の他の時計用外装部品に適用できるばかりか、電子手帳、ページャー、医療機器等のケースにも適用できる。 【0016】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1または10記載の発明によれば、抗菌材が拡散されにくい素材からなる物品本体の表面に、抗菌材の拡散された微粒子を含む抗菌性被膜を形成しているので、抗菌材が拡散されにくい素材からなる物品の表面に十分な抗菌効果を持たせることができる。また、請求項9または11記載の発明によれば、ガラス微粒子とガラス繊維とのうち少なくとも一方が混入された合成樹脂によって物品本体を形成し、この物品本体の表層部内に分散された前記混入物内に抗菌材を拡散させているので、合成樹脂からなる物品の表面に十分な抗菌効果を持たせることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001443 【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年11月17日(1998.11.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074985 【弁理士】 【氏名又は名称】杉村 次郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−154106(P2000−154106A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月6日(2000.6.6) |
| 【出願番号】 |
特願平10−342326 |
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